2475 WDBホールディングス 分析レポート
最終更新: 2025-11-20
1. 企業情報
- 概要: 理学系(化学・バイオ等)研究職・研究補助職に強みを持つ技術系人材サービス企業。人材派遣・紹介と、医薬品開発受託(CRO)の2事業を展開。公共機関・大学や医薬・食品・化学・電機各業界のR&D/品質管理部門向けに人材を供給。
- デジタル基盤:
- doconico: 登録・マッチング等の派遣プラットフォーム
- doco1: 複数派遣会社横断の受発注・契約・勤怠・請求を一体管理するB2Bプラットフォーム(2025年5月公開)
- 事業構成(2025.3期): 人材サービス 84%(セグメント利益率目安 約9%)、CRO 16%(同 約19%)
- 直近トピック: 2025/10/1 本社を姫路から神戸へ移転
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 理学系研究職・研究補助職の派遣で首位級。専門特化によるマッチング精度と顧客基盤が強み。
- 競争優位性:
- 専門領域に特化した登録者・教育体制
- 公共・大学・大手メーカーのR&D/品質管理部門に深い顧客関係
- 派遣料金への待遇改善分の転嫁実績(収益性維持に寄与)
- 自社プラットフォーム(doco1等)による顧客接点の拡張
- 課題:
- 求職者確保競争の激化(有効求人倍率は底堅い一方で人材獲得コスト増)
- CROは顧客委託動向に左右されやすく、受注ブレが収益変動要因
- 海外CROの再編過程での一時的なスケール縮小
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性:
- 理学系に特化した高付加価値人材サービスの拡大
- CROの選択と集中(不採算の切離しと品質向上)
- 重点施策(中期):
- 人材確保・定着に向けた待遇改善と、その派遣料金への適正転嫁
- 営業体制強化とプラットフォーム(doco1)を活用した新規顧客獲得
- CROは国内基盤の強化、海外は不採算事業の売却済みで体質改善を継続
- 2026年3月期会社計画(据え置き):
- 売上高 51,140百万円、営業利益 4,230百万円、当期純利益 2,410百万円、EPS 122.72円
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 人材サービスは稼働人員×稼働時間×レートの積で比較的見通しが立ちやすい。レート改善で人件費上昇を吸収できれば安定性が高い。
- CROは案件性が強く、顧客の開発計画や品質要請に左右されやすいが、採算管理とポートフォリオ最適化で収益性は向上余地。
- 外部環境適応:
- 賃上げ・同一労働同一賃金等の制度変化に対し、実績として派遣料金に転嫁できている点は耐性を示す。
- デジタルプラットフォーム活用により、受注・運用効率の改善が期待される。
- リスク:
- 景気後退時の派遣需要鈍化、人件費上振れ、CRO受注変動、法規制変更など。
5. 技術革新と主力製品
- 技術/独自性:
- 派遣ビジネスのSaaS化(doco1)で、受発注から勤怠・請求までの一元化を提供。マルチエージェンシー管理に対応する点が特徴。
- 専門職向けデータベースとマッチング機構(doconico)により、登録者増と受注率改善に寄与。
- 収益ドライバー:
- 主力は人材サービス(売上構成比 約86%)。中間期のセグメント利益率は人材サービス約9.8%、CRO約12.5%(会社開示ベース)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 前提(2025-11-19終値ベース):
- 株価 1,553円、時価総額 311億円、予想EPS 122.72円、BPS 1,662.51円
- 指標比較:
- PER(予想): 12.65倍(業界平均 17.0倍)→ 業界平均比で低位
- PBR(実績): 0.93倍(業界平均 1.8倍)→ 純資産水準対比で低位
- 予想配当利回り: 4.02%(5年平均 2.54%)
- 参考計算: 予想EPS×業界平均PER=約2,087円(122.72×17)。単なる相対比較上の算術であり、目標株価ではありません。
- コメント: 収益トレンドは横ばい〜やや減益見通しながら、相対バリュエーションは抑制的。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 現在値 1,553円は50日線(約1,684円)・200日線(約1,770円)を下回り、年初来安値(1,548円)付近。52週高値 2,199円。
- 直近10日で小幅な下落基調。出来高は3カ月平均(約3.1万株)水準。
- 需給:
