全国保証(7164)企業分析レポート
株価:3,068円(2025-11-19時点)
1. 企業情報
- 概要
- 独立系の信用保証専業で国内最大手。主力は住宅ローン向け信用保証。全国の金融機関と広範に提携。
- 付随事業として、ABL(動産・売掛債権担保)貸付、RMBS(住宅ローン担保証券)取得、損失補填契約、与信審査・債権回収、損害保険代理店などを展開。
- 基本データ
- 市場区分:東証プライム
- 33業種:その他金融業(17業種:金融(除く銀行))
- 本社:東京都千代田区大手町2-1-1
- 代表者:青木 裕一
- 設立:1981年
- 従業員数:371人、平均年齢38.5歳、平均年収809万円
- 連結事業構成:信用保証100%(2025.3)
- トピック
- 2025年4月に1→2の株式分割
- 自社株買い:69億円実施済(2025年)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 「国内唯一の独立系住宅ローン保証会社」として系列に依存しない中立性と提携の広さが特徴。金融機関の多様なニーズに合わせた商品・スキーム提案力が強み。
- 市場シェア(会社資料)
- 新規住宅ローン市場:約21兆円のうち、当社新規シェア実績 8.7%(2025/3)、目標 9.5%
- 既存貸出残高市場:約220兆円のうち、当社保証債務残高 19.4兆円(2025/3末)→シェア約9.5%
- 競争優位・課題
- 優位性:提携ネットワークの広さ、審査ノウハウ、与信・回収体制、保証残高の規模、金利上昇局面での運用利回り改善など
- 課題:住宅着工の伸び悩み、与信関連費用の増減(景気・失業率・不動産市況に連動)、系列系保証会社との競争、M&A/ABL等の執行・回収リスク
3. 経営戦略と重点分野
- 中期経営計画(Next Phase:2023.4〜2026.3)
- 目標:保証債務残高 21兆円(当初19兆円→上方修正)、ROE 14%
- 戦略:オーガニック(新規保証の拡大)+インオーガニック(M&A、ABL、RMBS、損失補填)で残高を積み上げ
- 進捗:2025/9末の保証債務残高 19.8047兆円(2025/3末 19.459兆円から増加)
- 重点施策
- オーガニック:提携先向け提案強化、DXサービス提供、商品基準改定・団信拡充、子育て世代向け支援
- インオーガニック:複数スキーム(子会社化、ABL、RMBS、損失補填)による既存残高の獲得
- チャネル拡大:不動産検索サイト・不動産会社との連携、CVCを通じたスタートアップ投資・協業
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 住宅ローン保証料(前払・分割等の形態を含む)が基軸。保証債務残高の積み上がりによりストック型の安定収益を確保。
- 営業外収益(資産運用利回り、ABL利息など)も拡大余地。
- 持続性とリスク
- 金利上昇は一般に保証利用増・運用利回り改善を通じてプラス要因。一方、借入人負担増に伴う代位弁済増や回収率の変動には注意。
- 住宅着工・中古流通、不動産価格、雇用環境の変動が信用コストを左右。与信管理・回収ノウハウが鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 主力:住宅ローン信用保証
- 技術・商品面
- DX支援・オンライン手続き等、提携金融機関向けの業務効率化サービスを強化。
- 商品基準改定や団信の拡充、子育て世代支援など、需要喚起・利用促進のメニューを拡張。
- 収益ドライバー
- 住宅ローン保証の新規実行と保証債務残高の増加が主因。加えてABL・RMBS・損失補填等の「インオーガニック」収益が寄与。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現値 3,068円)
- 予想EPS:232.72円 → 予想PER:約13.2倍(会社公表:13.21倍)
- 実績BPS:1,731.34円 → PBR:約1.77倍(会社公表:1.78倍)
- 予想配当:115円 → 予想配当利回り:約3.75%(会社公表:3.74%)
- 業界平均との比較(その他金融業・参考)
- 業界平均PER:10.3倍、PBR:0.9倍
- 当社はPER・PBRともに業界平均を上回る水準。
- 補足
- ROE(実績):約13.8〜14.2%
- 配当方針:配当性向50%目標(2026/3期)、中間配当導入済
7. テクニカル分析
- トレンド指標
- 50日移動平均:3,273.5円、200日移動平均:3,128.2円
