インテリジェント ウェイブ(4847)企業分析レポート
本資料は公開情報の要約・計算に基づく情報提供であり、投資助言ではありません。数値は特記ない限り百万円・円ベース。LTM=直近12か月。
1. 企業情報
- 概要:大日本印刷(DNP)傘下のシステムベンダー。クレジットカードなどオンライン取引のフロントエンド処理(FEP)に強み。決済、不正検知、ネットワーク監視、情報漏えい対策等の自社・他社製品とSI、クラウドサービスを提供。
- 主なプロダクト/ソリューション
- 決済:NET+1(ネットワーク越しのオンライン取引処理基盤)、ACEPlus(カード不正検知、リアルタイム監視)、アクワイアリング向け機能群
- 放送・通信:EoM(IPフロー監視)
- セキュリティ:CWAT(内部情報漏えい対策、端末・ネットワーク一元監視)
- 事業ポートフォリオ(2025/6期構成比・単独):システム開発44%、保守10%、自社製品4%、他社製品7%、クラウド22%、セキュリティ対策製品13%
- 反復収益の比率目安:保守10%+クラウド22%≒約32%
- 市場区分:東証プライム/情報・通信業 本社:東京都中央区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:クレジットカード決済向けFEP・不正検知で高いシェア(会社説明「首位」)。基幹更改・モダナイズ案件や不正検知の高度化需要を取り込みやすい立場。
- 競争優位
- リアルタイム大規模トランザクション処理の実績・信頼性
- 金融機関に根差したドメイン知見とDNPグループ連携
- クラウド提供(SaaS/サービス化)による導入障壁・運用負荷低減
- 課題
- クラウド品質対応やプロダクト構成による粗利率変動
- カード業界への需要集中(大型案件の期ズレ影響)
- 海外展開・新領域(データ通信・分析基盤)のスケール
3. 経営戦略と重点分野
- 中期方針(3カ年:「Transformation for the Future」)
- 事業・技術・人財の変革、2030年代を見据えた事業多角化
- 領域別戦略
- 決済:FEP・不正検知の深耕に加えアクワイアリング拡大、クラウドサービス中心に拡販
- セキュリティ:自社プロダクト価値向上、販売手法見直し、東南アジアなど海外展開、DNP連携
- データ通信・分析基盤:高速・大量データ処理技術の他業界展開
- 2026/6期の会社計画(通期):売上1,740億円(+11.6%)、営業利益24億円(+29.8%)、純利益16.9億円(+25.2%)、EPS 64.31円(予想据え置き)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:SI(開発)+保守+クラウド+製品販売のミックス。保守・クラウドの反復収益比率が上昇基調。
- 需要ドライバー:キャッシュレス普及、カード不正の高度化、レガシー刷新、ゼロトラスト・内部統制需要、放送・通信のIP化監視需要。
- 適応力:クラウド化・サービス化の推進、新領域展開(他業界応用)、DNPとの共同提案等により顧客基盤の深耕と開拓を志向。
5. 技術革新と主力製品
- 技術特性:リアルタイム高トランザクション処理、低遅延、可用性/信頼性設計、ネットワークフロー可視化、行動・操作ログの多次元監視。
- 牽引プロダクト
- 決済:NET+1、ACEPlus、クラウド型不正検知(第1Qクラウド売上+41% YoY)
- セキュリティ:CWATなど内部情報漏えい対策
- 放送・通信:EoM(IPフロー監視)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:935円 時価総額:約246億円 現金:約51億円(有利子負債記載なし)
- 会社予想EPS:64.31〜64.55円(資料間で僅差)→ 予想PER:約14.5倍
- 業界平均PER:23.2倍 → 相対的にディスカウント
- BPS:348.41円 → PBR:2.68倍(業界平均PBR 2.3倍よりやや高い)
- EV/売上(LTM):約1.25倍(EV≒246−51=約195億円、売上155.96億円)
- EV/EBITDA(LTM):約5.9倍(EBITDA 32.93億円)
- 予想配当:年37円 → 予想配当利回り約3.96%
- 予想配当性向目安:37円/64.31円≒約57%(別データの過去ベースは約68%)
注:上記は提供データに基づく概算。会社予想値を優先して参照。
7. テクニカル分析
- レンジ:年初来高値1,278円/安値873円。現値は安値圏寄り。
- トレンド:50日移動平均1,042円、200日移動平均1,063円をいずれも下回る水準(下方乖離)。
- モメンタム:直近10営業日で騰落は弱含み(971→935円)。出来高は10日平均12.4万株が3カ月平均5.1万株を上回り、短期的な売買関心は増加。
- 信用動向:信用倍率26.27倍(買い長)。買残・売残はともに前週比減。
