東テク(9960)企業分析レポート

本レポートは公開情報の整理であり、投資勧誘や助言を目的とするものではありません。不明点は記載を控えています。数値は特記なき限り連結・円ベースです。

1. 企業情報

  • 概要:空調機器・自動制御(BAS/BEMS)・電気設備の専門商社。販売に加え、設計・施工(計装、管・電気工事)と保守・更新まで一気通貫。空調・関連機器専業で国内首位クラス。ダイキン等の主要メーカーと強固な関係性。保守工事子会社を含む全国対応のサービス体制が強み。
  • 事業構成(2025.3):商品販売 58%、工事 42%、その他 微小。工事は相対的に粗利率が高く、利益面の牽引役。
  • 直近トピック:三王機工の子会社化(連結範囲変更、のれん計上)。分割(2024/3/28、3:1)。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:空調機器・自動制御を軸にした専業商社で首位クラス。販売+エンジニアリング+保守の一体運営により、案件獲得からライフサイクル収益までカバー。
  • 競争優位
    • メーカーとの関係性(主要株主にダイキン工業)。
    • 提案力(省エネ・計装連携・中央監視等のシステムインテグレーション)。
    • 保守・更新のストック性。
  • 課題
    • 建設資材価格の高止まり、人手不足による原価・工期リスク。
    • 大型案件比率上昇時のプロジェクト遂行・品質管理。
    • 連結範囲拡大に伴うPMI(のれんの減損リスク含む)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン/方向性:都市再開発、データセンター、再エネ・省エネ需要の取り込み。営業・施工体制の効率化と収益性維持向上。
  • 重点施策
    • 工事・保守領域の拡大(高付加価値・粗利率の高い領域へシフト)。
    • スマートビル/エネルギーマネジメント(BEMS、中央監視、制御最適化)。
    • M&A/連結範囲拡大による事業シナジー(施工力・顧客基盤の強化)。
    • 既存ストックの更新・保守提案強化(ライフサイクル収益の拡大)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:機器販売のフロー収益+工事粗利+保守・更新のストック収益のミックス。工事・保守比率上昇により収益の質が改善。
  • 市場ニーズ適応:省エネ・脱炭素、データセンター増設、建築物の高度化・高効率化が中期的追い風。人材・供給網の制約下での案件選別と原価コントロールが鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術動向:ビル自動制御、中央監視、エネルギーマネジメント、IoT計装、アクセス/監視連携等。オープンプロトコル連携(例:BACnet/OPC)や省エネ最適制御の活用領域が拡大。
  • 収益牽引:空調・冷凍冷蔵機器の販売に加え、計装工事・BAS更新、保守契約が利益面の柱。大型案件(再開発/DC)と更新・保守のバランスが重要。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 前提:株価 3,360円、予想EPS 291.48円、実績BPS 1,591.46円
  • PER:11.53倍(業界平均 12.1倍)。単純比較で平均比ややディスカウント。
    • 参考:業界平均PER×EPS=約3,527円(=12.1×291.48)と比較。
  • PBR:2.11倍(業界平均 1.0倍)。高ROE(実績19.5%)を背景にプレミアム。
  • EV/売上:約0.82倍(EV≒約1,360億円、LTM売上1,661億円)
  • EV/EBITDA:約7.5倍(LTM EBITDA約180億円)
  • 総合所見:収益性高進(ROE・OPM上昇)の一方、PERは平均並~やや割安、PBRはROE相応のプレミアム。成長・収益性維持が前提の水準。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日線(3,193円)・200日線(2,821円)上で推移。年初来高値3,505円に接近。
  • 位置づけ:52週レンジ1,940–3,505円の上限圏。モメンタムは直近上向き。
  • 出来高:10日平均 91千株 > 3カ月平均 53千株。需給は活発化。
  • 信用需給:信用倍率6.13倍、買残増(+15.1千株)。短期的な需給変動に留意。

8. 財務諸表分析

  • 売上高(億円):2022/3 1,101 → 2023/3 1,267 → 2024/3 1,407 → 2025/3 1,560 → LTM 1,661
    • 3年CAGR:約+14.6%(2022→LTM)
  • 粗利率:2022 24.9% → 2024 24.6% → 2025 26.9% → LTM 27.0%(改善傾向)
  • 営業利益(億円):2022 62.9 → 2024 99.0 → 2025 145.9 → LTM 160.3
    • 営業利益率:2022 5.7% → 2024 7.0% → 2025 9.4% → LTM 10.2%
  • 当期純利益(億円):2022 47.2 → 2024 70.0 → 2025 111.9 → LTM 118.8
  • ROE/ROA(LTM):ROE 19.5%、ROA 9.7%
  • キャッシュフロー(LTM):営業CF 152.7億円、レバードFCF 78.2億円(安定)
  • 財政状態(直近Q):自己資本比率 58.2%、D/E 10.9%、流動比率 1.47倍、現金 121億円、総有利子負債 71億円(実質ネットキャッシュ)
  • コメント:売上・利益ともに増加基調。粗利率・OPMの改善が継続。ネットキャッシュ・高ROEで耐久力あり。

9. 株主還元と配当方針

  • 予想配当:117円(利回り約3.48%)
  • 直近実績:配当116円(トレーリング利回り約2.47%)から増配見込み
  • 配当性向:約41.6%(予想)
  • 自己株式:1.54%保有(実施中の自己株買い有無は短信上不明)
  • 補足:2024/3に株式分割(3:1)。中間配当35円(支払開始予定 2025/12/8)。権利落ち予定 2026/3/30。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 52週騰落:+19.2%(TOPIX等の主要指数を上回る水準)
  • 直近10日:一時年初来高値更新(3,505円)。出来高増加で関心上昇。
  • ボラティリティ:β 0.44(市場連動性は相対的に低位)。
  • 保有構造:インサイダー比率37.5%、機関投資家23.3%、フロート約2,777万株。浮動株が限定的で、需給の影響を受けやすい面に留意。

11. 総評

  • 成長:再開発・DC・省エネ更新を取り込み、3年CAGR約+15%。LTMでも二桁成長。
  • 収益性:工事・保守の拡大で粗利率・OPMが上昇。ROE約19.5%と高水準。
  • 財務:自己資本比率58%、ネットキャッシュ、営業CF安定。
  • バリュエーション:PERは業界平均並~小幅ディスカウント、PBRはROEに見合うプレミアム。EV/EBITDA約7.5倍。
  • リスク/注目点:人手不足・資材高、案件採算管理、連結範囲拡大のPMI。高値圏での信用買い増加による短期需給変動。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTM売上+約18% YoY、3年CAGR約+14.6%。
  • 収益性:A
    • 根拠:OPM 10.2%、ROE 19.5%。(卸売系として高水準)
  • 財務健全性:A
    • 根拠:自己資本比率58%超、D/E約0.11倍、ネットキャッシュ、流動比率1.47倍。
  • 株価バリュエーション:B
    • 根拠:PERは業界平均比で小幅割安、PBRはプレミアム、EV/EBITDAは中位水準。

参考データ
– 株価レンジ:年初来高値 3,505円/年初来安値 1,940円
– 移動平均:50日 3,193円/200日 2,821円
– 直近業績(上期 2025/4-9):売上 784.9億円(+14.8%)、営業益 72.8億円(+24.4%)、純利 52.2億円(+15.2%)
– 通期会社予想(2026/3):売上 1,660億円、営業益 160億円、純利 120億円、EPS 291.44円、配当 117円

(出所:決算短信、提供データ)


企業情報

銘柄コード 9960
企業名 東テク
URL http://www.totech.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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