日特建設(1929)企業分析レポート(2025-11-14時点)
現在株価:1,211円(前日比 -24円)
市場区分:東証プライム/建設業
時価総額:505.9億円
1. 企業情報
- 概要:特殊土木の大手。ダム基礎の地盤改良、法面保護、補修・補強など防災・環境関連に強み。麻生グループ系で、2025年度より麻生フオームクリートを新たに連結。建設(単一セグメント)100%。
- 主力領域
- 基礎・地盤改良:ダム基礎・地盤改良、地盤注入、地すべり対策等
- 法面工事:斜面安定化、防災対策
- 補修・補強:インフラの長寿命化工事
- 土木・地質調査・シールド関連ほか
- 特徴:公共大型案件の受注力、受注段階からの原価統制、連結子会社の技術(発泡軽量コンクリート等)活用。自己資本比率60%台、低借入の好財務。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:中堅〜準大手の「特殊土木」専業色が強いプレイヤー。防災・国土強靭化、老朽インフラ補修という構造的需要の恩恵を受けやすい領域に特化。
- 競争優位性
- ニッチ高専門性(基礎・地盤・法面・補修)の技術蓄積
- 公共大型案件の受注増、受注残の厚み(繰越高:6,674億円→66,740百万円、前年同期比+13.0%)
- 連結子会社の製品・工法シナジー(麻生フオームクリート)
- 課題
- 資材価格・人件費上昇の継続、労務確保
- 競争入札・設計変更対応、価格転嫁のタイムラグ
- 受注案件ミックスによる利益率変動
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・基本方針:防災・減災、国土強靭化、インフラ長寿命化を収益柱に、原価統制と選別受注で安定的な収益確保。
- 重点施策(会社開示・決算短信要旨より)
- 受注段階からの原価統制継続(利益率改善)
- 公共大型案件の獲得強化(北海道新幹線延伸等の寄与)
- 連結子会社の取り込みによる売上・利益拡大(麻生フオームクリート)
- 施工生産性向上(DX・工法標準化・安全投資)と人材確保
- 中期計画:中期経営計画2023(2023〜2025年度)の最終年度に注力中。数値目標の詳細開示は—。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:公共工事比率が高く、景気変動耐性は相対的に高い一方、案件ごとの採算管理が利益の鍵。受注残66,740百万円と厚く、足元の売上見通しを下支え。
- ニーズ変化への適応
- 防災・補修の恒常需要に合致(災害頻発、老朽化対応)
- 原価上昇に対し、受注選別・VE提案・工法改良で対応
- リスク:資材・エネルギー価格、地政学、入札環境、技能者不足。案件ミックスにより利益率の振れが発生しやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向・独自性:基礎・地盤改良、法面対策、補修・補強での専門工法群。麻生フオームクリートの発泡軽量コンクリート関連技術のシナジーが拡大中。
- 収益牽引領域(2026/3期中間)
- 売上:法面工事16,264百万円(構成比43%)、基礎・地盤12,111百万円(32%)、補修6,207百万円(17%:前年同期比+68.5%)
- 受注:法面19,654百万円、基礎・地盤15,300百万円
- 受注残:法面31,339百万円と厚い
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:80.23円、BPS:832.71円
- 指標(現在株価ベース)
- PER:15.09倍(業界平均14.0倍)
- PBR:1.45倍(業界平均1.1倍)
- EV/売上:0.46倍(EV≒3,465億円、売上LTM 7,484億円)※概算
- EV/EBITDA:5.8倍(EBITDA LTM 598億円)※概算
- 参考比較水準(単純比較)
- 業界平均PER(14倍)× 会社予想EPS(80.23)≈ 1,123円
- 業界平均PBR(1.1倍)× BPS(832.71)≈ 916円
- 配当
- 会社予想配当:49円(利回り約4.05%)
- 配当性向目安:会社予想EPSベースで約61%(一方、データベースのTrailing指標では約83%と表示。算定基準期間の違いに留意)
7. テクニカル分析
- トレンド位置:終値1,211円は
- 50日移動平均1,256.8円を下回る
- 200日移動平均1,128.1円を上回る
- 位置づけ:中期上昇トレンドの範囲内で、足元は短期的に軟化。52週高値1,386円から約-12.6%、52週安値909円から約+33.2%。
