東京鐵鋼(5445)企業分析レポート
現在株価: 5,460円
時価総額: 511億円
市場区分: プライム
1. 企業情報
- 概要: 東京鐵鋼は電炉(EAF)による建築用棒鋼・鉄筋製品の中堅メーカー。ネジ節棒鋼や機械式継手、エポキシ鉄筋などの高付加価値製品を主力とし、加工・接合ソリューション(SMART-BASE、SCREW-BASE工法等)も展開。
- 事業構成(連結・2025/3期): 鉄鋼 99%(営業利益比率18%)、その他 1%(運送・設備保全等)
- 特徴: 建築用のネジ節棒鋼と継ぎ手で国内シェアが高い(過半とされる領域あり)。1939年創業。電炉方式によるスクラップリサイクルを基盤。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電炉系・建築用棒鋼の専業色が強い中堅。ネジ節棒鋼・機械式継手などのニッチ高シェア品で差別化。
- 競争優位:
- 製品差別化: ねじ節・継手・アンカーなど高付加価値分野の厚い製品群
- 施工ソリューション(工法提案)まで含む提供能力
- 国内建設需要に根ざした販売基盤
- 課題:
- 国内建設サイクルの変動(2026/3期は需要縮小影響を短信で言及)
- 原材料(鉄スクラップ)と電力価格の変動リスク
- 価格競争と需要軟化局面での設備稼働率の調整
3. 経営戦略と重点分野
- 戦略の方向性(短信・会社開示に基づく要旨):
- 高付加価値品(ネジ節棒鋼・継手・エポキシ鉄筋等)の強化
- 工法(SMART-BASE、SCREW-BASE)による提案型営業の推進
- 需要動向に応じた出荷・価格政策の最適化、販売提携の活用
- 資本政策: 機動的な自己株式取得(2025/11/5~12/23に上限11万株・5億円の買付枠を決議)
- 2026/3期会社予想(10/31修正):
- 売上 7,700億円→77,000百万円(前期比 -6.8%)
- 営業利益 12,000百万円、純利益 8,450百万円(EPS 982.99円)
- 売上は下方修正、利益計画は据え置き
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 建築用棒鋼・鉄筋加工/接合製品の販売+工法提案。ボリューム(出荷量)と価格に利益が連動。高付加価値比率の上昇が利益率を下支え。
- 適応力:
- 電炉(スクラップ×電力)ゆえに原料調達と電力コスト管理が重要。需要低迷局面は高付加価値製品と加工・継手でミックス改善を図る余地。
- 国内インフラ更新・耐震/省力化ニーズは中長期の需要源。短期は建設市場の循環影響を受けやすい。
5. 技術革新と主力製品
- 主力: ネジ節棒鋼、機械式継手・アンカー、エポキシ鉄筋、鉄筋加工品、工法(SMART-BASE/SCREW-BASE)。
- 技術動向:
- 施工の省力化・品質安定化に資する機械式継手・工法製品の拡充
- 防食・耐久性向上ニーズに対応したエポキシ被覆鉄筋
- 電炉の省エネ・CO2削減(グリーンスチール)潮流と親和性
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価 5,460円、EPS(会社予想)982.99円、BPS 7,165.99円、配当予想300円
- 指標(計算値):
- PER: 5,460 ÷ 982.99 ≈ 5.56倍(会社公表5.55倍と整合)
- PBR: 5,460 ÷ 7,165.99 ≈ 0.76倍
- 配当利回り: 300 ÷ 5,460 ≈ 5.49%
- EV/EBITDA(LTM概算): EV ≈ 511億 – 86億 + 49億 ≈ 474億円、EBITDA ≈ 176億円 → 約2.7倍
- EV/売上高(LTM概算): 約0.57倍
- 業界平均との比較(参考・提供値):
- 業界平均PER 8.0倍に対し同社は低位(利益基準では割安方向)
- 業界平均PBR 0.6倍に対し同社はやや高位(簿価基準ではプレミアム)
- 補足: 2026/3期は売上計画を下方修正しており、短期業績のブレは前提となる。
7. テクニカル分析
- 52週レンジ: 4,695円–6,750円
- 現在値は安値比+約16%、高値比-約19%でレンジ下寄り
- 移動平均: 50日線 5,792円、200日線 5,723円
- 現在値は50日・200日線を下回る推移
- 直近10日: 5,410–5,580円のレンジでやや下押し
- 信用需給: 信用買残 131千株(前週比 -30.7千株)、倍率 37.5倍と買い長。買い残の整理進行が観測される一方で、売り残は小さく逆日歩要因は限定的。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、百万円)
