8593 三菱HCキャピタル 分析レポート(個人投資家向け)

注記:本資料は公開データの整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。数値は特記なき限り連結ベース、円建てです。一過性損益の影響は可能な範囲で除外に留意しています。

1. 企業情報

  • 概要:総合リース大手。2021年に日立キャピタルと統合し、MUFG系の資金調達力と日立系のベンダー網を併せ持つ。国内外でリース、割賦、ファイナンス、再エネ・不動産・航空機・コンテナ/鉄道貨車・オートリース等を展開。海外展開をM&Aで加速。
  • 主な報告セグメント:カスタマーソリューション、グローバル(海外)、環境・エネルギー、航空、ロジスティクス、不動産、モビリティ。
  • 海外比率:売上等における海外の比重が高く、最新開示では海外関連が業績をけん引(参考:資料内「海外」46%の表記あり)。
  • 本社:東京都千代田区丸の内
  • 代表者:久井 大樹

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内リース業で首位級。グループ(MUFG・三菱商事等)の顧客基盤・資金調達力・ソーシング力に強み。ORIX、東京センチュリー、SMFL(住友三井)などが主要競合。
  • 競争優位:
    • 調達力/信用力:大規模なバランスシートと格付けに裏付けられた低コスト調達。
    • ポートフォリオ多様化:航空機・コンテナ・不動産・エネルギーなどアセット分散で循環を平準化。
    • ベンダーファイナンス力:日立系の販売金融や情報機器に強み。
  • 課題:
    • 自己資本比率は業態上低位(15%台)。外部環境(金利、為替、残存価値、市況)変動の影響を受けやすい。
    • 海外での与信・回収、再エネ・航空等の時価評価リスク。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(会社開示の骨子):
    • ポートフォリオ高度化(資産回転の最適化、資本効率の向上)
    • グローバル×アセット(航空・ロジ・不動産・再エネ)でのスケール活用
    • サステナビリティ/トランジション領域の深耕
    • デジタル×サービス(省エネIoT、DX支援、付帯サービス)拡大
  • 2025中計の主な施策(抜粋):
    • 海外子会社の決算期統一・PMI推進(Engine Lease、CAI等)で管理・資本効率を改善
    • 収益性の高いアセット売却(不動産等)と再投資の回転強化
    • 再エネ(蓄電池、e-メタノール等)の案件創出と金融スキーム拡張
    • オート/モビリティでのフリート管理・保守等のフィー/サブスク収益拡大

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:賃貸資産からのリース利鞘、残存価値、手数料(販売金融・アドバイザリー)、売却益等の多層。長期契約で安定性を確保しつつ、アセット売却で機動性も確保。
  • 適応力:航空・ロジ・不動産・再エネなど景気局面で相関が異なるアセットを組合せ、サイクル耐性を確保。金利/為替はヘッジや条件改定で一定程度吸収。
  • リスク:市況悪化時の評価損・貸倒、残存価値下振れ、政策変更(再エネ)等。業態上レバレッジを用いるため、資本規律が重要。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術/サービス動向:省エネIoTの導入支援、DXによる与信・残存価値管理の高度化、再エネ(蓄電池、e-メタノール供給等)での案件形成が進展。
  • 主力/けん引分野(直近Q1セグメント利益の傾向):
    • 航空:航空機/エンジンリースが堅調(Engine Leaseのエンジン調達契約など)。
    • ロジスティクス:海上コンテナ・鉄道貨車が好調。
    • 不動産:アセット売却益が寄与。
    • 環境エネルギー:一時的に損失計上(持分法利益減等)。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 株価:1,250円
  • 会社予想EPS:111.45円 → 予想PER:約11.2倍(業界平均PER 10.3倍比でややプレミアム)
  • BPS(実績):1,230.11円 → PBR:約1.02倍(業界平均PBR 0.9倍比で小幅プレミアム)
  • 予想配当/配当利回り:45円・約3.6%(5年平均利回り4.1%と比べるとやや低水準=株価は過去比でやや上方)
  • コメント:PBR約1倍前後と簿価近辺、PERは業界平均を小幅上回る水準。配当性向は約43%(参考値)。

