以下は、株式会社アイビー化粧品(証券コード: 4918)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
株式会社アイビー化粧品は、化粧品や美容補助食品の製造・販売を手掛ける日本の企業です。特に高級スキンケア製品を主力としており、関西地方を中心に全国展開しています。同社の特徴は、資本関係を持たない多数の販売会社を通じた訪問販売(ダイレクトセリング)が事業モデルの根幹である点です。主な製品カテゴリはスキンケアが73%を占め、美容補助商品が13%、メークアップ製品が7%、ヘアケア製品が5%と続きます(2025年3月期見込み)。
2. 業界のポジションと市場シェア
同社は化粧品業界において、訪問販売を主軸とする独自の販売チャネルを確立しています。これは、顧客との間で深い信頼関係を築き、製品の特長を直接伝えることができるという点で競争優位性となりえます。高級スキンケア製品を主力とすることで、製品単価の高さも特徴です。
一方で、消費行動のオンライン化や多様化が進む現代において、従来の訪問販売モデルの維持・拡大は課題を伴う可能性があります。競合他社との直接的な市場シェアに関するデータは提供されていませんが、ニッチな市場で特定の顧客層をターゲットにしていると考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
同社は中期経営方針・戦略に重要な変更はないとしています。現在の経営戦略の重点分野は以下の通りです。
* 「10万人の愛用者づくり」: 顧客基盤の拡大と、「アイビーメイツ(IM会員)」の増員を目指しています。現在のところIM会員の増加は好調に推移しています。
* 研修動員強化: 販売会社や販売員(BM)向けの研修・セミナーを強化し、製品知識や販売スキルの向上を図ることで、顧客満足度の向上及び販売力の強化を目指しています。
* 原価低減・在庫管理・経費統制: 収益性向上のため、コスト削減と効率的な経営を推進しています。
* 新製品投入: 下期に大型新製品の予定はないものの、市場ニーズに合わせた製品開発・投入も継続的に行っています。
ただし、販売員(BM)の新規増設や営業所の増設は苦戦しているとの課題も認識されています。
4. 事業モデルの持続可能性
アイビー化粧品の事業モデルは訪問販売に強く依存しており、これは顧客との密接な関係構築と高付加価値製品の販売には有利な側面があります。しかし、デジタル化の進展に伴う消費者の購買動向の変化、若年層の訪問販売への抵抗感、販売員の高齢化などの課題も抱えています。
これに対し、同社はIM会員(顧客)の獲得には成功しているものの、販売員数の増加には苦戦しており、事業拡大におけるボトルネックとなる可能性があります。市場ニーズの変化への適応としては、「愛用者づくり」を通じた顧客エンゲージメントの強化が鍵となりますが、新規顧客獲得チャネルの多角化やデジタルを活用した販売・マーケティング戦略の強化が今後一層求められる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
同社の主力製品は高級スキンケア化粧品であり、特に「レッドパワー セラム」が挙げられています。これらは同社の収益を牽引する中心的な製品群です。
提供された情報からは、具体的な最先端の技術革新や研究開発動向に関する詳細な記述は見られません。高品質な製品を提供し続けるためのR&Dへの継続的な投資は重要と考えられます。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 335.0円
- PER(会社予想): 6.17倍
- EPS(会社予想): 54.28円
- PBR(実績): 0.79倍
- BPS(実績): 426.59円
- 業界平均PER: 15.9倍
- 業界平均PBR: 0.7倍
現在の株価335.0円は、会社予想EPS54.28円に基づくとPER6.17倍となります。これは業界平均PER15.9倍と比較して大幅に割安な水準にあります。PBR0.79倍は業界平均PBR0.7倍と同程度の水準です。
過去には赤字を計上する時期もありましたが、直近の中間期では黒字化し、通期でも大幅な純利益回復を見込んでいることから、現在のPERは将来の収益改善期待が十分に織り込まれていない可能性も考えられます。
7. テクニカル分析
- 年初来高値:384円
- 年初来安値:216円
- 現在の株価:335.0円
- 50日移動平均:340.20円
- 200日移動平均:301.98円
現在の株価335.0円は、年初来高値384円と年初来安値216円の中間よりやや高い位置にあります。直近10日間の株価は327円から335円の間で推移しており、一時342円まで上昇しましたが、その後やや落ち着きを見せています。
50日移動平均線(340.20円)を下回っているものの、200日移動平均線(301.98円)を上回っているため、中長期的には上昇基調を維持していると判断できます。短期的な勢いはやや調整局面にあるかもしれません。
8. 財務諸表分析
以下の分析は、主に最新の決算短信(令和8年3月期 第2四半期)の数値と過去損益計算書の傾向に基づいています。
* 売上高:
* 2022年3月期: 3,534百万円
* 2023年3月期: 2,942百万円
* 2024年3月期: 2,713百万円
* 2025年3月期予想(提供データ): 2,929百万円(決算短信R8年3月期通期予想は2,850百万円)
* 直近の中間期(R8年3月期2Q)売上高は1,384百万円で、前年中間期比+0.2%と横ばい傾向。過去数年間は減少傾向でしたが、直近では下げ止まりを見せています。ただし、通期予想(決算短信)は前期比2.7%減と保守的です。
* 営業利益:
* 2022年3月期: 83百万円
* 2023年3月期: -18百万円 (赤字)
* 2024年3月期: 187百万円
* 2025年3月期予想(提供データ): 422百万円(決算短信R8年3月期通期予想は380百万円)
* 2023年3月期は営業赤字でしたが、2024年3月期には大きく回復し、黒字転換しました。直近の中間期(R8年3月期2Q)営業利益は207百万円で、前年中間期比+9.4%と堅調です。通期予想(決算短信)では前期比10.1%減を見込んでいますが、引き続き黒字を維持する見込みです。
