東陽テクニカ(8151)企業分析レポート
株価: 1,740円(2025-11-12終値)
市場: 東証プライム/業種: 卸売業(Scientific & Technical Instruments)
時価総額: 約453.9億円(発行済株式 26,085,000株ベース)
1. 企業情報
- 概要
- 先端計測ソリューションの専門商社兼ソリューション・プロバイダー。欧米先端メーカー製の電子計測器や試験システムの輸入販売に、自社のアプリケーション、設計・設置、保守・校正、解析サービスを組み合わせて提供。
- 主な領域:先進モビリティ(振動・騒音、AD/ADAS、e-Mobility)、脱炭素/エネルギー(二次電池・水素)、情報通信/情報セキュリティ(ネットワーク試験・脆弱性診断)、EMC/OTA・大型アンテナ、海洋/防衛、ソフトウェア開発支援、ライフサイエンス(医用画像支援)など。
- 特徴
- 研究開発用途に強み。顧客は自動車・電機・通信・官公庁・大学研究機関など。
- 高い技術サポートとプロジェクト対応力(設計・据付・試験運用)を武器に高付加価値化を推進。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内トップクラスの計測ソリューション商社の一角。海外先端ベンダーとの独占・優先的取り扱いと、導入から試験運用まで一気通貫の対応が優位性。
- 強み
- 高度なアプリケーション知見(振動・騒音、EMC、通信試験、セキュリティなど)。
- 大型施設(電波暗室、OTA環境、地上局アンテナ等)案件の実績。
- 受注基盤の厚み(2025/9期 受注高過去最高、受注残大幅増)。
- 課題
- 輸入依存と為替影響、サプライヤー動向の影響。
- 大型案件の工程遅延・顧客側工事進捗による期ズレ(業績の振れ)。
- 労務・開発費の先行増による短期的な収益圧迫。
3. 経営戦略と重点分野
- 中期:TY2027(2025–2027)
- 目標KPI:売上高450億円、営業利益45億円、ROE 11%。
- 重点:先進モビリティ、脱炭素/エネルギー、情報通信/情報セキュリティ、防衛・海洋、EMC/OTAの伸長。
- 施策:自社開発・ソフト/サービスの拡大(リカーリング強化)、M&A、海外展開、人的投資。
- 長期:BT600–2030
- 目標:売上600億円+α、営業利益75億円、ROE 15%。
- 資本政策・還元方針
- DOE(自己資本配当率)5%以上を目安に安定配当。自己株取得は成長投資とバランス。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 製品販売+設置・保守・校正・解析等のサービス収入。高付加価値案件で粗利率は比較的高水準。
- 持続性評価
- マクロ潮流(自動運転・電動化、二次電池・水素、5G/6G、サイバー防衛、海洋観測)の追い風。
- 一方で、案件偏重と納期・工事進捗に伴う売上計上時期のブレが継続的な課題。リカーリングの比率を高めることで平準化が進めば耐性向上が見込まれる。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・製品
- 振動・騒音計測、AD/ADAS HIL/シナリオテスト、電池評価、水素・燃料電池評価、EMC/OTA(5G/コネクテッド)、ネットワーク性能評価、脆弱性スキャン/パケット監視、海洋ソナー・測深、防衛向け非攻撃系装備、医用画像AI支援など。
- 動向
- 情報通信/情報セキュリティが堅調、官公庁向け大型案件の計上。
- 先進モビリティ・EMCで顧客側工事遅延による期ズレが発生も、受注残は厚く回復余地。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 1,740円、BPS 1,299.65円(2025/9期短信)、LTM EPS 42.44円、2025/9期実績EPS 55.55円、会社予想EPS(2026/9期)120.66円。
- 指標試算
- PBR:約1.34倍(= 1,740 ÷ 1,299.65)
- PER(LTM):約41.0倍(= 1,740 ÷ 42.44)
- PER(2025実績ベース):約31.3倍(= 1,740 ÷ 55.55)
- PER(2026会社予想ベース):約14.4倍(= 1,740 ÷ 120.66)
- 参考比較(業界平均)
- 業界平均PER 12.1倍、PBR 1.0倍。
- 足元(LTM・直近実績)ではプレミアム、来期会社計画ベースでは平均水準に接近。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 50日移動平均 1,633円、200日移動平均 1,488円。株価は両移動平均を上回り、年初来高値1,749円を本日更新。
- 位置づけ
