ヨシックスホールディングス(3221)企業分析レポート
株価(終値):2,932円(2025-11-17)
市場:東証プライム/名証プレミア
時価総額:約303.8億円
1. 企業情報
- 概要:名古屋地盤の居酒屋チェーン。「や台ずし」を主力に、低価格居酒屋「ニパチ」、餃子業態「ひとくち餃子の頂」など多業態を展開。店舗の設計・建築をグループ内で手がけ、出店コストの抑制と短工期化を図る。
- 事業構成(連結):飲食97%、建装3%(2025.3期)
- 直近の動き:2025年7月に「海老どて食堂」事業を譲受。2026年3月期上期の新規出店14/退店9、期末店舗数387店(FC含む)。
- 従業員:890人、平均年齢39.1歳、平均年収559万円
- 本社:名古屋市東区徳川1-9-30
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内居酒屋チェーンの中堅。主力の「や台ずし」は“寿司×居酒屋”の価格帯と使い勝手に特徴。直営中心でオペレーション標準化と品質維持を重視。
- 競争優位性:
- 自社設計・施工による出店コスト・工期のコントロール
- 地場密着のドミナント出店と多業態の組み合わせによる相互送客
- 高い自己資本比率とネットキャッシュ基調による投資余力
- 課題:
- 食材(特に魚介)・人件費のインフレ耐性
- 地域拡大(例:東北)に伴うブランド浸透と人材確保
- 同業他社(総合外食・低価格居酒屋・寿司系チェーン)との価格・立地競争
- 市場シェア:公表値なし(中堅規模、主力業態は353店)。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針:主力業態の磨き込みと地域拡大、建装一体モデルでの高効率出店、ポートフォリオ多様化による収益安定化。
- 重点施策(2026年3月期上期の開示より)
- 地域展開の拡大(東北エリアなど新規地域への出店)
- 異業態(餃子・食堂業態等)の近隣配置で相互送客を促進
- 事業譲受を活用した業態の拡充
- 建装機能の内製化で初期投資の抑制と回収早期化
- 通期見通し(会社計画・2026年3月期):売上2,418億円、営業利益24.0億円、純利益18.2億円(前期比増収増益見通し、期中で予想据え置き)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:直営中心の飲食収益+グループ内建装。高い粗利率(約67%)と二桁営業利益率(上期約11%)が確認できる一方、物価・人件費上昇時の価格転嫁・効率化が重要。
- 適応力:
- 建装内製による投資コントロール
- 業態ポートフォリオの拡充と地域分散
- 出退店の機動的運用(上期:新規14/退店9)
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営上の独自性:店舗設計から施工までの内製化、標準化されたオペレーション設計。デジタルへの言及は限定的だが、内製建装による開業リードタイム短縮が特徴。
- 主力業態・収益源:
- 「や台ずし」:上期売上1,145.5億円(単位百万円換算)、全社の大半を占める
- 「ニパチ」:上期売上22.6億円
- 新規業態:餃子・食堂などで補完
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価2,932円、EPS(会社予想)177.82円、BPS 1,212.75円、配当28円
- 指標と比較
- PER:16.49倍(業界平均21.3倍)→ 業界比で低位
- PBR:2.42倍(業界平均1.8倍)→ 業界比で高位
- 配当利回り:0.95%(自社5年平均0.71%)
- E/P(益回り):約6.1%
- 現金等/株式換算:キャッシュPS約1,019円で株価の約35%
- 補足:EV/S等は負債情報が限定的なため詳細比較は割愛。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:株価は50日線(約2,621円)、200日線(約2,681円)を上回り、短中期とも上向きに転換。直近10営業日で約+15%の上昇。
- レンジ感:52週高値3,375円/安値2,357円に対し、現値はレンジ中上段(約56%位置)。年初来高値3,245円には未到達。
- 売買動向:3カ月平均出来高約4.2万株に対し、直近10日平均約6.5万株と増加。
- 信用動向:信用倍率1.13倍、買い残・売り残とも減少でポジション整理の兆し。
8. 財務諸表分析(連結)
- 成長(売上)
- 売上高:8,581百万円(2022)→ 17,089(2023)→ 21,117(2024)→ 22,905(LTM 2025)
- 3年CAGR:約+39%(コロナ後の回復・出店寄与)
- 2026/3期上期:前年同期比+10.6%、会社通期計画も増収見込み
- 収益性
- 粗利率:67.0%(LTM、上期67.4%)
- 営業利益:2,329百万円(LTM)、営業利益率約10.2%(上期約11.4%)
- 当期純利益:1,758百万円(LTM)、純利益率約7.7%
- EBITDA:2,894百万円(LTM)
- 効率・資本
- ROE:16.46%(実績)
- ROA:10.31%(LTM)
- 総資産:16,017百万円、自己資本比率:76.8〜77.7%
- キャッシュフロー
- 営業CF:+2,580百万円(LTM)
- フリーCF(レバレッジ後):約+1,200百万円(LTM)
- 現金等:10,460百万円(9/30/2025)
- その他
- 有利子負債の開示は限定的(利息費用は軽微)。異常項目は一過性として除外(方針に沿って評価)。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間28円(中間14円・期末14円)予想、配当性向約16%(会社データ)
- 5年平均利回り:0.71%に対し現在0.95%
- 自社株:期中に譲渡制限付株式報酬に伴う自己株式の処分。自己株買いの公表は特段なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:決算発表(11/7)以降、出来高増を伴う反発。短期は上昇バイアス。
- ベータ:-0.02(5年、月次)で市場連動性は低めの傾向。
- 保有構造:インサイダー持分約51.7%、浮動株約4.9百万株と限られ、需給の影響を受けやすい可能性。
11. 総評
- 主力「や台ずし」を軸に、内製建装×多業態×ドミナントの組み合わせで、回復局面後も二桁近い営業利益率を維持。財務健全性が高く、投資余力と機動的な出退店が確認できる。
- マクロの物価・人件費上昇や魚介価格の変動が収益性に与える影響、地域拡大に伴う人材・オペ品質の確保が運営上の論点。
- バリュエーションはPERで業界平均比低位、PBRは高位。短期的なモメンタムは強いが、52週高値までは距離がある。業績計画は期中据え置きで計画線上の進捗。
(注)本レポートは記載データに基づく客観的整理であり、投資勧誘・助言ではない。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY増(上期+10.6%、LTM約+8〜13%のレンジ)。3年CAGRは高水準(コロナ後回復含む)。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約67%、営業利益率10%台、外食業界平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約77%、流動比率約4.1倍、実質無借金に近い構造、現金厚め。
- 株価バリュエーション:B
- 根拠:PERは業界平均比で低位(割安)、PBRは高位(割高)の混在。総合して中立評価。
参考データ
– 会社予想EPS:177.82円 → PER約16.49倍
– BPS:1,212.75円 → PBR約2.42倍
– 配当:28円 → 配当利回り約0.95%
– 50日・200日移動平均:2,620.86円/2,680.95円
– 次回権利落ち予定:2026-03-30(予定)
企業情報
| 銘柄コード | 3221 |
| 企業名 | ヨシックスホールディングス |
| URL | https://yossix.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。