* 中間期の売上総利益率は約74.6%、営業利益率は約15.0%と、高水準を維持しています。
* 当期純利益:
* 2022年3月期: 40百万円
* 2023年3月期: -384百万円 (大幅な赤字)
* 2024年3月期: 160百万円
* 2025年3月期予想(提供データ): 43百万円(決算短信R8年3月期通期予想は315百万円)
* 2023年3月期に大幅な純損失を計上しましたが、2024年3月期に黒字回復。最新の決算短信では、令和8年3月期(2026年3月期)の通期純利益315百万円(前期比+632.3%)と大幅な増益を予想しており、税務上の見積費用減算等が貢献するとされています。
* キャッシュフロー:
* 過去12か月の営業活動によるキャッシュフローは-2.13B円とマイナス。直近の中間期も-35,689千円とマイナスでした。これは売上債権や棚卸資産の増加、仕入債務の減少などが影響している可能性があります。
* 投資活動および財務活動によるキャッシュフローもマイナスで、現金及び現金同等物残高は減少傾向にあります。
* ROE(実績):
* 過去12か月: -4.23% (提供データ)
* 実績: 1.83% (提供データ)
* 中間期(計算値): 約7.2%
* 過去の赤字の影響もあり低い水準でしたが、直近の中間期では改善が見られます。
* ROA(実績):
* 過去12か月: 1.28% (提供データ)
* 中間期(計算値): 約5.3%
* こちらもROEと同様に低い水準でしたが、中間期では改善が見られます。
* 自己資本比率(実績):
* 69.2% (実績)
* 中間期末: 73.6%
* 非常に高い水準で、財務健全性は極めて良好です。
* 流動比率(実績):
* 直近四半期: 1.29倍 (提供データ)
* 中間期末: 3.43倍
* 中間期の流動比率は極めて高く、短期的な支払能力に問題はありません。
総括: 売上高は横ばいから微減傾向であるものの、収益性は回復しつつあります。財務状況は自己資本比率が高く、極めて健全です。しかし、営業キャッシュフローの継続的なマイナスは注視が必要です。純利益は特別損失の有無により大きく変動する傾向が見られます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 4.48% (株価335円、1株配当15円で計算)
- 1株配当(会社予想): 15.00円 (通期)
- 配当性向(会社予想EPS54.28円と1株配当15.00円で計算): 約27.6% (ただし、過去の配当性向0%のデータもあり、変動が大きい可能性があります。)
同社は、令和8年3月期において普通株式の復配(通期15.00円/株)を予定しており、配当利回りは高水準です。配当方針としては、内部留保を優先しつつ自己資本を維持し、普通株式の復配を行うとしています。
なお、直近ではA種優先株式に対する累積配当金(7期分、総額187,890千円)の支払いを行いました。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株式は年初来で33.33%上昇しており、市場全体(S&P 500の52週変化率13.81%)を上回るパフォーマンスを見せています。
出来高は直近10日で23,900株、3ヶ月平均出来高30,130株と比較的少なく、市場での流動性は高くないと言えます。
信用取引の状況を見ると、信用買残が316,000株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率も0.00倍です。信用買残が多い状況は、将来的な売り圧力となる可能性も考えられますが、売残が皆無である点は独特です。
直近ではA種優先株式配当金支払いによる財務改善や普通株式の復配見通し、収益の回復傾向が株価に対するプラス要因となっている可能性があります。
11. 総評
アイビー化粧品は、訪問販売という独自のチャネルを通じて高級スキンケア製品を提供する化粧品メーカーです。過去数年間の売上高は減少傾向にありましたが、直近中間期では下げ止まりを見せ、収益性は大幅に改善しています。特に2023年3月期に計上した大幅な損失から、2024年3月期、そして最新の2026年3月期の通期純利益予想では大幅な回復を見込んでおり、経営努力の結果が表れています。
財務基盤は自己資本比率73%超と極めて強固であり、高い安全性を誇ります。一方で、営業キャッシュフローの継続的なマイナスや、訪問販売モデルが現代の市場ニーズにどう適応していくかは、今後の成長における重要な課題です。
株価は業界平均PERと比較して割安水準にあり、高水準の配当利回りも魅力です。ただし、出来高が少なく、信用買残が多い需給バランスには注意が必要です。
12. 企業スコア
- 成長性: D
- LTM売上成長率(YoY)は-5.20%であり、直近中間期は横ばい、通期予想は前期比減です。過去数年間の売上も減少傾向にあります。
- 収益性: B
- 中間期実績では粗利率約74.6%、営業利益率約15.0%と高い水準ですが、過去には営業赤字を計上した期もあり、安定性には課題が残ります。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率が70%を超え、流動比率も3倍以上と極めて良好な財務状況です。
- 株価バリュエーション: A
- PER(会社予想)6.17倍は業界平均15.9倍と比較して大幅に割安であり、PBRも業界平均と同水準です。
注意事項:
本レポートは提供された情報に基づき作成されたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。記載内容は、信頼できる情報源に基づいておりますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 4918 |
| 企業名 | アイビー化粧品 |
| URL | http://www.ivy.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。