1. 企業情報

株式会社パソナグループは、人材派遣、人材紹介、再就職支援といったHRソリューションを主軸とする大手人材サービス企業です。加えて、BPO(業務プロセスアウトソーシング)、グローバル人材サービス、子育て・介護支援などのライフソリューション、そして地方創生・観光ソリューションにも注力しています。特に人材派遣業界では先駆的な存在で、業界3位の地位を占めています。近年では福利厚生子会社であるベネフィット・ワンの売却を行い、事業構造の再構築を進めています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社は人材派遣業界において業界3位の大手企業であり、その長い歴史と幅広いサービスラインナップにより、確固たる地位を築いています。競争優位性としては、多岐にわたるHRソリューションと、地方創生事業への積極的な展開が挙げられます。労働人口の減少や働き方の多様化を背景に人材ニーズは堅調ですが、競争環境は厳しく、BPOなどの大型受託案件の動向や海外市場の変動、DX推進への対応が課題となる可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

パソナグループは、5ヵ年の中期経営方針「PASONA GROUP VISION 2030」を掲げ、収益構造改革と新規事業の成長を重点分野としています。具体的には、HRソリューションの強化に加え、地方創生・観光ソリューションへの投資を継続し、地域経済の活性化と新たな事業機会の創出を目指しています。HR事業においては、BPOの効率化やエキスパート・キャリアソリューションの拡充が戦略の核となります。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、景気変動に左右されやすい人材サービスが中心ですが、事業の多角化によりリスク分散を図っています。特にBPOソリューションは安定した収益源となる可能性がありますが、大型案件のピークアウトは売上変動要因となります。地方創生事業は成長ドライバーとして期待されるものの、初期投資や収益化までの期間に影響を受ける可能性があります。福利厚生子会社の売却により、事業ポートフォリオの見直しと財務体質の強化が図られました。

5. 技術革新と主力製品

明確な技術革新に関する記述は少ないものの、DX推進サービスを提供しており、ITを活用したHRソリューションの強化を図っていると推測されます。収益を牽引する主力製品・サービスは、依然として「HRソリューション」事業内のエキスパートソリューション(人材派遣)、BPOソリューション(委託・請負)、キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)です。近年は「地方創生・観光ソリューション」も売上を拡大しており、今後の成長が注目されます。

6. 株価の評価

現在の株価1,944.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想、連結): 148.28倍 (EPS 13.11円に基づく)
* 2026年5月期通期予想EPS 12.81円に基づくPERは約151.76倍。
* PBR(実績、連結): 0.57倍
* BPS(実績、連結): 3,431.94円

業界平均PER17.0倍、業界平均PBR1.8倍と比較すると、PERは極めて割高な水準にあります。これは、直近の純利益が福利厚生子会社売却益による一過性益を除くと、大幅な赤字または低水準であるためです(過去12ヶ月では赤字)。PBRは0.57倍と業界平均を下回っており、純資産に対して株価が割安に評価されているように見えますが、これは収益力の低迷が背景にある可能性が考えられます。

7. テクニカル分析

現在の株価1,944.0円は、年初来安値1,861円に近く、年初来高値2,498円からは大きく下落した水準にあります。直近10日間の株価推移を見ても、2025年6月3日の高値2,498円をピークに、現在まで下落トレンドが続いています。50日移動平均線(2,075.30円)と200日移動平均線(2,127.74円)を大きく下回っており、売りの勢いが強い状態です。現在の株価は安値圏にあると判断できます。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去数年で減少傾向にあり、2023年5月期372,579百万円から2024年5月期356,733百万円、そして過去12ヶ月では309,240百万円と推移しています。2026年5月期第1四半期では前年同期比微増で、通期予想は330,000百万円と増収を見込んでいます。
  • 利益: 営業利益は2022年5月期の22,083百万円から減少し続け、過去12ヶ月では-1,238百万円と営業損失を計上しています。2026年5月期第1四半期も営業損失であり、収益性の課題が継続しています。純利益は2024年5月期に95,891百万円と大幅な黒字を計上しましたが、これは福利厚生子会社売却益による一過性のものです。過去12ヶ月および2026年5月期第1四半期は純損失を計上しており、通期予想純利益は500百万円と低水準です。
  • ROE: 過去12ヶ月で-5.21%と赤字のため低迷しています。
  • 自己資本比率: 50.9%(直近四半期52.8%)と非常に健全な水準です。
  • 流動比率: 2.14(直近四半期)と良好で、短期的な支払い能力に問題はありません。
  • D/E比率 (Total Debt/Equity): 22.78%と低く、負債負担は小さいです。

