パソナグループ(2168)企業分析レポート
株価:1,944円(時価総額:781億円)/市場:東証プライム/業種:サービス業(人材・アウトソーシング)
注記:本レポートは公開情報をもとに作成した定性的・定量的分析であり、投資勧誘を目的とするものではありません。判断はご自身でご確認ください。
1. 企業情報
- 概要:人材派遣・人材紹介・再就職支援に加え、BPO(業務受託)、公共ソリューション、DX支援、健康経営支援などHRソリューションを主柱とする総合人材サービス。海外人材サービス(グローバル)、子育て・介護等のライフソリューション、地方創生・観光事業も展開。
- 収益構成(2025.5期):HR 92%(営業利益率5%)、グローバル4%(同4%)、ライフ3%(同0%)、地方創生・観光2%(同-27%)
- 特徴:人材派遣の先駆で国内大手(業界3位クラス)。福利厚生代行子会社の売却を経て事業ポートフォリオを再構築中。地方創生・観光に注力。
- 本社:東京都港区南青山3-1-30/設立:2007年12月3日(グループ起源は1976年)/従業員:8,894人
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内総合人材サービスの上位グループ。派遣・BPO(公共・民間)・再就職支援と幅の広さに強み。
- 競争優位性
- BPOや公共ソリューション、地域創生領域の知見蓄積。
- 総合型ポートフォリオ(派遣×BPO×紹介×教育・DX)で顧客の複合課題に対応。
- 課題
- 大型BPO案件のピークアウト時に売上・利益が変動しやすい収益構造。
- 人件費・ITインフラ費の上昇、海外事業の為替・地域差の影響。
- 地方創生・観光事業の赤字解消と収益化。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(PASONA GROUP VISION 2030:2026年5月期〜)
- 収益構造改革(BPOの粗利改善、稼働効率化、全社ITコスト最適化)
- 新規事業成長(地方創生・観光の収益化、ライフソリューションの拡大)
- 人材需給を踏まえた派遣・紹介の質的強化(専門人材、再就職支援)
- DX・リスキリング、次世代リーダー育成等の教育・研修サービス強化
- 施策(2026年5月期 第1四半期の説明より)
- BPO:大型案件の反動を粗利率改善・効率化で吸収(利益は改善傾向)。
- 全社費用:処遇改善や退職給付費用、IT利用料改定に伴う販管費増のコントロール。
- 地方創生・観光:来場・新規施設で売上拡大、整備費等の一時費用発生も赤字幅縮小。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:派遣・紹介は景気・需給影響を受けやすい一方、BPOは中期契約で安定性が相対的に高い。地方創生は立ち上げ投資期で損益ブレ。
- 需要環境:国内の人手不足は継続し、派遣ニーズは底堅い傾向。公共系BPOやリスキリング、健康経営支援も構造的需要あり。
- リスク適応:大型BPOの受注サイクルやコストインフレへの対応(原価・販管費の最適化)がカギ。IT投資の費用対効果管理が重要。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・独自性:DX推進支援、評価制度・人事制度設計、データ活用によるBPO効率化。教育・リスキリングプログラム、健康経営支援も提供。
- 主力領域:BPO(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介・再就職支援)。
- 直近動向(1Q)
- BPO:売上減(-1.9%)も営業利益改善(+3.6%)。
- 派遣:売上+2.7%。
- 地方創生・観光:売上+21.5%、赤字縮小。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価1,944円、EPS(会社予想・連結)13.11円、BPS(実績・連結)3,431.94円、業界平均 PER 17.0倍/PBR 1.8倍
- 指標
- PER:約148.3倍(= 1,944 / 13.11)… 業界平均より大幅に高い(利益水準が低い影響)。
- PBR:約0.57倍(= 1,944 / 3,431.94)… 業界平均より低い水準。
- 配当利回り(会社予想):約3.86%(= 75円 / 1,944円)うち特別配当60円を含む。
- EV/Sales(参考):時価総額781億 + 有利子負債309億 − 現預金1,108億 ≈ マイナス。預り金相当(305億)を差し引くとEV ≈ 289億、EV/売上高 ≈ 0.09倍(3099億売上換算)。預り金性の資金を含むため解釈に注意。
