8008 ヨンドシーホールディングス 分析レポート
株価: 1,720円(2025-11-07終値)
市場: 東証プライム/小売業
時価総額: 418.5億円
1. 企業情報
- 概要
- ジュエリーブランド「4℃」を核に、ジュエリーの企画・製造・小売(SPA)を展開。加えて、実用・カジュアル衣料(デイリーファッション「パレット」等)の製造・卸・小売、高級ブランド腕時計のリユース販売(㈱羅針)も手掛ける。国内外で店舗・ECを運営し、不動産賃貸等も補完事業として保有。
- 連結事業構成(2025.2期)
- ブランド事業 47%(営業利益率 約7%台)/アパレル事業 53%(営業利益率 約4~6%台)
- 従業員 1,076名、平均年齢 38.8歳、平均年収 527万円
- 近年のトピック
- 「4℃」のMD(商品構成)改革、価格政策見直し
- 腕時計リユースの取扱い強化・旗艦店出店(新宿店等)
- アパレルは海外生産基盤を活かした受注拡大・既存店強化
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- ジュエリー中核ブランドとしての知名度が高く、全国SC・百貨店を軸に幅広い顧客層をカバー。リユース高級時計は専門性・在庫力を背景に成長。アパレルはデイリー領域で価格競争下でも一定の調達力を持つ。
- 競争環境
- ジュエリー:国内同業(ツツミ、ヴァンドーム、アガット等)や百貨店ブランド、EC台頭と競争。中価格帯は消費マインドの影響を受けやすい。
- リユース時計:コメ兵、Valuence等と競合。真贋・供給確保・在庫回転が鍵。
- デイリーアパレル:しまむら、Honeys、アダストリア等と価格・MD・在庫最適化で競争。
- 課題
- 中間層の節約志向で中価格帯の需要変動、在庫適正化、のれん償却やブランド整理などの一過性負担管理。
3. 経営戦略と重点分野
- 中計(第7次)2年目の重点
- 顧客価値向上(「4℃」のMD・価格政策再構築、接客・ECの強化)
- 成長基盤構築(腕時計リユースの品揃えと店舗戦略強化、アパレルの海外生産と受注拡大)
- サステナブル経営・内部統制強化
- 株主還元の継続と中長期成長投資
- KPI
- のれん償却前営業利益を重視(中間期 17.48億円、前年 10.83億円)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- ジュエリーSPA(粗利率は相対的に高め)、リユース高級時計(在庫回転・価格決定力が鍵)、デイリーアパレル(ボリューム型で薄利多売の色彩)。
- 持続性評価
- 二極化する消費環境下で、富裕層向け高額品(リユース時計)とギフト・自家需要(4℃)の両にらみ。アパレルは生産・在庫の機動力がリスク吸収に寄与。需要変動・在庫肥大・為替/原材料の影響に留意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営上の独自性
- ジュエリーのMD改革(デザイン・価格最適化)、サプライチェーン管理、真贋鑑定と在庫最適化(リユース)。
- 収益牽引
- 「4℃」の基幹ライン、イベント/ギフト需要期の限定商品
- 腕時計リユース(旗艦店効果・商品ライン拡充)
- アパレルの海外生産・OEM/自社PBの受注
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 1,720円、EPS(会社予想)74.52円、BPS 1,825.74円
- 指標と比較
- PER(予想): 23.1倍(=1,720/74.52)→ 業界平均 21.3倍をやや上回る
- PBR(実績): 0.94倍(=1,720/1,825.74)→ 業界平均 1.8倍を大きく下回る
- EV/S(LTM): 約1.07倍(EV≈556.6億円、売上≈518.7億円)
- 配当利回り(予想): 4.83%、予想配当性向(単純計算): 約111%(83円/74.52円)
- 参考計算
- 業界平均PER適用の理論株価(単純比較): 約1,590円(=74.52×21.3)
- BPS×業界平均PBRの単純比較は参考性が限定的(ROE水準の差が大きいため)
7. テクニカル分析
- トレンド
- 10日間で緩やかな下落基調(高値切り下げ)。直近終値 1,720円は50日線 1,733.6円、200日線 1,767.2円をいずれも下回る。
- 位置
- 年初来レンジ 1,640~1,932円の下限寄り(下限から約+5%)。モメンタムは弱め。
- 需給