- 直近10日:リバウンド後に戻り売り優勢。出来高は11/10に膨らみ、その後やや減少。
- 信用需給:信用買残14.6万株(前週比+9,500)、倍率6.91倍。ロング偏重で値動きが振れやすい局面に留意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(単位:百万円)
- 2026/3期中間:売上37,664(+25.4%)、営業1,794(+295.8%)、経常1,866(+287.0%)、純利1,182(+402.4%)
- 過去通期:売上 2022年66,076 → 2023年72,918 → 2024年71,879
- LTM売上:74,840、LTM営業利益率:6.34%、LTM純利益率:4.48%
- 3年CAGR(売上、2022→LTM):約+4.2%
- 収益性
- 粗利率:約19%(LTM、粗利14,300/売上74,840)
- 営業利益率:6.3%(LTM)
- EBITDAマージン:約8.0%(LTM)
- ROE:7.06%(実績)〜10.05%(LTM)、ROA:5.71%(LTM)
- キャッシュフロー
- 営業CF:+248億円(LTM)
- レバードFCF:-13.9億円(投資・配当等でマイナス)
- 財政状態(2025/9末)
- 自己資本比率:60.3%(実績60.4%)
- 現預金:165億円、総有利子負債:6億円、D/E:約1.7%
- 流動比率:225%
- 受注・受注残
- 受注高:43,487(+7.4%)
- 受注残:66,740(+13.0%)→通期売上予想76,000に対し高水準
9. 株主還元と配当方針
- 配当:中間22円、期末予想27円、年合計49円(変更なし)
- 予想配当利回り:約4.05%
- 配当性向:会社予想EPSベース約61%(データベースのTrailing値は83%)
- 自社株買い:開示情報—(記載なし)
- 株主構成:親会社ANホールディングスが57.8%保有。浮動株は限定的(Float約1,552万株、Insiders約63%)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 1年騰落率:+25.0%(S&P500: +14.8%)
- 直近の変動:50日線割れで短期モメンタムは鈍化。出来高は3ヶ月平均9.1万株、10日平均10.1万株。
- 需給要因:信用買い超過(倍率6.91倍)、親会社の安定保有比率が高く、流動性は相対的に限定的。
11. 総評
- 受注・売上は公共大型案件と連結子会社寄与で拡大、原価統制の継続で利益率が改善。受注残も厚く、当面の業績見通しを支える構図。
- 財務は自己資本比率60%台、実質無借金に近い低レバレッジで健全。営業CFは黒字を維持。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均対比でややプレミアム。配当利回りは4%前後で安定的。
- リスクは資材・労務コスト上昇、案件ミックスによる採算のぶれ、短期的な需給(信用買い偏重)。中期では防災・補修需要という構造的追い風が継続。
(本レポートは公開情報に基づく事実整理であり、投資助言を目的とするものではありません。)
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上成長(約+11%)、四半期売上成長+26.9%、3年CAGR約+4.2%。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率6.3%、粗利率約19%。業界内で中位〜やや良好水準と評価(業界平均詳細データ欠損のため中立寄り)。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率60%超、流動比率225%、D/E約1.7%。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PER15.1倍・PBR1.45倍は業界平均(PER14倍・PBR1.1倍)比で小幅プレミアム。EV/EBITDA約5.8倍は参考値。
データ出所:会社決算短信(2026年3月期第2四半期)、提供株価・財務データ(2025-11-14時点)。不明項目は—として記載。
企業情報
| 銘柄コード | 1929 |
| 企業名 | 日特建設 |
| URL | http://www.nittoc.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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