住友商事(8053)企業分析レポート
株価:4,703円(2025/11/19終値ベース)
市場:東証プライム/業種:卸売業(総合商社)
1. 企業情報
- 概要:住友商事は住友グループの総合商社。鉄鋼(鋼板・鋼管、油井管)、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、不動産、メディア・デジタル(SCSK、通信・5G関連、CATV、通販等)、ライフスタイル(食品・小売・ヘルスケア)、資源(非鉄金属、石炭・鉄鉱石等)、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーション(発電・電力ソリューション等)など多角的に展開。海外売上比率は約65%(2025/3期)。
- 売上構成(目安):鉄鋼22%、自動車10%、輸送機11%、都市6%、メディア8%、ライフ14%、資源4%、化学品・EX25%(出所データの表記に基づく)
- 特徴:油井管・鋼管や非鉄資源に強み。メディア・デジタル領域も保有。1919年設立、本社は東京・大手町。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内位置づけ:国内大手総合商社の一角(伊藤忠、三菱商事、三井物産、丸紅、住友商事)。時価総額・利益規模はトップ2~3社に比べやや小さめだが、鋼管・非鉄資源、デジタル/IT(SCSK)など独自の強みを持つポートフォリオ。
- 競争優位性
- 強み:油井管・鋼管の知見とサプライ網、SCSKを核にしたIT・デジタル、非資源(不動産・生活関連)の安定収益基盤。
- 課題:資源価格・為替の影響度、建機・自動車ディストリの市況感、資産入替に伴う益の振れ(反動)などによる利益の変動性。
- 市場シェア:総合商社は事業が多岐で一律のシェア算定は困難。各事業での地位は高い分野と競争が激しい分野が混在。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方針:中期経営計画2026に基づき、非資源の安定収益拡大と資源ポートフォリオの選択と集中、エネルギートランスフォーメーション(ET)・デジタル等の成長領域へ資本配分。
- 資本政策・株主還元:総還元性向40%以上、累進配当、柔軟な自己株式取得(2025/5/2~2026/3/31で上限800億円、上期241億円実施)。
- 重点領域(足元の動向)
- デジタル・メディア:SCSKによるネットワンシステムズのグループ化・再編効果。
- 都市総合開発:大口案件引渡し等で収益貢献。
- 資源:石炭・鉄鉱石の価格下落影響も、銅など非鉄の上昇が一部相殺。
- 自動車:米国タイヤ販売事業の資産売却益寄与、一方で流通販売は競争激化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:分散ポートフォリオで資源と非資源のバランス。持分法投資先・事業売却/入替の影響を受けやすく、税前利益は市況・為替に連動しやすい一方、非資源(不動産、IT、生活関連)でボラティリティを緩和。
- 適応力:資産入替(ポートフォリオ・リサイクル)とM&A/PMI、デジタル活用により各事業の収益性向上を志向。ETやデジタルの成長テーマに沿った投資で長期の変化に対応。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:SCSKとネットワンの組み合わせによるSI/ネットワーク領域の強化、5G・通信インフラ関連、データセンター/クラウド、産業DX等のソリューション展開。
- 主力・牽引領域:鋼管・油井管、SCSKを核にしたITサービス、都市開発(不動産)、非鉄金属(銅等)、電力・環境ソリューション、食品・小売(スーパーマーケット等)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提:株価4,703円、会社予想EPS 471.75円、BPS 4,059.23円、配当140円
- 指標比較
- PER:9.97倍(業界平均12.1倍比で低位)
- PBR:1.16倍(業界平均1.0倍を上回る)
- 予想配当利回り:2.98%(5年平均利回り4.39%比では低下=株価上昇の影響)
- 予想E/P(利益利回り):約10.0%
- EPS/BPS=約11.6%(ROE近似)
- 水準感:PER面はディスカウント、PBR面はややプレミアム。収益性(ROE 12~13%台)と自己資本比率40%のバランスを踏まえた評価水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:株価は50日線(約4,488円)・200日線(約3,830円)を上回り、中期~長期の上昇基調。52週変化率+44.3%。
- 位置づけ:年初来高値4,905円に対し現値は約4%下。52週レンジの上方帯域。直近は高値圏からの押し。
- 需給・モメンタム:
- 出来高:10日平均(約325万株)が3カ月平均(約275万株)を上回り、短期的な関心は高め。
- 信用:信用倍率6.13倍、買い残・売り残とも増加。短期は買い長の需給バランス。
