大和コンピューター(3816)企業分析レポート

個人投資家の皆様へ
本レポートでは、大和コンピューター(証券コード:3816)の企業情報、事業内容、財務状況、株価動向などを多角的に分析し、整理してご提供します。

1. 企業情報

大和コンピューターは、1977年設立の大阪府高槻市に本社を置く情報・通信業の企業です。主な事業内容は、ソフトウェア開発関連事業とサービスインテグレーション事業の2つを柱としています。ソフトウェア開発では、システムの設計、開発、導入、保守、さらにはソフトウェア開発のコンサルティングやプロセス改善支援(CMMI導入)を行っています。サービスインテグレーション事業では、SaaS(Software as a Service)型ソフトウェアサービスの提供、関連するシステム・ソフトウェアのコンサルティング、設計、開発、導入、保守、およびハードウェアの販売・設置を手掛けています。
「ソフト開発2次受け会社。基幹業務などに強み。顧客に大塚商会、SCSK」とあるように、ITサービス業界の中でシステムインテグレーターからの受託開発が事業の中心に位置付けられます。近年はクラウドサービスの強化や、i-Agriculture(農業自動化技術)を含む農業関連分野への展開も行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

大和コンピューターは、ソフトウェア開発における二次受けを中心としたビジネスモデルを展開しており、安定した顧客基盤として大塚商会やSCSKといった大手ITベンダーを抱えています。情報・通信業界、特にシステム開発分野は競争が激しいですが、同社は基幹業務システム開発に強みを持つことで特定のニッチ市場で存在感を示しています。
市場シェアに関する具体的な数値は開示されていませんが、従業員数194名の規模から見て、特定の分野に特化したソリューションプロバイダーとしての立ち位置と考えられます。安定した顧客との関係性と、基幹業務システムという専門性の高い領域での実績が競争優位性であると考えられます。一方で、二次受けが中心であるため、元請けからの案件獲得状況や、価格決定力は課題となる可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

同社は中期経営計画「DCX2030」を策定し、ソフトウェア開発を主力としながら堅実な成長を目指す方針を掲げています。特に、クラウドサービスとスマート農業分野におけるサービス強化を通じて、事業成長を加速させることを重点分野としています。
中期経営計画のコメントからは、短期的な利益の変動があっても、中長期的な企業価値向上を目的とした戦略的な投資を積極的に行っていく姿勢が伺えます。これにより、将来的な収益の柱を構築し、持続的な成長を目指していると推察されます。

4. 事業モデルの持続可能性

大和コンピューターの事業モデルは、安定的なソフトウェア受託開発を基盤としつつ、SaaS型サービスやクラウドソリューション、スマート農業といった成長分野への先行投資を行うことで、持続可能性を高めようとしています。
国内IT投資が働き方改革やデジタル化、自動化、効率化といった需要により底堅く推移する市場環境は、同社の事業にとって追い風となります。既存のソフトウェア開発事業は安定した収益源となる一方で、SaaSや農業関連事業は市場ニーズの変化への適応と新たな収益モデルの確立を目指す戦略の一環です。これらの新規事業が軌道に乗れば、より強固な事業基盤が確立される可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

同社は、基幹業務システムの開発・保守で培った技術力を強みとしています。近年は、クラウドサービスの提供、RFID(Radio Frequency Identification)技術を活用したサービス、そして「i-Agriculture」という農業自動化技術に注力しています。これらの技術は、デジタル変革(DX)やIoT、サステナビリティといった社会的なトレンドに対応するものです。
主力製品・サービスとしては、安定的なソフトウェア受託開発、特に基幹業務システム関連が現在の収益を牽引していると考えられます。また、SaaS型サービスや新分野であるスマート農業関連技術は、今後の収益拡大を担う戦略的な分野として育成が進められています。

6. 株価の評価

現在の株価1,163.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* PER(会社予想): 23.91倍
* PBR(実績): 0.84倍
* EPS(会社予想): 48.51円
* BPS(実績): 1,384.46円
* LTM EPS (過去12ヶ月): 107.72円
* LTM PER: 1,163円 ÷ 107.72円 = 10.79倍

