マミヤ・オーピー (7991) 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
1. 企業情報
マミヤ・オーピーは、1931年設立(法人設立1948年)の多角的な事業を展開する企業です。主な事業は、パチンコ・パチスロ機といったアミューズメント関連の周辺機器(スマート遊技機用ユニット、紙幣識別機など)や券売機、紙幣搬送システムなどの電子機器事業が収益の柱となっています。また、ゴルフ用シャフト(ブランド「LIN-Q」など)やポールなどを手掛けるスポーツ事業、保有不動産の賃貸や仲介などを行う不動産事業も展開しています。近年は、ゴルフ場用自律走行システム「I-GINS」やモバイルオーダーシステム「CHUUMO」、AIを活用したシステムソリューションなど、新たな分野の育成にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
マミヤ・オーピーは、パチンコ周辺機器分野を主力とし、この市場で一定の地位を確立しています。券売機事業では、紙幣改刷対応の特需終了後の反動減はあったものの、新型機の投入やリユース・レンタル営業の強化で市場ニーズへの対応を図っています。スポーツ事業においては、ゴルフシャフトに特化し、国内外でのブランド展開を進めています。
競争優位性としては、長年の経験と技術力に基づく電子機器の製造・提供実績、そして特定のスポーツ用品(ゴルフシャフト)でのブランド力やOEM供給能力が挙げられます。一方、課題としては、アミューズメント市場の動向や法改正、紙幣改刷特需のような一時的な需要変動に業績が左右されやすい点、また新規事業である自律走行システム「I-GINS」におけるベース車両の不具合対応や、システムソリューションにおける顧客計画の先送りなど、事業化のリスクと不確実性があります。具体的な市場シェアデータは提供情報からは確認できません。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、電子機器事業における主力製品の安定供給と、新規分野の育成を両輪で進める戦略を掲げていると見られます。
具体的な施策としては以下の点が挙げられます。
* 電子機器事業: スマート遊技機用ユニットの堅調な需要への対応、券売機の新型機「VMT620」シリーズの導入とリユース・レンタル体制の強化を通じて、紙幣改刷特需後の需要減に対応。ゴルフ場用自律走行システム「I-GINS」の営業・保守体制を強化し、事業拡大を目指す。AI研究開発や提携を通じてシステムソリューション事業を育成し、モバイルオーダー「CHUUMO」のカスタマイズとチャネル拡大を推進。
* スポーツ事業: ゴルフシャフトブランド「LIN-Q」の強化や新製品「ATTAS SPEED」の投入による販売拡大、海外市場でのOEM供給やポール販売で収益基盤を固める。
* 不動産事業: 収益不動産の取得を通じて資産を強化し、安定的な賃料収入の確保を目指す。
通期業績予想は、紙幣改刷特需の終息による反動減を考慮しつつも、既公表の売上高25,000百万円、営業利益3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円を据え置いています。
4. 事業モデルの持続可能性
マミヤ・オーピーの事業モデルは、主力である電子機器事業、安定的な収益源としてのスポーツ事業、そして資産活用による不動産事業の3つの柱で構成されており、事業ポートフォリオの多様化がリスク分散に寄与しています。
電子機器事業は、アミューズメント市場や社会のキャッシュレス化、券売機の更新需要といった市場ニーズの変化に合わせた製品開発とサービス提供を進めています。特に、システムソリューションや自律走行システムといった先端技術分野への投資は、将来の成長を見据えた事業モデルの変革を示しています。スポーツ事業は、ゴルフ用品の中でもシャフトに特化することで専門性を高め、ブランド力向上に努めています。
しかし、特定の市場(アミューズメント)への依存度や、新規事業の収益化までの時間軸が持続可能性の鍵を握ります。
5. 技術革新と主力製品
主力製品は電子機器事業におけるパチンコ周辺機器(スマート遊技機用ユニットなど)や券売機、ゴルフシャフトです。技術革新の動向としては、以下の点が挙げられます。
* 電子機器事業: 遊技機のスマート化に対応したユニットの提供、新型券売機VMT620シリーズの開発、ゴルフ場用自律走行システム「I-GINS」やAIを活用したシステムソリューションの開発推進、モバイルオーダーシステム「CHUUMO」の機能強化など。特に「I-GINS」は、自動化・省力化のニーズに応える製品として期待されます。
