資生堂(4911)企業分析レポート

注記:本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資助言ではありません。不明項目はスキップまたは「–」としています。

1. 企業情報

  • 概要:1872年創業の国内大手化粧品メーカー。スキンケア、メイク、フレグランスを主力にグローバルで展開。プレステージ領域に強み。国内では百貨店・専門店・ドラッグストア等、多様なチャネルを活用。中国・トラベルリテール(免税)も重要市場。
  • 主なブランド:SHISEIDO、Clé de Peau Beauté、NARS、ELIXIR、ANESSA、IPSA、ISSEY MIYAKE PARFUMS、Dr. Dennis Gross、Drunk Elephant 等
  • その他事業:美容サロン、飲食、SABFA(プロ育成)、託児施設等(売上構成は小さめ)
  • 事業構成(売上比・営業利益率は2025年Q1–Q3累計の参考)
    • 日本 31.6%(コア営業利益率12.7%)
    • 中国・トラベルリテール 34.6%(同19.3%)
    • アジアパシフィック 7.6%(同3.3%)
    • 米州 11.3%(赤字)
    • 欧州 13.9%(同0.9%)
    • その他 1.1%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内は最大手グループの一角。グローバルではプレステージスキンケア中心に存在感。中国市場と越境EC、トラベルリテールの影響度が高い構造。
  • 競争優位性:
    • 高粗利のスキンケア比率の高さ、ブランド資産(SHISEIDO/Clé de Peau Beauté等)
    • 研究開発力(皮膚科学・紫外線防御等)と商品力(例:ELIXIR、ANESSA)
  • 課題:
    • 米州でのブランドパフォーマンスばらつき(Drunk Elephantの失速に伴うのれん減損)
    • トラベルリテールの需要変動、中国景気・政策・関税の影響
    • 販管費水準の高さと収益性の回復ペース

3. 経営戦略と重点分野

  • 中期戦略:「SHIFT 2025 and Beyond」継続。「Action Plan 2025-2026」で収益性改善・構造改革を推進。
  • 2030年中期経営戦略(2025/11/10公表):2030年までにコア営業利益率10%以上の達成を目標。
    • 重点:ブランド力強化、グローバルオペレーション進化(サプライ・在庫/SKU最適化、固定費効率化)、サステナブル価値創造
  • 施策・進捗(2025年Q1–Q3):
    • 日本:新製品投入と固定費削減でコア利益率改善
    • 中国:ECが伸長、一方でトラベルリテールは地域差
    • 米州:原価率悪化・関税影響、のれん減損(468億円)計上。構造課題の是正中
    • 希望退職プログラム実施決定(想定費用約30億円、Q4非経常)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:スキンケア中心で高粗利。ブランドロイヤルティと新製品の継続投入が収益ドライバー。EC・越境ECの拡大に対応。
  • 変化対応:
    • 地域・チャネルミックスの最適化(中国・トラベルリテールの変動を国内・欧州等で補完)
    • コストマネジメントと固定費圧縮による利益体質の改善
  • リスク・依存度:特定地域(中国、トラベルリテール、米州)の需給・政策・関税・為替に対する感応度が高い。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:皮膚科学、メラニン研究、紫外線防御処方、エイジングケア等の研究蓄積。サンケア(ANESSA)や美白・ハリ領域(HAKU、ELIXIR)での処方力。
  • 主力・収益貢献:
    • プレステージ(SHISEIDO、Clé de Peau Beauté)とサンケア(ANESSA)、基礎化粧(ELIXIR)等
    • 一部グローバルブランド(NARS)は底堅いが、米州のDrunk Elephantは苦戦

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提
    • 株価:2,665.5円、時価総額:約1.066兆円、BPS(実績):1,414.92円、PBR(実績):1.88倍
    • EPS(会社予想):-130.17円(赤字予想のためPERは参考外)
  • 相対比較(業界平均との機械的比較)
    • 業界平均PER:20.4(同社は赤字のため比較不可)
    • 業界平均PBR:1.1に対し、同社PBRは1.88(平均比で高位)
  • 参考指標(単純計算)
    • 価格/売上高(P/S):約1.11倍(時価総額/直近12か月売上 約0.962兆円)
    • EV/EBITDA(LTM):約14.9倍(EV約1.32兆円、EBITDA約0.887兆円)
    • EV/S:約1.37倍(EV/売上)
  • 目安計算(理論ではなく単純比較値)
    • 業界平均PBR(1.1)×BPS(1,414.92円)≈ 1,556円
    • 注:赤字局面ではPBRやEV系指標の解釈が中心となりがちです。

