SMC(6273)企業分析レポート
最終更新: 2025-11-21
– 企業情報
– 概要:
– SMCはFA(ファクトリーオートメーション)向け空圧制御機器の世界首位メーカー。国内シェア約6割強、海外でも高い存在感を持つ。自動制御機器(空圧・電動アクチュエータ、バルブ、フィッティング、真空機器、プロセス用バルブ・減圧器、温調機器、静電気対策機器、センサー・コントローラ等)をグローバルに供給。
– 顧客産業は半導体、自動車、工作機械、電機・電子、食品・医療、一般産業まで幅広い単一セグメント(自動制御機器事業)。
– 海外売上比率:79%(2025.3期)と高いグローバル展開。
– 従業員:24,256人(平均年齢41.2歳、平均年収853万円)
– 所在地・代表者:東京都中央区京橋/代表取締役社長 髙田 芳樹
– 今後のイベント:決算発表予定 2026-02-12、権利落ち日 2026-03-30(予定)
– 業界のポジションと市場シェア
– ポジション:
– 空圧制御機器で世界トップ、国内シェア60%強。Festo(独)、Parker Hannifin(米)、CKD(日)、IMI/Norgren(英)、AirTAC(台)などが主要競合。
– 競争優位性:
– 幅広い製品ラインアップと高い互換性、グローバル供給網、直販・代理店の販売ネットワーク、短納期体制。製品置換コスト(スイッチングコスト)や規格適合の蓄積が参入障壁に。
– 課題:
– 需要の景気・投資サイクルへの感応度が高い(半導体・自動車など)。中国・アジアでの価格競争、為替変動、エネルギー効率要求の高まり(空圧→電動化シフトの一部進行)への対応が必要。
– 経営戦略と重点分野
– ビジョン・戦略(短信等の記載要旨):
– 生産能力の拡大、BCPに基づく多拠点・複線化、生産と開発の生産性向上。
– 直販人員増強と代理店強化、顧客・製品の多角化、グローバル人材活用。
– 研究開発投資の拡大(中間期R&D 176億円、前年比+9%)、積極的な設備投資(中間期1112億円、+161%)。
– 中期的重点:
– 半導体・EVなど成長分野向けの製品強化、エネルギーセービング、電動アクチュエータ比率の拡大、IoT/センシング連携、プロセスガス機器(AP Tech等)を含む高付加価値領域の深耕。
– 事業モデルの持続可能性
– 収益モデル:
– 多品種モジュール製品の組み合わせ販売と更新需要、グローバル供給によるスケールメリット。保守・置換需要の継続性があり基盤は厚い。
– 適応力:
– 製品の電動化・省エネ化、センサー/コントローラ連携など技術ポートフォリオを拡張中。為替や地域需要の偏りは分散生産と広域顧客で緩和。
– リスク:
– 景気循環、為替、原材料・調達コスト、地域競争激化。中国依存度(中間期売上の約28%が中華圏)へのモニタリングが必要。
– 技術革新と主力製品
– 技術・独自性:
– 空圧・真空・流体制御の広範なラインアップ、プロセス用減圧器・温調機器、静電気対策、産業用通信など周辺技術を含む総合力。装置組込みでの最適化提案力が強み。
– 収益牽引:
– 方向制御バルブ、空圧シリンダ、真空・減圧機器、プロセスガス関連、電動アクチュエータ等。半導体・EV・一般産業の自動化投資がドライバー。
– 株価の評価(バリュエーション)
– 前提データ:
– 株価 51,900円、PER(会社予想)21.56倍、PBR 1.66倍、EPS(予想)2,406.71円、BPS 31,176.6円、配当予想1,000円(利回り1.93%)
– 相対比較(業界平均:PER 16.6倍、PBR 1.4倍):
– PERは業界平均比でプレミアム、PBRもややプレミアム。
– 参考マルチプル計算(概算):
– EV/Sales(TTM):約3.3倍(EV≒3.31兆−0.70兆+0.01兆=約2.62兆円、売上0.80兆円)
– EV/EBITDA(TTM):約10〜12倍(EBITDAの捉え方により幅あり)
– ROE実績 8.2%とPBR 1.66倍の組み合わせは、資本効率面からは中立〜ややプレミアム評価。
– コメント:
– 高い収益性・財務健全性とグローバル首位の地位がプレミアムの主因。一方、需要サイクルと中国動向の感応度、通期予想の下方修正がバリュエーションの上値抑制要因。
– テクニカル分析
– トレンド位置:
– 現在値 51,900円は50日移動平均 49,756円、200日移動平均 50,934円を上回るが、50日線<200日線で中期トレンドは中立寄り。
– 52週高値 68,720円、安値 41,700円のレンジで中位(高値から約−25%、安値から約+24%)。
– 直近モメンタム:
– 11/13の決算を起点に出来高膨らみ上昇も、その後は反落し直近4営業日で続落気味。短期は戻り売り圧力。
– 需給:
– 信用買残は減少(−15.8千株)、信用売残は増加(+6.7千株)、信用倍率3.33倍とやや高めだが改善傾向。ボラティリティはβ0.62で相対的に低め。
– 財務諸表分析
– 成長:
– 売上高(億円換算):2022/3 7,274 → 2023/3 8,248 → 2024/3 7,769 → 2025/3 7,921 → LTM 7,973。3年CAGR約+3%程度、直近は緩やかな回復。
– 収益性(TTM):
– 粗利率 約45%、営業利益率 23.15%、純利益率 19.7%。2023/3以降、利益率はピークから低下も高水準を維持。
– 収益トレンド:
– 営業利益(百万円):2023/3 258,201 → 2024/3 196,226 → 2025/3 190,245 → LTM 181,529(コスト上昇・償却増で低下)。
– 直近四半期の利益は前年比+51%と改善の兆し(決算短信では中間期営業減益・純利益微増)。
– キャッシュフロー:
– 営業CF 2,173億円、LFCF 約1,139億円(TTM)と厚い。中間期も営業CFプラスで投資・還元を賄う余力。
– 効率性:
– ROE 8.17%、ROA 5.33%。資産拡大(設備投資)に伴い総資産回転率はやや低下傾向。
– 財務安全性:
– 自己資本比率 91.8%(中間期末89.8%)、流動比率 7.89倍、Debt/Equity 0.25%と極めて堅健。
– 株主還元と配当方針
– 配当:
– 2026/3期予想 年間1,000円(中間500円+期末500円)、予想配当性向 約40%。
– 5年平均利回り 1.26%に対し現行利回り 1.93%。
– 自社株:
– 2025/5/30に自己株式3,500,000株を消却(約2,113億円相当)。当中間期に自己株取得43.8万株(217.9億円)。
– 方針コメント:
– 高い財務余力を背景に、配当と機動的な自己株取得・消却を併用。利益水準と投資計画に応じたバランス型の還元。
- 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 年初来安値41,700→足元51,900、50日線上回りつつも決算後の反落で短期は弱含み。
- 関心・需給:
- 出来高は決算前後で増加。信用動向は買い残減少・売り残増加で短期的には中立〜やや弱気。機関投資家保有比率約50%、インサイダー保有約13%。
-
外部要因:
- 半導体/EV関連投資の回復度合い、中国景気・価格競争、為替(USD/EUR/CNY)動向が株価に影響。
-
総評
- 事業面:
- グローバル首位・高シェア、厚い顧客基盤、強固な財務と高い利益率が強み。生産・開発投資を拡大し供給力と技術力を底上げ中。
- リスク・課題:
- 景気循環・中国依存・価格競争、空圧から電動化へのシフト対応、コスト上昇と為替。中期的には設備投資拡大が費用増(償却・固定費)に先行する局面。
-
株価評価:
- 収益性・安全性プレミアムを反映し、業界平均比で高いバリュエーション。通期予想は下方修正済みで、需要回復の確度・速度が次の再評価要因。
-
企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:B
- 売上はLTM微増、四半期売上成長+4.1%。3年CAGR約+3%で中立〜ややプラス。
- 収益性:A
- 粗利率約45%、営業利益率23%と業界平均を明確に上回る高収益。
- 財務健全性:S
- 自己資本比率約90%、流動比率7.9倍、実質無借金に近く極めて堅健。
- 株価バリュエーション:C
- PER 21.6倍(業界16.6倍)、PBR 1.66倍(業界1.4倍)、EV/S 3倍台でプレミアム水準。
参考データ抜粋
– 売上高(百万円):LTM 797,319、2025/3 792,108、2024/3 776,873、2023/3 824,772、2022/3 727,397
– 営業利益(百万円):LTM 181,529、2025/3 190,245、2024/3 196,226
– 配当予想:年間1,000円(利回り1.93%)
– 移動平均:50日 49,756円、200日 50,934円
– 52週レンジ:41,700〜68,720円
注記
– 本レポートは提供データに基づく客観的な企業分析であり、投資勧誘や投資助言を目的とするものではありません。数値は百万円等、出所により単位が異なる場合があります。最新の公式開示をご確認ください。
企業情報
| 銘柄コード | 6273 |
| 企業名 | SMC |
| URL | http://www.smcworld.com/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 機械 – 機械 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。