1. 企業情報
株式会社マツオカコーポレーションは、1956年に設立された総合アパレルメーカーです。主にOEM(相手先ブランドによる生産)形態でアパレル製品の企画、製造、販売を手掛けています。フォーマルウェア、カジュアルウェア、スポーツウェア、ユニフォームなど幅広い製品を取り扱っています。
* 主力製品・サービスの特徴:
* アパレルOEM業界の最大手の一角を占め、高い技術力に強みを持っています。
* 生産拠点を中国、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナムといった東南アジアに展開し、コスト競争力と供給能力を確保しています。
* 日本国内だけでなく、欧米系のSPA(製造小売業)顧客開拓にも注力しており、グローバルな事業展開を進めています。
* 生地の開発、生産、加工も手掛け、アパレル製品の川上から川下まで一貫したサービスを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性や課題: アパレルOEM業界において「最大手」とされており、その規模と長年培ってきた技術力、および国内と複数の海外生産拠点を活用したグローバルな生産体制が競争優位性と考えられます。これにより、顧客であるアパレルブランドに対して安定した品質と供給能力を提供できる点が強みです。一方、アパレル業界はトレンドの変化が速く、サプライチェーンの効率化や環境への配慮(サステナビリティ)が求められる点、また海外生産における地政学リスクや為替変動リスクが課題となります。
- 市場動向と企業の対応状況: アパレル業界全体でSCM(サプライチェーンマネジメント)の最適化やデジタル化が進む中、同社は海外生産拠点の多角化と欧米系SPAの開拓を通じて、顧客層の拡大とリスク分散を図っています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略: 提供された情報からは具体的なビジョンや戦略は読み取れませんが、アパレルOEM最大手として、グローバルな生産体制と技術力を基盤に、顧客ニーズに応じた品質と供給体制を維持・強化していくことが基本的な戦略と推察されます。
- 中期経営計画の具体的な施策や重点分野: データなし
- 新製品・新サービスの展開状況: 決算短信の訂正内容からは新製品・新サービスに関する情報は読み取れません。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力: 同社の収益モデルはアパレル製品のOEM生産です。海外に多数の生産拠点を持ち、欧米系SPA顧客を開拓していることから、事業の多角化と地理的リスク分散を図っています。これにより、特定の市場や顧客に依存するリスクを軽減し、変化するアパレル市場のニーズへの適応力を高めようとしていると考えられます。
- 売上計上時期の偏りとその影響: データなし
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性: 「技術力に強み」という記述がありますが、具体的な技術開発の動向や独自性に関する詳細なデータは提供されていません。アパレル製品の企画から製造まで一貫して手掛ける中で、生産効率向上や品質管理に関する独自のノウハウを有していると推察されます。
- 収益を牽引している製品やサービス: 特定の製品に限定されず、フォーマル、カジュアル、スポーツ、ユニフォームなど多岐にわたるアパレル製品のOEM事業全体が収益を牽引しています。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較:
- 現在の株価: 2,284.0円
- EPS(会社予想): 287.38円
- PER(会社予想): 2,284.0円 ÷ 287.38円 = 7.95倍 (提供データと一致)
- BPS(実績): 3,354.61円
- PBR(実績): 2,284.0円 ÷ 3,354.61円 = 0.68倍 (提供データと一致)
- 業界平均PER/PBRとの比較:
- 同社のPER(7.95倍)は業界平均PER(12.6倍)と比較して割安です。
- 同社のPBR(0.68倍)は業界平均PBR(0.5倍)と比較してやや割高、または同水準です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か:
- 本日高値: 2,313円、本日安値: 2,281円。現在の株価2,284円は本日の安値圏に位置しています。
- 直近10日間の株価は2,200円台後半~2,300円台前半で推移しており、やや方向感に欠ける動きですが、全体としては堅調な推移が見られます。
- 年初来高値・安値との位置関係:
- 年初来高値: 2,370円
- 年初来安値: 1,370円
- 現在の株価2,284円は年初来高値にかなり近く、高値圏に位置していると言えます。年初来安値からは大幅に上昇しています。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度:
