ソディック(6143)企業分析レポート
株価:943円(2025-11-12終値)/市場区分:東証プライム/業種:機械
本資料は開示資料・提供データに基づく事実整理です。投資助言は行いません。数値は特記ない限り連結ベース。LTM=直近12か月。
1. 企業情報
- 概要:放電加工機(EDM)で世界首位級。工作機械(EDM、金属3Dプリンタ、マシニングセンタ、CAD/CAM)、産業機械(射出成形機等)、食品機械(製麺機・米飯装置)を展開。EDM等で用いるリニアモータ・モーションコントローラを内製し、要素技術を強みとする。
- 事業セグメントと売上構成(目安):工作機械約70%、産業機械約13%、食品機械約10%、その他約7%。海外売上比率68%(2024期)。
- 最近の動き:Prima Additive S.r.l.(金属3Dプリンタ、イタリア)を2025年5月に連結化。2025年7月、アドバンテッジパートナーズと事業提携・資金調達(社債発行など)を実施。
- 従業員数:3,294人、本社:横浜市都筑区。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:EDMで世界首位級。NC装置・リニア駆動の内製や高速・高精度加工の実績が技術的優位性。
- 主な競合:三菱電機(EDM)、牧野フライス(EDM/工作機械)、GF Machining Solutions(海外)など。射出成形機では日系・中華系大手が競合。
- 競争優位:
- 内製要素(リニアモータ、コントローラ)による制御最適化と高精度化
- 光コネクタ・半導体・航空宇宙など高付加価値用途の需要取り込み
- 金属3Dプリンタの製品群強化(Prima Additive連結)
- 課題:
- 設備投資サイクルの影響を受けやすい(景気・為替・地政学の変動)
- 中華圏需要への依存度(是正を進行中)
- 産業機械の収益性底上げ・モデルシフトの定着
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(会社開示より)
- 中国市場依存の低減/生産・販売のグローバル再構築(蘇州→厦門集約等)
- 選択と集中、高付加価値製品へのシフト(EDM・金属AMの強化)
- バランスシートの改善(借入構成の見直し、社債発行)
- 重点施策
- Prima Additive連結による金属3Dプリンタの拡充と付加価値向上
- 工作機械の生産集約・人員最適化など構造改革で収益性改善
- 中華圏のCS/テクセンター整備、新拠点でのサービス強化
- 通期見通し(2025年計画・修正なし)
- 売上高 77,400百万円、営業利益 4,300百万円、純利益 2,900百万円、EPS 57.35円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:装置販売が中心。高精度加工分野の更新・能力増強投資、光通信・半導体・航空宇宙など構造的需要に支え。食品機械や保守サービスでキャッシュフロー平準化に寄与。
- 適応力:要素技術内製と製品ライン拡張(AM/3Dプリンタ等)で用途拡大。中国依存抑制や生産集約によりコスト耐性を高める方針。
- リスク:マクロ減速・為替・地政学、主要顧客(自動車等)の投資抑制、統合(M&A)リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術:リニアモータ・制御系の内製、超精密加工、金属AM(3Dプリンタ)領域の拡充。
- 主力・成長ドライバー:
- EDM(型彫・ワイヤ・細穴)=高精度加工の中核
- 金属3Dプリンタ=高付加価値案件の拡大余地
- 射出成形機(光コネクタ・医療等)、食品機械(更新・海外伸長)
6. 株価の評価(バリュエーションの目安)
- 株価 943円、時価総額 約516.7億円
- 会社予想EPS 57.30円 → PER 約16.46倍(業界平均PER 16.6倍と近似)
- 実績BPS 1,660.44円 → PBR 約0.57倍(業界平均PBR 1.4倍を下回る)
- 概算EV/S:EV ≒ 516.7+370.9−476.2=約411億円、売上(LTM)約790億円 → EV/S ≈ 0.5倍
- 参考感度:
- 業界平均PER(16.6倍)× 会社予想EPS(57.3円) ≈ 951円(現株価と同水準)
- 業界平均PBR(1.4倍)× BPS(1,660円) ≈ 2,324円(PBR観点では低位)