- 価格帯:抵抗帯 4,890~4,905円、サポート帯 4,630~4,700円(直近値幅の観察に基づく参考帯)。
8. 財務諸表分析(IFRS)
- 収益・利益(通期/LTM)
- 売上高(LTM):7.31兆円(2024/3期 6.91兆円 → 増)
- 営業利益(LTM):約3,951億円(営業利益率 4.7~5.4%)
- 親会社株主帰属利益(LTM):約6,091億円(純利益率 8.33%)
- 収益性指標
- 粗利率:約20.1%
- 営業利益率:4.73%(提供指標)
- ROE:実績12.36%(LTM参考13.67%)、ROA:2.17%
- キャッシュフロー(LTM)
- 営業CF:6,868億円、レバードFCF:4,398億円(安定的に創出)
- 財政状態(2025/9末)
- 自己資本比率:約40.8%(実績40.0%)
- 流動比率:約157%
- 総有利子負債:3.79兆円、現金等:約0.62兆円、ネットDER:0.55
- トレンド(過去数年)
- 売上高:2022/3期 5.50兆 → 2025/3期 7.29兆 → LTM 7.31兆(増加傾向)
- 営業利益:2022/3期 2,956億 → 2023/3期 4,230億をピークにやや調整(4,15~3,95千億)
- 純利益:市況・資産入替の影響で変動(2023/3期 5,653億 → 2024/3期 3,864億 → LTM 6,091億)
- 正常化利益(Normalized):概ね横ばい~緩やか増加のレンジ。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:年間140円(予想)、配当性向 約26.8%(会社予想ベース)
- 方針:総還元性向40%以上、累進配当方針、自己株式取得の活用
- 自己株買い:上限800億円を設定(上期実施額241億円)
- 参考:5年平均利回り4.39%と比較し、足元の利回りは株価上昇により低下。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:50日・200日線上での推移、年初来高値圏に接近後の短期調整局面。
- 投資家関心:出来高増加、ベータ0.43でボラティリティは相対的に低位。信用買い残の増加が短期の値動きに影響する可能性。
- 影響要因:資源価格(石炭・鉄鉱石・銅)、為替、持分法投資先の損益、資産入替(売却・取得)の進捗、不動産引渡しタイミング、政策・金利動向。
11. 総評
- 事業面:総合商社としての分散ポートフォリオにより、資源市況の変動を非資源で緩和。デジタル(SCSK/ネットワン)や都市開発の寄与が確認される一方、資源や建機などの市況変動には引き続き注意が必要。
- 財務面:自己資本比率約40%、流動比率約157%、ネットDER0.55と、指標面は安定。営業CF・FCFも良好。
- 業績面:売上は増加傾向だが、営業利益は直近ピークから調整。純利益は持分法や資産入替の影響で振れがあるため、一過性要因の有無に留意。
- バリュエーション:PERは業界平均比で低位、PBRは平均をやや上回る水準。ROE水準と資本効率の維持が評価に影響。
- テクニカル:52週上方帯域での推移。短期は高値圏からの押しと出来高動向、信用需給の影響を受けやすい局面。
(注)本資料は公開情報に基づく整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
根拠:LTM売上成長率 約+5.8%(対2024/3期)、3年CAGR約+10%(2022→LTM)。
– 収益性:B
根拠:営業利益率約4.7~5.4%、EBITDA率10%超。総合商社として標準的な水準。
– 財務健全性:A
根拠:自己資本比率約40%、流動比率約157%、ネットDER0.55、D/E約74%。
– 株価バリュエーション:A
根拠:PER 9.97倍(業界平均12.1倍比で低位)、PBR 1.16倍(平均1.0倍を上回る)。総合的に見るとPER面のディスカウントが目立つ。
参考データ(主な数値)
– EPS(予想):471.75円、BPS(実績):4,059.23円、ROE(実績):12.36%
– 配当(予想):年140円、配当利回り:2.98%、配当性向:約26.8%
– 50日移動平均:4,487.82円、200日移動平均:3,830.27円、52週高値:4,905円/安値:2,787円
– 営業CF(LTM):6,868億円、レバードFCF(LTM):4,398億円
– 自己資本比率:40.0~40.8%、流動比率:約157%、総有利子負債:3.79兆円、現金:0.62兆円
不明点・追加分析が必要な項目は、開示資料(決算短信・補足資料・説明会資料等)の精査により補完可能です。
企業情報
| 銘柄コード | 8053 |
| 企業名 | 住友商事 |
| URL | http://www.sumitomocorp.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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