ダイレクトマーケティングミックス(7354)企業分析レポート
株価: 295円(2025-11-18終値)/市場区分: 東証プライム
1. 企業情報
- 概要: 電話を中心とした営業・マーケティングの代行(コンタクトセンター)、コンサルティング、BPO(事務・申込処理等のアウトソーシング)、人材派遣(オンサイト)を展開。NTTドコモ・NTTグループ向け比率が高い。2017年設立、大阪本社。
- 事業構成(2024年実績目安): マーケティング約90%、オンサイト約10%。主力は通信インフラセクター向けのアウトバウンド営業・ハイブリッド(電話×訪問×Web)支援とDXフルフィルメント領域。
- 直近トピック: 2025年通期業績予想を上方修正。採用代行(RPO)のサイヨウブを100%子会社化、保険代理/FPプラットフォームのマネーペディアを70%取得(いずれも2025年10月、後発事象)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置づけ: コンタクトセンター/BPOの中堅プレイヤー。大手(ベルシステム24、トランスコスモス、りらいあ等)と比較して規模は小さいが、通信インフラに強みがあり、成果志向の営業支援能力が特徴。
- 競争優位性
- 大手通信との深い取引関係(継続案件・大規模案件へのアクセス)。
- 営業起点(トップライン貢献型)のBPO提案力と固定費見直し等の収益管理の強化。
- 課題/リスク
- 顧客集中(NTTグループ比率が高い)。大型顧客ポートフォリオの変動が業績に影響しやすい。
- 労務集約型モデル(人件費・採用/定着コスト上昇、需給変動への感応度)。
- デジタル化の波(セルフサーブ化、生成AI/自動化の進展)への継続的適応。
3. 経営戦略と重点分野
- 会社方針(第3Q要旨)
- DXフルフィルメント・BPO領域の強化(申込処理、本人確認、データ入力など販売後工程を含む一気通貫提供)。
- 既存顧客深耕×新規開拓×固定費見直しで採算性改善。
- M&A/領域拡大
- サイヨウブ(RPO)取得で採用支援ケイパビリティを内製化。
- マネーペディア(保険・FPプラットフォーム)取得で金融クロスセルやチャネル多角化の糸口。
- 中期計画: 具体数値の開示は未確認(短信時点)。注力領域(DX/BPO、営業支援の高付加価値化)に沿って実行中。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 案件委託(稼働ベース/成果連動)+BPO受託(継続型)+オンサイト派遣。稼働の平準化と固定費管理が収益性を左右。
- 持続性の観点
- 需要: 通信・サブスク領域の継続的な申込/切替需要、業務の外部委託化は追い風。
- 適応力: 電話×Webのハイブリッド運用、BPO内製化、データ利活用の拡大でマージン改善の余地。
- リスク: 顧客集中・単価競争・自動化進展。M&Aの統合リスク(のれん、運用統合)も留意。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/運用: コンタクトセンター運用、スクリプト最適化、CRM基盤運用、DXフルフィルメント(申込処理のデジタル化等)。業界では音声解析/自動化ツールの活用が進展。
- 主力領域: 通信インフラ向けのアウトバウンド/ハイブリッド営業支援が収益を牽引。BPO比率の引き上げで安定収益化を狙う。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提データ
- 株価: 295円、EPS(会社予想): 27.48円、BPS(実績): 315.26円
- PER: 10.74倍、PBR: 0.94倍(提示値と整合)
- 業界平均: PER 17.0倍、PBR 1.8倍
- 時価総額: 約140億円、LTM売上: 約218.9億円、EBITDA: 約29.7億円
- 現金4,930百万円、借入5,190百万円 → ネット有利子負債約260百万円
- EV/売上・EBITDA
- EV ≒ 140.5億 + 51.9億 − 49.3億 = 約143.1億円
- EV/S ≒ 0.65倍(143.1/218.9)
- EV/EBITDA ≒ 4.8倍(143.1/29.7)
- 相対評価
- PER・PBRともに業界平均を下回るレンジ。
- EV/EBITDAが5倍前後と相対的に低位レンジ。事業構造(人材集約/顧客集中)や規模のディスカウントを内包している可能性。
7. テクニカル分析
- トレンド: 200日移動平均266.73円、50日移動平均285.76円の上に位置。年初来高値319円を11/17に更新後、295円へ押し戻し。
- 価格帯: 290円近辺に直近の支持、319円に明確な上値抵抗。300円の節目攻防が焦点。
- 需給: 信用買残123万株、信用倍率69.5倍と買い長。上昇局面の過熱後は戻り待ち売り・信用の手仕舞いが変動要因になりやすい。
