1. 企業情報
トーセイは、首都圏を中心に多角的な不動産事業を展開する企業です。主な事業内容は、価値が低下した不動産を取得し、再生・改善して売却する「不動産再生事業」が売上の柱となっています。また、オフィスビル、商業施設、マンション、戸建住宅、ホテル、物流施設などを開発・販売する「不動産開発事業」、オフィスやマンションなどを賃貸する「不動産賃貸事業」も手掛けています。さらに、不動産ファンドの組成・運用を行う「不動産ファンド・コンサルティング事業」、建物の管理や賃貸管理を行う「不動産管理事業」、そして自社ブランド「TOSEI HOTEL COCONE」を展開する「ホテル事業」も有しています。近年では、不動産クラウドファンディングやセキュリティトークン、デジタルマッチングといった不動産テックサービスにも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
トーセイは、不動産再生事業を主軸に、不動産開発、賃貸、ファンド運用、管理、ホテル運営と、不動産バリューチェーン全体をカバーする多角的な事業モデルが特徴です。特に、首都圏を中心とした不動産再生・開発に強みを持っています。決算短信によると、国内の不動産投資需要は堅調であり、賃料も上昇傾向にあることから、同社が事業を展開する市場環境は良好です。競合との直接的な市場シェアデータは見当たりませんが、機関投資家向けの物件売却や受託資産残高(AUM)の継続的な増加から、一定の市場プレゼンスを確立していると考えられます。積極的な物件仕入れとストック型ビジネスの拡大は、競争優位性につながります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、不動産再生比率の意識的な引き上げを戦略として掲げています。また、建築費の高騰を踏まえ、木造物件へのシフトも進めています。ストック型事業の強化として、不動産ファンド・コンサルティング事業におけるAUM(受託資産残高)の拡大、ホテル事業における新規開業を含むパイプラインの拡充を重点分野としています。直近の第3四半期決算では、仕入れ計画に対する進捗やAUMの増加、ホテル事業の回復が見られ、これらの中期経営計画に沿った進捗を示しています。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、不動産再生・開発といった景気変動の影響を受けやすい「フロー型」と、不動産賃貸・ファンド運用・管理・ホテルといった安定収益を見込める「ストック型」をバランス良く組み合わせることで持続可能性を高めています。特に、堅調な不動産投資需要とホテル需要の回復、AUMの増加は、収益基盤を強化する要因です。市場ニーズの変化に対しては、物件種別の多様化(オフィス、商業施設、ホテル、物流施設など)や、デジタル技術を活用した新たな不動産サービスの提供で対応しています。ただし、金利動向や建築資材・労務費の高止まり、世界経済の変動はリスク要因として認識されています。
5. 技術革新と主力製品
トーセイは、不動産に特化した独自の技術革新を積極的に推進しているわけではありませんが、不動産の価値を向上させるためのノウハウやデジタル技術の活用に強みを持っています。具体的には、クラウドファンディング、セキュリティトークン、デジタルマッチングといった不動産テックサービスを通じて、新たな領域での顧客獲得や既存事業の効率化を図っています。
収益を牽引している主力事業は、連結事業構成比を見ると「不動産再生事業」(売上構成比45%、利益構成比16%)であり、次いで「不動産開発事業」(売上構成比20%、利益構成比30%)が利益面で大きく貢献しています。「不動産賃貸事業」(売上構成比10%、利益構成比50%)は売上規模は小さいものの、セグメント利益率が非常に高く、安定的な収益源となっています。「不動産ファンド・コンサルティング事業」と「ホテル事業」も着実に成長し、収益を多角化しています。
6. 株価の評価
現在の株価3,390円に基づき、各種指標を評価します。
* PER(会社予想): 11.40倍
* 業界平均PER: 13.6倍
* PBR(実績): 1.62倍
* 業界平均PBR: 1.6倍
PERは業界平均と比較して割安水準にあります。PBRは業界平均とほぼ同水準です。EPS(会社予想)298.79円に対して現在の株価はPER 11.34倍となり、会社の予想PERとほぼ一致しています。BPS(実績)2,102.99円に対して現在の株価はPBR 1.61倍となり、これも会社のPBR実績とほぼ一致します。これらの評価から、現在の株価は業界平均と比較して妥当からやや割安な水準にあると言えます。
7. テクニカル分析
現在の株価は3,390円です。
* 年初来高値:3,535円
* 年初来安値:2,010円
* 50日移動平均線:3,309.10円
* 200日移動平均線:2,777.80円
直近10日間の株価推移を見ると、3,230円から3,390円へと上昇傾向にあります。現在の株価は50日移動平均線、200日移動平均線を大きく上回っており、年初来高値3,535円に迫る水準です。このことから、現在の株価は比較的「高値圏」にあると判断できます。
売上・利益
過去数年間の総売上高は一貫して成長しており、2021年11月期の61,726百万円から過去12ヶ月では90,632百万円へと増加しています。特に直近の2025年11月期第3四半期累計期間の売上高は83,961百万円(前年同期比+20.9%)と好調です。営業利益、税引前利益、純利益も同様に増加傾向にあり、堅調な業績推移を示しています。粗利益率、営業利益率も安定的に推移しており、収益力の高さが伺えます。
キャッシュフロー
