ケアネット(2150)企業分析レポート
注)本レポートは公開情報の事実整理であり、投資勧誘・投資助言ではありません。記載の指標は連結ベースが中心、特殊要因は明記がない限り除外しています。
1. 企業情報
- 概要
- 医師向け会員サイト「CareNet.com」を核に、医薬品マーケティングのデジタル支援(eプロモーション、Web講演会等)と、医療従事者向け教育・転職支援などのメディカルプラットフォームを展開。
- コンテンツ(CareNeTV、DVD、PubMedCLOUD、Doctors’ Picks 等)と、製薬企業向けの情報提供・営業支援(MR Plus、Web Lectures 等)を組み合わせた事業モデル。
- CRO/SMO/CSOといった臨床・営業支援機能を補完的に保有。
- 事業セグメント(2024.12期)
- 医薬DX:売上構成比 約88%
- メディカルプラットフォーム:同 約12%
- 上場区分:東証プライム(サービス業)
- 本社:東京都千代田区/設立:1996年/従業員:432人
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界環境
- 製薬業界は薬価制度改定、特許切れ、MR人員削減等で構造変化。専門領域(スペシャリティ)中心に、デジタルチャネルの活用が進展。
- ポジション
- 大手(例:M3等)が強固な会員基盤と顧客基盤を持つ中、ケアネットは医師向けメディアと製薬向けeプロモーションの実行力を特徴とする中堅プレイヤー。
- 競争優位・課題
- 優位:医師会員向け専門コンテンツ×製薬向けデジタル販促運用ノウハウ、CSO等の実働部隊を組み合わせた一気通貫支援。
- 課題:大手との会員規模・データ資産差、販促規制(薬機法等)順守コスト、景気・制度変更に伴う製薬の販促投資変動。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針
- 「医薬DX」を成長の中核に据え、eプロモーション受注拡大とCSO事業の伸長で収益性を確保。
- 医師向け教育・転職支援などプラットフォーム事業でのクロスセル強化。
- 中期的施策(短信・開示の要旨)
- eプロモーションの提案力強化、ライブ/オンデマンド講演の高付加価値化。
- CSO等の提供価値拡大(専門領域対応、運用品質の差別化)。
- 自己株式の取得・消却など資本政策の機動運用。
- 資本構成の変更(重要)
- Curie 1株式会社によるTOB成立後、非公開化(上場廃止)手続を進行中。
- 予定:臨時株主総会 2025/11/26、整理銘柄指定開始 2025/11/26、最終売買日 2025/12/22、上場廃止 2025/12/23、株式併合(10,003,007株→1株)効力発生日 2025/12/25、自己株式消却予定 2025/12/24。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源
- 製薬企業向けの案件収入(eプロモ、Web講演等)+CSO等のサービス収入が主。医療従事者向け教育・転職支援等のプラットフォーム収益で補完。
- 持続性評価(事実ベース)
- 製薬のデジタル化トレンドとMR削減の流れが追い風。案件はプロジェクト型だが、長期顧客関係・反復受注が期待されやすい構造。
- 規制・コンプライアンス要件への対応力が継続成長の前提。
5. 技術革新と主力製品
- 主な提供物
- CareNet.com、CareNeTV、PubMedCLOUD、Doctors’ Picks、医療教育DVD、CareNet Career。
- 製薬向け:MR Plus、Web Lectures、Cancer@Show-off 等(手術映像を含む教育的コンテンツ提供)。
- 特徴
- 医師向け専門コンテンツと、製薬の販促・教育ニーズをデジタルで結節する運用力。動画・ライブ配信など高頻度・高解像度の情報提供が強み。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提
- 株価 1,123円、時価総額 約526億円、現金約73億円、借入約1億円(純現金約72億円)。
- LTM売上 117.7億円、LTM EPS 32.57円。会社予想EPSは短信33.94円(別開示では35.39円の記載もあり)。
- 指標
- PER:株価/EPS
- LTMベース:約34.5倍(=1,123/32.57)
- 会社予想ベース:約33.1倍(=1,123/33.94)~約31.7倍(=1,123/35.39)
- PBR:約4.4倍(=1,123/255.27)[開示実績4.51倍の記載あり]
- EV/Sales:約3.86倍(EV約454億円 ÷ 売上117.7億円)
- 参考:業界平均 PER 17倍、PBR 1.8倍(提供データ)
- 比較
- PER・PBRとも業界平均を上回る水準。純現金を考慮してもEV/Sは約3.9倍。
- なお、上場廃止予定・TOB成立状況により市場での価格発見は限定的になりやすい点は事実として留意。
7. テクニカル分析
- 価格帯と移動平均
- 直近株価は1,123~1,125円に収れん。50日線1,125.6円付近、200日線818.4円。
