ペプチドリーム(4587)企業分析レポート

以下は、提供データ(株価・指標・決算短信・財務)に基づく客観的な分析整理です。投資判断ではなく、情報把握の参考資料としてご覧ください。

1. 企業情報

  • 概要
    • 東大発の創薬ベンチャー。独自のPDPS(Peptide Discovery Platform System)で高選択性の環状ペプチドを同定し、ペプチド医薬、低分子、PDC(ペプチド薬物複合体)、MPC等に展開。大手製薬との共同研究・技術ライセンス多数。
    • 放射性医薬品事業(PDRファーマ等)も併営。診断薬・治療薬、および関連機器・デジタルソリューションの研究開発・製造・販売を一気通貫で行う。
  • 主なパイプライン(抜粋)
    • PD-L1(腫瘍)/BMS-986229:Ph1
    • CD38 BHV-1100 + NK細胞(多発性骨髄腫):Ph1
    • S2タンパクPA-001(COVID-19):Ph1
    • GhR AZP-3813(先端巨大症/NET):Ph1
    • GPC3(肝がん)、Myostatin(肥満・筋疾患)、TfR(神経筋疾患)、c-Kit(アレルギー)、c-Met、HA(インフル)など:前臨床
  • 体制・沿革
    • 2006年設立、川崎臨海部に本社。従業員621名(提供データ)。海外提携豊富(Novartis、BMS/RayzeBio、Lilly、Genentech、MSD、Curiumなど)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 業界内ポジション
    • ペプチド創薬では国内トップクラスの技術的存在感。プラットフォーム提供(PDPS)により多社と提携・マイルストーン・ロイヤルティの機会を確保。
    • 放射性医薬品は国内での製造・販売体制を保有し、診断薬を中心に製品ラインが広い。国内市場で上位プレイヤーの一角。
  • 競争優位性
    • 高多様性・高選択性の環状ペプチド探索技術(PDPS)。
    • ライセンス・共同研究によるパイプライン多角化と分散。
    • 放射性医薬品での商業化能力・供給体制・国内販路。
  • 課題
    • 創薬収益は契約一時金・マイルストーンの発生タイミングに左右され、業績の変動が大きい。
    • 臨床開発・薬事の不確実性、薬価や規制・供給のリスク管理が継続課題。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略
    • PDPSを中核に、「創薬開発(Non-RI)」と「放射性医薬品(RI)」の二軸で中長期の成長を目指す。
    • 国内商業化機能(RI)を強化し、診断から治療までのサイクル(セラノスティクス)を推進。
  • 具体施策(中期)
    • かずさアカデミアパークに臨床/商用生産設備を建設(2026年着工、2028年稼働予定、投資規模約100億円)。
    • 川崎・殿町で新研究棟(2027年竣工、2028年稼働予定)。
    • 研究開発費を計画的投下(2025年通期見込:約56.5億円)。
    • PSMA、FAP、GPC3などRI主要標的の国内開発・供給体制を強化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 創薬:共同研究費、技術ライセンスの前受金、マイルストーン、上市後ロイヤルティ等が柱。高収益だが一時金の期ズレで変動大。
    • 放射性医薬品:製品販売(診断薬中心)により継続収益を確保。売上の安定化に寄与。
  • 適応力
    • 多数の提携先によりパイプラインの分散が進み、単一案件リスクを軽減。
    • 国内製造・供給の内製化で規制やサプライチェーン変動への耐性を向上。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術
    • PDPSによるノンスタンダードアミノ酸含有の環状ペプチド探索。PDC・MPC・低分子化への展開力が独自性。
    • 放射性医薬品ではPET/SPECT核種(68Ga/64Cu/18F/123I/131I/99mTc等)を活用。国内での製造品質・供給インフラが強み。
  • 主力・収益牽引
    • 現状はRI製品販売が売上のボリュームを支える(2025年3Q累計:RI売上1,172.7億円相当→注:単位は百万円換算で11,726.8百万円)。
    • 創薬は大型マイルストーン発生時に収益貢献が大きい。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提(2025-11-13終値ベース)
    • 株価:1,630円、時価総額:2,119億円、発行株式数:1.3001億株
    • 予想EPS:116.75円、実績BPS:407.05円
    • 予想PER:13.96倍、実績PBR:4.00倍(提供指標と整合)
    • 業界平均:PER 27.8倍、PBR 1.4倍
  • 相対比較(参考)
    • PER視点:同社13.96倍は業界平均27.8倍比で低位。
    • PBR視点:同社4.00倍は業界平均1.4倍比で高位。
  • 参考計算(目安、助言ではありません)
    • 業界平均PERを適用した理論株価目安:116.75円 × 27.8 ≈ 3,246円
    • 業界平均PBRを適用した理論株価目安:407.05円 × 1.4 ≈ 570円
    • EV/Sales(概算)
    • ネットキャッシュ:約128億円(現金3,053億円−借入1,769億円→注:百万円換算で30,530−17,690=12,840百万円)
    • EV:約1,991億円(時価総額2,119億円−正味現金128億円)
    • LTM売上:約1,909億円(19,086百万円)→ EV/S ≈ 10.4倍
    • 会社予想売上(2025期)4,900億円(49,000百万円)→ フォワードEV/S ≈ 4.1倍
  • 補足
    • 収益は一時金の時期に影響されるため、PERの持続性は期ズレの影響を受けやすい一方、RIの安定売上が指標の平準化に寄与。

