東亜建設工業(1885)企業分析レポート

株価:2,385円(2025-11-10終値)
市場:東証プライム
セクター/業種:Industrials/建設業
時価総額:2,107億円

1. 企業情報

  • 概要:海上土木を祖業とする準大手ゼネコン。港湾・浚渫・埋立などの海洋土木に強みを持ち、国内の陸上土木・建築、海外(主に東南アジア)にも展開。公共インフラ(港湾、鉄道、道路、上下水道、空港等)から民間の倉庫・物流施設、再生可能エネルギー関連施設まで幅広く手掛ける。機械リースやコンサルティング、不動産・PFIも。
  • 事業構成(連結、売上構成/セグメント利益率の目安):
    • 国内土木 43%(利益率:一桁中盤)
    • 国内建築 33%(利益率:一桁前半〜中盤)
    • 海外 20%(利益率:一桁前半)
    • その他 4%
  • 特徴:自社保有の海洋工事船や浚渫・ケーソン据付等の専門的施工力、海外ODA案件の実績、手持工事(受注残)による売上の視認性。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:海洋土木に強い準大手の一角。港湾・浚渫分野で専門性の高い施工力を武器に、国内外の大型案件を獲得。
  • 競争優位性
    • 専業性:海洋土木での長年の実績と保有船舶・施工ノウハウ。
    • 案件多様性:国内公共+民間、海外ODAのバランス。
    • 手持工事:受注残5,350億円(個別ベース、前年同期比+7.5%)と厚み。
  • 課題
    • 資機材・労務費の上昇による採算圧力。
    • 海外案件の為替・地政学・契約リスク。
    • 技術者確保(人手不足)と賃上げ対応。

(定量的な市場シェアは開示なし)

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期経営計画(2023–2025年度)の重点
    • 部門間連携の強化(海洋×陸上×建築×海外)。
    • 新規事業の推進(再エネ関連施設等の需要取り込み、PFI/不動産の活用)。
    • 人材施策(働き方・安全・生産性向上、社員幸福度向上)。
  • 直近進捗(2026/3期1Q)
    • 売上+22%、営業利益+270%(前年同期比)。海外売上は+62%と伸長、一方で受注は施工優先で抑制。
    • 手持工事は5350億円まで積み上がり、安定的な稼働を確保。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:受注生産型(工事進行基準中心)。大型港湾・物流施設の継続的需要、国土強靭化・防災関連、民間物流投資、海外ODAが需要源。
  • 受注残の厚み:バックログ/年商(LTM売上3455億円)≈ 1.6倍と、短中期の売上視認性は相対的に高い。
  • 適応力:コスト上昇局面では入札時の価格反映と工期・設計管理が鍵。海外は案件選別・為替マネジメントが重要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:浚渫・埋立・大型ケーソン据付など海洋土木の専門施工力、保有機械・船舶運用力。設計・計画・施工・維持管理まで一貫対応。
  • 収益牽引領域:国内の大型港湾・物流施設、国内建築(倉庫・医療・住宅等)、海外の海上土木。再生可能エネルギー関連(発電施設等)の工事にも対応。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:2,385円
  • 指標と計算(概算)
    • PER(予想):15.16倍(EPS予想158円)
    • PER(実績LTM):約12.7倍(EPS LTM約188円)
    • PBR:1.84倍(BPS 1,304.9円)
    • EV/EBITDA:約7.4倍(EV約2,043億円=時価総額2,107億円−正味現金約64億円、EBITDA LTM約276.5億円)
    • EV/Sales:約0.59倍(売上LTM約3,455億円)
    • 配当利回り(予想):約3.2%(年76円、配当性向約40%)
  • 業界平均との比較(参考)
    • 業界平均PER:14.0倍、PBR:1.1倍
    • 同社はPBRは上回り、PERは実績ではやや下、予想ではやや上のレンジ。EV/Sは低位水準。

7. テクニカル分析(短期)