- 信用倍率 10.68倍(買い残 29,900株、売り残 2,800株)。買い長の一方、買い残は前週比で縮小、売り残は増加。
- 浮動株は約812万株、内部保有比率が高く(インサイダー約60%)、流動性は限定的。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(連結、千円)
- 売上高: 2022 46,875,964 → 2023 47,602,446 → 2024 49,297,952 → LTM 51,136,663(3年CAGR 約3%)
- 営業利益: 6,314,238 → 5,508,049 → 5,468,273 → 5,068,340(利益水準は漸減)
- 当期純利益: 4,171,272 → 3,540,641 → 3,548,111 → 3,051,142
- 収益性
- 粗利率 約23%(LTM)、営業利益率 約9.9%、純利益率 約6%(中間期の営業利益率は約9.2%)
- ROE 9.85%、ROA 7.28%
- キャッシュフロー・財政状態
- 営業CF(LTM): +36.8億円、レバードFCF(LTM): ▲21.7億円(拠点整備等の投資が主因)
- 自己資本比率 76.4%(中間末77.4%)、流動比率 約364%と健全
- 現金等 174.5億円(2025/9末)
- セグメント(2026年3月期 中間期)
- 人材サービス: 売上 219.2億円、セグメント利益 21.4億円(利益率約9.8%)
- CRO: 売上 34.7億円、セグメント利益 4.34億円(利益率約12.5%)
- CROは主要顧客の受託量減と海外不採算売却で減収
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 予想年間配当 62.5円(中間25.0円・期末37.5円想定)、予想配当性向 約40%
- 予想配当利回り 約4.0%
- 自社株買い:
- 2025/11/10 ToSTNeT-3にて最大456,000株(発行済の約2.32%)、取得価額上限 8億円(1株1,592円)を決議
- 方針:
- 資本効率向上・株主還元のバランスを意識した施策が継続
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 50日・200日線を下回る弱含み。年初来安値圏での推移。
- 52週変化率 ▲6.8%(相場全体指標とは性質が異なるため単純比較は留意)
- 関心材料(ポジティブ/ネガティブの方向性は付さず事実列挙)
- doco1の導入進展と新規顧客開拓状況
- 求職者確保と派遣料金への原価転嫁の継続性
- CROの受注回復タイミングと採算改善
- 自社株買いの実施・消却有無
- マクロ雇用環境・法規制動向(同一労働同一賃金等)
11. 総評
- 専門特化(理学系)の強みとデジタルプラットフォーム活用により、人材サービスは底堅い展開。待遇改善分の転嫁実績が収益維持に寄与。
- 一方で、過去数年の利益は高原化〜やや減少。CROは選択と集中の過渡期で、受注動向の影響が残る。
- 財務基盤は極めて健全(高自己資本比率・潤沢な現金)。株主還元は配当と自社株買いを併用。
- バリュエーションは業界平均比で抑制的。株価はテクニカルには安値圏での推移。今後は人材確保・レート転嫁の継続性、CROの収益改善、プラットフォームの拡大度合いが注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性: B
- 根拠: LTM売上+3.7%、3年CAGR約3%。直近期の四半期売上は前年比▲2.5%で伸びは落ち着く。
- 収益性: A
- 根拠: 粗利率約23%、営業利益率約9–10%は一般的な人材派遣平均を上回る水準。CROも2桁利益率を確保。
- 財務健全性: S
- 根拠: 自己資本比率76%台、流動比率約364%、現金潤沢。D/Eは低位と推定。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: PER12.7倍・PBR0.93倍はいずれも業界平均を下回る。配当利回り約4%・配当性向約40%。
(注)一過性損益は除外意識で評価。欠損データは中立(B)相当で扱う方針。
参考データ抜粋
– 株価レンジ: 52週高 2,199円 / 52週安 1,548円
– 直近イベント: 権利落ち予定日 2026-03-30(予定)
– 発行済株式数: 20,060,000株(自己株 421,034株)
企業情報
| 銘柄コード | 2475 |
| 企業名 | WDBホールディングス |
| URL | http://www.wdbhd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。