神鋼商事(8075)企業分析レポート

株価(11/20終値):2,319円(参考:場中高値2,320円)/時価総額:約616億円

1. 企業情報

  • 概要:神戸製鋼グループの金属系専門商社。鉄鋼・非鉄(金属)・原料・機械・溶接材などを国内外で取扱い。自動車を主要需要先とし、IT機器、環境・エネルギー関連機器も展開。1946年設立・大阪本社。
  • 事業構成(連結、売上構成の目安)
    • 鉄鋼 42%
    • アルミ・銅 30%
    • 原料 13%
    • 機械 10%
    • 溶接 5%
    • 海外売上比率:36%(2025.3期)
  • セグメント(短信定義):金属(鉄鋼/アルミ・銅/原料)、機械・溶接、その他

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:神戸製鋼所(KOBELCO)系の中堅・金属特化型商社。グループ内案件と自動車・産機領域の安定需要が基盤。
  • 競争環境:大手(メタルワン、JFE商事、日鉄物産、阪和興業、岡谷鋼機等)と競合。加工・物流・在庫・与信まで含む一体提供力、グループ案件の安定性が相対優位。市況・為替変動、在庫価格リスク、マージンの薄さが構造的課題。
  • 市場シェア:公表データなし(鉄鋼・非鉄は分野横断で数量・価格が変動しやすく、精緻なシェア把握は困難)。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン(短信・開示要旨からの整理)
    • グループシナジー最大化(神戸製鋼の素材・溶接・機械との連携)
    • 高付加価値領域の拡大:電池材料・半導体関連、脱炭素・環境エネルギー機器、チタン・ニッケル等特殊材
    • 資源循環(スラグ製品、RPF、スクラップ)やリサイクルの強化
    • 与信・在庫・為替を中心としたリスクマネジメント徹底
  • 直近期の施策・進捗(2026年3月期上期)
    • 機械ユニット:電池材料・脱炭素関連機器が好調で増収増益
    • 鉄鋼ユニット:数量は減少も金融収支等で増益
    • 原料ユニット:市況下落で大幅減益
    • 通期計画は据え置き(売上6,370億円、営業利益119億円、純利益92億円、EPS約348円)

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:取扱高×マージン(薄利多売)+物流・加工・機器販売。グループ案件と安定顧客基盤でボリューム確保。
  • 変化対応力:
    • 市況・為替リスクを在庫回転やヘッジで管理
    • 価格変動の影響が小さい機械・環境装置、特殊材、サービス(加工・ソリューション)比率を高め、収益の安定化を図る
    • 資源循環・脱炭素領域は構造的な需要拡大テーマ

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:商社としては、神戸製鋼グループの材料・溶接技術、設備・工程知見との結合力が特徴。チタン・ニッケル合金等の特殊材や環境対応機器での提案力。
  • 収益ドライバー:
    • 鉄鋼(自動車向け高強度鋼等)
    • アルミ・銅(自動車軽量化、電子・半導体関連)
    • 機械(電池材料・脱炭素関連装置)
    • 溶接(KOBELCO製溶接材などの販売)

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 指標(現在値ベース)
    • PER(予想):約6.66倍(業界平均12.1倍)
    • PBR(実績):約0.66倍(業界平均1.0倍)
    • 配当利回り(予想):約4.57%(想定配当106円、配当性向約31%)
    • EV/EBITDA(概算):約5.9倍
    • EV ≒ 時価総額616億 + 有利子負債552億 − 現金197億 ≒ 971億円
    • EBITDA(LTM):約164億円(資料値)
  • 評価の整理:PER・PBRとも業界平均比でディスカウント。薄利型・景気敏感/在庫リスク・自己資本比率の水準が割引要因。一方で安定配当・低β・グループ案件の安定性が下支え。