過去12ヶ月の営業活動によるキャッシュフローは-5,030百万円とマイナスですが、これは不動産事業の特性上、棚卸資産(仕入れた不動産)の増加が大きく影響している可能性があります。しかし、直近の2025年11月期第3四半期累計では+6,888百万円に転換しており、財務状況は改善傾向にあります。投資活動によるキャッシュフローは継続的にマイナスであり、事業拡大のための投資が積極的に行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローはプラスであり、主に長期借入れによって資金調達が行われています。
経営効率性・健全性
- ROE(実績): 13.89%(LTM 15.36%)と、高い水準にあり、自己資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示しています。
- ROA(過去12ヶ月): 5.01%で、総資産に対する収益性も良好です。
- 自己資本比率(実績): 32.7%(直近3Qで34.6%に改善)です。不動産業界は借入が多くなる傾向があるため、一般事業会社よりは低い水準で推移することが多いですが、健全性維持のためには継続的な改善が望まれます。
- 流動比率(直近四半期): 6.96と非常に高く、短期的な支払い能力は極めて良好です。
- Total Debt/Equity(直近四半期): 170.11%で、借入水準は高いものの、不動産の取得・開発という事業特性と、充実した流動資産を考慮すると、許容範囲内と判断できます。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り(会社予想)は2.94%(Forward Annual Dividend Yieldは3.08%)であり、1株配当(会社予想)は100.00円です。配当性向は25.89%と比較的低く、成長投資と株主還元をバランスさせている姿勢が伺えます。
特筆すべき点として、2025年11月30日を基準日として1株を2株に分割する株式分割が予定されています。期末配当は分割前の株式数を基準に実施される旨が明示されています。株式分割は投資単位あたりの金額を引き下げることで、より多くの投資家が投資しやすくなる効果が期待されます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
トーセイの株価は、過去1年間で37.91%の上昇を見せており、同時期のS&P 500の11.27%を大きく上回るパフォーマンスです。これは、同社の堅調な業績成長と市場からの高い評価を反映していると言えます。
直近の出来高は270,800株と比較的活発であり、取引関心が高い状況です。信用倍率は0.66倍と信用売残が信用買残を上回っており、需給面では買い方の圧力が低い、または売方の買い戻しを誘発しやすい状況である可能性があります。
2025年12月1日に予定されている株式分割は、投資家層の拡大や流動性の向上につながる可能性があり、今後の株価にポジティブな影響を与える要因となるでしょう。ただし、金利上昇や建築費高騰といったリスク要因、世界経済の変動は引き続き株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
トーセイは、不動産再生事業を核に、開発、賃貸、ファンド、管理、ホテル運営と多角的な事業を展開し、安定成長を続けている企業です。特に、首都圏に特化した事業展開と、フロー型・ストック型ビジネスのバランスの良さが強みと言えるでしょう。財務面では、売上高・利益ともに堅調に推移し、高いROEを維持しています。自己資本比率は不動産業界の特性を考慮すれば許容範囲であり、流動比率は非常に高く財務健全性も確保されています。PERは業界平均と比較してやや割安水準にあり、株主還元策として高すぎない配当性向と株式分割を予定している点は評価できます。直近の株価は年初来高値圏にありますが、堅調な業績と今後の事業展開、株式分割への期待感から、投資家の関心は引き続き高いと見られます。
12. 企業スコア
- 成長性:S
- LTM売上高は90,632百万円、前年度(2024/11期予測)82,191百万円からの成長率は約10.27%。
- 2025年11月期の売上高予想98,125百万円は、2024年11月期の実績値(82,191百万円)から+19.4%の成長を見込んでおり、直近四半期売上成長率も51.70%と非常に高く、全体的に力強い成長が継続しているため。
- 収益性:A
- LTM営業利益率は17.86%(直近3Q累計売上高営業利益率は24.8%)と、非常に高い水準です。これは一般的な不動産業界平均を上回る収益力を示しているため。過去数年の粗利率、営業利益率も安定して高い。
- 財務健全性:B
- 自己資本比率は32.7%(直近3Qで34.6%に改善)と、不動産業界の特性を考慮すれば許容範囲ですが、一般的に望ましい40%以上には届いていません。
- 一方で、流動比率は6.96と極めて高く、短期的な支払い能力は抜群に健全です。D/E比率170.11%は不動産業界では一般的ですが、自己資本比率の面でB評価としました。
- 株価バリュエーション:A
- PER(会社予想)11.40倍は業界平均13.6倍と比較して割安です。
- PBR(実績)1.62倍は業界平均1.6倍とほぼ同水準であり、PERの割安感を考慮すると、全体として割安~妥当な水準と評価されます。
企業情報
| 銘柄コード | 8923 |
| 企業名 | トーセイ |
| URL | http://www.toseicorp.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 不動産 – 不動産業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。
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