収益性には課題があるものの、財務安全性は非常に高いと言えます。

9. 株主還元と配当方針

配当利回り(会社予想)は3.86%と高水準です。1株配当(会社予想)75.00円は、2026年5月期予想EPS12.81円に対し、約585%の配当性向となります。これは、普通配当15.00円と特別配当60.00円に分かれているためです。特別配当の継続性は、事業売却益などの一過性要因に左右される可能性があるため、今後の動向を注視する必要があります。自社株買いに関する情報はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は年初来高値から大きく下落し、直近は安値圏での推移が続いています。出来高も高値圏からの下落時に比べて落ち着いており、投資家の関心は一時的に低下している可能性があります。信用買残が信用売残を大きく上回る信用倍率4.49倍であり、売り圧力が相対的に低い状況ではありますが、収益性の課題や高PERが、投資家が積極的に買い進める上での懸念材料となっている可能性があります。福利厚生子会社売却後の事業再構築の進捗や、地方創生事業の収益化動向が今後の株価に影響を与える主要因となるでしょう。

11. 総評

パソナグループは、人材サービス業界の大手として確固たる地位を築き、多様なHRソリューションと地方創生事業に強みを持っています。財務基盤は自己資本比率50.9%と非常に健全であり、PBRも0.57倍と純資産価値に対して割安な水準にあります。
しかし、過去数年間の売上高は減少傾向にあり、直近では営業利益・純利益ともに赤字または低水準が続いています。特に福利厚生子会社売却益を除いた実質的な収益力は課題を抱えており、現在の予想PERが極めて高いのは、この収益性の低さに起因しています。
中期経営計画「PASONA GROUP VISION 2030」における収益構造改革と新規事業の成長が、今後の業績回復と企業価値向上において重要な鍵となります。現在の高配当利回りは魅力的ですが、特別配当の継続性には不確実性があります。

12. 企業スコア

  • 成長性: C
    • 過去の売上高は減少傾向にあり、直近12ヶ月も大幅減収。2026年5月期通期予想は増収を見込むものの、過去のトレンドから見て成長軌道への転換が明確とは言えない状況。
  • 収益性: D
    • 直近12ヶ月および2026年5月期第1四半期で営業損失を計上しており、赤字体質。過去の一過性利益を除くと収益性は非常に低い水準にあります。
  • 財務健全性: S
    • 自己資本比率50.9%、流動比率2.14、Total Debt/Equity 22.78%と、非常に優れた財務状態を維持しています。
  • 株価バリュエーション: D
    • 会社予想PER148.28倍(または151.76倍)は業界平均を大きく上回り、極めて割高と判断されます。PBRは割安ですが、これは低収益性が反映された結果であり、現在の利益水準から見て割高感は否めません。

企業情報

銘柄コード 2168
企業名 パソナグループ
URL http://www.pasonagroup.co.jp
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – サービス業

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。

本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。

投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。

なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。

企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

ジニーは、Smart Stock NotesのAIアシスタントです。膨大なデータとAIの力で、企業や市場の情報をわかりやすくお届けします。投資に役立つ参考情報を提供することで、みなさまが安心して自己判断で投資を考えられるようサポートします。