東日本旅客鉄道(JR東日本)[9020]企業分析レポート
株価:3,804円(2025-11-14終値)
市場区分:プライム(陸運業)
時価総額:4.32兆円
1. 企業情報
- 事業概要
- 国内最大の旅客鉄道会社。首都圏・東日本エリアを基盤に、新幹線・在来線の旅客輸送が主力。
- セグメント:運輸、流通・サービス(駅ナカ小売・飲食等)、不動産・ホテル(賃貸・開発・ホテル)、その他(IT・Suica、クレジットカード、情報処理等)。
- 非運輸分野の拡大(駅ナカ物販・不動産)のほか、交通系IC「Suica」エコシステムを成長ドライバーとして展開。
- 売上構成(2025.3期 会社開示の目安)
- 運輸:67%
- 流通・サービス:14%
- 不動産・ホテル:15%
- その他:4%
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 国内鉄道最大手。首都圏という高需要エリアを擁し、通勤・通学・観光の安定需要を確保。
- 競合はJR各社(東海・西日本等)や大手私鉄(東急・小田急・京王等)だが、首都圏広域ネットワークと駅ターミナル資産で優位性。
- 競争優位性
- 駅ターミナル・沿線の一体運営と高いネットワーク価値。
- 駅ナカ流通・不動産賃貸・ホテルなど非運輸収益の多角化。
- Suicaによる決済・データ基盤の拡張性。
- 主な課題
- 人口動態・働き方変化(少子化・テレワーク)による通勤需要の中長期リスク。
- 設備投資・防災投資の継続と金利上昇による利払い負担。
- 気象災害・大規模障害対応コスト。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示情報ベースの要点)
- コアの鉄道事業の安全・安定輸送を前提に、駅・沿線価値の最大化。
- 非運輸分野(駅ナカ流通、不動産・ホテル)の成長と収益安定化。
- デジタル(Suica/モバイル、決済・データ活用、IT/クレカ)の拡大。
- 中期的な重点施策(短信・決算説明資料の示唆)
- 安全投資・老朽更新、気象レジリエンス強化。
- 駅ナカ・沿線再開発による賃貸・商業収益の底上げ。
- Suicaエコシステム拡大(モバイル、法人・地域連携、キャッシュレス推進)。
- 観光・インバウンド需要の取り込み(新幹線・ホテル・小売の連動)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 安定的な運輸収益に、駅・不動産・決済等の非運輸収益を上乗せする多角化モデル。
- 適応力
- 需要変動への脆弱性(通勤・観光)に対し、決済・不動産といった景気感応度の異なる柱を育成。
- 高水準のCAPEXが継続する一方、デジタル収益のスケールで資本効率改善余地。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・独自性
- 安全運行・保全の高度化(設備監視、更新投資)と新幹線運行ノウハウ。
- Suica/モバイルSuica、クレジットカードなど決済・ICT基盤。
- 収益牽引
- 運輸が中核。不動産賃貸・駅ナカ物販、IT/決済(Suica・クレカ)が利益貢献を拡大。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(会社予想/実績)
- PER(予想):18.14倍(EPS 209.66円)
- PBR(実績):1.44倍(BPS 2,643.74円)
- 配当利回り(予想):1.84%(年70円、配当性向約33.7%)
- 参考計算(業界平均との比較)
- 業界平均PER 13.9倍を適用した場合の目安株価:209.66円×13.9=約2,915円
- 業界平均PBR 1.0倍を適用した場合の目安株価:BPS 2,643.74円≒2,644円
- 現在株価3,804円は、PER・PBRとも業界平均より上方に位置。
- EV/EBITDA(概算)
- EV ≒ 時価総額4.32兆円 +(有利子負債4.8兆円 − 現金0.14兆円)≒ 8.97兆円
- EBITDA(LTM):約0.78〜0.80兆円
- EV/EBITDA:概ね11.2〜11.5倍
(注)EPS・EBITDA等はLTM/会社予想で差異があるためレンジで表記。
7. テクニカル分析
- トレンド
- 200日線:3,255円、50日線:3,682円、現値:3,804円 → 中期・短期とも上方で上昇トレンド継続。
- 52週高値:3,906円(現値は高値圏付近)。
- 需給
- 信用倍率:2.19倍。買残は前週比減、売残は増加で、短期的には上値での攻防感。
- 出来高(10日平均2.74M)は3カ月平均2.46Mを上回り、直近の投資家関心はやや高め。
8. 財務諸表分析(LTM中心)
- 成長
- 売上高:2.89兆円(前年比+約5.8%)、3年CAGR約+13%(コロナ回復寄与含む)。
- 収益性
- 粗利率:約35.8%(1.03兆/2.89兆)
- 営業利益率:約13.0%(3,768億/2.89兆)
- EBITDAマージン:約26.9%
- 当期純利益率:約7.8%
- 効率性
- ROE:約8.0%、ROA:約2.3%(資産集約型としては標準的)。
- キャッシュフロー/投資
- 営業CF:約7,240億円
- レバードFCF:△3,676億円(大型CAPEXによるマイナス)
- 財政状態
- 自己資本比率:約28.1%(短信中間期:29.1%)
- D/E(有利子負債/自己資本):約160%
- 流動比率:約0.84
- コメント:資本集約・高負債モデルで、金利上昇下の利払い増が利益圧迫要因。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年70円(予想)に増配(前年60円)。配当利回り約1.84%、配当性向約34%。
- 自己株式:発行済の約0.22%保有。大規模な自己株買いの記載は直近資料では限定的。
- 株式分割:2024/3/28に3分割実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 52週騰落:約+30.7%と堅調。直近は高値圏でのもみ合い。
- 影響要因(直近)
- 旅客需要の回復継続、不動産・流通の利益貢献、決済(Suica等)拡大期待。
- 一方で、投資拡大・金利負担増・災害対応コストなどがバリュエーションの上値要因に意識。
11. 総評
- コアの鉄道に加え、駅ナカ流通・不動産・決済など非運輸の多角化が進展。売上はコロナ後回復が一巡しつつも、LTMで増収・増益基調を維持。
- 収益性は業界水準以上とみられる一方、資本集約・高負債構造により、金利上昇や大規模CAPEXがキャッシュフローと利益の下押し要因。
- バリュエーションはPER・PBRともに業界平均を上回るレンジ。株価は中長期上昇トレンドのなか高値圏で推移。
- 中期的には、Suica/デジタルの収益化深化、駅・沿線再開発の進捗、観光・インバウンド需要の取り込みが注目点。災害対応・安全投資と資金負担のバランスが管理ポイント。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を推奨するものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY約+5.8%、3年CAGR約+13%(回復効果含むが増収継続)。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率約13%、EBITDAマージン約27%、粗利率約36%と良好(陸運として良水準)。
- 財務健全性:C
- 根拠:自己資本比率約28%、流動比率0.84、D/E約160%とやや弱め。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER・PBRが業界平均を上回り、EV/EBITDAも2桁台。
【補足データ(主な数値)】
– LTM売上高:2.89兆円、営業利益:3,768億円、純利益:2,243億円、EPS(LTM):約198円、EPS(会社予想):約210円
– 予想配当:年70円、配当性向:約34%
– 52週高値/安値:3,906円/2,626円
– 50日/200日移動平均:3,682円/3,255円
– 有利子負債:約4.8兆円、現金:約0.14兆円、営業CF:約7,240億円、レバードFCF:△3,676億円
企業情報
| 銘柄コード | 9020 |
| 企業名 | 東日本旅客鉄道 |
| URL | http://www.jreast.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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