7. テクニカル分析

  • トレンド:株価は50日線(約2,295円)・200日線(約2,069円)を上回る上昇基調。年初来高値2,420円まで約4%。
  • 変動レンジ(直近10日):2,259〜2,365円での持ち合い〜上限試し。
  • 需給:信用倍率75倍と買い長。上値追い時の押し目形成・逆に調整時の投げリスクに留意。出来高は3ヶ月平均約5万株と流動性は限定的。

8. 財務諸表分析

  • 成長性(売上・利益)
    • 売上高:494,351百万円(2022/3)→ 584,856(2023/3)→ 591,431(2024/3)→ 617,177(LTM)
    • 3年CAGR:約+7〜8%(計算目安)
    • 営業利益:100〜135億円レンジで安定、2026/3期通期計画は119億円
  • 収益性(LTM目安)
    • 粗利率:約6.6%(40,398/617,177)
    • 営業利益率:約2.1%(13,223/617,177)
    • 当期純利益率:約1.4%(8,563/617,177)
    • ROE:実績約9.7%(開示値)
    • ROA:約1.6%
  • キャッシュフロー(LTM)
    • 営業CF:+74億円、レバードFCF:+87億円(資料値)
  • 財務体質
    • 自己資本比率:実績23.6%(中間期25.6%)
    • D/E(簿価ベース目安):約0.58倍(有利子負債/自己資本、開示値参照)
    • 流動比率:約125%
  • コメント:在庫・売掛債権のウェイトが高いビジネスモデルで、収益率は薄いが安定。自己資本比率は商社の中でも高くはなく、継続的な内部留保・運転資本圧縮が重要。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:年間106円(予想、株式分割後ベース)、利回り約4.6%、配当性向約31%
  • 実績:前期実績 年間300円(分割前、実質換算でほぼ横ばい)
  • 自社株買い:自己株0.06%と小規模(現時点で目立つ実施なし)
  • 方針:安定配当を基本に、業績連動を適度に反映(開示の範囲での整理)

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:52週で+12.8%。年初来高値圏に接近しつつ、低β(0.52)で相対的に値動きは穏やか。
  • 関心材料:
    • プラス要因:自動車・半導体需要の回復兆し、電池・脱炭素機器の伸長、円安局面
    • マイナス要因:鋼材・非鉄の市況下落、在庫評価損の顕在化リスク、海外景気減速、為替・金利変動
    • 流動性・需給:浮動株が少なく(インサイダー約51%)、信用買い長で短期ボラの偏りに注意

11. 総評

  • 神戸製鋼グループの安定需要と顧客基盤を背景に、売上は中期的に緩やかに拡大。利益率は商材性質上薄いが、機械・環境機器や特殊材、資源循環の比率を高めることで安定化を図る方針が確認できる。
  • 2026年3月期上期はアルミ・銅、原料の市況軟化で減益も、機械ユニットが補完し通期計画は維持。財務は運転資本型で自己資本比率は2割台半ばと保守的とは言い難い一方、キャッシュ創出は堅調。
  • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で割安圏。ディスカウントの背景(薄利・市況/在庫・資本効率/資本構成)を踏まえつつ、安定配当とテーマ領域の伸長が評価軸となる。

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:A
    • 根拠:LTMで過年度比増収、3年CAGRもプラス。上期は減収だが通期計画は増収見通し。
  • 収益性:B
    • 根拠:営業利益率約2%台、粗利率約6〜7%。金属商社として標準的水準。
  • 財務健全性:C
    • 根拠:自己資本比率約24〜26%、流動比率約125%、D/E約0.6倍。運転資本依存の構造を考慮。
  • 株価バリュエーション:A
    • 根拠:PER約6.7倍、PBR約0.66倍と業界平均比で割安。EV/EBITDAもおおむね中位〜やや低位。

(注)
– 本資料は公開情報に基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や個別の投資助言を目的としたものではありません。
– 数値はLTM/通期予想/短信ベースなど情報源により差異があり得ます。必要に応じて最新の有価証券報告書・決算短信等でご確認ください。


企業情報

銘柄コード 8075
企業名 神鋼商事
URL http://www.shinsho.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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