- 高値圏でのブレイクアウト局面。出来高は直近平均を上回りモメンタム良好。
- 需給
- 信用買残 138,500株、信用倍率 16.1倍と買い長。上昇時は追随が入りやすい一方、反落時の振れにも留意が必要。
8. 財務諸表分析(連結)
- 売上・利益(2025/9期)
- 売上高 325.6億円(前年比 -7.1%)
- 営業利益 19.1億円(-43.1%)、経常利益 19.9億円(-41.2%)、純利益 11.9億円(-52.6%)
- 受注高 401.5億円(過去最高)、受注残 246.3億円。期ズレ要因が大きい期。
- 収益性
- 粗利率は40%超で安定(LTM目安 約42%)。営業利益率は5~6%台(期により振れ)。
- 効率性・資本収益
- ROE:2024期実績 8.97% → 直近12カ月では利益減少の影響で低下(LTM目安 約2~3%)。
- キャッシュフロー(2025/9期)
- 営業CF +21.95億円、投資CF ▲7.7億円、財務CF ▲9.7億円。期末現金等 36.6億円。
- 安全性
- 自己資本比率 70.1%、流動比率 1.75倍、D/E 約0.10倍(Total Debt/Equity 10.25%)。財務の余力は大きい。
■ 参考・推移(売上)
– 2021/9: 235.1億円 → 2022/9: 264.9億円 → 2023/9: 281.7億円 → 2024/9: 350.4億円 → 2025/9: 325.6億円
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025/9期 実績:年間69円(配当性向 124%、DOE約5.3%)
- 2026/9期 会社予想:年間70円(9期連続増配計画)
- 参考利回り:約4.0%(70円÷1,740円)
- 自己株式
- 2024年8月~10月に自己株取得 93.66万株(約15億円)。自己株保有比率 約17%。
- 方針
- DOE 5%以上を目安に安定配当、成長投資とバランスを取った自己株取得。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 10月末~11月にかけて上昇基調が強まり、本日年初来高値更新。出来高も増加基調。
- 関心・触媒
- 受注過去最高・受注残増加(期ズレ解消期待)、情報通信・セキュリティの堅調、防衛・海洋の需要。
- リスク:大型案件の進捗、為替、販管費(人件費・開発費)上昇、税率の振れ。
11. 総評
- 受注面は強く、次期に売上回復を見込む計画。短期は大型案件の期ズレとコスト先行で利益率が低下したが、粗利率は高水準を維持。
- 財務体質は堅健で、安定配当と機動的な自己株取得余力がある。
- バリュエーションは、直近実績ベースではプレミアムだが、会社予想達成を前提とする来期ベースでは平均水準に接近。足元は年初来高値圏でモメンタムが強い一方、信用買いの積み上がりとイベント進捗に伴う変動には注意が必要。
(本資料は情報提供を目的としたもので、投資勧誘を目的とするものではありません)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上は前年比-7.1%と減少だが、3~4年スパンでは増加基調かつ受注残は高水準。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率は約42%と高め、営業利益率は5~6%台で期により振れ(業界並み~やや上)。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率70%超、流動比率1.75倍、D/E低位で安全性は高い。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PBRは業界平均上回り、PERはLTM~直近実績で高め。来期予想達成時は平均水準に接近。
参考データ
- 52週高値:1,749円(本日)/52週安値:1,170円
- 50日移動平均:1,633円/200日移動平均:1,488円
- 配当(会社予想):年間70円(予想利回り約4.0%)
- 2026/9期 会社予想:売上390億円、営業利益36億円、純利益26億円、EPS 120.66円
追加の深掘り(ご希望に応じて)
– セグメント別の前年比・利益率の一覧表
– TY2027のKPIに対する到達度ギャップの定量整理
– 受注残の消化スケジュールと来期四半期配分のシナリオ整理
企業情報
| 銘柄コード | 8151 |
| 企業名 | 東陽テクニカ |
| URL | http://www.toyo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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