名古屋鉄道(9048)企業分析レポート

株価: 1,582.5円(2025-11-20終値)/市場: 東証プライム
時価総額: 3,112.8億円/配当利回り(予想): 2.53%

1. 企業情報

  • 中部最大の私鉄グループ中核。鉄道・バス等の交通に加え、物流、不動産、ホテル・レジャー、流通、航空関連サービスまで多角展開。「博物館 明治村」などレジャー施設も運営。
  • 事業構成(2025.3期 連結・目安)
    • 交通 23%
    • 運送(物流)26%
    • 不動産 17%
    • レジャー・サービス 15%
    • 流通 9%
    • 航空関連サービス 4%
    • その他 6%

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション: 中部(名古屋圏)に強固な路線網と顧客基盤。都市圏の人口・産業集積に根差した需要が基盤。
  • 競争環境: 幹線・都市間ではJR東海、エリア内では他私鉄・バス・自家用車等と競合。非運輸(不動産・ホテル・流通)の収益多角化により景気・需要変動の平準化を図る。
  • 課題: 物流(運送)・流通で採算悪化が顕在化(2026年3月期上期に赤字計上)。人件費・エネルギー・建設コスト上昇、金利上昇による資本コスト上振れにも留意。

3. 経営戦略と重点分野

  • 短信・開示から読み取れる重点
    • 安全・サービス水準確保を前提とした大型投資(上期の固定資産取得 1,062億円と投資積極化)。
    • 連結再編・ポートフォリオ見直し(関係会社株式交換益の計上など)。
    • 通期見通し(2026/3期 会社予想): 売上高 6,950億円、営業利益 340億円、純利益 210億円。上期は利益率低下を受け、コスト・運賃外収益のてこ入れと不採算領域の改善が示唆。
    • セグメント重点: 交通・不動産の稼ぐ力維持、物流・流通の収益性改善、レジャー・航空関連は黒字維持と効率化。
  • 配当方針: 中間無配、期末40円予想(通期40円)。安定配当志向を示唆。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 私鉄一体型モデル(運輸×不動産×商業・ホテル×レジャー)の相互送客・価値循環により、景気・観光動向の波を一定程度緩和。
  • 鉄道・不動産というストック性の高い資産に依存しつつ、コスト上昇・設備更新負担(減価償却・投資CF)には継続対応が必要。
  • 価格改定・運賃外収益の強化、駅前再開発・沿線価値向上による中長期の需要維持が鍵。

5. 技術革新と主力製品

  • 交通: 車両更新・省エネ化、保守のデジタル化、キャッシュレス・改札省力化などの効率化投資を進める傾向。
  • 不動産・商業・ホテル: 駅直結・駅前立地の再開発、運輸との連携で稼働・客数の底上げ。
  • 主力収益: 交通(旅客)、物流、不動産賃貸・開発、ホテル・レジャーの複合。上期は交通・不動産が利益の柱。

(参考:2026/3期 上期セグメント利益率の概算)
– 交通: 利益率約14.3%(12,443/87,273)
– 不動産: 約15.1%(7,377/48,919)
– レジャー・サービス: 約3.7%(1,916/51,647)
– 航空関連: 約3.4%(504/14,760)
– その他: 約8.7%(1,384/15,965)
– 運送(物流): 約▲5.7%、流通: 約▲4.9%

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価: 1,582.5円
  • 予想EPS: 107.10円 → 予想PER ≈ 14.78倍(提供指標と一致)
  • 実績BPS: 2,390.27円 → PBR ≈ 0.66倍
  • トレーリングEPS(LTM): 167.69円 → 実績PER(LTM)≈ 9.4倍
  • EV/売上高(LTM概算): EV ≈ 9,192億円(時価総額3,113億 + 純有利子負債約6,079億)/ 売上約6,907億 ≈ 1.33倍
  • EV/EBITDA(LTM概算): 約9.5倍(EV 9,192億 / EBITDA 968億)
  • 業界平均との比較(参考)
    • PER: 業界平均約13.9倍に対し会社予想14.78倍
    • PBR: 業界平均約1.0倍に対し0.66倍
  • 配当: 年40円(予想)→ 利回り約2.53%。トレーリング配当性向約23%、フォワード配当性向は約37%(40円/予想EPS 107.1)と上昇見込み。