(注)PERは収益変動の影響を受けやすく、PBRは資産効率の差を反映しにくい点に留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:現在株価は50日移動平均線(約912円)・200日移動平均線(約878円)を上回り、中期的には上向き基調。
- 年初来レンジ:安値664円/高値1,043円に対し943円はレンジ上側(下から約74%の水準)、高値まで約−10%。
- 直近の値動き:11/10に出来高増で急落後、2営業日で戻り。10日平均出来高は3か月平均を上回り、短期的な関心は上昇。
- 信用動向:信用倍率3.14倍。買残は減少、売残は増加(やや需給は均衡方向)。
8. 財務諸表分析
- 売上推移(百万円)
- 2021: 75,174 → 2022: 80,495 → 2023: 67,174 → 2024: 73,668 → LTM: 78,054
- LTM YoY: 約+5.9%、3年CAGR(2021→2024): 約−0.7%(足元は回復基調)
- 収益性
- 粗利率(LTM)≒ 26,784/78,054 ≈ 34%
- 営業利益(LTM)4,441、営業利益率 ≈ 4.7%(第3Q累計は約5.4%まで改善)
- EBITDA(LTM)9,583(マージン約12%)
- ROE(実績)5.1%、ROA(LTM)約1.9%(改善途上)
- キャッシュ・財政状態
- 現金等 476億円、総有利子負債 371億円 → ネットキャッシュ約+105億円
- 自己資本比率 58.2%/流動比率 3.0倍と安全性は良好
- 社債増、借入金減で資本構成を調整中
- セグメント(2025年3Q累計)
- 工作機械:売上41,277(+10.9%)、利益4,358(構造改革の効果)
- 産業機械:売上7,188(+12.4%)、利益364(モデルシフト費用で利益率は低下)
- 食品機械:売上4,039(+14.5%)、利益521(更新・海外需要)
- その他:売上3,840(±0%)、利益200(黒字化)
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間29円(中間14円・期末15円)/予想利回り約3.08%
- 配当性向(参考):約33%
- 自己株式:保有比率7.56%(取得の有無は直近開示を要確認)
- 5年平均配当利回り:約3.4%(安定的なレンジ)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+26%(市場平均対比で良好)
- ボリューム:直近10日平均出来高が3か月平均を上回る(イベント後の関心増)
- 価格ドライバー:
- 工作機械の高付加価値分野(光コネクタ、半導体、航空宇宙)需要
- 中国リスクの緩和進捗、構造改革による利益率改善
- 為替、マクロ投資サイクル、M&A統合の進展
11. 総評
- EDMを核に高付加価値分野への浸透と要素技術内製が強み。金属3Dプリンタの拡張、構造改革により収益性は改善傾向。
- LTM売上は回復基調、営業利益率も5%前後まで改善。財務はネットキャッシュ・自己資本比率ともに良好。
- バリュエーションはPERが業界平均並、PBR・EV/Sは低位水準。事業ポートフォリオの高度化と利益率の定着が評価の鍵。
- リスクは設備投資サイクル、為替・地政学、統合(M&A)実行の不確実性。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +約6%、2025年3Q累計売上+10.5%。一方、3年CAGRは横ばい〜微減。足元は回復。
- 収益性:B
- 根拠:粗利率約34%、営業利益率LTM約4.7%(改善中)。業界トップ水準ではないが改善トレンド。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率58%、流動比率3.0倍、ネットキャッシュ約+105億円。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PERは業界平均並、PBRは業界平均を下回る水準、EV/Sも低位。
補足
– データ出所により一部数値に差異が見られますが、本稿では決算短信・提供損益計算書のLTM数値を重視して整理しています。
– 参考イベント:2025-12-29 権利落ち日(予定)。
企業情報
| 銘柄コード | 6143 |
| 企業名 | ソディック |
| URL | http://www.sodick.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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