相鉄ホールディングス(9003)企業分析レポート
株価:2,610.5円(2025-11-17終値)/市場:プライム/業種:陸運業
1. 企業情報
- 概要:神奈川県地盤の私鉄大手。鉄道・バス(運輸)、スーパーマーケット等(流通)、分譲・賃貸(不動産)、ホテル(「相鉄ホテルズ/SOTETSU FRESA INN」)を展開。横浜駅周辺の再開発、JR線・東急線との相互直通により都心アクセスを強化し、沿線価値向上を図る。
- 事業構成(目安):運輸、流通、不動産、ホテル、その他(ビルメンテ等)。当中間期の外部売上構成は概ね 流通33%・ホテル25%・不動産19%・運輸15%・その他7%。
- 連絡先・本社:横浜市西区北幸2-9-14/代表取締役社長 加藤 尊正
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:神奈川西部~横浜エリアに強みを持つ地域密着型の私鉄大手。事業規模は首都圏大手(東急・小田急・京急・東武等)に比べると中位だが、直通運転で都心方面の需要を取り込む体制を確立。
- 競争優位性:
- 都心直通(JR・東急直通)による通勤・観光需要の広域取り込み。
- 沿線開発(不動産)とホテル・流通を組み合わせた「鉄道×まちづくり」の総合リテールモデル。
- 課題:
- 不動産分譲は戸数計画に業績が左右されやすい(期ズレ・市況影響)。
- 有利子負債水準が高く、金利動向の影響を受けやすい。
- 人件費・エネルギーコスト上昇の吸収。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン:鉄道を中核に「沿線価値最大化」を図り、運輸・不動産・ホテル・流通の相互補完で安定成長。
- 中期の重点施策(短信・公表方針等から整理):
- 運輸:駅改良・立体交差、イベント・デジタル乗車券等で需要喚起。バスはダイヤ最適化・新車導入。
- 不動産:分譲・賃貸・商業のポートフォリオ運用(分譲戸数の変動管理、賃貸・商業の安定収益化)。
- ホテル:「SOTETSU HOTELS」群のブランド浸透、リニューアル、収益管理の高度化。
- 流通:そうてつローゼンやコンビニの新規出店・刷新で既存店・業態収益の改善。
- 財務:有利子負債の管理、自己資本の着実な積み上げ。
- 2026年3月期見通し:営業収益3120億円、営業利益353億円、純利益225億円(不動産の減収見込みをホテルの費用コントロールで補う計画)。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源の多様化:鉄道の安定キャッシュに、不動産・ホテル・流通の成長性を組み合わせるポートフォリオ。ホテル・不動産は市況感応度が高いが、賃貸・商業の比率やブランド力で平準化を志向。
- 需要変化への適応:直通運転やデジタル施策で通勤・観光双方の需要を取り込み。流通は店舗刷新、ホテルは稼働率・単価の最適化で対応。
- リスク吸収力:事業多角化は安定要因だが、総資産規模・借入依存度が高く、金利・不動産サイクルの影響管理が重要。
5. 技術革新と主力製品・サービス
- 技術・運営:
- 駅改良・立体交差による輸送品質向上、デジタル乗車券・イベント活用による需要創出。
- ホテルは予約・価格の収益管理(RM)やリニューアルで単価・稼働最適化。
- 流通・ビルメンでICT導入による効率化。
- 収益ドライバー(当中間期セグメント利益):
- ホテル:789億円(百万円換算で7,893)とセグメント最大の利益水準。
- 不動産:619億円(6,192)だが分譲減で大幅減益。
- 運輸:366億円(3,666)増益、流通:黒字化(167)。
- その他:131億円(1,311)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:233.85円、BPS(実績):1,955.59円
- 現在株価:2,610.5円
- 指標比較(業界平均:PER 13.9倍、PBR 1.0倍)
- PER:11.16倍(業界平均比で低位)
- PBR:1.33倍(業界平均比で高位)
- EV/売上(LTM):約2.36倍[EV≈時価総額2,562億+純有利子負債(4423億−179億)≈6806億円、売上2,886億円]
- EV/EBITDA(LTM):約11.3倍(EBITDA約601億円)
- 参考水準試算(単純比較)
- 業界平均PER適用:233.85×13.9 ≈ 3,252円
- 業界平均PBR適用:1,955.59×1.0 ≈ 1,956円
- 乖離は評価軸により方向が異なる(収益基準では割安、簿価基準ではプレミアム)。
7. テクニカル分析
- トレンド位置:株価2,610.5円は50日線2,623円付近、200日線2,381円を上回る。中期は上向き、直近は50日線近辺でもみ合い。
- 52週レンジ:2,031〜2,711円の上方域(約83%位)で推移、年初来高値まで約+3.8%。
- 直近10日:2,550〜2,650円のレンジで出来高は3カ月平均(約34万株)を下回る日が多く、勢いは一服。
