日本空調サービス(4658)企業分析レポート
株価(終値): 1,198円(2025-11-07)
市場区分: 東証プライム/サービス業
時価総額: 約428.7億円(発行済株式数 35,784,000株ベース)
1. 企業情報
- 事業概要
- ビル・工場等の建物設備に対する保守メンテナンス(点検・保守・修理・更新)が主力。省エネ提案、設備診断・評価、FM(ファシリティマネジメント)、リニューアル工事も一体で提供。
- 空調(HVAC)分野に強み。医薬品・医療等の高規制分野向けにクリーンルームのバリデーションサポート、環境測定(放射線量測定、排水中放射性物質濃度測定)など専門性の高い付加価値サービスを展開。
- 海外はアジア中心に6カ国へ展開。
- 収益構成(2025.3期 連結)
- 建物設備メンテナンス 62%
- 建物設備工事 38%
- 従業員等
- 連結従業員数 2,210人、平均年齢 40.3歳、平均年収 658万円
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 独立系の建設設備メンテナンス大手。空調保守・環境制御に強みを持ち、リニューアル工事まで一気通貫で提供できる点が差別化要素。
- 顧客接点(現場常駐・定期訪問)と技術提案力を武器に、安定的な保守契約+更新・改修需要の取り込みを図るモデル。
- 競合・市場環境
- 競合はビル総合管理・FM各社(例:イオンディライト、日本管財HDなど)や、空調・設備工事系の専業各社。
- 市場は省エネ・脱炭素、労働安全衛生・品質規制対応(GMP 等)、老朽更新需要など構造的な後押しがある一方、人手不足と人件費上昇がコスト圧力に。
- 課題
- 労働集約性が高く、人材確保・育成と採算管理が収益性の鍵。工事は顧客の設備投資計画に左右されやすい。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/基本戦略(短信・説明資料要旨)
- 現場起点の顧客接点強化と技術・ソリューション提供により、保守契約の継続・拡大とリニューアル受注の獲得を両立。
- 2025年4月に平均5.7%のベースアップ実施など、人材投資を継続しサービス品質と付加価値を向上。
- 重点分野(中期的)
- 省エネ・省コスト提案の強化
- 医薬品製造施設のバリデーション支援、医療施設向け新たな空間除染手法の展開
- 太陽光発電関連工場向けの専用ソリューション
- 海外事業の拡大(アジア中心)
- 2026年3月期通期予想(会社計画)
- 売上高 660億円(前期比 +2.4%)
- 営業利益 42億円(同 +0.2%)
- 親会社株主純利益 31.5億円(同 +1.5%)
- 1株利益(EPS)91.10円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 定期メンテナンス契約によるストック収益(安定性)+リニューアル・工事のフロー収益(成長余地)のポートフォリオ。
- 持続性・適応力
- エネルギーコスト上昇・脱炭素ニーズ、設備の老朽化、GMP等の規制対応は中長期に需要下支え。
- IoT監視・遠隔保守、データドリブンな保全最適化など、技術の内製・標準化が進めばスケール効率の改善余地。
- リスク
- 人件費上昇・人手不足、工事需要の景気敏感性、資材価格・為替、規制変更の影響。
5. 技術革新と主力サービス
- 技術・独自性
- クリーンルームのバリデーション、医療・製薬の無菌環境対応、放射線・放射性物質測定など、規制対応領域での専門性が強み。
- 収益ドライバー
- 継続的なメンテナンス契約(62%)に加え、更新・リニューアル工事(38%)の付加価値提案が利益を押し上げ。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 現在株価: 1,198円
- 予想EPS: 91.06円 → 予想PER ≈ 13.16倍(業界平均 17.0倍比でディスカウント)
- 実績BPS: 805.9円 → PBR ≈ 1.49倍(業界平均 1.8倍比でディスカウント)
- 企業価値(EV)簡易試算
- 時価総額 約428.7億円、純有利子負債 ≈ 借入34.1億円 − 現金84.2億円 = −50.1億円
- EV ≈ 428.7 + 34.1 − 84.2 = 約378.6億円
- LTM売上(参考)約669億円 → EV/S ≈ 0.57倍(1倍未満で水準は控えめ)
- 配当利回り(予想): 3.84%、予想配当性向 ≈ 50.5%
総合的に、同業平均と比べてPER・PBRともに割安圏に位置。
7. テクニカル分析(短期)
- 位置取り
