1. 企業情報
株式会社ビーロットは、東京都港区に本社を置く不動産投資業を主軸とする企業です。主な事業内容は、中古のオフィスビルやマンションなどの収益不動産を仕入れて価値を高め(再生)、売却する「不動産投資開発事業」です。その他、不動産の売買仲介やマンション販売受託を行う「不動産コンサルティング事業」、オフィスやレジデンスの賃貸や物件管理を行う「不動産マネジメント事業」を展開しています。富裕層向けの不動産投資に強みを持ち、ホテル開発も手掛けています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ビーロットの主力事業は「不動産投資開発事業」であり、2024年12月期の連結事業では売上構成比で79%を占めています。中古不動産の再生・売却に特化し、富裕層を主要顧客としている点が特徴です。ホテル開発も手掛けることで、インバウンド需要の高まりを捉える戦略も見られます。市場シェアに関する具体的な数値データはありませんが、独自の仕入れルートや再開発ノウハウ、富裕層顧客ネットワークが競争優位性となっていると考えられます。一方で、不動産価格の変動、金利上昇、建築コスト増といった外部環境の変化は課題となり得ます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「100年成長し続ける企業グループへ」という長期ビジョンを掲げています。中期経営計画(2025年4月30日公表)では、以下の3つの基本方針を重点分野としています。
– 富裕層・不動産領域の拡大と深耕: 中古不動産の再生やホテル開発を通じて、高付加価値不動産の提供と富裕層顧客基盤の強化を目指します。
– 企業投資・M&A領域への挑戦: 事業領域の拡大やシナジー創出を目的とした企業投資やM&Aを積極的に推進します。今回の株式会社クマシュー工務店の完全子会社化(2025年中間期)は、上流の物件取得力強化という点でこの戦略に沿ったものと言えます。
– 成長スピードを高める経営アクション: 組織体制の強化や事業効率の向上により、持続的な成長を実現するための経営基盤を構築します。
当中間期は通期業績予想に対して順調に推移しており、戦略の実行が進められていることが示唆されます。
4. 事業モデルの持続可能性
ビーロットの収益モデルは、不動産を仕入れて付加価値を加え、売却益を得る「不動産投資開発」が中心です。富裕層向けの厳選された住宅系物件や賃料収入が見込める物件に注力することで、市場ニーズに対応しています。不動産価格の高騰や建築コスト増といった市況のリスクはありますが、国内富裕層マーケットの拡大、海外投資家の旺盛な取得ニーズ、訪日外国人の増加によるインバウンド回復は追い風となる可能性があります。不動産コンサルティングやマネジメント事業も展開することで、単なる売買益に依存しない多角的な収益源の確保を目指しています。ただし、不動産市況の変動が直接的に業績に影響を与えるリスクは存在します。
5. 技術革新と主力製品
不動産業界における技術革新として具体的な研究開発活動に関する情報はありませんが、ビーロットの独自性は「中古ビルやマンションを再生し収益力を高めて売却するノウハウ」と「富裕層顧客へのアプローチ力」にあると考えられます。収益を牽引している主力事業は「不動産投資開発事業」であり、特に住宅系不動産の仕入れ・開発・売却が中心となっています。近年はホテル開発も手掛けており、多様な不動産への投資開発実績を積み重ねています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,729.0円です。
* PER(会社予想):7.58倍
* PBR(実績):1.73倍
* EPS(会社予想):228.06円
* BPS(実績):998.14円
業界平均PER 11.3倍、業界平均PBR 0.9倍と比較すると:
* PERベースの理論株価:228.06円(EPS会社予想) × 11.3倍(業界平均PER) = 約2,577円
* PBRベースの理論株価:998.14円(BPS実績) × 0.9倍(業界平均PBR) = 約898円
現在の株価1,729円は、業界平均PERと比較すると割安水準にありますが、業界平均PBRと比較すると割高な水準にあります。不動産投資開発企業は、保有資産の含み益や今後の成長期待からPBRが高くなる傾向もあります。
7. テクニカル分析
現在の株価1,729.0円は、
* 年初来高値:1,917円
* 年初来安値:1,048円
* 50日移動平均:1,789.20円
* 200日移動平均:1,443.27円
となっています。
現在の株価は、年初来高値から約10%低い水準にあります。50日移動平均線を下回っているものの、200日移動平均線は上回っており、中長期的な上昇トレンドは維持されている可能性があります。直近10日間の株価推移も1700円前後で推移しており、一時的な軟調さは見られるものの、高値圏と安値圏の中間に位置していると言えるでしょう。
売上・利益の推移
| Breakdown | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 過去12ヶ月 |
|---|---|---|---|---|---|
| Total Revenue | 14,751百万円 | 19,911百万円 | 23,510百万円 | 30,933百万円 | 31,935百万円 |
| Gross Profit | 4,821百万円 | 5,929百万円 | 8,651百万円 | 10,048百万円 | 12,142百万円 |
| Operating Income | 2,030百万円 | 2,913百万円 | 5,499百万円 | 6,340百万円 | 7,800百万円 |
| Net Income | 953百万円 | 1,637百万円 | 3,297百万円 | 3,941百万円 | 4,604百万円 |
