以下に新日本理化(4406)に関する企業分析レポートを提供します。

1. 企業情報

新日本理化は、1919年設立のオレオケミカル(油脂化学製品)総合メーカーです。主な事業内容は、水素添加油、脂肪酸、エステル、グリセリン、界面活性剤などのオレオケミカル製品に加え、可塑剤、機能性樹脂原料・添加剤、医薬中間体、電子材料向け製品、潤滑剤などを製造・販売しています。特に、アルコール製造および水素添加技術に強みを持っています。連結事業セグメントは化学製品が100%を占め、売上の約15%を海外で上げています。

2. 業界のポジションと市場シェア

同社はオレオケミカル分野において、水素添加技術を強みとする総合メーカーとして一定の技術的優位性を持っています。しかし、市場環境としては、主要原料である油脂類の価格高止まりが継続しており、また安価なアジア製品との価格競争に直面しています。特に汎用可塑剤やトイレタリー向け界面活性剤の一部では安価な海外品流入により、数量・売上高が減少する傾向が見られます。一方で、自動車向け製品や一部の工業用天然高級アルコールでは需要回復や価格転嫁による売上増も見られます。具体的な市場シェアに関するデータは提供されていませんが、こうした市場の競争状況の中で独自技術を活かした高付加価値製品へのシフトが課題となり得ます。

3. 経営戦略と重点分野

同社は現在、5か年の中期経営計画(2021年度〜2025年度が最終年度)を推進中です。この計画に基づき、「モノづくり力向上」と「事業ポートフォリオの組換え」を重点分野として掲げています。具体的には、在庫・品質管理の徹底を図り、基盤事業における適正価格の維持に努めつつ、成長が見込まれる分野への資源集中を進めています。直近の決算短信では営業利益の改善が見られ、計画に沿った取り組みが進捗していることが示唆されます。

4. 事業モデルの持続可能性

新日本理化の事業モデルは、油脂を主原料とするオレオケミカルを基盤としており、天然資源の活用という点で一定の持続可能性を有しています。機能性樹脂原料や医薬中間体など、特定の市場ニーズに対応する高付加価値製品も手掛けています。しかし、収益モデルは化学製品に特化しており、原材料価格の変動や海外競合による価格圧力は継続的なリスク要因です。市場ニーズの変化への適応に関しては、自動車向け製品の需要回復への対応などが見られる一方で、中国経済の低迷や欧州市場の鈍化による影響も受けており、今後のポートフォリオ戦略が重要となります。

5. 技術革新と主力製品

同社は「水素添加技術」に強みを持つとされています。この技術は、油脂の改質や高機能化に不可欠であり、幅広い製品群に応用されています。
主な主力製品群は以下の通りです。
* オレオケミカル製品: 水素添加油、脂肪酸、エステル、グリセリン、アルコール、非イオンおよびアニオン界面活性剤、アミノ酸系および両性界面活性剤。
* 可塑剤: フタル酸系、非フタル酸系、特殊可塑剤。
* プラスチック・コーティング材料: 清澄剤・核剤、エポキシ樹脂硬化剤、エポキシ樹脂、樹脂原料、メタクリレート、帯電防止剤。
* 潤滑剤: 蒸発抵抗性・低粘度潤滑剤、ジカルボン酸エステル、芳香族潤滑剤。

直近の決算では、トイレタリー向け界面活性剤やポリオレフィン樹脂成形物向け添加剤、汎用可塑剤などで需要減や価格競争が見られましたが、特定地域での自動車向け製品や工業用天然高級アルコールは堅調な動きを示しています。

6. 株価の評価

現在の株価209.0円に対し、会社予想EPSは14.75円、実績BPSは500.74円です。
* PER(会社予想): 14.17倍 (業界平均PER: 15.9倍)
* PBR(実績): 0.42倍 (業界平均PBR: 0.7倍)

業界平均PERを基に計算すると、理論株価は約234.8円(14.75円 × 15.9倍)となります。
業界平均PBRを基に計算すると、理論株価は約350.5円(500.74円 × 0.7倍)となります。
現在の株価209.0円は、業界平均PERおよびPBRと比較して割安な水準にあります。

7. テクニカル分析

現在の株価は209.0円です。
年初来高値は245円、年初来安値は157円であり、現在の株価は安値圏に近い水準にあります。
直近10日間の株価推移を見ると、11月10日の226円から11月21日の209円へと下降傾向にあります。
50日移動平均線(222.88円)と200日移動平均線(207.66円)と比較すると、現在の株価は50日移動平均線を下回り、200日移動平均線をわずかに上回っています。直近のモメンタムは下降トレンドを示しています。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:

    • 過去12か月: 32,703百万円
    • 2025年3月期(予想): 32,703百万円
    • 2024年3月期: 32,863百万円
    • 2023年3月期: 33,105百万円
    • 2022年3月期: 32,358百万円

