鹿島建設(1812)企業分析レポート
注記:本資料は公開データを整理・計算した情報提供です。投資勧誘・助言は行いません。不明な項目は記載を省略します。
1. 企業情報
- 概要:国内大手ゼネコンの一角。土木・建築・不動産開発・設計エンジニアリングをグローバルに展開。超高層・耐震・原子力・長大橋梁・大深度トンネル、ZEB(ゼロエネルギービル)、グリーンインフラ、土壌・地下水浄化などの技術に強み。
- 事業構成(連結、売上比目安):土木、建築、開発、国内関係会社、海外関係会社。海外売上比率約38%(2025.3期)。
- 従業員:21,625人、平均年齢41.9歳、平均年収1,184万円。
- 本社:東京都港区。設立:1930年(起源は1840年)。
- 市場:東証プライム、業種「建設業」。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内大手ゼネコン群の中核。技術難度の高い大型案件(超高層、原発関連、長大インフラ)に強み。海外展開と不動産開発の実績も厚い。
- 競争優位性
- 高難度案件の設計・施工能力、研究開発力(耐震・原子力・深礎・長大構造)。
- 海外ネットワークと案件遂行力(北米・欧州・アジア)。
- ZEB/省エネ、環境修復等の環境技術ポートフォリオ。
- 課題
- 労務費上昇・技能者不足への対応(施工体制・生産性向上)。
- 原材料・外注費の変動リスク、固定価格契約のコスト管理。
- 海外不動産市況・金利動向の影響(売却タイミング)。
3. 経営戦略と重点分野
- 方向性(開示内容・短信要旨より)
- 建設事業:採算重視の高付加価値案件を選別、国内は都市機能更新・インフラ更新需要を取り込み。海外は選択と集中で収益性を確保。
- 開発事業:売却タイミングを見極めた収益化(第3四半期以降の物件売却を協議中)。
- 技術・環境:ZEB、グリーンインフラ、土壌・地下水浄化、再エネ・省資源関連のソリューション拡充。
- 財務・還元:自己株式取得を含む資本効率の向上と増配方針(通期配当予想132円へ増額)。
- 2026年3月期 通期見通し(2025/11/11修正)
- 売上高3兆円、営業利益2,020億円、純利益1,550億円、EPS約331.98円想定、為替USD=145円。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:受注工事の粗利+開発案件の売却益+関係会社の収益。土木・建築の基盤に、不動産開発と海外事業で分散。
- 市場環境:国内は防災・老朽更新・都市再開発が継続的需要。海外は金利や市況の影響が大きく変動リスクあり。
- 適応力
- 価格転嫁・契約条件見直し、BIM/CIM・プレファブ化等による生産性改善。
- 案件選別とリスク管理(固定価格契約リスクの統制)。
- 注)建設は景気循環の影響を受けやすい一方、長期の社会資本整備が下支え。
5. 技術革新と主力領域
- 技術開発:超高層・耐震・原子力、長大橋、深部トンネル、環境修復(土壌・地下水)、水処理、ZEB/省エネ建築、再エネ・バイオマス等。
- 主力領域:都市再開発・大型インフラ・産業施設(研究・生産)、物流施設、環境・エネルギー関連。設計・エンジニアリング一体の提案力。
6. 株価の評価(バリュエーションの比較)
- 前提:株価5,605円、時価総額約2.96兆円、予想EPS 331.3円、BPS 2,783円。
- 指標
- 予想PER:16.92倍(業界平均14.0倍比でプレミアム)。
- 実績PBR:2.01倍(業界平均1.1倍比で高め)。
- 参考(トレーリング):PER≈15.7倍(5,605÷LTM EPS 357.55)。
- 概算EV/S:≈1.17倍[EV≈時価総額2.96兆+純有利子負債0.51兆(有利子負債約0.81兆−現金等約0.30兆)÷LTM売上2.96兆]。
- 参照比較
- 業界平均PER×予想EPS=約4,638円、業界平均PBR×BPS=約3,061円(いずれも単純比較の参考値)。
- 配当利回り:会社予想2.36%(配当132円、予想配当性向≈40%)。
7. テクニカル分析(短期)
- 価格帯:年初来高値5,760円(11/11)に接近、現値は高値から約-2.7%。年初来安値2,573円からは大幅上昇。
- モメンタム:11/11の決算・上方修正公表日に出来高急増(7,060千株)で高値更新。その後は5,400〜5,600円台での持ち合い。
- 需給:信用買残713千株、信用倍率10.13倍と買いに偏り。短期的な値動きの振れに留意が必要。
- 参考レンジ:直近サポート候補5,400円前後、レジスタンスは年初来高値圏5,700〜5,760円。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長(売上・利益)