- 売上高: 66,089(2022)→ 79,229(2023)→ 79,617(2024)→ 82,593(LTM)
- 営業利益: -188(2022)→ 4,359(2023)→ 10,629(2024)→ 14,679(LTM)
- 当期純利益: -4,724(2022)→ 3,657(2023)→ 7,887(2024)→ 10,853(LTM)
- 収益性(LTM)
- 粗利率: 23,376 / 82,593 ≈ 28.3%
- 営業利益率: 14,679 / 82,593 ≈ 17.8%
- 純利益率: 10,853 / 82,593 ≈ 13.1%
- ROE: 19.24%(実績)、ROA: 11.68%(LTM)
- 安定性・流動性
- 自己資本比率: 73.5%(期末実績)→ 中間期 76.4%
- 流動比率: 3.01倍(中間期)
- 有利子負債残高: 48.6億円、現金等: 85.9億円(ネットキャッシュ)
- D/E: 7.95%(中間期)
- トレンド評価:
- 2022→LTMで大幅に利益体質改善。足元は短信で需要軟化に伴う減収見込み(2026/3期)を明示。
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想300円(利回り約5.49%)、配当性向 約30%(参考)
- 自己株式: 上限11万株・5億円の自己株買い(2025/11/5~12/23)を決議
- 5年平均配当利回り 4.13%に対し、現在利回りは高水準
- 権利落ち予定: 2026-03-30(予定)
- 株主構成: 自己株約9%、機関投資家約31%、インサイダー約11%(参考値)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム: 52週変化率 -14.24%。50・200日線を下回る推移で短期は弱含み。
- 出来高: 10日平均 71.6千株 > 3カ月平均 54.6千株と短期関心はやや上昇。
- 需給: 信用買い残の高止まりと減少傾向(前週比 -30.7千株)。短期の戻り局面では需給が価格形成に影響する可能性。
11. 総評
- 強み: ニッチ高シェア(ネジ節・継手)、高い収益性(営業利益率約18%)、堅固な財務(自己資本比率76%・ネットキャッシュ)、配当+自己株買いによる株主還元、EV/EBITDAの低位。
- 留意点: 国内建設需要の鈍化影響で2026/3期は減収見込み。原材料・電力コストの変動、価格競争、需給(信用買い長)など短期の変動要因。
- バリュエーション: PERは業界平均比で低位、PBRはやや高位。利益基準では割安方向、簿価基準ではプレミアム。事業ミックスと高ROEが評価要因となりうる一方、需要局面のブレに注意が必要。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上は前年比増(約+3〜4%)、3年CAGRもプラス。一方、会社予想は減収見込みのためSではなくA。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約28%、営業利益率約18%と鉄鋼業界平均を上回る水準。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率76%、流動比率3.0倍、実質ネットキャッシュ、D/E 8%台。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PERが業界平均を下回る一方、PBRは平均より高い。EV/EBITDA約2.7倍と低位。総合で割安寄り。
参考データ抜粋
– 2026/3期 第2四半期(中間)実績: 売上3,674億円→36,741百万円(前年同期比 -13.3%)、営業利益 6,678百万円(-3.5%)
– 会社予想(2026/3期): 売上 77,000、営業利益 12,000、当期純利益 8,450、EPS 982.99円
– 52週高値/安値: 6,750円 / 4,695円
– 移動平均: 50日 5,792円、200日 5,723円
企業情報
| 銘柄コード | 5445 |
| 企業名 | 東京鐵鋼 |
| URL | http://www.tokyotekko.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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