* スポーツ事業: ゴルフシャフトの素材や設計における独自の技術開発、新製品「ATTAS SPEED」の投入など、製品性能の向上に注力しています。
これらの技術開発と製品は、各事業の収益を牽引する重要な要素となっています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,684.0円です。
* PER(会社予想): 5.80倍
* EPS(会社予想): 290.47円
* PBR(実績): 0.67倍
* BPS(実績): 2,517.24円
現在の株価1,684.0円は、会社予想EPS290.47円に基づくとPER約5.79倍となり、提供されているPER(会社予想)5.80倍とほぼ一致します。
また、実績BPS2,517.24円に基づくとPBR約0.67倍となり、提供されているPBR(実績)0.67倍と一致します。
業界平均PERが10.7倍、業界平均PBRが0.7倍であることと比較すると、PERは業界平均を大幅に下回り、PBRも業界平均より低い水準にあります。このことから、現在の株価は類似企業や業界平均と比較して割安な水準にあると評価できます。特にPBRが1倍を割れていることは、企業の解散価値に対して低い評価を受けていることを示唆します。
7. テクニカル分析
現在の株価1,684.0円は、年初来高値1,975円(52週高値)から約15%低い水準にあり、年初来安値1,114円(52週安値)からは約51%高い水準にあります。
直近10日間の株価推移を見ると、10月31日の1,887円から下落基調にあり、11月14日には1,684.0円で取引を終えています。
50日移動平均線が1,801.14円、200日移動平均線が1,548.41円であることから、現在の株価は50日移動平均線を下回っていますが、200日移動平均線は上回っています。
これらの情報から、現在の株価は直近では調整局面に入っており、高値圏にあるとは言えない状況です。中長期的なトレンドはまだ200日移動平均線の上にありますが、短期的な下落傾向が見られます。
売上高・利益の傾向(年度比較)
| Breakdown | 2025年3月期(予想含む、過去12か月) | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2022年3月期 |
|---|---|---|---|---|
| Total Revenue | 33,707百万円 | 27,394百万円 | 15,910百万円 | 12,872百万円 |
| Gross Profit | 10,547百万円 | 8,563百万円 | 4,864百万円 | 4,161百万円 |
| Operating Income | 6,399百万円 | 4,838百万円 | 1,882百万円 | 510百万円 |
| Net Income | 4,718百万円 | 3,852百万円 | 1,987百万円 | 634百万円 |
過去数年間を見ると、売上高、粗利益、営業利益、純利益ともに顕著な成長を遂げてきました。特に2024年3月期から2025年3月期にかけては、紙幣改刷対応による特需もあって大幅な増収増益を達成しています。
しかし、直近の2026年3月期中間期(2025年4月1日~2025年9月30日)の業績は、売上高13,215百万円(前年同期比△35.9%)、営業利益1,938百万円(前年同期比△63.3%)、親会社株主に帰属する中間純利益1,572百万円(前年同期比△60.0%)と、紙幣改刷特需の終息による反動減や、その他の事業における影響により大幅な減収減益となりました。
財務健全性と収益性指標
- ROE(実績): 20.69% (高水準であり、資本効率が高いことを示します)
- ROA(過去12か月): 4.65%
- 自己資本比率(中間末): 64.2% (非常に高く、財務基盤が強固であることを示します)
- 流動比率(直近四半期): 3.48 (348%) (短期的な支払能力が非常に高いことを示します)
- D/Eレシオ(直近四半期): 32.50% (負債依存度が低いことを示します)
- 営業利益率(2025年3月期実績): 18.98% (短信中間期は14.7%、通期予想は12.0%と、いずれも高い水準を維持しています)
- 売上総利益率(短信中間期): 30.0% (前年同期の35.4%からは悪化)
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー(過去12か月): 47億円
- レバードフリーキャッシュフロー(過去12か月): 16.8億円
直近中間期末の現金及び預金は11,792百万円と潤沢ですが、前期末から約24億円減少しています。これは、固定資産(土地、建物など)や投資有価証券の増加といった投資活動に資金が充当されたことによるものと見られます。