7. テクニカル分析

  • 位置づけ: 52週安値1,575円に接近、年初来高値1,851円から調整。50日移動平均1,712円、200日1,701円をいずれも下回り、下方乖離。
  • 短期推移: 直近10営業日は戻り売り基調が続き、終値は1,646.5円→1,582.5円へ下落。
  • 出来高: 10日平均約102万株と3カ月平均約84万株を上回り、決算発表後の需給変動が示唆。
  • 信用動向: 信用倍率6.74倍と買い長。買い残増(+30.1万株)・売り残増(+3.22万株)で、需給の振れに注意。

8. 財務諸表分析

  • 成長
    • 売上高: 4,909億円(2022/3)→ 5,515億(2023/3)→ 6,011億(2024/3)→ 6,907億円(LTM)。3年CAGR約+12%、LTM YoY約+15%。
  • 収益性(LTM)
    • 粗利率: 約15.1%(1,044億/6,907億)
    • 営業利益: 421億円 → 営業利益率 約6.1%(短信上期は利益率低下)
    • EBITDA: 968億円 → EBITDAマージン 約14.0%
    • ROE(実績提供値): 8.39%/ROA(提供値): 1.51%
  • キャッシュフロー・投資
    • 営業CF(LTM): +654億円
    • レバードFCF(LTM): ▲1,382億円(大型投資でマイナス)
    • 上期 投資CF: ▲876億円(固定資産取得が主因)
  • 財政状態(2025/9末 連結)
    • 総資産: 1兆5,234億円/自己資本比率: 30.8%(期初31.9%から低下)
    • 有利子負債: 約6,519億円/Debt/Equity約129%/流動比率0.70
    • 支払利息: 年間約35億円、EBIT 547億円 → 利払カバレッジ概算 約15倍
  • 収益ブレ要因
    • 物流・流通での赤字、減価償却費増、支払利息増。特別損益は株式交換益等の特別利益と店舗閉鎖関連損失等が混在。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当: 中間無配・期末40円(予想)=年40円。予想利回り約2.53%。
  • 配当性向: トレーリング約23%、フォワード約37%。
  • 自社株買い等: 本資料内で新規の自己株式取得の開示は確認できず。自己株式残は約56.7万株(期末)。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 決算(11/7)後、利益率低下・通期減益見通し(営業利益・純利益下降)を材料に株価は基調弱め。
  • 52週変化率は▲8.22%、ベータ0.05と市場連動性は低位。出来高はイベント後に膨らみ、信用買い残が積み上がる一方で下押し圧力も観測。

11. 総評

  • 中期的には私鉄一体型モデルと沿線アセットを背景に、交通・不動産が収益の柱。売上はコロナ期を脱し回復~拡大基調。
  • 一方、2026/3期は物流・流通の赤字やコスト増、減価償却・金利負担の上昇で利益率が低下。大型投資に伴うFCFマイナスと自己資本比率低下にも注目。
  • バリュエーションは、予想PERは業界平均比でやや上、PBRは下と評価が分かれる水準。株価は52週安値圏でテクニカルには下方トレンド。
  • 注視点: 不採算セグメントの改善進捗、投資負担とFCFのバランス、金利・コスト動向、沿線再開発・非運輸の稼働改善。短信・説明資料のアップデートで前提の確認が有用。

(本資料は一般的な企業分析の整理であり、投資助言を目的とするものではありません。)

12. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性: A
    • 理由: LTM売上YoY約+15%、3年CAGR約+12%と拡大。
  • 収益性: B
    • 理由: 営業利益率LTM約6%、粗利率約15%。私鉄大手内では中庸〜やや控えめの水準。
  • 財務健全性: C
    • 理由: 自己資本比率約31%、流動比率0.70、D/E約129%とやや負荷。大型投資でFCFマイナス。
  • 株価バリュエーション: B
    • 理由: 予想PERは業界平均比で小幅高、PBRは平均を下回る。EV/EBITDA約9.5倍と中立圏。

企業情報

銘柄コード 9048
企業名 名古屋鉄道
URL http://www.meitetsu.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 運輸・物流 – 陸運業

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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