    売上高は過去数年間320億円〜330億円台で推移しており、ほぼ横ばいの傾向が見られます。直近四半期の前年比成長率は-3.10%でした。
    * 利益:
    * 営業利益(過去12か月): 829百万円
    * 2024年3月期: 362百万円
    * 2023年3月期: -439百万円(営業赤字)
    * 2022年3月期: 1,202百万円

    損益は変動が大きく、2023年3月期は営業赤字に転落しましたが、2024年3月期および過去12か月では営業利益は改善傾向にあります。純利益も同様に回復しています。
    * 収益性指標:
    * 売上総利益率(過去12か月): 約16.7%
    * 営業利益率(過去12か月): 約0.72% (直近中間期は2.16%に改善)
    * ROE(実績): 2.98% (過去12か月は2.60%)
    * ROA(過去12か月): 1.41%

    利益率は相対的に低い水準にありますが、直近の中間期では営業利益率が改善傾向にあります。ROEも低水準です。
    * キャッシュフロー:
    * 営業活動によるCF(過去12か月): +1,620百万円
    * 営業活動によるCF(中間期): +1,227百万円 (前年同期のマイナスから大幅改善、主に売上債権の減少による)
    * 投資活動によるCF(中間期): -76百万円 (前年同期より投資支出は減少)
    * 財務活動によるCF(中間期): +926百万円 (主に長期借入れによる資金調達)

    営業キャッシュフローがプラスに転じ、改善が見られます。期末時の現金及び現金同等物は増加しています。
    * 財務健全性:
    * 自己資本比率(実績): 47.4% (中間期は47.5%)
    * 流動比率(直近四半期): 2.30 (230%)
    * D/Eレシオ(直近四半期): 41.44%

    自己資本比率、流動比率、D/Eレシオともに健全な水準を維持しており、財務基盤は安定していると評価できます。

    9. 株主還元と配当方針

    会社予想の配当利回りは1.91%、1株配当は4.00円です。配当性向は28.57%と比較的健全な水準にあります。直近の中間配当はゼロでしたが、期末配当で4.00円を予定しており、配当予想の修正はありません。自社株買いに関する情報は提供されていません。

    10. 株価モメンタムと投資家関心

    直近の株価は、ここ10日で226円から209円へと下落基調にあり、下降モメンタムが見られます。本日の出来高は71,800株で、過去10日平均139.15k株を下回っています。信用倍率は12.62倍と信用買い残が多く、売り圧力が潜在的に存在する可能性があります。5年間の月次ベータ値は0.40であり、市場全体と比較して株価の変動が穏やかであることを示しています。投資家の関心は直近の株価下降トレンドにより、やや冷え込んでいる可能性があります。

    11. 総評

    新日本理化は、オレオケミカルを基盤とし、水素添加技術に強みを持つ化学品メーカーです。売上高は近年横ばい傾向にありますが、2023年度の営業赤字から回復基調に転じ、直近の収益性は改善の兆しを見せています。ただし、全体的な利益率はまだ低い水準にあります。財務健全性は自己資本比率や流動比率が高く、安定しており評価できます。株価は業界平均と比較してPER、PBRともに割安感があります。中期経営計画では事業ポートフォリオの最適化や成長分野への資源集中を目標としていますが、原材料価格の高騰や海外勢との競争激化といった外部環境の変化に適応していくことが引き続き重要です。株価は直近で下降トレンドにあり、投資家の関心は落ち着いている状態です。

    12. 企業スコア

    • 成長性: C
    • LTM売上成長率(YoY)は約-0.49%、直近四半期売上成長率も-3.10%であり、売上は横ばいから微減傾向にあるため。
    • 収益性: C
    • 粗利率約16.7%、営業利益率約0.72%(過去12か月実績)と低水準であり、ROEも2.60%と低い。直近中間期には改善傾向が見られるものの、全体的な収益性は低いと評価。
    • 財務健全性: S
    • 自己資本比率47.4%、流動比率2.30、D/Eレシオ41.44%と主要な財務健全性指標がいずれも健全な水準にあるため。
    • 株価バリュエーション: S
    • PER(予想)14.17倍は業界平均15.9倍より割安、PBR(実績)0.42倍も業界平均0.7倍より割安な水準にあるため。

企業情報

銘柄コード 4406
企業名 新日本理化
URL http://www.nj-chem.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 素材・化学 – 化学

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

現在の指標

株価 209円
EPS(1株利益) 14.75円
年間配当 1.91円

予測の前提条件

予想EPS成長率 3.0%
5年後の想定PER 14.2倍

5年後の予測値

予想EPS 17.10円
理論株価 242円
累計配当 10円
トータル価値 253円

現在価格での試算リターン

試算年率リターン(CAGR) 3.87% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 126円 63円 × 算出価格を上回る
12% 143円 72円 × 算出価格を上回る
10% 157円 78円 × 算出価格を上回る

関連情報

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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