8. 財務諸表分析
- 売上成長
- 2022/6:114.9億 → 2023/6:133.7億 → 2024/6:145.2億 → LTM:155.96億
- 3年CAGR:約+10.7%、LTM対前年比:約+7.4%
- 収益性(LTM)
- 粗利:46.66億(粗利率約29.9%)
- 営業利益:18.48億(営業利益率約11.9%)
- 参考データ項目に「Operating Margin 5.49%」の記載あり。ここではLTM損益計算書の数値から算出した概算(約11.9%)を併記。
- 当期純利益:13.50億(純利率約8.7%)
- EBITDA:32.93億(EBITDAマージン約21.1%)
- 直近Q(2026/6期1Q):売上+5.7% YoY、営業利益△32.4%(クラウド品質対応費、人件費増等で粗利率低下)
- 効率性
- ROE:14.43%、ROA:6.59%(LTM)
- 安全性
- 自己資本比率:50.7%(1Q末は52.8%)
- 流動比率:約1.25倍
- 現金・預金:約51億円、利払負担の記載なし(利息費用ゼロの期あり)
- コスト構造・投資
- 減価償却費の増加(クラウド・無形資産関連)により固定費が上昇傾向
- 1Qで現金減少・棚卸増(案件進行に伴う運転資本変動)
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績/予想:35円(2025/6)→ 37円予想(2026/6)
- 予想配当利回り:約3.96%(足元株価)
- 配当性向:会社予想ベースで約57%(データ提供の過去値:約68%)
- 自己株式:保有0.23%(買戻し施策の明示なし)
- 大株主:DNPが50.61%を保有。インサイダー保有64.39%、フロート約900万株と流動性は限定的。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:-13.33%、ベータ:0.17(低ボラティリティ)
- 直近は移動平均線下での推移、出来高は短期的に増加。信用買い長の状態が続く一方で、短期の需給は変動しやすい局面。
- 業績面では1Qで増収減益。通期計画(増益見通し)に対する進捗と、下期に向けた粗利率の回復、クラウド品質対応費の収束が焦点。
11. 総評
- 決済インフラと不正検知で高い地位を持ち、キャッシュレス普及・基幹更改・不正高度化を追い風に、売上は中期的に成長。クラウド・保守の比重上昇で反復収益が厚みを増している一方、足元はクラウド品質対応費や製品構成で粗利率が低下し、短期の利益は圧迫。
- 財務基盤は自己資本比率50%超、現金比率も一定水準。DNPとの連携や海外・新領域展開が中期の柱。
- バリュエーションはPERで業界平均に対して割安水準、PBRはややプレミアム。足元株価は移動平均線を下回り、年初来レンジの下方域。業績計画の達成度、粗利率・費用コントロール、クラウドの採算性改善が主な注視点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+7.4% YoY、3年CAGR約+10.7%。1Qも+5.7%。
- 収益性:B
- 根拠:LTM営業利益率概算約11.9%、EBITDAマージン約21%。直近期は粗利率低下が課題。
- 財務健全性:A
- 根拠:自己資本比率50%超、流動比率約1.25倍、利払負担限定的、現金保有あり。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:予想PER約14.5倍(業界平均23.2倍比で割安)。PBRは2.68倍と業界並〜やや上も、EV/EBITDA約5.9倍、EV/S約1.25倍は妥当圏。
【参考データ抜粋】
– 株価:935円/時価総額:246.3億円/発行株式数:2,634万株
– 予想EPS:64.31〜64.55円/予想PER:14.5倍/BPS:348.41円/PBR:2.68倍
– 予想配当:37円/配当利回り:約3.96%/次回権利落ち:2025/12/29
– LTM:売上155.96億、営業益18.48億、純益13.50億、EBITDA32.93億、ROE14.43%、自己資本比率50.7%
– テクニカル:50DMA 1,042円、200DMA 1,063円、52週高/安 1,278/873円
– 信用倍率:26.27倍(買残26.8万株、売残1.02万株)
以上。数値の小数点処理やデータ差異(例:EPS・配当予想)については会社開示を優先し、併記の外部データは参考値として扱っています。
企業情報
| 銘柄コード | 4847 |
| 企業名 | インテリジェント ウェイブ |
| URL | http://www.iwi.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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