- 出来高: 21,800株
- 売買代金: 50,037千円
- 3ヶ月平均出来高(43.26k株)および10日平均出来高(39.51k株)と比較すると、本日の出来高は平均を下回っており、市場の関心度はやや低下している可能性があります。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価:
- 売上高 (Total Revenue): 51,056百万円(2022) → 62,778百万円(2023) → 60,176百万円(2024) → 70,579百万円(2025予) → 70,170百万円(過去12ヶ月)。2023年に大きく伸長した後、2024年に一時的に減少しましたが、2025年予想と過去12ヶ月では回復・成長基調にあります。
- 営業利益 (Operating Income): 181百万円(2022) → 68百万円(2023) → 793百万円(2024) → 434百万円(2025予) → 1,357百万円(過去12ヶ月)。年度によって変動がありますが、過去12ヶ月では大幅な改善が見られます。
- 純利益 (Net Income Common Stockholders): 559百万円(2022) → 1,676百万円(2023) → 2,457百万円(2024) → 2,600百万円(2025予) → 2,772百万円(過去12ヶ月)。堅調な増加傾向が続いており、利益成長が評価できます。
- ROE(実績): (連結)7.34%(過去12か月: 7.05%)
- ROA(実績): (過去12か月)1.19%
- 過去数年分の傾向を比較: 売上は概ね成長傾向、利益は特に純利益が安定的に増加しています。営業利益は変動が大きいものの、過去12ヶ月では顕著な改善が見られます。ROEは7%台で推移。ROAは1%台と低めです。
- 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較):
- Quarterly Revenue Growth (前年比): -10.90%
- Quarterly Earnings Growth (前年比): 229.50%
- 直近四半期の売上は前年同期比で減速しているものの、利益は大幅に増加しており、収益性改善の兆候が見られます。提供されたデータでは通期予想との詳細な進捗比較はできませんが、過去12ヶ月の純利益が通期予想を上回っていることから、順調な推移が期待されます。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価:
- 自己資本比率(実績): (連結)51.8%。50%を超えており、財務基盤は非常に安定していると評価できます。
- 流動比率(直近四半期): 2.02倍。2倍を超えており、短期的な支払い能力に問題はないと評価できます。
- 負債比率(Total Debt/Equity, 直近四半期): 42.53%。自己資本に対する負債の割合が低く、財務健全性が高いことを示しています。
- 財務安全性と資金繰りの状況: 自己資本比率が高く、流動比率も健全であることから、財務安全性は非常に高いと言えます。現金(Total Cash: 18.34B)が負債(Total Debt: 16.23B)を上回っており、資金繰りにも余裕があると見込まれます。
- 借入金の動向と金利負担: 提供データからは借入金の詳細な動向や金利負担の内訳は不明ですが、Net Interest Incomeはマイナスであり、借入金に対する利息支払いが利息収入を上回っている状況です。ただし、Total Debt/Equityが低いことから、金利負担が経営を大きく圧迫する状況ではないと考えられます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価:
- ROE(過去12か月): 7.05%。
- ROA(過去12か月): 1.19%。
- Profit Margin (過去12か月): 3.95%。
- Operating Margin (過去12か月): 4.29%。
- 売上総利益についてはGross Profit(過去12か月)が7,551百万円、Total Revenueが70,170百万円であり、粗利率は約10.76%と計算されます。
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較:
- ROE (7.05%) はベンチマークの10%を下回っていますが、過去の推移を見ると改善傾向にあります。
- ROA (1.19%) はベンチマークの5%を大きく下回っており、「低い」と評価されます。これは大きな資産規模に対して利益貢献が相対的に小さいことを示唆します。
