ダイダン(1980)企業分析レポート
注:本資料は公開データに基づく企業分析であり、投資助言ではありません。数値は連結ベース(特記除く)。
1. 企業情報
- 概要:空調・電気・給排水衛生・防災設備の設計・監理・施工を手掛ける総合設備老舗(創業1903年)。関西地盤から首都圏へシフトを進め、医療・製薬・クリーンルーム等の高付加価値領域に強み。
- 主なソリューション・技術:
- ZEB(建物の省エネ化)、REMOVIS(ビル監視・管理)、CV4D(施工可視化)、AI活用、気流解析
- 医療・ヘルスケア:Hot Cure(免疫不全患者向け病室)、All-in-one CP(細胞培養施設)、Hybrid-OR向け空調、Air Barrier Booth(交差汚染防止)、陰圧・浄化ユニット
- ライフサイエンス:iLac(実験動物ラック)、Lami Flowrack 等
- 工事効率・品質:FlowSmart、軽量補強ダクト、Virtual Duct Clean Room、腐食診断技術 等
- 事業内訳(連結):空調衛生工事86%、電気工事14%(海外8%)(2026/3期見通し)
- 従業員:2,591名、平均年齢42.0歳、平均年収1,066万円
- 上場区分:東証プライム(建設業/建設・資材)
2. 業界のポジションと市場シェア
- 位置付け:設備工事の中堅上位。関西に強みを持ちつつ、首都圏案件の比率を高めてスケール拡大。
- 競合:高砂熱学工業、三機工業、大気社、新日本空調、きんでん、関電工、九電工 など(設備工事系)。
- 競争優位:
- 医療・製薬・半導体クリーン等の特殊空調での実績とソリューション群
- ZEB、省エネ・カーボンニュートラル対応の設計力
- 4D・BIM・AI等のデジタル施工管理
- 課題:
- 建設資材・労務費の変動、技能者不足によるコスト管理難度
- プロジェクト型ビジネス特有の原価・工期リスク
- 市場シェア:公式な数値開示はなし。期末繰越工事高は322,910百万円(前年同期比+18.7%)と積み上がり、案件厚みは拡大。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方向性(開示からの要旨):
- 首都圏比率の更なる拡大、電気工事の強化、海外・リニューアル領域の伸長
- ZEB、省エネ改修、再エネ・省エネ需給を捉えた提案型営業
- 医療・製薬・半導体等の高付加価値分野での技術優位維持
- デジタル(CV4D、AI、BIM)による生産性・品質・リスク管理の高度化
- 中期施策(短信・IRからの読み取り):
- 受注力強化:電気工事の大幅拡大(中間期受注+193%)、海外・リニューアルの伸長
- 収益性改善:原価管理の徹底、設計・施工一体のVE/最適化、サプライチェーン・ジョイントベンチャー活用
- 財務戦略:自己資本比率の向上、流動性確保、株式分割による流動性・投資単位の適正化(1→3株、効力2026/1/1)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:案件毎の設計・施工による完成工事収益。ZEB・省エネ改修、設備更新、保守を含むリニューアル需要が底堅く、受注残の蓄積が可視性を高める。
- 適応力:
- 省エネ/脱炭素、医療・製薬、半導体・データセンター等の構造的需要に対応
- デジタル施工・プレファブ化による人手不足・品質管理課題の軽減
- リスク対応:価格転嫁や契約設計、分散受注、JV・協力体制でのリスク分散が鍵。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:BIM/4D/AIを活用した施工管理、気流解析、ZEB設計、クリーン環境構築に強み。
- 収益牽引:
- 医療・製薬・クリーンルーム関連(Hot Cure、Air Barrier Booth、iLac等)
- 省エネ・ZEBソリューション(REMOVIS、FlowSmart 等)
- 電気工事の伸長(受注・完成ともに高成長)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価:6,840円、時価総額:約3,143.9億円
- 予想EPS:477.19円 → 予想PER:約14.3倍(業界平均14.0倍と同水準)
- 実績BPS:2,693.36円 → PBR:約2.54倍(業界平均1.1倍を上回る)
- EV/売上(LTM):約0.90倍(EV≈3,143.9−666.8=2,477億円、売上2,755億円)
- EV/EBITDA(LTM):約7.0倍(EBITDA約352億円)
- 所見:PERは業界平均並み、PBRはROEの高さやネットキャッシュを反映したプレミアム水準。
7. テクニカル分析
- トレンド:50日移動平均6,480円、200日4,837円。株価は両移動平均上で上昇トレンド継続。
