フォーカスシステムズ(4662)企業分析レポート
最終更新日: 2025-11-09
注記: 本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資勧誘・助言ではありません。数値は会社開示や市況データをもとに整理しています。
1. 企業情報
- 概要: 独立系のソフトウェア開発・ITサービス企業。官公庁・自治体向けの社会インフラ系システムに強みを持ち、開発から運用保守まで一気通貫で提供。エンタープライズ向け基幹・クラウド・ERP、通信制御・組込み、IoT・セキュリティ(暗号・デジタルウォーターマーク)などを展開。
- セグメント(単独事業・2025.3期の構成目安)
- 公共関連: 31(強み分野、安定受注)
- エンタープライズ: 28
- 広域ソリューション: 17(組込み・通信・AI等)
- イノベーション: 25(インフラ・自社製品・セキュリティ等)
- 特徴: 公共分野の受託開発を主力とし、保守・運用・セキュリティサービスを併営。独自の暗号技術・著作権保護ソリューションを保有。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 中堅の独立系SIer。公共領域の実績とセキュリティ技術が差別化要素。
- 競争優位性
- 官公庁・自治体向けの長期的な関係・案件実績
- セキュリティ(暗号・デジタルウォーターマーク)の技術蓄積
- 組込み/通信制御〜クラウド/ERPまでの幅広い対応力
- 課題
- IT人材の獲得・定着と人件費上昇への価格転嫁
- 受託型ビジネスの採算管理(低採算案件の抑制)
- 需要軟化局面や公共投資の変動の影響
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画24-26の骨子: 「発展・利益・還元サイクルの強化」
- 人的資本投資の継続(採用・育成)
- 高収益案件の比率増、業務効率化、価格転嫁の推進
- ERP/クラウド、RPA、AI、IoT・情報セキュリティ領域の強化
- 進捗(2026年3月期1Q)
- 売上+6.4%に対し、営業利益+167%、純利益+187.7%と収益性が大幅改善
- エンタープライズでERPアップセル、広域ソリューションで高収益案件シフト
- イノベーションは一次請け化で収益性改善(売上は一時減)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源: 受託開発+保守・運用支援(安定収益)。公共分野は長期運用・保守需要が見込め、景気変動耐性に寄与。
- 適応力: 低採算案件の抑制、価格転嫁、一次請け化、セキュリティや自社技術の割合増で粗利改善を志向。
- 主なリスク: 人材ひっ迫、単価・採算管理、公共投資の配分や政策動向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術領域: 通信制御(基地局等)ファーム、組込み(車載・医療・ウェアラブル)、クラウド/ERP、RPA、AI、IoT、暗号・デジタルウォーターマーク等。
- 収益ドライバー(直近)
- ERP/クラウド案件のアップセル
- 高収益案件へのシフトと価格転嫁
- セキュリティ・インフラ関連の一次請け強化
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 1,601円
- 時価総額: 約260.9億円
- 会社予想EPS: 124.35円 → 予想PER 約12.87倍
- 実績BPS: 943.41円 → PBR 約1.70倍
- 参考(トレーリング): 実績EPS 103.67円 → 実績PER 約15.4倍
- 配当: 予想54円(利回り約3.37%)、配当性向約40.5%
- ピア比較(業界平均): PER 23.2倍、PBR 2.3倍
- 同社はPER・PBRとも業界平均に対しディスカウント
- 参考EV倍率(概算)
- 現金約83.8億円、借入約20.2億円 → EV ≒ 197.3億円
- TTM売上 ≒ 330.6億円 → EV/S ≒ 0.60倍
- TTM EBITDA ≒ 29.3億円 → EV/EBITDA ≒ 6.7倍
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 50日移動平均 1,615.5円、200日移動平均 1,344.5円
- 現在値は200日線上・50日線付近(わずかに下回り)
- 位置づけ:
- 年初来高値 1,710円、安値 912円
