2613 J-オイルミルズ 分析レポート(プライム・食料品)

本資料は情報提供を目的とした企業分析であり、投資勧誘・投資助言ではありません。数値は提示データに基づき、事実の範囲で整理しています。矛盾・更新差異がある場合は最新の開示での確認を推奨します。

1. 企業情報

  • 概要
    • 食用油大手。ホーネン・味の素製油・吉原製油の統合で発足。業務用で高シェア(約4割)。アジア市場の深耕に注力。
    • 主力は油脂事業(売上構成91%)、ほかスペシャリティフード(9%)、その他(0%)(2025.3期)。
  • 事業内容
    • 植物油脂・油かす・でんぷん・飼料・肥料・各種食品の製造販売、農産物の開発・加工・販売、食品製造設備販売、不動産賃貸等。
  • 主力製品・サービス
    • 食用油(家庭用・業務用)、マーガリン、ショートニング、オイルシードミール(油粕)、たん白素材、粉末油脂、PBF(乳系プラントベースフード)など。
  • 基本データ
    • 本社:東京都中央区明石町8-1/設立:2002年4月1日
    • 従業員:1,249人、平均年齢44.8歳、平均年収820万円
    • 代表者:春山 裕一郎

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション
    • 国内食用油の大手、業務用で高シェア(約4割)。安定需要の一方、原料(油糧種子)・エネルギー価格、為替の影響を強く受けるコモディティ性が高い。
  • 競争優位性と課題
    • 優位性:業務用顧客基盤、高付加価値品(粉末油脂等)の拡販力、原材料調達と価格適正化の運用力。
    • 課題:販売単価の下落局面・円安・エネルギー高止まり時の利益率圧迫。家庭用数量減も一部で課題。
  • 市場動向と対応
    • 市場:国内は緩やかな回復、物価高で先行き不透明。海外(アジア)深耕を推進。
    • 同社対応:油脂汎用品の価格適正化、高付加価値品の拡販、研究開発拠点の統合による開発力強化。

3. 経営戦略と重点分野

  • ビジョン・戦略(短信抜粋)
    • 油脂事業の収益力維持・改善と高付加価値ポートフォリオの拡大。アジア市場の深耕。R&D拠点統合による開発力・供給力の強化。
  • 中期経営計画
    • データなし(短信に具体的な進捗・数値目標の記載なし)。
  • 新製品・新サービス
    • 粉末油脂は売上増。乳系PBFは減少。研究開発設備の整備を進行。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • 安定需要の油脂に加え、付加価値製品でミックス改善。原料・為替連動の価格転嫁スピードが利益率左右。
  • 市場ニーズ変化への適応
    • 価格適正化・高付加価値拡販・アジア展開で対応。R&D基盤強化は差別化に資する可能性。
  • 売上計上時期の偏り
    • データなし。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向
    • 研究開発拠点の移転統合・設備投資を実施(短信)。粉末油脂など機能性・加工適性製品の強化。
  • 収益牽引
    • 油脂事業が利益を牽引(2025.3期 セグ利益:油脂8243百万円+18.6%増)。スペシャリティフードは規模小。

6. 株価の評価(バリュエーション)

  • 現在株価:2,007円
  • 指標比較
    • PER(会社予想):16.20倍(予想EPS 123.89円ベース)
    • PER(TTM概算):約12.8倍(TTM EPS 156.64円)
    • PBR:0.62倍(BPS 3,236.97円)
    • 業界平均:PER 19.5倍、PBR 1.3倍
  • コメント
    • PER・PBRとも業界平均を下回る水準。
    • 短信の会社予想EPS(2026.3期)211.62円と、市場データの予想EPS 123.89円に差異あり(要最新開示確認)。