- 現在値は50日・200日線の下(短期は弱含み、長期線近辺)。
- 位置
- 年初来高値:3,582円、安値:2,658円。現在値はレンジ中腹〜やや下寄り。
- 需給
- 信用倍率:1.33倍。信用買残は前週比減、売残は増で短期の需給はやや重い。
- 出来高は直近10日平均が3カ月平均を下回る(関心はやや落ち着き)。
8. 財務諸表分析
- 成長
- 売上高(営業収益)LTM:579.8億円(2024/3の516.4億円→2025/3の569.7億円→LTMで増加)。3年CAGRは約6%程度。
- 直近期(2026/3期2Q累計):営業収益+4.6%(前年比)。
- 収益性
- 営業利益率(LTM):約53.1%(提供指標)。2Q累計ベース概算:約64.7%(資料計算値)。
- 純利益率(LTM):約54.8%。高い収益性を維持。
- 効率・資本
- ROE(LTM):約14.2%(会社実績13.8%)。ROA:約5.6%。
- 総資産回転率は低めだが、事業特性(保証業)による。
- キャッシュフロー
- 営業CF(LTM):330.9億円、フリーCF:269.4億円。安定的にプラス。
- 安全性
- 自己資本比率:約48.5%(2Q資料計算47.9%)、流動比率:約376%、D/E:約13%。
- 有利子負債は長期借入金3,000億円(百万円表記換算)で大きな変動なし。
- 参考
- 2Qは代位弁済は計画内、求償回収も堅調との記載。一方、与信関連費用や人件費・システム費は増加傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 2026/3期:年間115円予定(中間45円、期末70円)、目標配当性向50%。
- 5年平均利回り:3.23%(現状はそれを上回る水準)。
- 自社株買い
- 2025年に総額69億円を実施。配当と合わせた総還元性向は70%超の見通し(会社資料)。
- その他
- 2025年3月に株式2分割済。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近10営業日、3,100円台から3,070円前後へじり安。50日線を下回る推移で短期の上昇圧力はやや弱い。
- ボラティリティ・需給
- Beta(5年):0.32(市場連動性は低め)。
- 10日平均出来高は3カ月平均を下回り、短期の売買参加は沈静化。
- 信用動向は買残減・売残増がやや重し。
- イベント
- 次回決算予定:2026/2/5
- 配当権利落ち:2026/3/30(予定)
11. 総評
- 住宅ローン保証を中核に、保証債務残高の積み上げとインオーガニック施策(M&A・ABL・RMBS等)で安定的な成長を継続。収益性・キャッシュ創出力・財務健全性はいずれも良好な水準。
- マクロ・不動産市況・金利動向により与信費用や回収率が変動し得る点は主要リスク。足元は与信費用の増加を吸収しつつ、運用収益の増加で経常段階を維持。
- バリュエーションは業界平均に対しプレミアム水準。配当性向50%を掲げつつ自社株買いも活用し、総還元は厚め。
- テクニカル面では50日・200日移動平均線の下にあり、短期はもみ合い〜調整基調。イベント接近期には出来高やモメンタムの変化に留意。
(本資料は公開データの整理であり、投資助言を目的としたものではありません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY増(約+12%)、3年CAGR約6%。保証残高も増加基調。
- 収益性:S
- 根拠:営業利益率50%超、純利益率も高水準。業界平均を大きく上回る構造的な高収益モデル。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約48〜49%、流動比率約376%、D/E約13%。流動性・耐久力ともに良好。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER約13.2倍・PBR約1.78倍で、業界平均(PER10.3倍、PBR0.9倍)よりプレミアム水準。配当利回りは約3.7%。
企業情報
| 銘柄コード | 7164 |
| 企業名 | 全国保証 |
| URL | http://www.zenkoku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 金融(除く銀行) – その他金融業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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