理研計器(7734)企業分析レポート
株価:3,160円(2025/11/20終値)
市場区分:東証プライム/精密機器
時価総額:1,495億円
1. 企業情報
- 事業概要:
- 産業用ガス検知警報機器と各種分析計の研究開発・製造・販売・保守を一貫展開。定置型(プラント常設)と可搬型(携帯・現場用)が主力。
- 主な用途:半導体・化学・エネルギー・造船/船舶・研究施設・環境/防災など。国内外での保守・校正・センサー交換などアフターサービスも提供。
- 事業構成(売上構成比/2026年3月期中間):
- 定置型ガス検知警報機器:約64%
- 可搬型ガス検知警報機器:約35%
- その他測定機器:約2%
- 海外売上比率:約44%(2025.3期)
- 特徴:各種センサーを内製化し、一貫生産。防爆・安全規格対応と高信頼性の製品群に強み。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:
- 産業用ガス検知・保安機器で国内最大手。公害監視・防災分野にも強み。
- 海外ではグローバル専業大手(例:欧米のガス検知メーカー)と競合。北米向けポータブル製品の伸長が報告され、プレゼンス拡大傾向。
- 競争優位性:
- 長年の安全規格適合実績、センサー内製化、信頼性・保守体制、豊富なラインアップ(定置/可搬)によるワンストップ対応。
- 課題:
- 半導体・化学など設備投資サイクルの影響、為替や原材料コスト、各国認証・規制対応の継続的投資負担。グローバル市場でのブランド/販路強化が引き続き論点。
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(短信要旨より):
- 生産合理化・経費効率化、積極営業、新製品開発投資、品質・サービス体制の強化を継続。
- 重点分野(推察含む):
- 規制・安全需要の強い領域(石化・エネルギー、船舶/造船、半導体クリーンルーム等)への深耕。
- 北米・アジア中心の海外展開加速、可搬型の強みを生かした現場対応力強化。
- スマート化(IoT接続、遠隔監視、予兆保全)とアフターサービス強化によるLTV向上。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:
- 装置販売(定置・可搬)+センサー交換・校正・保守契約などのストック性収入。安全・規制対応に根差す需要は底堅い。
- 変化への適応力:
- 規格・法規の更新、産業構造(半導体、船舶燃料転換等)に合わせた製品更新が鍵。内製センサーと顧客基盤、保守網が適応力を支える一方、認証・開発投資の継続は不可欠。
5. 技術革新と主力製品
- 技術面:
- 可燃性/毒性/酸素/CO2等の多様ガスに対応するセンサー(電気化学式、赤外線式、触媒燃焼式、PID等)と防爆設計。スマート検知(自己診断・デジタル出力)ニーズが拡大。
- 主力製品:
- 定置型検知警報システム、ガス検知ヘッド/トランスミッタ、マルチチャンネル監視、可搬型マルチガス検知器、個人用シングルガス検知器など。
- 最近の動向:
- 造船・船舶向けと北米の可搬型が堅調。半導体は一部調整も受注水準は維持(短信)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 主要指標(現状):
- PER(会社予想):16.88倍(業界平均21.1倍)
- PBR(実績):1.79倍(業界平均1.8倍)
- 配当利回り(会社予想):1.58%(予想年間50円)
- ROE(実績):約10.7%
- 参考計算:
- 株価/ BPS=約1.79倍(3,160円 / 1,761.77円)
- 益回り=約5.9%(1/16.88)
- EV/売上=約2.41倍(EV約1,254億円 / 売上521億円)
- EV/EBITDA=約9.0倍(EBITDA約140億円)
- FCF利回り=約4.2%(LTM FCF 63億円 / 時価総額1,495億円)
- サステナブル成長率参考:ROE10.7% ×(1–配当性向約27%)≒約7.8%
- コメント:
- PERは業界平均より低め、PBRは同程度。堅実なROEとネットキャッシュ基調が下支え。
7. テクニカル分析
- トレンド:
- 直近の終値3,160円は50日移動平均3,354円を下回り、200日移動平均3,012円は上回る。短期は弱含み、 中期は上向き維持のレンジ転換局面。
- 位置:
- 52週レンジ2,160–3,920円の中位付近(レンジ下限から約57%地点)。高値圏ではなく中腹域。
- 需給:
- 信用倍率0.41倍(売り越し)。出来高は3カ月平均約8.1万株で安定。短期材料や決算前後での需給変動には留意。
8. 財務諸表分析
- 成長:
- 売上(LTM)521億円。3年で37,364→52,102百万円へ拡大、3年CAGR約+11〜12%。直近四半期の売上成長率(前年比)+5.9%。
- 収益性:
- 粗利率:約48%(LTM)、営業利益率:約19〜21%(LTM/短信中間期は約20%)。EBITDAマージン約27%。高水準を維持。
- 利益水準:
- 営業利益は過去数年で概ね110億円前後のレンジ。LTM営業利益約106億円と安定的。
- キャッシュフロー:
- 営業CF(LTM)約99億円、FCF約63億円と潤沢。中間期も営業CFが大幅改善。
- 安全性:
- 自己資本比率83.5%、流動比率561%、D/E約2%(実質無借金)。ROA約7.1%、ROE約10.9%。
- 総評:
- 成長と高い収益性、強固なバランスシート、良好なキャッシュ創出を併存。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:
- 2026年3月期予想:年間50円(中間25円・期末25円)、配当性向約27%。
- 5年平均配当利回り約1.36%に対し、現行利回りはやや高め。安定配当志向。
- 自己株式:
- 自己株式比率約2.9%。直近で大規模な自己株買いの公表情報はなし(短信ベース)。
- その他:
- 2024/3/28に1:2の株式分割を実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 直近10日で下落基調(3,425→3,160)。50日線割れで短期は調整色。
- 相対パフォーマンス:
- 52週騰落率-17.2%、低ベータ(0.37)で市場上昇局面では出遅れやすい一方、下落耐性は相対的に高い傾向。
- 関心材料:
- 造船/船舶向け、北米可搬型の需要動向、半導体投資サイクル、為替・原材料、法規制強化(安全・環境)や決算/配当が株価要因。
- 予定イベント:
- 決算(2026/2/10)、権利落ち(2026/3/30)等。
11. 総評
- 規制・安全需要に根差したガス検知の主力企業。定置・可搬の両輪とアフターサービスにより、安定収益とストック性を確保。3年で2桁CAGR、営業利益率約20%の高収益体質、強固な財務とキャッシュ創出が特徴。
- 近時は半導体分野の一部調整を受けつつも、造船/船舶・北米可搬が補完。生産性改善と新製品投資、品質・サービス強化で対応。
- バリュエーションはPERで業界平均を下回り、PBRは同程度。ネットキャッシュ基調とROE約11%を背景に、配当性向約27%の余地も確認できる一方、グローバル競合・認証コスト・景気感応度には注意が必要。
- 短期モメンタムは調整色だが、中期では200日線上での推移。今後の決算と需要動向が焦点。
(注)本レポートは公開情報と提供データに基づく客観的整理であり、投資判断を目的とした助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoYプラス、3年CAGR約+11〜12%。
- 収益性:A
- 根拠:粗利率約48%、営業利益率約20%、EBITDAマージン約27%と高水準。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率83.5%、流動比率561%、実質無借金。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PERが業界平均を下回り、PBRは同程度。EV/EBITDA約9倍、FCF利回り約4.2%(相対比較の参考値)。
企業情報
| 銘柄コード | 7734 |
| 企業名 | 理研計器 |
| URL | http://www.rikenkeiki.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 電機・精密 – 精密機器 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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