7. テクニカル分析

  • トレンド
    • 直近終値:2,007円。50日移動平均 2,033円、200日 2,023円のいずれも下回り、やや弱含み。
  • 年初来レンジ
    • 高値 2,177円(-7.8%)、安値 1,830円(+9.7%)に対し中間帯。
  • 出来高・関心度
    • 当日出来高 48.6千株、売買代金 約0.98億円。3カ月平均48.8千株・10日平均49.0千株に近く、関心は平常並み。
  • ベータ
    • 5年β -0.01(市場感応度は極めて低い)。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益(連結)
    • 2025.3期 売上 230,783百万円(-5.5%)、営業利益 8,572百万円(+18.3%)、経常 10,031百万円(+10.9%)、純利益 6,996百万円(+3.0%)。
    • 粗利率 改善(2025.3期 約16.5%→前期14.5%)。
    • 営業利益率 3.7%(短信)/LTM 2.7%(直近はやや縮小)。
  • 推移(売上高)
    • 2022: 201,551 → 2023: 260,410 → 2024: 244,319 → 2025: 230,783(数量・単価調整で縮小傾向)。
  • キャッシュフロー
    • 2025.3期 営業CF 18,294百万円。LTM 営業CF 95.8億円、フリーCF 37.9億円と正。
  • ROE/ROA
    • 実績ROE 6.75%、LTM ROE 4.95%、LTM ROA 2.09%。
  • 四半期進捗
    • データなし(通期予想に対する累計進捗の記載なし)。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率:62.2%(良好)
  • 流動比率:2.81倍(良好)
  • D/E・有利子負債
    • 総借入金 236.8億円、D/E 約22%(控えめ)。
    • 金利負担:支払利息 11.1億円、営業利益に対する負担は小さい(利払い余裕大)。
  • 資金繰り
    • 営業CF安定、投資CF・財務CFの範囲内で維持。

10. 収益性分析

  • 利益率
    • 営業利益率 3.7%(2025.3期)/LTM 2.7%。
    • 純利益率 LTM 2.29%。
  • ベンチマーク比較
    • ROE 4.95%(目安10%未満)、ROA 2.09%(目安5%未満)→水準は控えめ。
  • 推移と改善余地
    • 2023.3期は低収益(営業利益0.7十億)から改善。直近LTMはやや低下しており、原材料・価格環境次第で変動余地。

11. 市場リスク評価

  • β:-0.01(市場連動性は極小)
  • 52週レンジ:1,830~2,219円、現値2,007円(レンジ中位)
  • 価格変動指標
    • 年間ボラティリティ 18.25%、最大DD -17.69%、シャープレシオ 0.06、年間平均リターン 1.68%。
  • リスク要因(短信)
    • 為替急変、原材料・エネルギー価格の高止まり、国際情勢の不透明感。

12. バリュエーション分析

  • 業界平均倍率との比較
    • PER:同社 16.20倍(予想)/ 約12.8倍(TTM) vs 業界 19.5倍 → 低位。
    • PBR:0.62倍 vs 業界 1.3倍 → 低位。
  • 業界平均倍率を適用した目標株価(単純適用)
    • PER基準(TTM EPS 156.64円 × 19.5倍):約3,054円
    • PBR基準(BPS 3,236.97円 × 1.3倍):約4,208円
    • 注:短信予想EPS(211.62円)と市場予想(123.89円)に差異あり。レンジ評価はTTM・BPSベース。
  • 総合判断
    • 指標上はディスカウントが観測されるが、収益性水準・業績見通しの確認が前提。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引
    • 信用買残 2.85万株(+100)、信用売残 3.10万株(+10,800)、信用倍率 0.92倍。
    • 需給:売り越し気味でやや上値が重い構図。
  • 株主構成
    • インサイダー比率 43.94%、機関保有 9.64%。
    • 主要株主:味の素 27.02%、三井物産 12.46%、信託銀行等の安定株主が多い。
    • 自己株式 0.51%。
  • 大株主の動向
    • データは保有比率のみ。売買動向の記載はなし。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当
    • 会社予想 年間70円、配当利回り 約3.49%(現株価ベース)。
    • 配当性向 41.5%(LTMベース)。
    • 5年平均利回り 2.60% > 現状は高め。
    • 2025.3期:中間30円・期末40円(記念配当10円含む)。2026.3期予想:年間70円(35円+35円)。
  • 自社株買い・ストックオプション
    • データなし。