- 信用動向:信用倍率6.60倍、買残は前週比▲11.3千株でやや整理、売残は微増。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益の推移(連結)
- 売上高:216,684(2022)→ 249,667(2023)→ 270,039(2024)→ 288,619(LTM, 百万円)
- LTM YoY:約+6.9%、3年CAGR:約+9〜10%
- 営業利益:3,998 → 14,349 → 28,966 → 34,940(百万円)
- 営業利益率:約1.8% → 5.7% → 10.7% → 12%前後(改善継続)
- 当期純利益:1,855 → 6,980 → 16,080 → 19,933(百万円)
- 収益性(LTM)
- 粗利率:約37.1%(107,132/288,619)
- 営業利益率:11.28%(資料値)
- EBITDAマージン:約20.8%
- ROE:約10.9%(LTM推計)、ROA:約2.95%
- バランスシート・資本構成(2025/9末)
- 総資産:7,581億円、自己資本比率:24.8%(前期末24.0%)
- 有利子負債:約4,253億円、D/E:約236%、流動比率:約1.25倍
- 足元実績(2026年3月期 上期)
- 営業収益▲2.4%、営業利益▲13.2%、純利益▲16.2%(前年同期比)
- 要因:不動産分譲の減収・減益。ホテル・運輸は増益、流通は黒字化。
- キャッシュフロー:—(資料抜粋なし)
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年間65円(中間30円、期末35円)— 前期同額
- 予想配当利回り:約2.49%(株価2,610.5円ベース)
- 配当性向(参考):約32%(資料値)
- 5年平均利回り:1.47%(現状は平均を上回る水準)
- 自己株式:発行済の約2.22%保有(期末自己株式数2,175,835株)
- 自社株買い方針:—(明記なし)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:200日線上での上昇基調は維持しつつ、50日線近辺でもみ合い。52週高値が上値目途。
- 出来高:直近10日平均(約22.8万株)は3カ月平均(約34.1万株)を下回り、関心はやや落ち着き。
- ベータ:0.01(市場連動性は低位の傾向)
- ファクター:上期で不動産が減収・減益となった一方、通期ではホテルの費用コントロールで利益維持を見込む計画が株価の織り込みポイント。金利動向・沿線開発の進捗も注目要因。
11. 総評
- 事業面:鉄道を核に、ホテル・不動産・流通の多角化で成長を継続。直通運転や駅改良で運輸の基盤を強化しつつ、ホテルが利益を牽引。不動産は分譲戸数の期ズレで変動性がある。
- 収益・財務:粗利率・営業利益率は改善し、ROEも2桁水準。反面、自己資本比率は約25%と中位、D/Eが高く、金利上昇・資金調達コストに留意。
- 株価評価:PERは業界平均比で低位、PBRは高位と評価軸で差。EV/EBITDAはおおむね中庸域。配当は安定的に維持の計画。
- テクニカル:上方レンジでの持ち合い。出来高低下で短期の勢いは落ち着き、52週高値がレジスタンス。
(注)本資料は公開データに基づく定量・定性整理であり、投資勧誘や助言を目的としません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 理由:LTM売上YoY約+6.9%、3年CAGR約+9〜10%。営業利益率も段階的に改善。
- 収益性:B
- 理由:粗利率約37%、営業利益率約11%、EBITDAマージン約21%。業界平均と同水準〜やや上のレンジとみられる一方、不動産の変動でボラティリティあり。
- 財務健全性:C
- 理由:自己資本比率約25%、D/E約236%、流動比率1.25倍。有利子負債水準が高め。
- 株価バリュエーション:B
- 理由:PERは業界平均比で低位(割安方向)、PBRは高位(プレミアム)。総合すると概ね中立域。
【主要データ抜粋】
– 時価総額:2,562億円/EPS(予想):233.85円/BPS:1,955.59円
– PER(予想):11.16倍/PBR:1.33倍/配当利回り(予想):2.49%
– 売上(LTM):2,886億円/営業利益(LTM):349億円/純利益(LTM):199億円
– 自己資本比率:24.0〜24.8%/D/E:約236%/ROE(LTM):約10.9%
(不明点は資料未記載のため省略)
企業情報
| 銘柄コード | 9003 |
| 企業名 | 相鉄ホールディングス |
| URL | http://www.sotetsu.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 陸運業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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