7. テクニカル分析

  • トレンド位置:株価2,665.5円は50日線(2,553.75円)、200日線(2,524.10円)を上回り、短中期とも上向き基調。
  • レンジ位置:52週高値2,968円・安値2,196円に対してレンジ上側寄り(約61%地点)。
  • モメンタム:11/11に出来高急増(約1,242万株)で上昇後、2,650–2,720円帯での推移。直近10日平均出来高(375万株)が3か月平均(295万株)を上回り、投資家関心は高め。
  • 信用動向:信用買残増(+7.33万株)、倍率4.28倍。買い残積み上がりは変動時の需給影響に留意。

8. 財務諸表分析

  • 売上高の推移(IFRS・百万円)
    • 2021: 1,009,966 → 2022: 1,067,355 → 2023: 973,038 → 2024: 990,586 → 過去12か月: 951,881
    • 傾向:2022年をピークに調整局面。2025年通期予想は965,000(前年比-2.6%)。
  • 収益性
    • 粗利率:概ね76%台(例:2024年 粗利753,191/売上990,586 ≈ 76.0%)
    • 営業利益:2021: 100,571 → 2022: 46,573 → 2023: 28,133 → 2024: 7,575。2025年は米州のれん減損等で営業損失見込み(通期予想-42,000)。
    • LTM営業マージン(外部指標):-2.07%(参考値)。コア営業利益はQ1–Q3で300.8億円と改善傾向。
  • 最終損益
    • 2023: 21,749 → 2024: -10,813。2025年Q1–Q3:-43,983、通期予想:-52,000。
  • ROE/ROA(参考)
    • ROE(実績):-1.73%、LTM参考:-9.10%
    • ROA(LTM参考):0.04%
  • キャッシュフロー・財政状態
    • 営業CF(LTM):669.5億円(プラス)
    • 現金同等物:781.6億円、有利子負債:3,317.6億円
    • 自己資本比率:47.5%(実績)、親会社持分比率:46.8%(2025/9/30)
    • ネットD/E(会社開示):0.21倍、流動比率:1.35
  • セグメント概況(Q1–Q3)
    • 日本は利益率改善、中国はEC伸長、トラベルリテールは地域差。米州は関税・原価率悪化等で赤字、減損計上。欧州は一部フレグランス好調。

(注)LTM数値間で一部データ差異が見られるため、直近の会社開示(2025/11/10決算短信)と併記しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当予想:年間40円(中間20円実施、期末20円予定)、予想配当利回り約1.50%
  • 5年平均利回り:1.05%
  • 配当性向:赤字のため算定上は高水準(参考値1,204.82%)
  • 自社株:自己株式比率0.12%(9/30時点)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 直近の変動:11/11に大商いで急伸後、2,650円前後での持合い。50日線・200日線を上回り、モメンタムは短期的に改善。
  • 出来高:10日平均が3か月平均を上回り、イベント通過後も関心継続。
  • 影響要因:
    • 2025年Q1–Q3決算(のれん減損、通期下方修正)
    • 人員施策(希望退職プログラム)による一過性費用
    • 中国・トラベルリテールの需要、米国関税・為替
    • 次回決算(2026/2/10予定)、配当権利落ち(2025/12/29予定)

11. 総評

  • ブランド力と高粗利のスキンケアポートフォリオは強み。一方で米州の収益悪化・減損、中国・トラベルリテールの需給変動が2025年の赤字見通しにつながる構図。
  • コア営業利益は改善傾向であり、コスト効率化や在庫/固定費最適化の進捗が確認できる。2030年コア営業利益率10%目標に向け、地域・ブランドの選択と集中が焦点。
  • バリュエーションはPERが使いにくい局面のため、PBRやEV系指標中心での比較となる。PBRは業界平均を上回る水準。
  • 財務健全性は自己資本比率・流動性とも一定の余裕がある一方、短期では一過性損益の影響に注意。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:C
    • 根拠:LTM売上は前年比マイナス、3年CAGRも横ばい~減少域。通期予想も減収見込み。
  • 収益性:C
    • 根拠:高粗利だが営業利益率は低位~赤字。コア利益は改善傾向だが全社ベースでは未回復。
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率約47%、流動比率1.35、ネットD/E0.21倍。財務余力は良好。
  • 株価バリュエーション:C
    • 根拠:PERは赤字で参照外、PBRは業界平均(1.1倍)を上回る1.88倍。EV/EBITDAは約14.9倍。

参考データ
– 株価レンジ:年初来高値2,968円/安値2,196円
– 移動平均:50日 2,553.75円、200日 2,524.10円
– 時価総額:約1.066兆円、発行株式数:4億株
– 直近イベント:権利落ち日 2025/12/29、決算発表予定 2026/2/10

ご要望があれば、過去3~5年のセグメント売上/利益の推移や為替感応度、主要ブランド別トレンドも追補します。


企業情報

銘柄コード 4911
企業名 資生堂
URL http://www.shiseido.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – 化学

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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