クシム(2345)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
本レポートは、クシム(2345)に関する公開情報を基に作成された企業分析です。投資判断はご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
1. 企業情報
クシムは、ブロックチェーン関連サービス、システムエンジニアリング、インキュベーション事業を展開する企業です。以前はeラーニング事業も手掛けていましたが、現在は売却し、ブロックチェーン活用システムの開発に注力しています。特に、暗号資産関連事業を主要な成長分野と位置付けています。前経営陣によるシステム開発や暗号資産関連の主要子会社株式の代物弁済が行われた経緯があり、現在、新事業の育成が喫緊の課題となっています。2025年10月期第1四半期より、一部の連結子会社が連結範囲から除外され、現在は単一セグメントである「ブロックチェーンサービス事業」を主としています。
2. 業界のポジションと市場シェア
提供された情報からは、クシムの具体的な市場シェアや業界内での競争優位性を特定することは困難です。
しかし、Web3・ブロックチェーンといった先端技術分野に特化している点が特徴です。一方で、主要子会社の連結除外やそれに伴う法的争議により、事業基盤の再構築の最中にあり、業界内でのポジションは不安定な状況にあると言えます。事業の再立ち上げと法的争議の行方が、今後の競争優位性を確立する上での重要な要素となります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、ブロックチェーンサービス事業を中核として、Web3/ブロックチェーン領域での開発・コンサルティング事業の再立ち上げと育成を重点分野としています。具体的には、2025年6月よりブロックチェーン開発・コンサルティング事業を再開し、これを主力事業として確立することを目指しています。
また、従前の主要子会社株式の代物弁済については、違法無効を主張し法的手続きを進めており、旧事業を取り戻すことも重要な経営課題とされています。中期経営計画に関する具体的な数値目標は開示されていませんが、これらの事業再構築と法的課題の解決が、今後の成長戦略の基盤となると考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
クシムの事業モデルは、Web3・ブロックチェーンという成長分野を対象としていますが、主要子会社の連結除外やそれに伴う事業・資産の喪失により、現在は大きな転換期にあります。直近の決算短信でも「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が注記されており、事業の持続可能性には高いリスクが伴います。
収益モデルはブロックチェーン関連の開発・コンサルティングを主軸としていますが、事業再構築が始まったばかりであり、安定した収益基盤の確立が喫緊の課題です。市場ニーズの変化への適応力は、先端技術分野であるため潜在的に高い可能性がありますが、現在の組織体制での実行力が問われます。
5. 技術革新と主力製品
クシムは「ブロックチェーン活用システム開発」を事業の軸としており、Web3/ブロックチェーン領域の先進IT技術開発・コンサルティングを提供しています。これは技術革新の最先端を行く分野であり、潜在的な成長機会を秘めています。
しかし、現在の主力製品やサービスで具体的に発表されているものや、特許などの独自の技術優位性に関する詳細な情報は、今回の情報からは明確ではありません。事業再構築の過程であり、今後の技術開発の成果や具体的なソリューションの展開が注目されます。
6. 株価の評価
- 株価: 234.0円
- BPS(実績): (連)23.82円(直近四半期 24.27円)
- PBR(実績): (連)9.78倍
- 業界平均PBR: 1.6倍
現在の株価234.0円に対し、BPS(1株当たり純資産)は24.27円です。したがって、実績PBRは9.78倍と算出されます。これは業界平均PBRの1.6倍と比較してかなり高い水準にあり、PBRの観点からは割高な評価と言えます。EPS(1株当たり利益)は過去12ヶ月で赤字が続いているため、PERは算出不能です。純資産価値に対して現状の株価は高く評価されている状態ですが、これは事業再編や将来の成長期待が織り込まれている可能性も考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価234.0円は、年初来高値627円、年初来安値159円の範囲内にあります。
* 50日移動平均: 256.64円
* 200日移動平均: 240.85円
現在の株価は、50日および200日移動平均線のいずれも下回っており、短期・中期的に下降トレンドにあることが示唆されます。直近10日間の株価推移を見ても、249円から235円(本日終値234円)へと下落傾向が続いており、安値圏に近い水準にあります。ただし、年初来安値159円からは回復している一方で、年初来高値627円から大きく下落した位置にあります。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は1,600百万円台で推移していましたが、LTM(直近12ヶ月)では915百万円に減少し、2025年10月期第3四半期の連結累計売上高は19百万円と大幅な減少を見せています。これは主要子会社の連結除外が大きく影響しています。
