日本ハム(2282)企業分析レポート
更新日:2025-11-10
株価:6,549円(終値)
1. 企業情報
- 概要:ハム・ソーセージ、加工食品、乳製品、食肉の生産から販売までを一貫展開する総合食品メーカー。国内食肉で首位、ハム・ソーセージでも最大手。海外事業やプロ野球関連のボールパーク事業も展開。
- 主なブランド・商材:
- 加工食品:SCHAU ESSEN(シャウエッセン)、中華名菜、石窯工房(ピザ)ほか
- 乳製品:チーズ、ヨーグルト
- 食肉:国内外での肥育・と畜・加工・流通・販売まで一貫
- 事業区分(連結売上構成目安):加工事業本部29%、食肉事業本部55%、海外関連(再編済)を加工・食肉に内包、ボールパーク約2%
- 特徴:川上(飼育)から川下(販売)までの垂直統合体制、国内トップシェアと強固なブランド力、ボールパークによる非食品収益の多角化
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内食肉の最大手、ハム・ソーセージでも最大級のシェアを保有。幅広いカテゴリで全国的な販売網を有し、原料調達力と供給安定性に強み。
- 競争優位性:
- 垂直統合(飼育・と畜・加工・物流・販売)によるコスト・品質・トレーサビリティの管理能力
- ナショナルブランドの認知度と製品開発力
- 海外(豪州牛など)の調達・生産体制
- 課題:
- 原材料(飼料、畜肉)価格や為替の変動感応度
- 北米加工事業の原料高・稼働率低下など収益性のバラツキ
- 国内少子高齢化に伴う需要構造変化、健康志向・高付加価値化への対応
3. 経営戦略と重点分野
- 体制再編:2025年4月に「海外事業本部」を廃止し、海外子会社を加工・食肉の各本部に再編。事業軸での管理と資源配分を明確化。
- 重点施策(足元):
- 食肉事業本部:国産鶏肉や豪州牛肉の生産・販売拡大、単価是正と収益性改善の継続
- 加工事業本部:北米の原料高対応、低採算品の整理、ブランド強化と商品ミックス改善
- ボールパーク事業:来場者増・イベント稼働による収益拡大と安定運営
- 通期見通し(会社予想、2026/3期):売上1.43兆円、事業利益590億円、親会社帰属利益340億円(EPS 349.40円)へ上方修正済み
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:食肉(量×単価×調達・生産効率)と加工食品(ブランド力×製品ミックス×製造効率)が二本柱。ボールパークが季節要因を持つ非連動収益を補完。
- 適応力:
- 価格改定・商品ミックス転換による原料高の転嫁・吸収
- 調達・生産の地理的分散(国内・豪州・北米)でのリスク分散
- 垂直統合・物流最適化によるコストコントロール
- リスク:畜産相場・飼料価格、為替、衛生・規制、北米稼働率、気象・イベント需要などの外部要因
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発:加工食品の食感・風味改良、保存・物流技術、HACCP等の衛生・品質管理、トレーサビリティ強化。フィードロット拡大や生産性向上施策を推進。
- 主力領域:
- 食肉事業が連結事業利益の中核(中間期:事業利益の約7割超を寄与)
- ボールパーク事業も高採算で利益貢献が拡大
- 加工事業はブランド力は強いが、北米の原料高・稼働課題で収益改善がテーマ
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価6,549円、EPS(会社予想)344.86円、BPS 5,449.72円、PER 18.99倍、PBR 1.20倍
- 相対比較(業界平均:PER 19.5倍、PBR 1.3倍)
- PER:18.99倍(業界平均比でややディスカウント)
- PBR:1.20倍(同じくややディスカウント)
- 簡易感応:
- 業界平均PER適用時の参考株価:344.86×19.5 ≒ 6,725円
- 業界平均PBR適用時の参考株価:5,449.72×1.3 ≒ 7,084円
- 補足:自社予想EPS×自社PERベースでは現状株価は概ね整合的。成長・収益性の持続が評価のカギ。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均 5,821円、200日移動平均 5,229円。現株価は両移動平均を上回る上昇トレンド。
- 位置:年初来高値 6,610円(直近高値更新)。現在は高値圏に位置。
- 出来高:3カ月平均 50.7万株に対し、直近10日平均 79.7万株と増加。11/4以降の材料(決算)で上昇と商い拡大。
- 参考水準:短期サポート候補 6,430〜6,440円帯(直近の押し目終値付近)。RSI等は未確認。
8. 財務諸表分析
