1. 企業情報
株式会社サイバー・バズは、主にソーシャルメディアマーケティング(SMM)事業を展開する企業です。具体的には、インスタグラマーをはじめとするインフルエンサーを活用したPR動画投稿サービスや、企業のSNSアカウント運用代行、インターネット広告販売などを行っています。化粧品やトイレタリー分野でのマーケティング支援に強みを持っています。
事業セグメントはSMM事業が全体の売上の約94%を占め、その他に1対1対話型のライブ配信プラットフォーム事業(約5%)、SNSマーケティング人材支援などのHR事業を含むその他事業(約1%)を展開しています(2024年9月期実績)。
東京証券取引所グロース市場に上場しており、東京都渋谷区に本社を置いています。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は「サービス業」のうち「広告代理店」に分類され、特にソーシャルメディアマーケティングに特化した事業モデルを構築しています。国内ソーシャルメディアマーケティング市場は成長を続けており、2024年には前年比12.8%増の1兆2,038億円、2029年には約2兆1,313億円まで拡大すると予測されています。サイバー・バズはこの成長市場において、インフルエンサーネットワークと関連ツール・サービスを提供することで事業を展開しています。
主要株主にはデジタルガレージやサイバーエージェントといった大手IT・広告関連企業が名を連ねており、業界内での一定のポジショニングを確保していることが伺えます。ただし、市場シェアに関する具体的なデータは提示されていません。競争環境としては、SNSプラットフォームの動向、インフルエンサーのトレンド変化、新たな競合の参入などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は2025年9月期の通期業績予想として、売上高8,310百万円、営業利益500百万円、当期純利益300百万円を公表しており、この予想を維持しています。具体的な中期経営計画の詳細は提示されていませんが、事業セグメントごとの動向から以下の点が重点分野と考えられます。
* SMM事業の収益性改善と安定成長: 主力事業であり、 SNS広告は堅調な一方で、インフルエンサーサービスにおける大型案件の反動減や案件の後倒しが見られます。今後の収益改善と安定的な売上確保が重要となります。
* ライブ配信プラットフォーム事業の拡大: BtoB受注増などにより堅調に拡大を続けており、今後も成長ドライバーの一つとして注力していく可能性があります。
* 新規事業の育成: HR事業の黒字化など、SMM事業周辺領域での事業拡大も進めています。
4. 事業モデルの持続可能性
サイバー・バズの収益モデルは、ソーシャルメディアの活用が不可欠な現代において、企業のマーケティングニーズに応えるものです。市場自体は成長傾向にあるため、基本的な事業環境は良好です。
「NINARY」「Ripre」といったインフルエンサーサービスや、「Owgi」「BRIDGE」といったSNS運用ツールを提供しており、プラットフォームに依存しつつも、自社サービスや技術基盤によって顧客との関係性を強化しています。また、HR事業やUGC(User Generated Content)クリエイターマッチングなど、周辺領域へと事業を多角化することで、持続的な成長とリスクの分散を図っています。
ただし、SNSプラットフォームのアルゴリズム変更や規約改定、インフルエンサー人気の変動などが事業に影響を与える可能性があり、これらへの適応力が持続性の鍵となります。2024年9月期に大幅な損失を計上した経緯を鑑みると、収益構造の安定化と市場ニーズの変化への柔軟な対応が求められます。
5. 技術革新と主力製品
同社は、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化するためのテクノロジーを活用しています。主要なサービスには以下のようなものがあります。
* NINARY: 承認制のソーシャルメディアインフルエンサー会員サービス。
* Ripre: SNSや口コミサイトでの商品体験を促進するサービス。
* インフルエンサーマーケティング最適化システム: データ分析に基づき、広告主・ブランドに最適な指標を抽出するシステム。
* Owgi: ワンストップのSNS運用管理ツール。
* BRIDGE: SNSアカウント管理代行サービス。
* DETEKURU: 企業とUGC専門クリエイターのマッチングサービス。
これらのITツールやデータ分析に基づくソリューションが、サービスの効率性や効果を高める独自の強みとなっています。連結事業構成比から、SMM事業におけるインフルエンサーサービスやSNSアカウント運用、広告販売が収益の中心を占める主力製品群と考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価は796.0円です。
会社予想EPSは95.69円であり、PER(会社予想)は8.32倍となっています。業界平均PERの25.7倍と比較すると、大きく割安な水準にあります。これは、2024年9月期に計上された大幅な損失からの回復予測に基づいているか、市場が今後の利益成長に対して慎重な見方をしている可能性が考えられます。
一方、実績BPSは75.80円であり、PBR(実績)は10.50倍です。業界平均PBRの2.5倍と比較すると、PBRはかなり割高な水準です。これは自己資本比率の低さ(実績7.3%、直近四半期11.6%)が主要因と考えられ、低い自己資本に対する株価が高く評価されていると解釈できます。
PERは割安感がある一方で、PBRは割高感があるという状況です。これは、直近の財務諸表上で自己資本が大きく棄損されたことが影響していると見られます。
7. テクニカル分析
現在の株価796.0円は、年初来安値576円と年初来高値1,074円の中間点寄りやや下方に位置しています。
直近10日間の株価推移を見ると、本日(2025年11月11日)終値796.0円は、前日終値808.0円から下落しており、短期的な下落傾向が見られます。特に11月7日には一時的に大きく出来高を伴って下落しています。