- 信用倍率 3.27倍、信用買残は前週比+10.5千株。出来高は3カ月平均(約10.5万株)を下回る日が多い。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(億円): 2022/381 → 2023/395 → 2024/395 → 2025/459 → LTM/519(増収基調、3年CAGR約+11%)
- 収益性
- 粗利率(LTM): 約39~40%
- 営業利益(億円): 2022/17.9 → 2023/19.8 → 2024/21.0 → 2025/19.6 → LTM/19.7(営業利益率約3~4%で横ばい)
- 当期純利益(億円): 2022/14.9 → 2023/11.5 → 2024/13.0 → 2025/13.8 → LTM/12~15(資料により差異)
- ROE実績 3.55%、ROA LTM 2.37%(低水準)
- 安全性・流動性
- 自己資本比率 58.5%、D/E(総有利子負債/自己資本)約40%、流動比率 165%(健全域)
- 現金同等物 16.9億円、有利子負債 155億円(ネット有利子負債はプラス)
- キャッシュフロー
- 営業CF(直近12カ月)約6.0億円、在庫・売上債権の増で伸び悩み
- レバードFCF −63.8億円(投資・運転資本の影響が大)
- セグメント(2026/2期上期)
- 売上: ブランド1,985億円/アパレル1,263億円(百万円表示)
- 利益: ブランド89.3億円/アパレル79.1億円(調整後、連結営業利益112.4億円)
- のれん償却 △49.6億円、特損・ブランド整理費用の発生あり
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/2期 予想: 年間83円(中間41.5円、期末41.5円)
- 予想配当性向(単純): 約111%、トレーリング配当性向 約120%(データベース値)
- 自己株式
- 自己株式比率 約11%(2,682千株)。過去に取得実績がある水準。直近期の新規発表有無は短信上の記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近はレンジ下限寄りでの推移、移動平均線を下回り弱含み。
- 投資家関心
- β 0.17と市場連動性は低め。機関投資家保有約23%、内部者約11%。
- 信用買残の増加は短期需給の振れ要因。
11. 総評
- 収益構造は「ジュエリーSPA(4℃)+リユース高級時計+デイリーアパレル」の複合。売上は中計施策やリユース拡大で増勢。一方で営業利益率は3~4%台、ROEも3~4%台と低く、PBRが1倍を下回る評価につながっている。
- 財務は自己資本比率60%近辺と健全だが、運転資本増による営業CFの弱さ、レバードFCFのマイナスに注意。配当は利回りが高い反面、配当性向が100%超の期間が続いており、今後は利益水準・キャッシュ創出力の改善が焦点。
- バリュエーションはPERが業界平均をやや上回る一方、PBRは大幅に下回る「収益性と資産評価のミスマッチ」型。中計のMD改革・在庫回転改善・のれん償却負担の吸収が進み、ROE改善が示せるかが評価変化の要因となりやすい。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資助言を行うものではありません。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上+30%超、3年CAGR約+11%と増収基調。
- 収益性: C
- 粗利率は標準的だが、営業利益率3~4%、ROE約3.5%と低位。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率58.5%、流動比率165%、D/E約40%と健全域。
- 株価バリュエーション: B
- PERは業界平均超、PBRは大幅ディスカウント、EV/Sはおおむね中立圏。
参考データ
– 年初来高安: 1,640~1,932円
– 50日移動平均: 1,733.6円/200日移動平均: 1,767.2円
– 予想EPS: 74.52円、予想PER: 23.1倍、実績BPS: 1,825.74円、実績PBR: 0.94倍
– 予想配当: 年83円、予想配当利回り: 4.83%、予想配当性向(単純): 約111%
– 重要日程: 権利落ち予定日 2026-02-26(会社開示ベース)
企業情報
| 銘柄コード | 8008 |
| 企業名 | ヨンドシーホールディングス |
| URL | https://yondoshi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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