- 52週高値1,155円・安値513円。現在は高値圏に近い水準。
- 値動き特性
- 10月末に出来高急増(10/30)。以降、イベント(TOB・上場廃止手続)要因でボラティリティが抑制。
- 信用動向
- 信用買残 25.7千株、信用売残 0株(信用倍率表示0.00は売残極小に起因)。需給インパクトは限定的。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上(百万円):8,004(2021)→9,328(2022)→10,236(2023)→11,183(2024)→LTM 11,771
- 3年CAGR(2021→LTM):約+13~14%/直近四半期売上成長(YoY):+18.6%
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約61.7%(7,256/11,771)
- 営業利益率:約22.9%(2,693/11,771)
- 当期純利益率:約12.0%
- ROE:約12.9%(2024通期実績は約10%)
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:約20.2億円(CFマージン約17%)
- フリーCF(Levered):約15.6億円
- 安全性
- 自己資本比率:約79%/流動比率:約4.1~4.5倍/D/E約1%
- 現金同等物 約73億円、借入 約1億円の実質無借金体質。
- 利益動向
- 営業利益は2022年に高水準、その後調整も、LTMで再び回復。特殊要因(TOB関連費用、投資組合損益等)が経常・特別損益に影響。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2025年通期会社予想:無配(0円)。前年実績は年間12円のデータあり。
- 外部データにはForward/Trailing 12円の表記も見られるが、直近短信では無配予想。非公開化手続進行中で将来の配当は上場廃止後の方針に依存。
- 自己株式・その他
- 自己株式消却予定:2025/12/24に5,594,243株。TOB成立・株式併合を含む一連の資本政策を実施予定。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週変化率+70%と長期的には強含み。ただし直近はイベントドリブンで価格レンジが極端に狭い。
- 投資家構成
- インサイダー保有比率約67%、フロート約856万株と浮動株が小さく、平時は流動性が限定されやすい特性。
- 影響要因
- TOB・上場廃止スケジュールが最優先の価格ドライバー。製薬業界の販促投資・制度改定、特殊損益も業績ブレ要因。
11. 総評
- 事業面
- 医薬DXの需要拡大を背景に、売上は堅調(3年CAGR約+13~14%)。粗利率約62%、営業利益率約23%と高水準。財務は実質無借金・自己資本比率約79%で良好。
- バリュエーション
- PER/PBRは業界平均を上回るプレミアム水準。純現金を加味したEV/Sも約3.9倍。
- 需給・イベント
- TOB成立後の上場廃止予定により、短期的な株価はイベント要因でレンジ化。最終売買日(2025/12/22)までのスケジュール進行が主な関心事。
- リスク/留意点
- 規制対応、製薬の販促投資サイクル、特殊損益の発生、非公開化後のガバナンス・資本政策の変化に注意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- LTM売上+18.6%(QoQベースのYoY)、3年CAGR約+13~14%。通期予想も増収見込み。
- 収益性:A
- 粗利約62%、営業利益率約23%。同分野として高い水準。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率約79%、流動比率約4倍、実質無借金。
- 株価バリュエーション:C
- PER・PBRが業界平均を上回る。EV/Sも相応に高いレンジ。上場廃止予定により市場評価の平常比較は難しい面あり。
参考データ抜粋
– 株価関連:株価1,123円、年初来高値1,155円/安値513円、50日移動平均1,125.6円、200日移動平均818.4円
– 指標:時価総額約526億円、PER約31.7~34.5倍、PBR約4.4~4.5倍、EV/Sales約3.86倍
– 収益性:粗利率約61.7%、営業利益率約22.9%、純利益率約12.0%
– 安全性:自己資本比率約79%、Current Ratio約4.1~4.5、D/E約1%
– 重要日程(予定):整理銘柄指定開始 2025/11/26、最終売買日 2025/12/22、上場廃止 2025/12/23、株式併合効力 2025/12/25
(不明・非開示の数値は記載していません)
企業情報
| 銘柄コード | 2150 |
| 企業名 | ケアネット |
| URL | http://www.carenet.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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