- コメント:PERは高いが、PBR・EV/Sは低位というミックス。利益正常化の進捗、特別配当の継続性が評価の分岐点。
7. テクニカル分析
- 位置づけ:株価1,944円は52週安値1,861円に近く、50日線2,075円・200日線2,128円を下回る水準。相対的に安値圏。
- モメンタム:52週変化率 -1.85%。直近の出来高(10日平均18.0万株)は3カ月平均(14.2万株)を上回り、下落局面で流動性増。
- 信用動向:信用買残22.8万株(前週比+3.18万)、倍率4.49倍。買い残の積み上がりは需給面の変動要因。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長
- 売上高(LTM):3,092億円(FY2024: 3,567億円、FY2023: 3,726億円、FY2022: 3,661億円)… 近年は減収傾向(LTM YoY 約-13%)。
- 1Q(2026/5期):売上+0.8%で小幅増収。
- 収益性
- 粗利率(LTM):約22.0%(= 679億 / 3,092億)。
- 営業利益率(LTM):約-0.4%(営業損失12億円)。
- 1Q 営業利益率:-0.74%(前年同期-0.57%)。
- ROE(実績):-6.11%、ROA(LTM):-0.32%。
- FY2024の純利益は大きな特別利益(売却益等)寄与が大部分(「Total Unusual Items」参照)。
- 安全性
- 自己資本比率:50.9%(1Q末 52.8%)、流動比率:2.14、有利子負債/資本:22.8%。
- 現預金は預り金性資金を含むため、ネットキャッシュ評価は留意が必要。
- キャッシュフロー
- 1QのCF計算書は未作成。期中は固定資産取得・配当等で現金減少。
9. 株主還元と配当方針
- 配当(実績・予想)
- 2025年5月期:年間75円(中間0/期末75、うち特別60円)。
- 2026年5月期(予想):年間75円(中間0/期末75、うち特別60円)。
- 配当性向(参考):予想EPS 13.11円に対し年間75円は高水準(特別配当を含むため平常時とは性格が異なる)。
- 自己株式:期末自己株式数223万株(発行株式の約5.6%)。自己株取得の継続有無は未記載。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:年初来高値2,498円から調整し、長中期移動平均を下回るトレンド。β値1.39と相場感応度は高め。
- 投資家構成:インサイダー保有48.8%、浮動株約1,500万株と流通株が相対的に少なく、需給の振れが出やすい構造。
- 短期要因
- 成長投資・IT費用、BPO案件のサイクル、地方創生の損益改善進捗。
- 万博関連の収益・費用計上のタイミング。
- 信用買いの積み上がり動向。
11. 総評
- BPO・派遣を軸とする総合人材サービスで、公共・地方創生など独自領域の厚みがある一方、大型案件の反動やコスト上昇でLTMは赤字転化。1Qは増収・粗利率改善も販管費増で営業赤字を継続。
- バリュエーションは、PERが高水準となる一方、PBR・EV/Sは低位。利益水準の回復、特別配当の継続可能性、地方創生の収益化、ITコストの最適化が評価の焦点。
- 財務体質は自己資本比率・流動比率ともに良好で、耐久性は相対的に高い。
12. 企業スコア(S〜D)
- 成長性:C
- 根拠:LTM売上YoY 約-13%、3年CAGRマイナス。直近期は+0.8%と足元は持ち直し兆候。
- 収益性:C
- 根拠:LTM営業赤字、ROE・ROAマイナス。粗利率は約22%だが業界平均の営業利益率(数%台)を下回る。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約51〜53%、流動比率2.1倍、有利子負債/資本約23%と健全。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超(高位)だが、PBR0.57倍・調整EV/S約0.09倍と低位。指標が混在するため総合は中立評価。
データ出典・補足
– 2026年5月期 第1四半期決算短信(2025/10/15公表)
– 各種市場データ・財務数値はご提示の情報に基づく
– EV/Sは預り金相当を差し引いた参考計算であり厳密な評価には追加情報が必要です
企業情報
| 銘柄コード | 2168 |
| 企業名 | パソナグループ |
| URL | http://www.pasonagroup.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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