8801 三井不動産 分析レポート(プライム市場・不動産業)
株価: 1,710.5円(2025-11-12終値近辺)
1. 企業情報
- 概要
- 総合不動産の最大手の一角。オフィス・商業施設等の賃貸、住宅・オフィス等の分譲、プロパティマネジメント・仲介、ホテル・リゾート等の施設運営、その他(設計・建設マネジメント、リノベ、熱供給、電力等)を展開。
- 連結事業構成(売上/営業利益率目安):賃貸33%(約20%)、分譲29%(約19%)、マネジメント19%(約12%)、施設営業9%(約17%)、その他11%(約2%)。海外売上比率約12%(2025年3月期)。
- 特徴
- 「街づくり」を軸とした大規模複合開発と保有・運営の両輪。賃貸による安定収益と、分譲・資産入替(アセットリサイクル)で成長資金を循環。
- グループでオフィス、住宅、商業、ホテル、物流、駐車場等の多面的ポートフォリオ。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 三菱地所と並ぶ総合不動産の双璧。首都圏の大規模再開発と保有賃貸資産でトップクラスのスケール。
- 2025年9月末の連結空室率3.5%、東京圏単体オフィス空室率0.9%(非連結)と、主要エリアの稼働は良好。
- 競争優位性
- 都市再開発の実績と大型パイプライン、多様な収益源(賃貸・分譲・マネジメント・施設運営)、海外展開による分散。
- 課題
- 金利上昇による調達コスト増、オフィス需給の構造変化、住宅販売サイクルの変動、為替影響など。
3. 経営戦略と重点分野
- 長期方針・指標
- 「& INNOVATION 2030」を掲げ、利益指標として「事業利益(営業利益+持分法投資損益等+固定資産売却損益等)」を重視。
- 2026年3月期の会社計画(2025-11-7発表)
- 売上 2.7兆円、営業利益 3,850億円(前回比+50億)、事業利益 4,300億円(+50億)、親会社株主帰属純利益 2,650億円(+50億)。
- 重点
- 都市再開発の推進と賃貸収益力の強化、分譲の選別と確実な引渡進捗、マネジメント事業の拡大、ホテル・エンタメ等の稼働最適化。
- アセットリサイクルの継続、海外のポートフォリオ拡充、ESG(脱炭素・省エネ・街区の持続性)対応を推進。
- 株主還元の強化(増配・自己株式取得)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 保有賃貸(安定キャッシュフロー)+分譲・資産売却(循環的キャッシュイン)+マネジメント/施設運営(手数料・運営収益)のミックス。
- 適応力
- 稼働率・賃料トレンドに左右される賃貸は立地分散と複合用途で安定化。
- 分譲は契約・引渡計画の平準化によりボラティリティを抑制。海外・手数料ビジネス拡大で景気感応度を分散。
- リスク管理
- 金利・為替・市況変動の影響は継続的な資産入替・負債管理で緩和を図る方針。
5. 技術革新と主力領域
- 技術・運営面
- スマートビル・エネルギーマネジメント、再エネ・熱供給、デジタルによる施設運営効率化や顧客体験向上の取組みを拡大。
- 収益牽引分野(足元)
- 分譲セグメント(国内住宅・投資家向け・海外)が事業利益面で大きく貢献。
- 賃貸は稼働・賃料改善が寄与。ホテル・エンタメも回復基調。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 1,710.5円、時価総額 約4.77兆円、BPS 1,165.78円、EPS(会社予想)95.59円、EPS(LTM)112.51円
- 指標
- PER(会社予想): 17.95倍(業界平均 13.6倍)
- PER(LTM・参考): 約15.2倍(=1,710.5/112.51)
- PBR: 1.47倍(業界平均 1.6倍)
- EV/EBITDA(概算・LTM): 約16.2倍[EV≈9.19兆円=時価総額4.77+純有利子負債(4.58-0.165)兆、EBITDA約5,684億円を使用]
- EV/Sales(概算・LTM): 約3.26倍(=EV9.19兆/売上2.82兆)
- 位置づけ
- PERは業界平均を上回る一方、PBRはほぼ平均圏。EV系指標は有利子負債水準を反映。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均 1,616円、200日移動平均 1,446円に対し株価は上方に位置。中期・長期とも上昇トレンド。