業界平均と比較すると、
* 業界平均PER: 17.6倍
* 業界平均PBR: 1.6倍

LTM(過去12ヶ月)のPERで見ると10.79倍であり、業界平均の17.6倍と比較して割安感があります。一方、会社予想のPERは来期の減益見込みを反映して23.91倍と、業界平均より高めです。
PBRは0.84倍と、業界平均の1.6倍を大きく下回っており、株価が企業が持つ純資産価値に対して割安に評価されていることを示唆しています。特にBPSが1,384.46円であるのに対し株価が1,163.0円であるため、PBRが1倍を割り込んでいる状況です。これは、現時点の企業価値と比較して株価が過小評価されている可能性を示唆するものです。

7. テクニカル分析

現在の株価は1,163.0円です。
* 年初来高値:1,300円
* 年初来安値:998円
* 50日移動平均線:1,158.30円
* 200日移動平均線:1,146.18円

現在の株価は、年初来高値1,300円からはやや下がり、年初来安値998円からは上昇した水準です。また、50日移動平均線、200日移動平均線ともにわずかに上回っており、直近の株価は移動平均線近辺で推移していると考えられます。高値圏と安値圏の中間くらいに位置しますが、年初来高値に比べると若干低い水準にあると言えるでしょう。
直近10日間の株価推移を見ると、1,154円〜1,172円の狭いレンジ内で小動きが見られます。出来高は非常に少なく、日によっては100〜800株程度と低調であり、大きなトレンドが発生しているとは言えません。

8. 財務諸表分析

過去数年間の損益計算書と直近の財務指標を評価します。
* 売上高:
* 2021年7月期: 2,611百万円
* 2022年7月期: 2,877百万円 (前年比 +10.2%)
* 2023年7月期: 3,005百万円 (前年比 +4.4%)
* 2024年7月期: 3,291百万円 (前年比 +9.5%)
* 2025年7月期: 3,204百万円 (前年比 -2.6%)
* 過去5年間では売上高は増加傾向にありましたが、2025年7月期は前期比微減となりました。2026年7月期の会社予想では横ばいの3,205百万円を見込んでいます。
* 利益:
* 営業利益: 過去5年間で461百万円から571百万円へと増加傾向にあり、2025年7月期は前期比+1.2%と堅調でした。しかし、2026年7月期の会社予想では、戦略的投資を反映して252百万円と大幅な減少を見込んでいます。
* 経常利益: 同様に増加傾向から2025年7月期は619百万円と前期比+3.1%でしたが、2026年7月期予想は281百万円と大幅減益を見込んでいます。
* 親会社株主に帰属する当期純利益: 過去5年間で概ね329百万円から417百万円まで微増傾向で推移し、2025年7月期は前期比+22.0%と大きく増加しました。これは主に連結子会社の前期の減損損失計上がなくなったことなどが影響しています。2026年7月期の会社予想は188百万円と大幅な減益を見込んでいます。
* 収益性指標:
* ROE (実績): 7.97% (過去12ヶ月)、短信ベースでは7.8% (2025年7月期)。
* ROA (過去12ヶ月): 5.77%
* 営業利益率 (過去12ヶ月): 15.96%、2025年7月期実績では17.8%と高い水準です。しかし、2026年7月期予想では7.8%と大きく低下する見込みです。
* 粗利率: LTMで32.8%と、ソフトウェア開発企業としては相対的に高い水準です。
* 財務健全性指標:
* 自己資本比率 (実績): 86.0%と非常に高く、財務基盤が極めて安定していることを示しています。
* 流動比率 (直近四半期): 9.06 (906%)と非常に高く、短期的な支払能力に優れています。
* Total Debt/Equity (直近四半期): 0.80%と非常に低く、実質無借金経営に近い状態と言えます。
* 総資産: 6,241百万円(2025年7月期)で増加傾向。
* 現金及び現金同等物: 3,750百万円(2025年7月期)と高水準を維持しています。
* キャッシュフロー:
* 営業活動によるCF: +277百万円 (2025年7月期)。前期の+593百万円から減少しましたが、引き続きプラスを維持しています。これは主に売上債権の増加や法人税等の支払い増加によるものです。
* 投資活動によるCF: △87百万円 (2025年7月期)。新規設備投資などに伴う支出が見られます。
* 財務活動によるCF: △109百万円 (2025年7月期)。配当金の支払いなど主に株主還元や借入金返済等によるものでしょう。

