ダブルエー(7683)企業分析レポート
株価(2025-11-20終値): 1,327円
時価総額: 約253億円
1. 企業情報
- 概要: 自社企画の婦人靴「ORiental Traffic」を中核に、店舗・ECで販売。子会社「卑弥呼」を傘下に持ち、婦人靴を日本・中国・香港で展開。生産は中国協力工場へ委託。近年は婦人服(31 Sons de mode)の事業譲受でアパレルも拡大。
- 主なブランド: ORiental Traffic、WA ORiental Traffic、ORTR、NICAL、KIDS、WA!KARU、卑弥呼(子会社)
- 事業構成(連結、2026年1月期中間期時点の区分): 婦人靴(主力)、婦人服(新設セグメント)
- 上場区分/業種: 東証プライム/小売(Apparel Retail)
- 代表: 肖 俊偉
- 従業員: 512名、平均年齢29.8歳
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 婦人靴の自社企画・製販一体(SPA型)と直営店舗+ECを組み合わせた業態。中価格帯でデザインと機能性の両立を狙うニッチポジション。
- 市場シェア: 定量データの開示なし(—)
- 競争優位性:
- 自社企画と中国協力工場による供給体制で品揃えとコストの柔軟性。
- 旗艦店を含む好立地での店舗展開とECの併用(オムニチャネル)による接点拡大。
- ブランドポートフォリオ(卑弥呼、KIDSなど)で顧客層の拡張余地。
- 課題:
- 靴市場は長期的にやや縮小傾向、トレンド変化・在庫リスク管理が重要。
- 出店・改装・事業譲受に伴う一時費用や休業による販売機会減。
- 為替・原材料・人件費上昇による粗利圧迫。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性:
- 主力の婦人靴事業の収益基盤を維持・強化。
- 婦人服(31 Sons de mode)事業の立ち上げ・収益化によるポートフォリオ拡張。
- 店舗リニューアルと新規出店、EC強化による顧客接点拡大。
- 中期施策(短信等より把握):
- 旗艦店含む改装・新規出店の継続(短期的な費用増・休業影響あり)。
- 婦人服セグメントの立ち上げ費用吸収と効率化(人件費・改装費の最適化)。
- オンライン販売の強化と在庫回転・MD精度の向上。
- 海外(中国・香港)での磨き込み。
- 2026年1月期通期予想(会社計画、変更なし):
- 売上高 265.27億円、営業利益 24.84億円、純利益 14.77億円、予想EPS 77.44円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 企画商品を直営店舗・ECで販売するSPA型。粗利率は高め(LTM約61%)。
- 適応力:
- EC・オムニの活用で顧客接点の分散とデータ活用余地。
- ブランド拡張(卑弥呼・アパレル)で需要変化へのポートフォリオ対応。
- リスク/留意:
- トレンド変化・在庫・為替に対する感応度は相応に高い。
- 出店・改装・M&A初期は費用先行。短期的に利益率がブレやすい。
- 財務面の耐性: 自己資本比率81.8%、流動比率4.49倍と財務余力が厚い。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・開発: 研究開発型ではないが、顧客データ・MD精度向上、機能性(履き心地)とデザインのバランスを重視。
- 収益牽引:
- ORiental Traffic(婦人靴)が主力。KIDSや卑弥呼ブランドが補完。
- 婦人服(31 Sons de mode)は立ち上げ期で、売上寄与は増加も利益は投資段階。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提: 株価1,327円、予想EPS 77.42円、BPS 573.41円
- 指標比較:
- PER(予想): 17.1倍(業界平均21.3倍より低い)
- PBR(実績): 2.31倍(業界平均1.8倍より高い)
- EV/S(LTM概算): EV ≒ 253.2 + 5.0 − 26.8 = 約231.4億円、売上232.9億円 → 約0.99倍
- 参考レンジ試算(機械的計算)
- PERベース(業界平均21.3倍適用): 77.42円 × 21.3 ≒ 1,650円
- PBRベース(業界平均1.8倍適用): 573.41円 × 1.8 ≒ 1,032円
- 現在株価は上記レンジの中間帯(PBR平均比では上、PER平均比では下)
- 配当: 年間予想17円、利回り約1.28%、配当性向約27%(余力あり)
7. テクニカル分析
- トレンド: 50日移動平均1,324.6円、200日1,305.4円。株価は両方の上に位置し、レンジ内の推移。