- モメンタム: 直近2週間で出来高増を伴う上放れ→高値更新→押し目の展開。中期(50日・200日)では上向き。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移
- 売上収益: 2021年302.9億 → 2022年346.7億 → 2023年268.5億 → 2024年209.5億 → LTM 218.9億(減少から持ち直し)
- 営業利益: 2021年47.8億 → 2022年57.7億 → 2023年12.2億 → 2024年14.3億 → LTM 16.6億(改善基調)
- 当期利益: 2023年3.1億 → 2024年8.3億 → LTM 10.6億(回復)
- 収益性
- 営業利益率(LTM): 9.39%
- EBITDAマージン(LTM): 約13.6%
- ROE(実績): 6.21%(LTMベースでは改善傾向)
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM): 21.9億、レバードFCF: 15.8億(キャッシュ創出力は改善)
- 財政状態
- 自己資本比率: 55.1%(第3Q時点で58%へ改善)
- D/E(総負債/資本): 約36%(有利子負債は現金と概ね均衡)
- 流動比率: 約0.99〜1.03倍(短期資金のタイトさは注視)
- セグメント
- マーケティング事業が売上の約93%・利益の大半を牽引。オンサイトは収益性改善も売上縮小。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2024年実績: 4.5円(期末)
- 2025年会社予想: 7.0円(期末) → 予想配当利回り約2.37%(株価295円)
- 予想配当性向: 約25%(7円/予想EPS27.48円)
- 自己株式: 2.48%保有。新規の自社株買いは確認情報なし。
- 配当方針の詳細(連結総還元性向等)は短信に明記なし。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 出来高: 11/17に年初来高値更新時の出来高急増、その後も3ヶ月平均を上回る推移。
- 投資家構成: インサイダー保有比率56.6%と高く、フリーフロートは限定的。機関投資家保有14.8%。
- 信用動向: 信用買い超過が大きく、短期的なボラティリティ要因。
- ニュース要因: 通期上方修正、M&A(RPO/保険領域)発表が関心材料。大型顧客の発注動向、BPO受注の積み上がりが注目点。
11. 総評
- 収益は2023年の谷から回復基調。主力のマーケティング事業での受注好調と固定費見直しにより、営業利益率・キャッシュ創出力が改善。
- 顧客集中や人件費上昇、オンサイトの縮小などの課題はあるものの、DXフルフィルメント/BPOへのシフトとM&Aでポートフォリオの強化を図る姿勢が確認できる。
- バリュエーションはPER・PBR・EV/EBITDAのいずれも相対的に低水準。中期的な業績モメンタムの持続と顧客集中リスクのマネジメントが評価の鍵。
- テクニカルには中期上昇トレンドに乗る一方、信用買い長に伴う変動には留意。
本レポートは公開情報に基づく客観的整理であり、投資判断を勧誘・助言するものではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上は前年比プラス、四半期成長率+18.8%と改善。ただし3年CAGRはマイナス域で総合評価は中立。
- 収益性: A
- 根拠: 営業利益率約9.4%、EBITDA率約13.6%。同業国内平均を概ね上回る水準。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率55%台(第3Qで58%)、D/E約36%。流動比率は1倍前後で要観察だが総合として健全。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER10.7倍、PBR0.94倍、EV/EBITDA約4.8倍と相対的に割安レンジ。事業特性・規模ディスカウントは織り込み。
参考データ
– 年初来高値/安値: 319円 / 183円
– 50日/200日移動平均: 285.76円 / 266.73円
– 予想EPS: 27.48円、予想DPS: 7円、予想利回り: 約2.37%
– 次回権利落ち日(予定): 2025-12-29(会社公表ベース)
企業情報
| 銘柄コード | 7354 |
| 企業名 | ダイレクトマーケティングミックス |
| URL | https://dmix.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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