  • トレンド:株価2,385円は50日線2,183円、200日線1,670円を上回る上昇トレンド内。年初来高値2,560円から約−6.8%。
  • ボラティリティ:直近10日で2,560→2,281→2,385と上下に振れる展開。10日平均出来高は3ヶ月平均を上回り、売買活況。
  • 位置付け:高値圏からのスピード調整後、移動平均上でのもみ合い。信用買い残増・倍率13.44倍と、短期的な需給の偏りには留意。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益の推移(連結)
    • 売上高:FY22 2,198億円 → FY23 2,136億円 → FY24 2,838億円 → LTM 3,455億円
    • 営業利益:FY22 98.7億円 → FY23 65.6億円 → FY24 172.3億円 → LTM 206.2億円
    • 当期純利益:FY22 73.9億円 → FY23 48.4億円 → FY24 105.2億円 → LTM 170.2億円
  • 収益性
    • 粗利率:LTM 約11.4%(粗利394億円/売上3,455億円)
    • 営業利益率:LTM 6.19%
    • EBITDAマージン:LTM 約8.0%
    • ROE:実績14.75%(LTM参考17.3%)、ROA:LTM 5.65%
  • 安定性・資本構成
    • 自己資本比率:35.6%(1Q末34.8%)
    • 流動比率:1.40倍
    • 総有利子負債:434億円/現金等:498億円 → 正味現金約64億円(ネットキャッシュ)
    • D/E(簿価):約41.7%
  • キャッシュフロー:四半期CF計算書は未作成注記。短期借入金減少と現預金増加を確認。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間76円(中間38円・期末38円)予定。予想配当性向約40%。
  • 連続性:前期実績も76円。安定配当方針を示唆。
  • 自己株式:期末自己株式9,204,340株(発行株式の約10.5%)。直近の増減は開示ベース不明(保有水準は株主還元や資本政策の一環とみられる)。
  • 株式分割:2024年3月28日に4:1実施。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+142.9%。低β(5年)−0.18ながら、個別要因で上昇。
  • 出来高:直近10日平均は3ヶ月平均を上回り、イベントドリブンの関心上昇局面。
  • 需給:信用買い残増(倍率13.44倍)、短期的な反動に注意が必要な需給構造。
  • ファンダ要因:手持工事の積み上がり、1Qの収益性改善。リスクは資機材・労務費上昇、為替、海外採算。

11. 総評

  • 海洋土木の専門性と厚い受注残により、売上の視認性と収益改善が確認できる。LTMで売上・利益ともに伸長し、営業利益率は6%台、ROEも2桁台。ネットキャッシュで財務面も一定の余力。
  • 一方、2026/3期の通期予想は営業利益・純利益が減益計画(保守的想定やコスト上昇・海外採算を織り込む)。短期的には高値圏での調整と信用需給の偏りがボラティリティ要因。
  • バリュエーションはPBR・予想PERで業界平均をやや上回る一方、EV/Sや実績PERは相対的に落ち着いた水準。受注残と収益性改善の持続が注目点。

(注)本資料は公表データの整理であり、投資勧誘・助言を目的とするものではありません。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+20%超、3年CAGRおおよそ+15%程度、EPSも伸長。
  • 収益性:A
    • 根拠:営業利益率6.2%、EBITDAマージン8%前後、ROE二桁台(業界水準比で良好)。
  • 財務健全性:B
    • 根拠:自己資本比率35〜36%(40%に届かず)、流動比率1.4倍、ネットキャッシュ。総合して中立〜良好。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:予想PERは業界平均>、実績PERは同程度以下、PBRは上回る、EV/S低位。総合で中立評価。

参考データ(要点)

  • LTM売上:3,455億円/LTM営業利益:206億円/LTM純利益:170億円
  • 受注残:5,350億円(個別)
  • 通期予想(2026/3):売上3,350億円、営業利益180億円、純利益125億円、EPS158.5円
  • 配当:年76円(利回り約3.2%)
  • 指標:予想PER15.2倍、PBR1.84倍、EV/EBITDA約7.4倍、EV/S約0.59倍

(不明項目は記載を省略しています)


企業情報

銘柄コード 1885
企業名 東亜建設工業
URL http://www.toa-const.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 建設・資材 – 建設業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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