- 位置: 年初来高値1,421円まで約−6.6%、安値1,060円から約+25%。高値圏でも安値圏でもない中腹域。
- モメンタム: 直近10営業日は1324〜1346円の狭いレンジで出来高は3カ月平均(約34千株)をやや下回る。方向感は中立。
- 需給: 信用売残ゼロで信用倍率表示は0.00倍。買い残は約25.5万株で増減小。浮動株が小さく(フロート約627万株、インサイダー保有66%)、流動性は限定的。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上):
- 売上高推移: 157.0億(2022/1)→ 175.98億(2023/1)→ 212.61億(2024/1)→ 228.01億(2025/1)→ LTM 232.87億
- 3年CAGR(2022→LTM): 約+13〜14%
- 直近四半期YoY成長: +5.9%
- 収益性(LTMベース計算値):
- 粗利率: 14.25/23.29 ≒ 61.2%
- 営業利益率: 1.53/23.29 ≒ 6.6%(2024/1期 8.3%→2025/1期 7.3%→LTM 6.6%でやや低下)
- EBITDAマージン: 2.20/23.29 ≒ 9.4%
- ROE: 約9.6%、ROA: 約7.2%
- キャッシュフロー(LTM):
- 営業CF: +5.32億、設備等を差し引いたレバレッジドFCF: +0.10億(小幅ながらプラス)
- 在庫・売掛増の影響で営業CFは利益に比べ弱め(短信でも棚卸資産・受取債権の増加を記載)
- 財政状態:
- 現金同等物: 約26.8億、総有利子負債: 約5.0億(ネットキャッシュ基調)
- 自己資本比率: 81.8%、流動比率: 4.49倍、D/E: 約4.6%(極めて保守的)
- 一過性:
- 31 Sons de mode事業譲受に伴う負ののれん益 約0.53億(特別利益、平常時利益から除外可能)
9. 株主還元と配当方針
- 配当: 年間予想17円(中間8.5円+期末8.5円)、配当性向約27%
- 還元姿勢: 2024年には上場5周年記念配当(特別配)を実施。安定配当志向。
- 自社株買い: 目立った実施は確認できず(自己株はごく僅少の200株)
- 権利落ち予定: 2026-01-29(予定)
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落: +0.9%(ほぼ横ばい)、β値0.34(指数連動性は低め)
- 流動性: 3カ月平均出来高約34千株、浮動株比率が低く(インサイダー保有66%)、イベント時の値動きが相対的に振れやすい可能性。
- 影響要因:
- 出店・改装・M&A費用の先行と利益率の回復度合い
- 在庫・粗利管理、EC成長、消費環境・為替
- 婦人服セグメントの赤字解消タイミング
11. 総評
- 売上は中期的に堅調(3年CAGR約+13〜14%)。一方、出店・改装・事業譲受の先行投資やコスト上昇で営業利益率はやや低下。粗利率は依然高位で、在庫・販管費の効率化が利益回復の鍵。
- 財務体質は極めて強固(自己資本比率約82%、ネットキャッシュ)。投資段階でも耐久力が高い。
- バリュエーションは、PERでは業界平均比ディスカウント、PBRではプレミアムという混在。EV/Sは約1.0倍と小売としては中立域。
- テクニカルは中立圏のレンジ推移。浮動株が少なく、需給要因の影響を受けやすい点には留意。
- 中期的には、婦人服セグメントの収益化と主力靴事業の利益率回復、EC・オムニの拡張度合いが重要な観点。
(注)本レポートは提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とする助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上+約2〜10%(比較基準による)、3年CAGR約+13〜14%と拡大基調。
- 収益性: B
- 根拠: 粗利率約61%と高位だが、営業利益率は6.6%まで低下。業界内で中位〜やや上位水準と評価。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率81.8%、流動比率4.49倍、D/E約4.6%(実質ネットキャッシュ)。
- 株価バリュエーション: B
- 根拠: PERは業界平均以下(割安方向)、PBRは平均超(割高方向)。EV/Sは中立域。総合して中立。
企業情報
| 銘柄コード | 7683 |
| 企業名 | ダブルエー |
| URL | https://www.wa-jp.com |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。