- 収益性の推移と改善余地: 純利益は着実に増加しているものの、ROAの低さは改善余地があることを示しています。資産効率の向上、特に売上高に対する利益率のさらなる改善が課題となるでしょう。Operating Incomeが変動しやすい傾向にあるため、安定的な収益確保も重要です。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価: ベータ値(5Y Monthly)は0.42です。これは市場全体の値動きに対して株価が約42%の感応度を持つことを意味します。市場全体が変動しても株価のブレが小さい、比較的安定した銘柄であると言えます。
- 52週高値・安値のレンジと現在位置: 52週高値は2,370.00円、52週安値は1,370.00円です。現在の株価2,284.0円は、52週高値に近い位置(高値圏)にあり、上昇トレンドが続いていることを示しています。
- 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等): 決算短信の訂正からはリスク要因に関する具体的な記述は読み取れません。一般的にアパレルOEM事業におけるリスクとしては、消費動向の変動、海外生産における為替変動リスク、人件費の高騰、サプライチェーンの混乱、地政学リスク(貿易摩擦、政情不安など)、原材料価格の変動などが考えられます。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較:
- PER(会社予想): 7.95倍
- 業界平均PER: 12.6倍
- PBR(実績): 0.68倍
- 業界平均PBR: 0.5倍
- PERで見ると同社は業界平均よりも割安ですが、PBRで見ると業界平均よりやや割高です。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用):
- 目標株価(業種平均PER基準): 3,048円
- 目標株価(業種平均PBR基準): 1,678円
- 割安・割高の総合判断: 会社予想PER基準では割安感がありますが、実績PBR基準ではやや割高となります。これは資産効率の低さ(ROAの低さ)がPBRに反映されている可能性があります。利益成長を考慮するとPERの割安感は魅力ですが、PBRが業界平均を上回っている点には注意が必要です。総合的に見ると、成長性・収益性改善期待から一定の評価がされている状況と言えるでしょう。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス):
- 信用買残: 589,100株
- 信用売残: 1,200株
- 信用倍率: 490.92倍
- 信用買残が信用売残を大幅に上回っており、信用倍率も非常に高い水準です。これは株価上昇を期待して買い建てが増えていることを示唆しますが、一方で将来的な売り圧力となる可能性を秘めており、需給はアンバランスな状態にあると言えます。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況):
- 発行済株式数: 10,556,600株
- Insiders Held (内部関係者保有率): 40.00%
- 大株主リストには、筆頭株主の合同会社マツオカカンパニーや代表者の松岡典之氏が上位に位置しており、経営陣による安定的な株式保有が見られます。倉敷紡績や日本生命保険などの事業法人や金融機関も上位株主として名を連ねており、安定株主の存在が伺えます。
- 大株主の動向: 提供された情報からは大株主の具体的な売買動向は不明です。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析:
- 配当利回り(会社予想): 3.94% (現在の株価 2,284円に基づく)
- 1株配当(会社予想): 90.00円
- 配当性向(Payout Ratio): 37.22%
- 配当利回りは約4%と高水準で、株主への還元意欲が高いことが伺えます。配当性向も37%台であり、業績の安定成長と共に持続可能な配当が期待できる水準です。
- 自社株買いなどの株主還元策: データなし
- 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策: データなし
- 今後のイベント: 配当支払開始予定日の訂正(2025年6月28日から2025年6月30日へ変更)がありました。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析: 「2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」の一部訂正について、という適時開示がありました。内容は配当支払開始予定日の訂正であり、経営成績や財政状態に直接的な影響を与えるものではありません。
- これらが業績に与える影響の評価: 配当支払日の軽微な変更であり、業績への影響は軽微です。大型受注、新製品発表、拠点展開といった、直近で業績に大きく影響を与えるような具体的なIR情報は、提供されたデータからは読み取れませんでした。
16. 総評
マツオカコーポレーションは、アパレルOEM業界の最大手として、確かな技術力とグローバルな生産体制を強みとしています。海外拠点での生産拡大や欧米系SPA開拓により、事業の持続可能性を高めています。