7. テクニカル分析(短期)

  • 位置づけ
    • 年初来高値:2,629円、安値:1,452円。現値1,630円は高値比約▲38%、安値比約+12%でレンジ下寄り。
  • 足元の値動き
    • 直近10日で1,500円近辺のもみ合いから、決算短信開示翌日に出来高増(約235.8万株)で1,630円まで上昇。
    • 1,650円近辺が直近の上値(当日の高値)。1,490~1,520円帯に短期サポートが意識されやすい価格帯が形成。
  • 需給
    • 信用買残1,791,900株、信用倍率21.75倍(買い長)。短期では需給の振れに注意。

8. 財務諸表分析(IFRS・連結)

  • 損益(単位:百万円)
    • 売上高:2021/9,422 → 2022/26,852 → 2023/28,712 → 2024/46,677 → LTM/19,087
    • 営業利益:2021/4,066 → 2022/8,980 → 2023/6,773 → 2024/21,114 → LTM/▲6,161
    • 当期純利益:2021/2,573 → 2022/7,554 → 2023/3,036 → 2024/15,015 → LTM/▲5,033
    • コメント:2024年は大型寄与で高収益、LTMは創薬一時金減少で赤字。変動の大きさが確認できる。
  • 収益性
    • 粗利率:2024年約73.9%(34,504/46,677)、LTM約40.4%(7,709/19,087)→ RI比率上昇で低下。
    • 営業利益率:2024年約45.2%、LTM約▲32.3%。
  • キャッシュフロー(2025年3Q累計)
    • 営業CF:▲125億円、投資CF:▲18億円、財務CF:▲32億円、期末現金:305億円。
  • 安全性
    • 自己資本比率:期首61.2% → 3Q時点67.8%(短信)。ネットキャッシュ約128億円。流動比率約473%。
  • 効率性
    • 3Q累計の総資産回転率は低位(年換算なしの単純比)。設備投資計画進行中。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:無配(会社予想0円、配当利回り0%)。
  • 自社株買い:期中に自己株式取得の記載(短信に言及)。期末自己株式数796,435株。
  • 基本方針:成長投資(研究開発・設備)を優先しつつ、機動的な株主還元を検討するスタンス(開示文脈)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム
    • 決算発表後に陽線で上昇、出来高急増。短期的には反発局面。
  • 投資家関心の要因
    • 通期予想は据え置き(売上収益4,900億円、親会社利益1,510億円)で、期後半の収益計上想定が意識。
    • 提携・マイルストーン、RIの臨床・承認・発売、供給体制の拡充などイベントドリブン。
  • リスク要因
    • 一時金・マイルストーン時期の期ズレ、臨床・規制の不確実性、需給(高い信用買い残)など。

11. 総評

  • 強み:PDPSによる創薬プラットフォームと国内RIの商業化機能を併せ持つ独自モデル。提携の裾野が広く、長期的なロイヤルティ機会を有する。財務健全性(高自己資本比率・ネットキャッシュ)も確認できる。
  • 課題:創薬収益の変動が大きく、四半期ベースで利益が振れやすい。LTMでは赤字・粗利率低下(RI比率上昇)が見られる。短期では信用需給の影響に留意。
  • バリュエーション:PERは業界平均比で低水準、PBRは高水準。フォワードEV/SはRIの安定売上寄与を織り込むと中位水準まで低下するが、収益のタイミング依存性を伴うため、複数指標の併用が有効。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 2024年までの3年は増収だが、LTM売上は前年比で大幅減(マイルストーン減少)。指標上は減速。
  • 収益性:C
    • 2024年は高収益だった一方、LTMは営業赤字・粗利率低下。期ズレの影響が大きい。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率67.8%(3Q)、ネットキャッシュ、流動比率高水準。
  • 株価バリュエーション:B
    • PERは業界比低位、PBRは高位、EV/SはLTMで高め・フォワードで中位。総合して中立評価。

参考データ(主要数値)
– 株価:1,630円
– 時価総額:2,119億円
– 予想EPS/BPS:116.75円 / 407.05円
– 予想PER/実績PBR:13.96倍 / 4.00倍
– 年初来高安:2,629円 / 1,452円
– 信用倍率:21.75倍
– 2025年通期会社予想:売上4,900億円、営業利益2,160億円、純利益1,510億円(いずれも百万円換算)

注記
– 本資料は公開情報に基づく定量・定性の整理であり、将来見通しや投資行動を推奨するものではありません。必要に応じて元資料(決算短信等)をご確認ください。


企業情報

銘柄コード 4587
企業名 ペプチドリーム
URL http://www.peptidream.com/
市場区分 プライム市場
業種 医薬品 – 医薬品

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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