- 年初来高値 1,734.5円に接近した推移で、高値圏に位置。
- 需給
- 信用倍率 4.14倍。信用買残は前週比減(-75.4万株)、売残は増(+3.0万株)。短期的には利食い・ヘッジも混在。
- 出来高は直近平均並み(3カ月平均約793万株、直近10日平均約980万株)。
8. 財務諸表分析(連結、円換算は概数)
- 売上・利益(LTM)
- 売上高 約2.82兆円(YoY +18%)、営業利益 約4,220億円、当期純利益 約3,126億円。
- 粗利率 約24.5%、営業利益率 約15.0%(当社計算)、純利益率 約11.1%。
- 進捗・四半期(2026/3期上期)
- 売上 +16.4%、営業利益 +29.1%、親会社株主帰属利益 +72.3%(前年同期比)。分譲・賃貸・マネジメント・施設運営が総じて増収増益。
- 特別利益(固定資産売却益等)約504億円計上の一方、特別損失約167億円。
- 費用・金融
- 受取利息 36億円、支払利息 811億円(LTM)。金利上昇で金融費用は増加傾向。
- キャッシュフロー・バランス
- 営業CF 約5,458億円(LTM)と大きくプラス。
- 総資産 約9.84兆円、自己資本比率 31.9%、D/E(総負債/資本)約137%、流動比率 1.96倍。レバレッジは相応に高いが、流動性は確保。
- ROE/ROA
- ROE 7.95%。ROAは資料不足のため算出省略。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 年間配当予想 34円/株(利回り約1.98%)、5年平均利回り 2.04%、配当性向 約29%。
- 自己株式取得
- 570億円の自己株式取得を決定。総還元性向は想定で約56.6%。
- その他
- 2024年3月に1:3の株式分割実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落 +31.1%。低ベータ(0.18)ながら堅調な上昇トレンド。
- 直近で年初来高値を更新し、強含みの推移。
- 需給・関心
- 機関投資家保有比率 約50.8%。国内外の大型投資家の関心が継続。
- 業績予想の小幅上方修正、増配・自己株買い、分譲進捗・資産売却などが株価の支援材料。
- 予定イベント
- 次回決算(予定): 2026-02-06、権利落ち日(予定): 2026-03-30。
11. 総評
- 収益面では、賃貸の稼働・賃料改善と分譲の引渡進捗、施設運営の回復で増収増益。事業利益ベースの管理により、資産売却等も含めた収益力の可視化が進む。
- 財務は大型不動産会社らしくレバレッジを活用。営業CFは厚く、流動性指標は概ね良好。一方で金利上昇や市況変動への感応度には留意が必要。
- バリュエーションはPERで業界平均を上回る一方、PBRは平均並み。株価は移動平均線上で推移し、高値圏に位置。
- 中期的には大型再開発とアセットリサイクル、マネジメント・海外の拡大、ESG対応が成長ドライバー。外部環境(オフィス需給、金利・為替)の行方が重要。
(本レポートは公開データに基づき中立的に整理したものであり、投資判断を目的とする助言ではありません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上YoY +18%、過去3年CAGRも2桁程度と拡大基調。
- 収益性:B
- 粗利率約24.5%、営業利益率約15%・純利益率約11%。業界平均の明確な比較データが不足するため中立評価。
- 財務健全性:B
- 自己資本比率31.9%(40%目安未満)、D/E約137%とレバレッジは高めだが、流動比率1.96倍・営業CFは厚い。
- 株価バリュエーション:C
- PERは業界平均(13.6倍)より高く、PBRは平均並み〜やや低位。総合すると割安感は限定的との位置付け(定量比較に基づく評価)。
企業情報
| 銘柄コード | 8801 |
| 企業名 | 三井不動産 |
| URL | http://www.mitsuifudosan.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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