- 売上高:LTM 2兆9,630億円(2024/3期2兆6,652億円、2023/3期2兆3,916億円、2022/3期2兆797億円)。3年で増収基調、LTM対FY2024で約+11.2%。
- 営業利益:LTM 2,124億円(FY2024 1,362億円)で改善。
- 2026/3期上期(4-9月):売上高1兆3,729億円(+3.9%)、営業利益1,087億円(+126%)と高進捗。
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約12.95%(383,702/2,963,081)。
- 営業利益率:約7.17%(212,464/2,963,081)。
- 当期純利益率:約5.67%(167,998/2,963,081)。
- 金利負担:実効でやや上昇も、EBIT/利息費用≈11.3倍とカバレッジ良好。
- 効率・資本
- ROE(実績):10.19%。
- 自己資本比率:36.4%(前期末ベース)。中間期末は38.6%へ改善。
- キャッシュフロー(2026/3期上期)
- 営業CF:▲615億円(工事債権・開発在庫等の増減の影響)。
- 投資CF:▲368億円、財務CF:▲82億円。
- 現金同等物:2,882億円(期首3,495億円から減少)。
- 受注・案件
- 上期建設受注:1兆1,900億円(前年同期比▲4.1%)。国内増・海外減のミックス。
- 総資産・有利子負債
- 総資産:約3.36兆円、投資有価証券4,470億円、販売用不動産3,212億円。
- 有利子負債:約8,136億円、現金等約3,003億円でネットデット約5,133億円(概算)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:通期132円(中間56円、期末76円)に上方修正。予想配当性向約40%。
- 自己株式:期末自己株式数6,270万株(発行済比約11.9%相当)。当期に自己株式取得を実施し保有増加。
- その他:安定株主基盤(信託銀行、自己株式、創業家、社員持株会等)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の動き:決算発表・業績予想上方修正(11/11)を契機に出来高増で年初来高値を更新。以降、高値圏で推移。
- ドライバー
- 収益性改善(粗利率・営業利益率の改善)。
- 配当増額と自己株買いによる株主還元強化。
- 国内更新需要の継続期待と海外金利低下観測。
- 近々のイベント:次回決算発表(2026/2/11予定)、権利落ち(期末配当権利:2026/3/30基準日、除権日は3/30記載)。
11. 総評
- 収益性の改善と堅調な増収により、ROEは10%超、上期は営業利益が大幅増。自己資本比率も改善し、資本効率・株主還元の姿勢が明確。
- バリュエーションは業界平均比でプレミアム(PER・PBRとも)。高付加価値案件・海外・開発のポートフォリオに対する市場評価が織り込まれている一方、労務費・資材、受注動向、海外市況・金利、固定価格契約リスクには注視が必要。
- テクニカルには年初来高値圏でモメンタム良好。信用買いの積み上がりがあり、短期の値動きには振れも想定される。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:S
- 根拠:LTM売上+11.2%(対FY2024)、3年CAGR約+12〜13%(2022→LTM)。継続的な増収トレンド。
- 収益性:A
- 根拠:LTM営業利益率約7.2%、粗利率約13%と改善。大手ゼネコン平均を上回る水準と見られる。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率36.4%(中間38.6%へ改善)。ネットデット約5,100億円だが、利払余力は十分。総合して「普通〜やや良好」。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:予想PER16.9倍(業界平均14倍超)、PBR2.01倍(同1.1倍超)とプレミアム評価。EV/Sも1倍強(概算)。
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主要数値出所:提供データ(株価・財務・短信)。比率等は当方計算(概算を含む)。
企業情報
| 銘柄コード | 1812 |
| 企業名 | 鹿島建設 |
| URL | http://www.kajima.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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