酒井重工業(6358)企業分析レポート
株価: 2,030円(2025-11-14終値ベース)
時価総額: 約180億円/市場区分: 東証プライム/業種: 機械
1. 企業情報
- 概要: 道路舗装機械に特化した専業メーカー。ロードローラー(単胴・タンデム)、タイヤローラー、路面切削機、土質安定機、再生機、軽便機(歩行型ローラー、プレート、ランマー)等を製造・販売。
- 特徴: 国内ロードローラーで高いシェア。大型機に強み。米国・インドネシア・中国で現地生産し、海外売上比率は57%(2025.3)。
- 事業: 連結で建設機械100%(産機の外販は外部調達品販売)。
- 本社: 東京都港区。創業1918年。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 国内の舗装・転圧領域で強固な立ち位置。グローバルではBOMAG、Dynapac、Ammann、Caterpillar等と競合。
- 競争優位性:
- 専業ならではの製品ラインアップと大型機の開発・適用実績
- 国内アフターマーケット基盤(保守・部品)
- 現地生産(米・アジア)による為替・関税耐性の強化余地
- 課題:
- 北米のディーラー在庫調整・関税増(コスト上昇)の逆風
- 中国・一部アジアの需要鈍化
- 建機サイクルの変動に対する収益の安定化
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/重点:
- 「アジア深耕」「北米展開」「海外事業拡大」「次世代事業開発」「ESG推進」
- 価格戦略・高付加価値化、収益構造改革、サプライチェーン修正
- 2026年3月期の見通し(会社計画・2025/11/13修正)
- 売上高: 3,000億→2,800億円に下方修正(米国・インドネシアの停滞)
- 営業利益・純利益は据え置き(構造改革等で吸収)
- 前提: 下期為替USD=145円、米国関税コスト200百万円を織込
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 新車販売(機械本体)+アフター(部品・整備)。更新・保全需要に支えられるが、サイクル影響は大きい。
- 適応力:
- 現地生産・価格戦略で関税・為替の影響を緩和する取り組み
- 高付加価値化(快適性・低燃費・ICT/テレマティクス)による差別化
- 地域分散(日本/北米/アジア)の推進
- リスク: 米国政策(関税)、ディーラー在庫調整の長期化、原材料価格、為替、中国建機市況の低迷。
5. 技術革新と主力製品
- 主力: 振動ローラー(単胴/タンデム)、タイヤローラー、切削機、安定処理/再生機、軽便機。
- 技術動向:
- 低排ガス規制(EPA/Stage V)対応、騒音・振動低減
- 安定した締固め品質や作業効率の可視化(ICT・テレマティクス)
- 収益牽引: 国内の更新需要、北米のインフラ需要(現局面は在庫調整の影響大)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ
- 株価: 2,030円
- 会社予想EPS: 105.26円(PER約19.3倍)
- 直近12ヶ月EPS(参考): 168.5円(PER約12.1倍)
- BPS: 3,503.4円(PBR約0.58倍)
- 配当予想: 年間105円(利回り約5.17%)
- 業界平均: PER 16.6倍、PBR 1.4倍
- 補助指標(概算)
- EV ≒ 時価総額180.5億 + 有利子負債43.4億 – 現金59.4億 = 約164.5億円
- LTM 売上高: 約278.5億円 → EV/S ≈ 0.59倍
- LTM EBITDA: 約27.8億円 → EV/EBITDA ≈ 5.9倍
- 論点
- PER(予想)は業界平均を上回る一方、PBRは大幅ディスカウント。
- EV/S・EV/EBITDAは抑制的水準。
- 直近期は利益計画据え置きだが、売上下方修正のなかでの利益確保が前提。
7. テクニカル分析
- 位置関係: 株価2,030円は50日移動平均2,094円、200日移動平均2,088円を下回る(弱含み)。
- 52週レンジ: 1,712~2,500円の中間圏(高値比-19%)。
- 出来高: 3ヶ月平均約19.7千株、直近10日約23.1千株(やや増加)。
- 信用動向: 信用買残79.1千株、信用倍率23.26倍(買い長)。解消局面の価格変動には留意。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移(百万円)
- 売上高: 2022/3 266.0 → 2023/3 314.6 → 2024/3 330.2 → LTM 278.5