50日移動平均線(809.64円)を下回っている一方で、200日移動平均線(759.84円)の上には位置しています。このことから、株価は中長期的な上昇トレンドの中で一時的な調整局面にあると解釈できます。現在の株価水準は、高値圏とも安値圏とも判断が分かれる中間的な位置にあると言えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は順調に成長しており、2021年9月期から2024年9月期にかけて年平均30%以上の成長を記録しています。しかし、直近の2025年9月期第3四半期累計の売上高は前年同期比で9.6%減少しており、過去12か月(LTM)の売上高成長率もマイナスに転じています。SMM事業における大型案件の反動減が影響していると説明されています。
- 粗利率: 2021年9月期の約51.7%から、2024年9月期には約38.9%、過去12か月(LTM)では約37.5%へと低下傾向にあります。これは、原価率の上昇や粗利率の低い事業構成比の増加を示唆している可能性があります。
-
営業利益・純利益: 2023年9月期までは営業利益・純利益ともに順調に拡大していましたが、2024年9月期には営業費用が大幅に増加し、約17億円の営業損失、約19.5億円の純損失を計上しました。これにより、ROE(実績)も-166.79%と大幅に悪化しました。
ただし、直近の「過去12か月」データや2025年9月期第3四半期累計では、営業利益は193百万円(営業利益率3.74%)、純利益も105百万円と黒字に回復しており、損失は一時的な要因によるものと見られます。
* キャッシュフロー: 第3四半期累計のキャッシュフロー計算書は提示されていませんが、現金及び預金は前期末から約5.6億円増加し、資金繰りが改善していることが示唆されます。
* 財務健全性: 自己資本比率は2024年9月期には7.3%と低水準にありましたが、2025年6月30日時点では11.6%に改善しています。しかし、一般的に健全とされる40%には遠く、財務基盤は依然として弱いと言えます。総負債を自己資本で割ったTotal Debt/Equity比率も直近四半期で266.74%と非常に高く、負債依存度が高い状況です。流動比率は1.34倍であり、短期的な支払い能力は確保されています。
9. 株主還元と配当方針
サイバー・バズは現在、配当を実施していません(配当利回り0.00%、1株配当0.00円)。2024年9月期の大幅な損失計上や、現状の低い自己資本比率を考慮すると、まずは業績の安定化と財務体質の改善を優先しているものと考えられます。当面の間、配当による株主還元は期待できない状況です。現時点での自社株買いに関する具体的な情報もありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近のモメンタムはやや下降傾向にあります。直近10日間の株価は下落し、50日移動平均線を下回っています。過去52週間の株価変動率は-22.31%と、市場平均(S&P 500の+14.18%)を大きく下回っており、これまでの約1年間は株価が軟調に推移していたことがわかります。
株価への影響を与える主要因としては、以下の点が考えられます。
* SMM事業の業績動向: 直近の売上減少傾向からの回復、および収益性の安定化が株価を左右するでしょう。
* 業績回復の確実性: 2024年9月期の赤字からの黒字転換が会社予想通りに進むかどうかが、市場の評価に大きく影響します。
* 財務健全性の改善: 低い自己資本比率や高い負債比率の改善が進むことで、投資家の安心感が生まれやすくなります。
* ソーシャルメディアマーケティング市場のトレンド: 市場全体の成長性は期待できるものの、プラットフォームの変更やインフルエンサーエコシステムの規制などがリスク要因となり、株価に影響を与える可能性があります。
出来高は通常時は少なく、特定の日に一時的に増加する傾向が見られます。これは、通常時の市場での注目度が非常に高いわけではないことを示唆しています。
11. 総評
サイバー・バズは、成長が期待されるソーシャルメディアマーケティング市場において、インフルエンサー活用やSNS運用支援など専門的なサービスを展開する企業です。売上高は長期的には成長トレンドにありますが、直近ではSMM事業の売上減少や、2024年9月期の大幅な損失計上といった課題を抱えています。
財務面では、多額の損失により自己資本が棄損され、自己資本比率が低く負債依存度が高い状況です。ただし、直近の2025年9月期第3四半期累計では黒字に回復し、財務指標も改善傾向にあることから、一時的な要因であった可能性が示唆されます。
株価の評価は、予想PERは業界平均と比較して割安であるものの、PBRは自己資本の低さから割高となっています。テクニカル分析では中長期的なトレンドの中での調整局面と見られます。現在のところ配当による株主還元はなく、企業としてはまずは業績の安定と財務体質の改善に注力している段階と考えられます。
今後の持続的な成長と企業価値向上には、主力SMM事業の安定的な成長と収益性の確保、新規事業の本格的な収益化、そして最も重要な財務健全性の抜本的な改善が鍵となるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: B
- 過去3年間の売上CAGRは約32.9%と高水準ですが、直近の四半期およびLTM売上成長率がマイナスに転じています。成長市場に位置するものの、一時的な成長の停滞が見られるためB評価とします。
- 収益性: C
- 粗利率は低下傾向にあり、2024年9月期には大規模な営業損失・純損失を計上しました。直近では黒字回復しているものの、営業利益率も特段高いとは言えず、収益の安定性においては課題が見られるためC評価とします。
- 財務健全性: D
- 自己資本比率が11.6%と非常に低く、Total Debt/Equity比率が266.74%と負債依存度が高い状況です。直近でやや改善傾向にあるものの、財務基盤は脆弱であるためD評価とします。
- 株価バリュエーション: C
- 会社予想PERは8.32倍と業界平均25.7倍と比較して大きく割安ですが、実績PBRは10.50倍と業界平均2.5倍を大きく上回り割高です。自己資本の低さがPBRを押し上げているため、一概に割安とは判断しにくく、総合的にC評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 7069 |
| 企業名 | サイバー・バズ |
| URL | https://www.cyberbuzz.co.jp/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。