まとめ
財務健全性は非常に高く、安定した経営基盤を持っています。収益性は過去数期にわたって高い水準で推移していましたが、直近の中間期決算では特需の反動により大幅な減益となりました。しかし、通期予想の営業利益率やROEなどの指標は依然として良好な水準にあります。
9. 株主還元と配当方針
マミヤ・オーピーは、比較的高い配当利回りで株主還元を行っています。
* Forward Annual Dividend Rate: 90円
* Forward Annual Dividend Yield: 5.34% (現在の株価を基にすると高い水準)
* Trailing Annual Dividend Yield: 5.29%
* Payout Ratio (配当性向): 19.76% (利益に対する配当の割合が低く、将来的な増配余地があることを示唆しています)
2025年3月期の実績配当は年間100.00円でした。2026年3月期中間期配当は0円でしたが、通期業績予想は維持されており、Forward Annual Dividend Rate 90円が示すように、期末に配当が計画されているものと推測されます。提供データに自社株買いに関する直接的な情報は含まれていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去10日間の株価は、10月31日の1,887円から11月14日の1,684円へと下降トレンドにあります。これは、中間期決算における減収減益発表や、紙幣改刷特需の終息による将来的な業績への懸念が影響している可能性があります。
直近の出来高は、3ヶ月平均92.71k株に対し10日平均68.38k株と減少傾向にあり、投資家の関心は一時的に低下している可能性があります。
信用取引においては、信用買残が299,800株と多く、信用売残60,900株に対する信用倍率は4.92倍です。これは、株価が上昇に転じた際に、将来の売り圧力となる可能性を秘めています。
株価への影響を与える主要因としては、今後の電子機器事業における新規事業(I-GINS、システムソリューション)の進捗状況や収益貢献、スポーツ事業のブランド戦略の成果、そして不動産事業の安定的な収益確保が挙げられます。
11. 総評
マミヤ・オーピーは、パチンコ周辺機器、ゴルフシャフト、不動産賃貸といった多角的な事業を展開する企業です。過去数年間にわたる成長期を経て、直近の中間期決算では、紙幣改刷特需の終息という一過性の要因や、新規事業の進捗遅延により大幅な減収減益となりました。
しかし、この企業は非常に強固な財務体質を誇り、高い自己資本比率と流動比率、低い負債比率を維持しています。また、過去の収益性も高く、今後の通期予想も依然として健全な営業利益率を見込んでいます。
現在の株価は、今後の業績減速を織り込み、年初来高値から調整局面にある一方で、PERやPBRといったバリュエーション指標は業界平均と比べて割安な水準にあり、配当利回りも魅力的な水準です。
今後の投資家関心は、主力事業の安定化と、ゴルフ場用自律走行システム「I-GINS」やシステムソリューションのような新規事業が、どれだけ本格的に収益貢献できるようになるかに集まるでしょう。
12. 企業スコア
- 成長性: C
- 2025年3月期までは売上高は伸長傾向でしたが、2026年3月期中間期の売上高は前年同期比で大幅な減少となっており、通期予想も2025年3月期実績と比較して減少が見込まれるため、直近の成長トレンドは低評価となります。
- 収益性: A
- 2026年3月期通期予想の営業利益率は12.0%と高い水準であり、2025年3月期実績の営業利益率は18.98%と非常に高かったため、業界平均と比較しても良好な収益性を維持していると評価できます。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率64.2%、流動比率348%、D/Eレシオ32.50%と、主要な財務健全性指標がいずれも極めて良好な水準にあるため、最高の評価とします。
- 株価バリュエーション: S
- PER(会社予想)5.80倍は業界平均10.7倍を大幅に下回り、PBR(実績)0.67倍も業界平均0.7倍を下回る水準であり、割安感が高いと評価できます。
企業情報
| 銘柄コード | 7991 |
| 企業名 | マミヤ・オーピー |
| URL | http://www.mamiya-op.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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