ビーロットは過去数年間、売上高、粗利益、営業利益、純利益ともに一貫して増加傾向にあり、堅調な成長を続けています。特に2021年から2024年にかけての売上高は約2倍に、純利益は約4倍に拡大しており、高い成長性を示しています。過去12ヶ月(LTM)の業績も前年度実績を上回っています。
収益性指標
- ROE(実績): (連) 24.41%(LTM: 26.15%)
- ROA(過去12ヶ月): 6.17%
- 営業利益率(過去12ヶ月): 29.51%
- 粗利率(過去12ヶ月): 38.0% (12,142百万円 / 31,935百万円)
ROE、ROAともに良好な水準であり、特に営業利益率は29.51%と高い収益性を示しており、不動産業界の中でも非常に競争力の高い水準と評価できます。
財務健全性指標
- 自己資本比率(実績): (連) 31.0%(2024年12月期)
- 自己資本比率(直近四半期): 18.5%(2025年6月期)
- 流動比率(直近四半期): 2.65倍
- D/Eレシオ(直近四半期): 406.79% (約4倍)
自己資本比率は2024年12月期実績の31.0%から、2025年6月期には18.5%へ低下しています。これは、販売用不動産及び仕掛販売用不動産の増加に伴う総資産の増加と、借入金の増加が主な要因と考えられます。不動産投資開発事業では、物件取得のための借入れが多くなるため、D/Eレシオが高くなる傾向にありますが、400%を超える水準は高いと言えます。一方で、流動比率は2.65倍と短期的な支払い能力は十分に確保されています。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー(過去12ヶ月): -6,890百万円
- 営業キャッシュフロー(直近中間期): △9,719百万円 (前年中間: +3,317百万円)
営業キャッシュフローは過去12ヶ月および直近中間期でマイナスとなっています。不動産投資開発事業は、物件の仕入れや開発に資金を要するため、販売用不動産の増加局面においては営業キャッシュフローがマイナスになることが特性として挙げられます。株式会社クマシュー工務店の完全子会社化に伴う支出6,096百万円も投資キャッシュフローのマイナス要因となっています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想):4.05%
- 1株配当(会社予想):70.00円
- 配当性向(Payout Ratio):25.27%
- 5年平均配当利回り:4.06%
会社予想の配当利回り4.05%は、現在の株価に対して魅力的な水準と言えます。配当性向も25%程度と無理のない範囲であり、これまでの利益成長を考慮すると、安定した配当の継続が期待されます。2025年12月期の中間配当は0円ですが、期末配当で70円を予定しており、通期で前期(61円)を上回る予想です。また、決算短信には自己株式取得による純資産の減少にも言及されており、自社株買いも株主還元策の一つとして実施しています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は1,700円台で推移しており、50日移動平均線を下回るなど、短期的な上昇モメンタムはやや弱い傾向にあります。しかし、200日移動平均線は上回っていることから、中期的には上昇基調にあると言えるかもしれません。
* 信用買残:703,300株(前週比:+27,400株、増加傾向)
* 信用売残:12,100株(前週比:-2,900株、減少傾向)
* 信用倍率:58.12倍
信用買い残の増加と信用倍率の高さは、将来的な株価上昇を期待する投資家が多く、一方的な買い圧力があることを示唆しています。今後の株価に影響を与える要因としては、不動産市況の動向、金利政策、M&A戦略の進捗、そして企業の業績発表(次回の決算発表は2025年8月12日〜18日)が挙げられます。
11. 総評
ビーロットは、中古不動産の再生・販売を主軸とし、富裕層向け投資ニーズとホテル開発を成長ドライバーとする企業です。過去数年間の売上・利益は高い成長率を維持しており、収益性も非常に高い水準にあります。一方で、積極的な事業拡大に伴い、自己資本比率の低下や高水準のD/Eレシオが見られ、財務健全性には注意が必要です。株価はPER基準では割安感があるものの、PBR基準では割高感もあります。配当政策は手厚く、株主還元への意識は高いと言えます。不動産市況変動への適応力と、効率的な資金調達・資産回転能力が今後の持続的成長の鍵となるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- LTM売上高は前年度比で増加、過去数年間の売上高は一貫して高い伸びを示しており、中間期の売上高も前年同期比プラス(+6.2%)です。
- 収益性: S
- 過去12ヶ月の営業利益率は29.51%と、不動産業界において非常に高い収益性を示しています。粗利率も良好な水準です。
- 財務健全性: C
- 直近四半期の自己資本比率が18.5%と低く、D/Eレシオが406.79%と高水準です。借入が事業特性上必要であるとはいえ、財務基盤は比較的弱いと評価できます。流動比率は健全です。
- 株価バリュエーション: B
- PER(会社予想7.58倍)は業界平均(11.3倍)と比較して割安ですが、PBR(実績1.73倍)は業界平均(0.9倍)と比較して割高です。PERの割安感はあるものの、PBRとのバランスを考慮し平均並みと評価します。
企業情報
| 銘柄コード | 3452 |
| 企業名 | ビーロット |
| URL | http://www.b-lot.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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