7. テクニカル分析

  • トレンド:終値1,250円は50日線(約1,216円)、200日線(約1,091円)を上回る上昇トレンド。
  • 位置:52週高値1,260.5円に接近=高値圏。上抜けの有無が短期の方向性に影響。
  • 出来高:直近出来高は3カ月平均(約298万株)を下回る場面が多く、ブレイクには出来高伴うか注視。
  • 信用動向:信用倍率12.03倍、買残減少(前週比▲19.9万株)でやや整理進展。

8. 財務諸表分析(トレンド)

  • 売上高:2,090,808百万円(LTM)。3年CAGR約+5.8%、直近YoY約+7%と増収基調。
  • 利益:営業利益187,127百万円(LTM)。LTM営業利益率は約9%台。直近Q1は約14%まで改善。
  • 最終利益:LTM 135,165百万円。Q1は連結子会社の決算期変更に伴う取込影響(+228億円)があり、実力評価は調整が必要。
  • ROE/ROA:ROE(実績)7.78%、ROA(LTM)1.25%。
  • キャッシュ/負債:現金約3,199億円、総有利子負債約8.78兆円。流動比率約1.7倍。自己資本比率15.2%(業態標準のレバレッジ水準)。
  • セグメント(Q1):
    • 増益寄与:ロジスティクス、航空、不動産(売却益)。
    • 減益要因:環境エネルギー(損失)、ASEANでの貸倒関連費用、前年の関係会社株式売却益の剥落。
  • 一過性:Q1の決算期変更による増益寄与を除くと、基礎収益は堅調だが、環境エネや一部海外での調整も確認。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:前期40円 → 今期会社予想45円。利回り約3.6%。
  • 配当性向:目安約43%(参考値)。連続増配基調。
  • 自己株式:保有比率約2%(31,232,004株)。期間的な自己株式取得の有無は本データでは不明。
  • 大株主:三菱商事18%、MUFG14.2%等。インサイダー持分約33%で安定株主基盤。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週で+約18%。直近10営業日はじり高で年初来高値圏に接近。
  • 関心材料:
    • セグメントミックス改善(航空・ロジ・不動産)と資産回転/売却益
    • 再エネ・蓄電池、e-メタノール等の新領域進展
    • 金利・為替の動向、航空機/不動産等の市況
    • 海外与信動向(ASEAN)
  • 直近イベント:次回決算(2025/11/14予定)、配当権利落ち(2026/3/30予定)。

11. 総評

  • 事業:多様なアセットに基づく安定的なリース/フィー収益に加え、資産売却や海外展開で利益機会を拡大。
  • 業績:売上・利益は増勢。Q1は決算期変更の一過性押し上げがある一方、基礎収益も改善傾向。
  • 財務:レバレッジは業態水準。自己資本比率は15%台で資本規律の継続が重要。
  • バリュエーション:PBR約1倍、PERは業界平均比で小幅プレミアム。配当は3.6%前後。
  • テクニカル:高値圏で推移。出来高とイベント(決算)を伴うブレイク/反落の分岐点に近い位置。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上YoY +7%程度、3年CAGR +約5.8%。Qベースでも+10%台。
  • 収益性:B
    • 根拠:LTM営業利益率9%台、Q1で14%へ改善。一過性要因を除き業界平均並み〜やや上。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率15%台、D/E高水準。流動比率は約1.7倍で流動性は確保。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PER/PBRとも業界平均に対し小幅プレミアム、PBR約1倍で中立域。

参考データ(抜粋)
– 株価関連:時価総額 約1.84兆円、発行株式数 約14.67億株、β(5年)0.13
– 指標:予想PER 11.23倍、PBR 1.02倍、ROE 7.78%、自己資本比率 15.2%
– 52週レンジ:870.6円〜1,260.5円、50日移動平均 1,215.7円、200日移動平均 1,091.4円


企業情報

銘柄コード 8593
企業名 三菱HCキャピタル
URL https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
市場区分 プライム市場
業種 金融(除く銀行) – その他金融業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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