総じて、大和コンピューターは極めて高い財務健全性を持ち、過去数年間は売上も利益も増加傾向にありました。しかし、2026年7月期の会社予想では、中長期的な成長に向けた戦略的投資により、一時的に大幅な減益が見込まれています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 1.64% (年間19.00円で計算)
  • 1株配当(会社予想): 19.00円
  • 配当性向 (2025年7月期実績): 17.64%

同社は2025年7月期に年間19.00円の配当(期末配当のみ)を実施し、2026年7月期も年間19.00円を予想しています。配当性向は17.64%と比較的低水準であり、内部留保を重視し、事業への再投資に回す方針であると推察されます。自社株買いに関する直近の情報はありませんでした。安定配当を維持する方針ですが、将来の戦略的投資による利益の伸びが実際に配当に反映されるかどうかが注目されます。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は1,163.0円で、大きな変動は見られません。直近10日間の出来高は非常に少なく、平均出来高(3ヶ月: 4.45千株、10日: 1.81千株)を見ても、市場からの投資家関心は限定的であると考えられます。
信用取引においては、信用買残が63,400株あるものの、信用売残が0株であるため、信用倍率は0.00倍と表示されています。これは市場での売り圧力がほとんどないことを示唆する一方、取引が低調であるため活発な売買が行われているとは言えません。
株価への影響要因としては、今後の中期経営計画「DCX2030」における戦略的投資の進捗とその成果、特にクラウドサービスやスマート農業分野での具体的な事業展開が注目されるでしょう。また、発表されている2026年7月期の減益予想を市場がどのように評価するかも、今後の株価に影響を与える可能性があります。

11. 総評

大和コンピューターは、安定したソフトウェア開発事業を基盤に持つ、情報・通信業の企業です。特に財務基盤が極めて強固であり、高い自己資本比率と潤沢な手元資金を有している点は特筆すべきです。過去数年間の売上・利益は堅調に推移してきましたが、中長期的な成長を見据え、クラウドやスマート農業といった成長分野への戦略的投資を強化する方針を打ち出しています。
この戦略的投資により、2026年7月期は一時的に大幅な減益が予想されており、これが会社予想PERを押し上げています。しかし、PBRは業界平均を大きく下回り、純資産価値から見て割安感が指摘できます。株価は現状、年初来高値と安値の中間付近で推移し、出来高は低調であり、市場の注目度はまだ低いようです。
今後は、中期経営計画「DCX2030」で掲げられた戦略的投資が、実際の収益成長にどのように結びついていくかが重要となります。短期的な利益の変動は伴うものの、長期的な視点での事業構造転換と成長性の実現が期待されます。

12. 企業スコア

以下の3観点での5段階評価(S, A, B, C, D)
* 成長性: B
* 過去5年間の売上高は増加傾向にあり、2021年7月期から2025年7月期までのCAGRは約5.2%です。しかし、2025年7月期の売上高は前期比微減、そして2026年7月期の会社予想は横ばいです。中長期的な成長投資を計画しているものの、直近の売上成長率は鈍化しており、今後の具体的な成果待ちの段階と評価されます。
* 収益性: A
* 2025年7月期の営業利益率は17.8%、粗利率は32.8%と、情報・通信業界の中では高い水準を示しています。過去12ヶ月のROEも7.97%と比較的高水準です。ただし、2026年7月期の会社予想では、戦略的投資により利益率が大きく低下する見込みである点には留意が必要です。現状の実績に基づいて高評価とします。
* 財務健全性: S
* 自己資本比率は86.0%と非常に高く、流動比率も906%(9.06倍)と極めて優れています。総資産に対する有利子負債は0.80%と非常に低く、実質無借金経営に近い状態であり、財務基盤は盤石です。
* 株価バリュエーション: A
* PBRは0.84倍と1倍を割り込んでおり、業界平均1.6倍と比較しても大幅に割安です。LTM(過去12ヶ月)のPERも10.79倍で業界平均の17.6倍を下回り割安感があります。会社予想PERは来期の減益見込みから23.91倍と高めですが、現在の純資産価値や過去の利益水準から考えると、割安と評価できます。


企業情報

銘柄コード 3816
企業名 大和コンピューター
URL http://www.daiwa-computer.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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