個人投資家向けAGS(3648)企業分析レポート(2025年11月23日時点)

1. 企業情報

AGSは1971年に設立された埼玉県の独立系情報システム会社です。金融機関、公共機関、一般企業向けに幅広い情報サービスを提供しています。主な事業内容は、データセンターでの情報処理サービス、顧客のニーズに応じたソフトウェア開発、ネットワーク構築などの情報サービス、そしてシステム機器の販売です。特に、りそな銀行グループ向けの取引が売上高の1割超を占めるなど、安定した顧客基盤を持っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

AGSは独立系情報システム会社として、特定のベンダーに縛られず幅広いソリューションを提供できる強みを持っています。データセンター運用やソフトウェア開発を柱としており、特に金融機関や公共機関向けの安定した事業基盤があります。りそな銀行グループとの緊密な関係は安定収益源となる一方で、特定の顧客への依存度が高い側面もあります。市場全体では、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進やクラウドへの移行、セキュリティ強化の需要が高まっており、AGSもこれらのニーズに対応することで市場での存在感を維持・拡大していくことが期待されます。具体的な市場シェアはデータに含まれていませんが、中堅規模のITサービスプロバイダーとして、地域密着型かつ特定の業界への専門性を強みとしています。

3. 経営戦略と重点分野

AGSは「クラウド時代においてもお客様から選ばれ続けるITパートナーとなる」ことをビジョンに掲げ、現在「第二期中期経営計画」の初年度にあたります。当期の中間決算短信によると、この中計の重点施策の推進に注力しており、特にソフトウェア開発分野での受注増と利益率改善が見られます。これは、企業のDX化や自治体向け基幹システム標準化、クラウド移行、セキュリティ強化といった市場ニーズへの対応を強化していることの表れと考えられます。

4. 事業モデルの持続可能性

AGSの事業モデルは、安定的な収益源である情報処理サービス(データセンター運用など)と、成長分野であるソフトウェア開発(DXソリューション、クラウド関連)の組み合わせが特徴です。金融機関や公共機関といった安定顧客を持つことで、景気変動の影響を受けにくい基盤があります。また、市場が求めるDX、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティといった分野への積極的な投資とサービス提供は、将来的な収益モデルの持続可能性を高めると考えられます。人材確保と技術者育成が持続的成長の鍵となるでしょう。

5. 技術革新と主力製品

AGSは、地方公共団体の基幹業務システム標準化、民間企業の基幹システム刷新、生成AIを含むDX推進、セキュリティ対策といった市場の技術トレンドに対応しています。主力製品・サービスとしては、「情報処理サービス」による安定したシステム運用と、「ソフトウェア開発」による顧客の課題解決型ソリューションが挙げられます。特に後者は、クラウドやDX関連の需要を取り込み、直近の業績を大きく牽引しています。

6. 株価の評価

現在の株価1,320.0円に対し、会社予想EPSは101.07円です。
* PER(会社予想): 1320.0円 / 101.07円 = 13.06倍

実績PBRは1.43倍です。
* 業界平均PER: 17.6倍
* 業界平均PBR: 1.6倍

AGSのPER(13.06倍)は業界平均(17.6倍)を下回っており、PBR(1.43倍)も業界平均(1.6倍)を下回っています。この数値を見る限り、現在の株価は業界平均と比較して割安感があると言えます。

7. テクニカル分析

直近の株価履歴を見ると、11月10日の1,388円から11月21日の1,320円まで、緩やかな下降トレンドにあります。52週高値1,595円、52週安値671円に対し、現在の株価1,320円は年初来高値に比べるとやや下落していますが、年初来安値からは大きく上昇した水準です。
50日移動平均線1,332.52円と200日移動平均線1,059.10円を見ると、現在の株価は50日移動平均線をわずかに下回っていますが、200日移動平均線よりは大幅に上回っており、中期的な上昇トレンドは継続していると見られます。ただし、直近は調整局面に入っており、一時的な高値圏からは後退している状況です。

