1. 企業情報
- 概要:日本精化はファインケミカルの中堅。主要領域は機能性製品(ビューティケア原料、ヘルスケア向けリン脂質・医薬中間体、ファインケミカル中間体・機能性コーティング、トレーディング)と環境衛生製品。樟脳や脂肪酸誘導体で高シェア、化粧品・医薬品原料が伸長。中国に生産子会社を保有。
- 事業構成(連結・目安):機能性製品約80%、環境衛生製品約20%、その他(不動産等)わずか。海外売上比率 約30%。
- 従業員:720名、本社:大阪。
- 製品例:化粧品原料(エステル、乳化剤等)、天然油脂(医薬・化粧・工業)、医薬用リン脂質(リポソーム等)、脂肪酸誘導体(酸塩化物、β-ケトエステル等)、UV/熱硬化コーティング、脂肪酸アミド(Neutron)など。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内スペシャリティケミカル市場のニッチ分野で存在感。脂肪酸誘導体、樟脳、医薬用リン脂質など特定品目で高シェア。
- 競争環境:国内ではNOF、花王ケミカル、三洋化成、日油、日清オイリオ系オレオケミカル等、海外ではCroda、Evonik、BASF、Clariant等大手が存在。規模競争よりも配合技術・品質保証・用途開発の競争色が強い。
- 強み/課題
- 強み:高付加価値原料、品質一貫管理、顧客との用途開発力、医薬・化粧向けの安定需要。
- 課題:原材料・為替の変動影響、規模の経済では海外大手に劣る、トレーディング縮小の売上影響。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針:中期計画に基づく「選択と集中」。収益性の高い機能性製品(ヘルスケア、ファインケミカル、ビューティケア)を強化し、価格改定・製品ミックス改善を推進。
- 重点分野(短信等より)
- ヘルスケア:リン脂質、医薬中間体の拡販。品質・供給安定力を軸に採算改善。
- ファインケミカル:工業用途(ウールグリース誘導体等)伸長、特殊中間体の強化。
- ビューティケア:高付加価値原料のラインアップ拡充。
- トレーディング:グループ構造見直しで縮小、収益性重視へ。
- 2026/3通期予想(修正後):売上3,500億円、営業利益55億円、純利益45億円、EPS 207.51円。為替前提 USD/JPY=145。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:用途特化の原料供給(化粧・医薬・工業)で中長期の安定需要。製品ミックスと価格改定により粗利率・営業利益率を維持・改善。
- レジリエンス:原材料高・為替に対して価格転嫁や高付加価値化で対応。規制順守と品質保証が参入障壁。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:リン脂質・リポソーム関連は医薬用途で採用が進む分野。機能性コーティング(UV/熱硬化)や特殊中間体(酸塩化物、β-ケトエステル等)で用途開発。
- 収益牽引:ヘルスケア(リン脂質・医薬中間体)とファインケミカル、ビューティケアの高付加価値品。環境衛生は価格改定と高付加価値品で採算確保。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:2,671円
- 予想EPS:203.83円 → 予想PER約13.1倍(会社予想値13.13倍)
- 実績BPS:2,259.29円 → PBR約1.18倍(実績)
- EV/Sales(概算):EV約548億円(時価総額679億円−現金131億円、借入ゼロ近辺)/ 売上356億円 ≈ 1.54倍
- EV/EBITDA(概算):約8.1倍(EBITDA約67.6億円)
- 配当:年間予想94円、配当利回り約3.5%、配当性向約43%
- 業界平均比較:PER 20.4倍、PBR 1.1倍(化学・スペシャリティ平均)。当社のPERは平均より低水準、PBRは同程度。
- 株式数動向:2025/11/20に自己株1,550千株消却(発行済 約6%減)予定。一定のEPS/BPS押し上げ要因。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ:1,727〜2,873円。現値はレンジ上限寄り(約82%位置)、年初来高値比−約7%。
- トレンド:50日線2,613円、200日線2,391円の上に位置。中期〜長期の上向き基調が継続。
- 足元の値動き:11/12の出来高増伴う下落後、2,700円近辺でのもみ合いから2,671円。信用買残は前週比大幅減(−119,600株)で過熱感が緩和。
- 目線(参考):2,600円前後(50日線)をサポート候補、2,873円がレジスタンス候補。
8. 財務諸表分析
- 売上推移:2022/3 334億円 → 2023/3 368億円 → 2024/3 335億円 → LTM 356億円(前年比増、3年CAGR約+2%)
- 収益性(LTMベース目安)
- 粗利:108.8億円(粗利率約30.5%)
- 営業利益:48.9億円(営業利益率約13.7%)
- EBITDA:67.6億円(EBITDAマージン約19%)
- 当期純利益:38.7億円(純利率約10.9%)
- 効率/資本性
- ROE:実績8.16%(LTM指標ベース約9%台の水準)
- ROA:5.74%
- 自己資本比率:80.5%(中間期 82.3%)
- 流動比率:466%(中間期)
- D/E:実質無借金に近い
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:66.1億円、レバードFCF:24.2億円とプラス
- セグメント(2026/3中間)
- 機能性製品:売上1,385億円、営業利益26.9億円(増益)
- 環境衛生製品:売上352億円、営業利益2.6億円(増益)
- 留意:中間期に投資有価証券売却益計上(特別利益)。一過性は評価から除外。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3実績 年間74円 → 2026/3予想 年間94円。予想配当性向約43%。
- 自社株:自己株式保有14.5%、2025/11/20に1,550千株消却予定(消却後発行済23,822,447株見込み)。1株指標の改善に寄与。
- 参考:次回配当落ちは2026/3/30予定。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近モメンタム:10月末の決算発表後に出来高増。10日平均出来高8.6万株は3カ月平均3.4万株を上回る。
- ボラティリティ:5年β 0.57と相対的に低め。
- 株主構成:インサイダー等48%超、浮動株約1,130万株。浮動株が比較的少なく、材料時の価格変動が相対的に大きくなりやすい面。
11. 総評
- 収益性と財務健全性が良好で、ヘルスケア・ファインケミカルの伸長により中間期は増益。価格改定と製品ミックス改善が進展。
- 予想PERは業界平均と比べ低水準、配当利回りは約3.5%。自己株式の消却により1株価値の押し上げが見込まれる。
- リスク要因は原材料価格・為替、海外景気・地政学要因、特定製品の需要動向。一方、医薬・化粧品向けの安定需要と技術・品質優位が下支え。
- 株価は中長期トレンドは堅調だが、52週上限圏に位置。短期的には決算後の値動きや出来高動向に留意。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 根拠:LTM売上+約6%、3年CAGR約+2%。中期的に緩やかな成長。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約30%台、営業利益率10%超・EBITDAマージン約19%で業界平均水準を上回る構成。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率80%超、流動比率約466%、実質無借金。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER約13倍(業界平均20倍台比で低水準)、PBR約1.18倍、EV/EBITDA約8倍。
データ出所:提示の会社開示(2026年3月期2Q短信等)、提供数値(株価・各種指標・財務)。記載の数値は概算を含みます。
企業情報
| 銘柄コード | 4362 |
| 企業名 | 日本精化 |
| URL | http://www.nipponseika.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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