15. 最近のトピックスと材料

  • 研究開発拠点の移転統合およびR&D設備建設(短信)
    • 供給力・開発力の底上げによる中長期の差別化に資する可能性。
  • セグメント動向
    • 油脂:家庭用は数量減、業務用は数量堅調も単価下落。セグ利益は増益。
    • スペシャリティフード:乳系PBFは減、粉末油脂は増。

16. 総評

  • まとめ
    • 安定需要の油脂大手で業務用の強固なポジションを持つ。2025.3期はコスト環境下でも価格適正化・高付加価値拡販で増益確保。財務基盤は強固(自己資本比率62%・流動比率2.8倍)。
    • 一方、収益性指標(ROE/ROA、LTMの営業利益率)は業界・一般ベンチマークに比べ控えめ。直近期はマージンがやや軟化。
    • バリュエーションはPER・PBRとも業界平均を下回る。配当利回りは平均より高め。予想EPSのデータ差異があるため、最新の会社計画・修正有無の確認が必要。
    • 原材料・為替環境の推移と価格転嫁の実効性
    • 高付加価値領域(粉末油脂、PBF等)の成長度合い
    • アジア展開の収益寄与と為替リスク管理
    • 研究開発拠点統合の成果(新製品/収益性改善への寄与)
    • 予想EPSの情報整合性(短信 vs 市場予想)の確認
  • SWOT
    • 強み:業務用高シェア、安定需要、価格適正化運用、強固な財務。
    • 弱み:コモディティ性による利益率の変動、ROE/ROAの低位。
    • 機会:アジア深耕、高付加価値製品拡販、R&D強化。
    • 脅威:為替・原材料・エネルギー高止まり、景気不透明。

17. 企業スコア(S/A/B/C/D)

  • 成長性:B
    • 売上は2025.3期減収だが増益。会社見通しは増収計画(+4%)。新製品は一部伸長(粉末油脂)。
  • 収益性:C
    • 営業利益率・ROE/ROAが一般ベンチマークを下回る。LTMでマージンやや低下。
  • 財務健全性:A
    • 自己資本比率62.2%、流動比率2.81、D/E約22%、利払い負担小。
  • 株価バリュエーション:A
    • PER・PBRとも業界平均以下、指標面では割安感。

【株価・市場データ抜粋】
– 株価 2,007円/時価総額 672.5億円/単元 100株/最低購入代金 約20.1万円
– 年初来高値 2,177/年初来安値 1,830/出来高 48.6千株、売買代金 0.98億円
– 配当予想 70円(利回り約3.49%)/権利落ち予定 2026/3/30
– 信用倍率 0.92倍(売り越し傾向)
– Piotroski F-Score:2/9(やや懸念シグナル)

注:EPSの数値は開示(211.62円)と市場データ(123.89円)で乖離があるため、直近の会社計画・修正開示での確認が必要です。


企業情報

銘柄コード 2613
企業名 J-オイルミルズ
URL http://www.j-oil.com/
市場区分 プライム市場
業種 食品 – 食料品

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

現在の指標

株価 2,007円
EPS(1株利益) 123.89円
年間配当 3.49円

予測の前提条件

予想EPS成長率 5.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

予想EPS 158.12円
理論株価 2,372円
累計配当 20円
トータル価値 2,392円

現在価格での試算リターン

試算年率リターン(CAGR) 3.57% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 1,189円 595円 × 算出価格を上回る
12% 1,357円 679円 × 算出価格を上回る
10% 1,485円 743円 × 算出価格を上回る

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.3)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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