8. 財務諸表分析

  • 売上高: 過去数年で売上高は着実に増加傾向にあります。2022年3月期の21,187百万円から、LTM(過去12ヶ月)では27,300百万円に伸長しており、特に直近の伸びが顕著です(LTMで前年比+23.57%、直近四半期で前年比+25.90%)。2025年3月期も24,862百万円と増加予想です。
  • 利益: 営業利益、純利益ともに過去数年で増加傾向にあります。
    • 営業利益は2022年3月期の948百万円からLTMでは2,572百万円へと大幅に改善しています。
    • 純利益も2022年3月期の638百万円からLTMでは1,973百万円と大幅に増加しました。
    • 売上高に占める利益率も改善傾向にあり、LTMでの営業利益率は9.42%(企業財務指標では11.28%)、純利益率は7.23%と堅調です。
  • キャッシュフロー: 過去12ヶ月の営業活動によるキャッシュフローは1,350百万円、レバードフリーキャッシュフローは851.75百万円と、本業でしっかりキャッシュを生み出しています。
  • ROE/ROA: LTMのROEは13.41%(実績9.67%)、ROAは7.75%と、資本を効率的に活用して収益を上げていると言えます。
  • 自己資本比率: 実績で68.0%(直近中間期末で71.1%)と非常に高く、財務基盤は盤石です。
  • 流動比率: 直近四半期で2.58と高く、短期的な支払い能力に問題はありません。
  • D/Eレシオ: 直近四半期で8.99%(0.09倍)と極めて低く、負債は非常に少ない健全な状態です。

9. 株主還元と配当方針

会社予想の年間配当は32.00円であり、現在の株価1,320.0円に対する配当利回りは2.42%です。これは5年平均配当利回り(1.61%)を上回っています。配当性向は27.19%と比較的低く、今後の事業成長や利益水準に応じて増配の余地があると考えられます。中間配当16.00円(前年8.00円から増額)と期末配当予想16.00円を合わせて年間32.00円と、着実な株主還元姿勢が見られます。自社株買いは、決算短信の記述では当中間期に小額の自己株式取得があったとされており、株主還元策の一つとして活用されています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は11月中旬以降、やや調整局面に入り軟調に推移しています。出来高も平均(3ヶ月平均44.06k株、10日平均31.61k株)と比較すると、直近は低調です。
信用取引残高は、信用買残が100,900株、信用売残が4,900株で、信用倍率は20.59倍と高水準です。これは、買い残が多く、将来の売り圧力になる可能性を示唆しています。ただし、浮動株(Float 6.01M株)に対する割合としては過度な重荷とは言えないかもしれません。
株価への影響を与える要因としては、今後のDXや地方自治体システム標準化といった市場動向への対応状況、新規顧客獲得、プロジェクトの進捗、そして堅調な業績発表が挙げられます。特に、中間決算で大幅な増収増益を達成し、通期予想を据え置いていることから、今後の進捗が注目されます。

11. 総評

AGSは、金融・公共・一般法人向けの安定した情報サービス事業を基盤としつつ、DXやクラウド、セキュリティといった成長分野でのソフトウェア開発を強化することで、売上高・利益ともに着実に成長を続けている企業です。財務基盤は非常に健全で、自己資本比率も高く、潤沢なキャッシュフローを確保しています。株価評価の面では、PER・PBRともに業界平均を下回っており、割安感が見られます。株主還元にも積極的で、安定的な配当と増配の余地も考えられます。直近の株価は一時的な調整局面にあるものの、中期的な成長性と安定した財務状況は評価できるポイントです。

12. 企業スコア

  • 成長性:A

    LTM売上成長率は約23.57%、直近四半期売上成長率は25.90%と、非常に高い成長率を示しています。3年CAGRは5.56%ですが、直近および通期予想では成長が加速しており、高く評価できます。
    * 収益性:A

    LTM営業利益率は9.42%(企業財務指標11.28%)、LTM純利益率は7.23%と、情報サービス業界としては比較的良好な水準です。ROEも13.41%と高く、資本効率性も優れています。
    * 財務健全性:S

    自己資本比率は71.1%、流動比率は2.58、D/Eレシオは0.09倍と、全ての指標で極めて健全な財務状況を示しており、非常に高い評価に値します。
    * 株価バリュエーション:A

    PER(13.06倍)は業界平均(17.6倍)を、PBR(1.43倍)は業界平均(1.6倍)を下回っており、現在の株価は業界平均と比較して割安であると評価できます。


企業情報

銘柄コード 3648
企業名 AGS
URL http://www.ags.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

現在の指標

株価 1,320円
EPS(1株利益) 101.07円
年間配当 2.42円

予測の前提条件

予想EPS成長率 3.0%
5年後の想定PER 13.1倍

5年後の予測値

予想EPS 117.17円
理論株価 1,530円
累計配当 13円
トータル価値 1,543円

現在価格での試算リターン

試算年率リターン(CAGR) 3.18% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 767円 384円 × 算出価格を上回る
12% 876円 438円 × 算出価格を上回る
10% 958円 479円 × 算出価格を上回る

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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