- 年初来高値 1,339円/安値 822円 → 現在値はレンジ中上位(高値からは約10%下)。
- 50日移動平均 1,263.6円 > 現在値、200日移動平均 1,114.7円 < 現在値。
- 評価: 中長期は上向き維持、短期は調整局面。
- モメンタム
- 直近10日で1,300円台からの反落。出来高は11/4・11/5に膨らんだ後、直近は減少気味(10日平均 13.9万株 > 当日 6.5万株)。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高推移: 498.9億円(2022)→ 528.9億円(2023)→ 582.3億円(2024)→ 過去12か月 644.4億円前後。
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+9%前後。LTM YoYも約+10%。
- 収益性(LTMベース、損益計算書より)
- 粗利率 ≈ 20.1%(12,958/64,438)
- 営業利益率 ≈ 6.5%(4,195/64,438)
- EBITDAマージン ≈ 7.5%(4,861/64,438)
- 中間期(2026/3期上期)営業利益率 ≈ 7.9%と改善傾向。
- 効率・資本収益
- ROE(実績)12.5%、ROA(参考)中位水準。
- 安全性
- 自己資本比率(期末実績)53.1%(中間期時点で60.3%)
- 流動比率 ≈ 202%
- 総借入 34.1億円、手元資金 84.2億円 → ネットキャッシュ
- 財務余力は高い水準。
- キャッシュフロー
- 期別CF詳細はデータ不足のため割愛。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/3期: 年間45円 → 2026/3期予想: 年間46円
- 予想配当性向 約50.5%、予想利回り 約3.84%(足元株価)
- 自社株
- 自己株式比率 約3.4%(期末)。新規の自己株買い方針は短信上、特段の記載なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +14.8%(市場平均をやや上回る)
- ベータ(5年): 0.25(市場連動性は低め)
- 信用動向
- 信用買残 14.1万株(前週比 +5.27万)、信用倍率 5.15倍。買い残の積み上がりは短期の需給変動要因になり得る一方、出来高規模からは過度な偏りは限定的。
11. 総評
- メンテナンスを基盤に、リニューアル・高付加価値ソリューション(GMP対応、除染、環境測定等)を組み合わせる安定成長モデル。人材投資を継続しつつ営業利益率は中期的に改善傾向。
- 財務体質はネットキャッシュ・高流動比率で健全。景気感応度の高い「工事」比率は約4割だが、ストック性の高い「メンテ」が6割で下支え。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で割安圏、EV/Sも0.6倍前後。短期チャートは50日線割れの調整基調だが、200日線上で中期の上昇トレンドは維持。
- 留意点は人件費上昇・人材確保、設備投資計画の変動、資材・為替など。規制対応・省エネ等の構造需要は追い風。
(本レポートは情報提供を目的とし、投資判断を推奨するものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上YoY +約10%、3年CAGR +約9%前後。
- 収益性: A
- 営業利益率 6〜8%台、同業平均をやや上回る水準(粗利率約20%)。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率 53%台(中間期60%)、流動比率 約200%、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション: A
- PER 13.2倍・PBR 1.49倍(業界平均 17倍・1.8倍を下回る)、EV/S ≈ 0.57倍。
参考データ
– 今期上期(2025/4–9)連結: 売上 294.0億円(+9.2%)、営業利益 23.1億円(+28.9%)
– 次回配当権利落ち予定日(会社開示): 2026-03-30
– 直近株価推移(10日): 1,313円高値から調整、足元1,198円、出来高は一服傾向
企業情報
| 銘柄コード | 4658 |
| 企業名 | 日本空調サービス |
| URL | https://www.nikku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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