- 営業利益: 13.8 → 25.1 → 33.2 → 15.8
- 当期純利益: 14.3 → 16.9 → 24.4 → 14.4
- 収益性
- 粗利率: 24.1%(2022)→ 26.0%(2023)→ 28.4%(2024)→ 約27.6%(LTM)
- 営業利益率: 約5.2%(2022)→ 8.0%(2024)→ 約5.7%(LTM)
- 2026年3月期上期(会社短信): 営業利益率約5.3%(累計)
- 効率・資本
- ROE(実績): 4.85%
- 自己資本比率: 70.5%(前期末)
- 流動比率: 約2.65(直近Q)
- D/E(有利子負債/自己資本): 約14.8%
- キャッシュフロー(当中間期)
- 営業CF +8.9億円、投資CF ▲3.8億円、財務CF ▲4.8億円、現金残高約74.6億円
- コメント: 2024/3までの増収増益基調から、足元は北米在庫調整・関税・一部地域低迷で減速。財務体質は堅健。
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針(2026/3期予想): 年間105円(中間45円・期末60円)。
- 配当利回り: 約5.17%。
- 配当性向:
- 参考(トレーリング): 約61%(103円/1株あたり利益168.5円)
- 予想ベース: EPS105.26円×配当105円 → 約100%近辺となる計算に留意
- 自己株式: 発行済の約3.54%を保有。足元で新規の自社株買い開示は確認できず(提示情報ベース)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 直近10日では2,000~2,060円で保ち合い、移動平均線下で推移。
- 年初来: 52週で▲18.3%(ベンチマーク比アンダーパフォーム)。
- 需給: 信用買い長で短期の値動きが振れやすい可能性。
- 影響要因: 米国関税コスト、北米ディーラー在庫調整の解消速度、為替(USD/JPY)、原材料価格・物流コスト、国内外インフラ投資計画。
11. 総評
- 事業: 道路舗装機械の専業として国内で高シェア。海外比率57%で北米・アジアを軸に展開。
- 足元環境: 米国の関税・在庫調整や中国低迷の影響で売上を下方修正。一方で、構造改革・価格政策で通期利益目標は維持する計画。
- 財務: 自己資本比率70%超、流動比率2倍超で健全。
- バリュエーション: PBR0.58倍・EV/EBITDA約6倍と抑制的。一方、予想PERは業界平均より高めで、予想配当ベースでは性向が高水準となる計算に注意。
- 中期視点: インフラ投資・更新需要、ICT/高付加価値化、現地生産最適化が鍵。北米在庫調整と関税影響の収束度合いが収益モメンタムの焦点。
(注)本レポートは提供情報に基づく整理であり、投資勧誘や推奨を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: C
- 根拠: LTM売上は前年水準から減少、会社計画も売上を下方修正。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率は高位安定、営業利益率は中位(LTM約5~6%)。業界トップよりは低め。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率70%超、流動比率2.6倍、D/E低位。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PBR・EV系は割安感、一方で予想PERは業界平均より高めで中立評価。
参考データ
– 会社予想EPS: 105.26円/BPS: 3,503.4円
– PER(予想): 19.29倍/PBR: 0.58倍
– EV/EBITDA(LTM): 約5.9倍/EV/Sales: 約0.59倍
– 配当利回り(予想): 5.17%/配当性向(トレーリング): 約61%
– 2026年3月期上期実績: 売上1,298億円(前年同期比▲9.8%)、営業利益6.84億円(同▲44.4%)
– セグメント(上期): 日本(横ばい)、米国(減速)、インドネシア(利益増)、中国(赤字)
– 今後のイベント: 権利落ち予定 2026/3/30(予定)
企業情報
| 銘柄コード | 6358 |
| 企業名 | 酒井重工業 |
| URL | http://www.sakainet.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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