- 位置づけ:年初来高値7,300円に対し現状は約6%下の押し目圏。10日間では高値更新後の調整局面。
- 需給:信用倍率29.37倍と買い超過が大きく、短期の値動きは需給の影響を受けやすい。
- 参考レンジ:サポート6,500円前後(50日線近辺)、レジスタンス7,000〜7,300円。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益(百万円)
- 売上高:LTM 275,500(2024/3期197,431 → 2025/3期262,732 → LTM拡大)
- 営業利益:LTM 33,839(利益率 LTM 13.56%)
- 親会社純利益:LTM 24,509(純利率 8.90%)
- 中間期(2025/4-9):売上118,359(+12.1%)、営業利益17,583(+159%)
- 収益性
- 粗利率(LTM):約19.6%(短信ベース中間粗利率23.2%と上振れ)
- ROE:LTM 22.9%(実績17.38%→改善)、ROA 11.12%
- キャッシュフロー
- 営業CF:631億円、フリーCF:585億円(LTM)
- 現金等:698億円、総有利子負債:32億円 → 事実上ネットキャッシュ
- 安全性
- 自己資本比率:49.7%(2025/3期末)→ 58.3%(2025/9末)
- 流動比率:約198%、D/E:約2.7%と極めて低レバレッジ
- トレンド
- 3期で売上・利益ともに大幅増。直近四半期の売上成長率は一時的に−5%YoYだが、利益成長は+35.8%YoYと改善傾向。
9. 株主還元と配当方針
- 会社予想配当:年間193円(分割前換算)。配当利回り:約2.82%(株価6,840円基準)
- 配当性向:概ね34%(LTM)
- 自己株式:5.58%保有(自己株2,565千株)。取得の有無は都度開示確認が必要。
- 株式分割:1→3(基準日2025/12/31、効力2026/1/1)。投資単位の適正化・流動性向上狙い。
- 参考:Ex-Dividend予定 2026/3/30
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 52週騰落:+91.2%と大幅上昇、β0.38と市場連動性は低め。
- 出来高:直近10日平均369千株>3カ月平均228千株。イベント(11/7決算)後に関心上昇。
- 影響要因:
- 受注・繰越の増加、電気工事・海外・リニューアルの伸長
- 収益性の改善、自己資本比率の上昇、ネットキャッシュ
- 信用買い残高の積み上がり(短期のボラティリティ要因)
11. 総評
- 受注・繰越の厚み、電気工事の伸長、医療・クリーン・ZEB等の高付加価値領域が収益性を押し上げ、LTMでROE・営業利益率ともに高水準。財務はネットキャッシュで健全度が高い。
- バリュエーションはPERが業界並み、一方でPBRは高め。高ROE・資産回転の改善、キャッシュリッチ体質がプレミアムの背景。
- テクニカルには上昇トレンド継続のなか高値圏からの調整。信用需給は買い超過で値動きに注意が必要。
- 構造需要(省エネ・医療・半導体等)とデジタル施工の活用が中期成長ドライバー。原価・人材・工期管理などプロジェクトリスクが主要な管理ポイント。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上+約39%(対2024/3期)、3年で大幅拡大。直近四半期売上は一時減速も通期では受注・繰越が厚い。
- 収益性:A
- 根拠:営業利益率LTM 13.6%、純利率8.9%、ROE LTM約23%。業界平均を上回る水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率49.7%→58.3%(9末)、D/E約2.7%、潤沢なネットキャッシュ、流動比率約198%。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PERは業界並み、PBRは2.5倍と業界平均(1.1倍)上回るプレミアム評価。EV/EBITDA約7倍は中立~やや上方。
(補足)
– 主要イベント:決算発表予定 2026/2/6、権利落ち予定 2026/3/30
– 本資料は公開情報に基づき作成。不明点は“—”または文中注記とし、投資判断は各自のご確認に基づいて行ってください。
企業情報
| 銘柄コード | 1980 |
| 企業名 | ダイダン |
| URL | http://www.daidan.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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