強み (Strengths)
- アパレルOEM業界における確固たる地位(最大手)。
- 中国・東南アジアに広がる多角的な生産拠点によるコスト競争力と供給能力。
- 培われた技術力と幅広い製品対応力。
- 非常に高い財務健全性(自己資本比率51.8%、流動比率2.02倍、Total CashがTotal Debtを上回る)。
- 安定した利益成長と高水準の配当利回り(3.94%)。
- 市場変動に比較的強い低いベータ値(0.42)。
弱み (Weaknesses)
- ROAがベンチマーク(5%)を大きく下回る1.19%であり、資産効率の改善余地が大きい。
- 営業利益が年度によって変動が大きい点。
- 信用買い残が非常に高く、短期的な需給バランスに偏りがある。
機会 (Opportunities)
- 欧米系SPA顧客の開拓によるさらなるグローバル展開と顧客基盤の多様化。
- アパレル業界におけるサプライチェーンの見直しやサステナビリティへの意識の高まりに対応するビジネスモデルの進化。
- 安定的な財務基盤を活かしたM&Aや設備投資による事業拡大。
脅威 (Threats)
- 世界経済の景気後退や消費マインドの冷え込みによるアパレル需要の減少。
- 海外生産拠点における地政学リスク、人件費高騰、為替変動リスク。
- 競合他社との価格競争激化。
- 環境規制強化などによる生産コストの増加。
同社は安定した財務基盤と堅実な利益成長、そして魅力的な配当利回りを有しており、バリュー株としての魅力があると考えられます。現在の株価はPER基準では割安感がありますが、PBR基準ではやや割高であり、年初来高値圏で推移しています。信用買残の高さは短期的な上値抑制要因となる可能性もありますが、経営陣による安定的な株式保有と高い配当は、長期的な視点での投資妙味となり得ます。ROAの改善に向けた取り組みが今後の株価上昇のドライバーとなるか注目されます。
17. 企業スコア
- 成長性: B
- 売上高は長期的に成長傾向にあり、過去12ヶ月の純利益は堅調に増加しています。Quarterly Earnings Growthは非常に高いものの、Quarterly Revenue Growthがマイナスに転じている点は注意が必要です。新製品展開に関する明確な情報が少ないため、Bとしました。
- 収益性: C
- ROEは7.05%とベンチマーク10%を下回り、ROAは1.19%とベンチマーク5%を大きく下回っています。利益率は3-4%台であり、アパレルOEMの事業特性上、高い粗利率は期待しにくいですが、資産効率の改善が課題です。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率51.8%は非常に高く、流動比率2.02倍、Total Debt/Equity比率42.53%と、どの指標を見ても極めて健全な財務状況です。現金保有額も負債を上回っており、財務基盤は盤石です。
- 株価バリュエーション: B
- PER(7.95倍)は業界平均(12.6倍)と比較して割安です。しかしPBR(0.68倍)は業界平均(0.5倍)を上回っており、総合的に見ると中立(B)と評価します。成長期待や配当利回りを考慮すると、市場は一定の評価をしていると考えられます。
企業情報
| 銘柄コード | 3611 |
| 企業名 | マツオカコーポレーション |
| URL | http://www.matuoka.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 繊維製品 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
現在の指標
| 株価 | 2,284円 |
| EPS(1株利益) | 287.38円 |
| 年間配当 | 3.94円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 3.0% |
| 5年後の想定PER | 8.0倍 |
5年後の予測値
| 予想EPS | 333.15円 |
| 理論株価 | 2,649円 |
| 累計配当 | 22円 |
| トータル価値 | 2,670円 |
現在価格での試算リターン
| 試算年率リターン(CAGR) | 3.17% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 1,328円 | 664円 | × 算出価格を上回る |
| 12% | 1,515円 | 758円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 1,658円 | 829円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.4)」によって自動生成されました。
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