- 現在は高値から約-6%の位置、年初来レンジ上半分
- モメンタム:
- 直近10日間は1,574〜1,619円のレンジで保ち合い気味
- 出来高は3カ月平均(約3.68万株)<—> 直近10日平均(約2.57万株)で減少傾向
- 信用動向:
- 信用買残 204,700株(前週比 -1,800)、売残 200株、信用倍率 1,023倍(売残極小に起因、解釈注意)
8. 財務諸表分析
- 売上成長(単独)
- 2022/3: 262.8億円 → 2023/3: 291.2億円 → 2024/3: 315.1億円 → 過去12か月: 325.6億円
- 3年CAGR ≈ 7.4%、LTM YoY ≈ +3.3%
- 収益性
- 営業利益: 2022/3 16.4億 → 2023/3 18.9億 → 2024/3 19.7億 → LTM 21.7億
- 営業利益率: おおむね6〜7%台(直近1Qは約10.2%と改善傾向)
- 純利益率: LTM ≈ 4.8%
- 効率・資本
- ROE(実績): 11.4%
- 自己資本比率: 67.2%(2025/3末)、1Q時点 65.1%
- 流動比率: 約212%
- D/E(総負債/自己資本): 約14.15%
- キャッシュ(1Q)
- 現金等 83.8億円、総資産 219.2億円、負債 76.6億円
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想
- 2025/3期: 年間42円
- 2026/3期会社予想: 年間54円(中間12円・期末42円)
- 配当性向: 予想約40.5%
- 自己株式: 発行株式の約7.2%を保有(過去の取得実績の蓄積とみられる)
- 方針: 中計に沿って利益成長と還元のバランス強化を掲げる(個別の追加施策は開示なし)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週騰落 +45.9%。中期は上昇、直近は高値圏での持ち合い。
- 出来高: 直近は平均を下回り、イベント待ちの様相。
- 需給: 信用買い優位(売残僅少により倍率が高止まり)。短期イベントでの値動きには注意が必要との見方が一般的。
11. 総評
- 事業: 公共・セキュリティを核に、ERP/クラウドや高付加価値案件の拡大で収益性改善が進展。直近1Qで営業利益率が二桁に乗るなど採算改善の兆し。
- 財務: 自己資本比率・流動比率ともに健全で、ネットキャッシュ基調。ROEは2桁。
- 成長: 売上は3年CAGR約7%で堅調。人材投資と一次請け化・価格転嫁が持続すれば、収益性の底上げ余地。
- バリュエーション: 予想PER・PBRとも業界平均に対し割安圏。配当利回りは約3.4%。
- テクニカル/需給: 年初来高値圏でのもみ合い。50日線近辺での攻防。信用需給は偏りがあり短期的なブレに留意。
12. 企業スコア
(S高評価 — D低評価、欠損はB、特殊要因は除外)
– 成長性: A
– 根拠: LTM売上YoY約+3%、3年CAGR約+7.4%で増収基調。1Qも+6.4%。
– 収益性: B
– 根拠: 通期の営業利益率は6〜7%台だが、直近1Qは約10%へ改善。通期持続が確認できれば上方余地。
– 財務健全性: A
– 根拠: 自己資本比率67%、流動比率約212%、D/E約14%と保守的。
– 株価バリュエーション: A
– 根拠: 予想PER約12.9倍・PBR約1.7倍と、業界平均(PER23.2倍、PBR2.3倍)に対しディスカウント。EV/EBITDAも概算6.7倍と抑制的。
参考データ
– 株価レンジ: 912〜1,710円(52週)
– 直近決算(2026/3期1Q・単独)
– 売上 85.1億円(+6.4%)
– 営業利益 8.64億円(+167%)、営業利益率 ≈10.2%
– 四半期純利益 6.60億円(+187.7%)
– 会社通期予想(2026/3)
– 売上 332.5億円(+2.1%)
– 営業利益 26.6億円(+22.5%)
– 純利益 18.8億円(+20.0%)、EPS 124.3円
– 配当予想: 年間54円(利回り約3.37%)
企業情報
| 銘柄コード | 4662 |
| 企業名 | フォーカスシステムズ |
| URL | http://www.focus-s.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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