住友ゴム工業(5110)企業分析レポート(プライム市場)
株価(終値):2,130.5円(2025-11-14)
時価総額:5,604億円/予想PER:12.45倍/PBR:0.85倍/予想配当利回り:3.29%
1. 企業情報
- 概要:タイヤ(DUNLOP・FALKEN)を主力に、スポーツ用品(ゴルフ・テニス)と産業品(制振ダンパー、医療用ゴム等)を展開。創業1909年、本社は神戸。タイヤ国内2位。連結海外売上比率は72%(2024年)。
- 事業構成(売上比率/利益率):タイヤ86%(営業利益率目安 7%台)、スポーツ10%(同 6%台)、産業品他3%(同 9%台)〔括弧内は会社資料等のセグメント利益率の目安〕。
- 特徴:2025年に四輪タイヤのDUNLOP商標権(欧州・北米・オセアニア)を譲受し、北米・オセアニアで販売開始。ブランドの一体運営を強化。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内タイヤ2位。グローバルでは大手群に属し、DUNLOP・FALKENの2ブランド体制で地域・価格帯をカバー。
- 競争優位性:
- DUNLOPブランドの国際商標権取得で、グローバルでのブランド統一・収益管理の自由度が上昇。
- モータースポーツ由来の高性能領域・プレミアム領域での技術蓄積。
- 主な課題:
- 中国系を中心とした価格競争の強まり。
- 原材料(天然ゴム・石化系)や為替の変動感応度。
- 地域別需要の差と関税・通商政策の影響。
3. 経営戦略と重点分野
- 長期ビジョン:"R.I.S.E. 2035"(プレミアム化、グローバルブランド経営、新収益源の構築、持続可能性対応)。
- 中期方針(2023–2027):
- ブランド戦略:DUNLOPのグローバル展開強化、FALKENの欧州での地位伸長。
- 製品ミックス改善:高付加価値(大口径・SUV・EV向け)比率引上げ。
- 収益基盤:北米・欧州の販売体制再構築、原材料・物流コストのコントロール。
- 2025年の重点:DUNLOP商標権譲受の反映(無形資産計上・販売開始)、地域別での販売条件見直し、在庫・チャネルコントロール。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:交換(リプレイス)用が収益源として安定。OEM向けは景気連動性が高い一方で、プレミアム化により単価・利益の改善余地。
- レジリエンス:原材料高や為替の影響を受けるが、ブランド・サイズミックス改善とグローバル調達で吸収余地。地域ポートフォリオ分散は安定要因。
- 課題対応:低価格帯との価格競争、関税政策の不確実性に対して、現地生産・ローカルサプライチェーン強化が論点。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発:静粛性・低燃費・耐摩耗・ウェット性能の高次元両立、EV向け低騒音・高トルク対応タイヤなどプレミアム領域に注力。
- 主力領域:大口径・SUV・ウルトラハイパフォーマンス(UHP)、四季タイヤ(オールシーズン)、モータースポーツ派生製品。スポーツではゴルフ・テニス用品と施設運営。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 予想EPS:171.15円/BPS(実績):2,518.71円
- 予想PER:12.45倍(業界平均 10.3倍比でやや高め)
- 実績PBR:0.85倍(業界平均 0.9倍比でわずかに低め)
- EV/Sales(LTM):約0.67倍
- 試算:EV ≒ 時価総額5,604億 +(有利子負債3,269億 − 現金860億)≒ 8,013億円、売上高1.20兆円
- 参考:フォワード配当性向(試算)= 70円 / 171.15円 ≒ 約41%
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日移動平均1,824.9円・200日移動平均1,762.2円を大きく上回り、年初来高値2,176.5円に接近。高値圏に位置。
- 直近の動き:11/13に出来高増(約782万株)で急伸。決算発表(11/12)を材料とした価格ギャップが発生。
- ボラティリティ・需給:信用倍率7.19倍。信用買残は前週比減、売残は小幅増。短期的な需給の偏りに留意。
8. 財務諸表分析
- 売上高推移(連結):
- 2021年:9,360億 → 2022年:1兆986億 → 2023年:1兆1,774億 → 2024年:1兆2,118億円
- LTM:1兆1,970億円(前年比わずかに減)
- 3年CAGR(2021→2024):約+9%
- 収益性:
- 2025年3Q累計(IFRS):売上861,609、売上総利益率約29.3%、営業利益率約5.35%、親会社純利益率約3.0%
- 2024年は営業費用増で通期営業益鈍化。LTMの営業損益は集計方法により差異があるが、会社予想では通期回復見込み(営業利益84,000)。
- ROE/ROA:
- 実績ROE(開示):1.54%(2024年)。会社予想ベースでは当期純利益450億円/持分6620億円 ≒ ROE約6.8%の水準感。
- ROA(LTM):3.20%(提供データ)。
- キャッシュフロー:
- 営業CF(LTM):+1,154億円。投資CFはDUNLOP商標等の取得で大幅マイナス、レバードFCFはマイナス。
- 財務安全性:
- 自己資本比率:48.9%(実績)
- 流動比率:1.54倍
- D/E(総負債/資本、目安):約0.50倍/Net Debtは増加傾向
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025年通期予想70円(中間35円・期末35円)、予想利回り3.29%。
- 直近の配当推移:2024年実績58円から増配計画。
- 配当性向:提供データのトレーリング指標は154.6%(一過性損益や赤字期を含む可能性)。フォワード試算では約41%。
- 自社株買い:開示情報上、今回資料には特記なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:10営業日で約+17%上昇。決算発表後に出来高急増、年初来高値を更新・接近。
- 関心の手掛かり:
- 通期見通しは売上わずかに下方も、利益計画据え置き(原材料安・円安寄与)。
- DUNLOP商標取得に伴う中長期のブランド収益化期待。
- 一方で本数減(数量)や地域差、関税・為替の変動は不確実性要因。
11. 総評
- 事業面:DUNLOPのグローバル一体運営開始とプレミアム化で、中長期の収益力改善に向けた布石が進展。地域・チャネル再編やミックス改善がテーマ。
- 財務・収益性:2024年は費用増・一過性影響で弱含みも、2025年は営業利益・純利益の回復を会社は見込む。営業CFは厚いが、商標取得で投資CFが重く、ネットデットは増加。
- バリュエーション:PERは業界平均を上回る一方、PBRは1倍割れ、EV/Sは低位。成長回復の実現度合いが評価の焦点。
- 株価:テクニカルには高値圏でモメンタム良好。短期は需給要因の変化に留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:3年CAGRは約+9%と良好だが、LTMでは売上微減・四半期ベースで前年比-3.8%。
- 収益性:B
- 根拠:3Q累計の営業利益率約5%台、EBITDA水準は業界一般水準と同程度とみられる。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率約49%、流動比率1.5倍、D/E約0.5倍と健全域。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均超、PBRは平均をわずかに下回る、EV/Sは低位。総合して平均並み。
参考データ
– 年初来高値:2,176円/年初来安値:1,285円
– 50日線:1,824.9円/200日線:1,762.2円/β:0.12
– 信用残:買い35.4万株(前週比-2.96万)、売り4.9万株(+0.53万)、信用倍率7.19倍
– 今後のイベント:権利落ち日 2025-12-29、決算発表予定 2026-02-12
注記
– 本資料は公開データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
– 一過性損益は評価から極力除外し、数値は資料間の定義差・集計差により一部不整合が生じる可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5110 |
| 企業名 | 住友ゴム工業 |
| URL | http://www.srigroup.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 自動車・輸送機 – ゴム製品 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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