- 売上成長:
- LTM売上:約1.37兆円(前年比+約5%)
- 3年CAGR:約+6%(2022/3期→LTM)
- 収益性(LTM目安):
- 粗利率:約16.1%(2023/3期14.1%→2024/3期15.6%→改善傾向)
- 営業利益率:4.6%前後(中間期の事業利益率5.0%)
- ROE(実績):5.06%(LTM指標6.22%)
- 営業・純利益推移(年度、IFRS連結):
- 営業利益:2022/3期 423億 → 2023/3期 110億 → 2024/3期 316億 → LTM 359億(回復基調)
- 親会社帰属純利益:2022/3期 480億 → 2023/3期 166億 → 2024/3期 281億 → LTM 266億
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF:約975億円、レバレッジドFCF:約645億円と潤沢
- 財務健全性:
- 自己資本比率:55.2%
- 流動比率:約191%
- D/E:約0.43、有利子負債 2,320億円
- セグメント(中間期):
- 事業利益:食肉 2,761億円(注:百万円表記で2,761.5)、ボールパーク 906.7、加工 217.0(百万円)。食肉の寄与が最大。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2025/3期 実績:年135円
- 2026/3期 会社予想:年156円(期末一括)、予想配当利回り約2.38%
- 配当性向:目安41.7%(予想ベース)
- 自己株式:期中に自己株式取得を実施(詳細金額は短信抜粋範囲外)。バランスシート上の自己株式残あり。
- 5年平均配当利回り:2.40%(安定配当志向と整合)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:決算(11/4)後に窓を開けて上昇し、年初来高値を更新。短期は上昇の勢いが継続。
- 信用動向:信用倍率0.23倍(売り長)。上昇継続時は踏み上げ要因となる一方、反落時の需給悪化には留意。
- 投資家層:機関投資家保有比率57.5%と比較的高い。出来高も直近増加し関心が高い。
11. 総評
- 事業面:国内最大級の垂直統合モデルが強み。食肉事業が牽引し、ボールパークが収益の多角化に寄与。加工事業の北米課題は残るが、商品ミックス・コスト対策で改善余地。
- 業績:売上は安定成長、利益は2023/3期の落ち込みから回復基調。中間期は単価是正・生産増で利益率改善。
- 財務:自己資本比率・流動比率とも健全でCF創出力も良好。
- バリュエーション:PER・PBRとも業界平均比で小幅ディスカウント。足元の上昇により高値圏だが、通期見通し上方修正と利益回復が評価背景。
- 留意点:原料・為替の外部環境、北米工場の稼働・採算、需給(信用売り長)とイベント(決算・配当権利)による短期変動。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY+約5%、3年CAGR+約6%と堅調。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率・営業利益率は業界水準並み、回復途上。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率55%、流動比率約191%、D/E約0.43と健全。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PER・PBRとも業界平均並み〜小幅ディスカウント。赤字ではなくPER評価可能。
【補足データ】
– 時価総額:約6,490億円
– 発行済株式数:99,095,004株
– ROE(実績):5.06%
– 今後の主なイベント:
– 決算発表予定:2026-01-30
– 配当権利落ち予定日:2026-03-30
本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。最新の会社開示(決算説明資料等)も併せてご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 2282 |
| 企業名 | 日本ハム |
| URL | http://www.nipponham.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 食品 – 食料品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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