- 利益: 過去5年間で営業利益、経常利益、純利益のいずれも赤字が続いており、特に2023年10月期、2024年10月期、LTM、そして直近の2025年10月期第3四半期は大幅な損失を計上しています。経常利益はLTMで△2,240百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益はLTMで△2,305百万円と、損失幅が拡大しています。
- ROE(実績): (連)-72.77%(過去12ヶ月 -136.99%)。大幅な赤字によりROEは著しく悪化しています。
- ROA(過去12ヶ月): -0.85%。こちらもマイナスとなっており、資産を効率的に活用できていない状況を示しています。
- 自己資本比率(実績): (連)1.6%(2024年10月期)と極めて低水準でしたが、2025年10月期第3四半期末時点では86.6%と大幅に改善しています。これは主要子会社の連結除外により、負債が大幅に減少したことによるものです。
- 流動比率(直近四半期): 4.94倍(約494%)。これも子会社除外による資産・負債構成の変化が大きく影響しており、表面上は高いですが、流動資産の質や事業基盤の安定性には注意が必要です。
- キャッシュフロー: 第3四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されておらず、キャッシュフローの状況は不明です。
財務状況は、主要子会社の連結除外という特殊要因により大きく変動しており、継続的な収益性・成長性を示すに至っていません。
9. 株主還元と配当方針
クシムは、会社予想において配当利回り0.00%、1株配当0.00円と発表しており、配当は実施していません。配当性向も0.00%です。提供された情報からは、自社株買いなどの他の株主還元策についても確認できません。事業再構築の途上にあり、現在は利益を株主還元に回せる状況ではないと考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下降トレンドにあり、50日・200日移動平均線を下回っています。出来高も、過去3ヶ月平均と比較して直近10日間は低水準で推移しており、投資家の関心は一時的に低下している可能性があります。
信用買残が約185万株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。これは、株価下落局面で売り圧力が少ない可能性を示す一方で、将来の上昇を期待する買い方が多いことを示唆しているとも解釈できます。
株価への影響を与える主な要因は、ブロックチェーン事業の具体的な進捗とその収益化、そして旧事業の代物弁済を巡る法的争議の行方です。これらの不確実性が払拭されるまでは、投資家の関心は大きく変動する可能性があります。
11. 総評
クシムは、ブロックチェーンサービスを中心としたWeb3/ブロックチェーン領域での事業再構築を進めている企業です。過去に主要子会社が連結除外されるという大きな変動があり、現在はその影響下で事業の再立ち上げと法的争議の解決が最重要課題となっています。
財務面では、子会社除外により自己資本比率や流動比率が一時的に改善したものの、売上高と利益は大幅に減少し、継続的な赤字状態です。投資家への配当は現状ありません。
株価は年初来高値から大きく下落し、テクニカル的には下降トレンドにあります。現在の株価水準は純資産価値と比較して割高感があります。
今後の焦点は、ブロックチェーン事業の具体的な収益化と成長、および法的紛争の解決による経営の安定化です。これらが明確になるまでは、事業の不確実性が高い状態が続くものと考えられます。
12. 企業スコア
- 成長性: D (LTM売上高および直近四半期売上高が前年比で大幅に減少。事業再編に伴う一時的な減少とはいえ、現状ではマイナス成長。)
- 収益性: D (過去12ヶ月の営業利益率が-1,320.00%、EBITDAが-612Mなど、巨額の営業損失が継続しており、大幅な赤字。)
- 財務健全性: C (直近四半期の自己資本比率は86.6%と高いが、これは子会社除外による資産と負債の変動が主因であり、事業基盤の安定性はまだ脆弱。短信で「継続企業の前提に関する重要な不確実性」が明記されている。)
- 株価バリュエーション: D (PBRが9.78倍と業界平均1.6倍に比して高水準であり、割高感がある。PERは赤字のため評価不能。)
企業情報
| 銘柄コード | 2345 |
| 企業名 | クシム |
| URL | https://kushim.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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