クレスコ(4674)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
本レポートでは、東京証券取引所プライム市場に上場するクレスコ(4674)について、ご提供いただいた情報を基に多角的な分析を行います。投資判断の一助としてご活用ください。
1. 企業情報
クレスコは独立系のソフトウェア開発受託企業であり、情報システムに関するコンサルティングから設計、開発、運用、保守までの一貫したITサービスを提供しています。
* 事業内容のわかりやすい説明
企業や官公庁向けに、ITシステムの企画・開発・運用・保守といった「ITサービス事業」と、クラウド、AI、セキュリティ、UX/UIといった最新技術を活用して顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)実現を支援する「デジタルソリューション事業」を展開しています。
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主力製品・サービスの特徴
ITサービス事業が売上の92%を占める主力事業であり、金融機関向けのシステム開発に強みを持つほか、携帯電話や家電製品などの組み込みソフトウェア開発も手がけています。また、AIシステムやモバイルシステム、アジャイル開発など、幅広い分野に対応しています。デジタルソリューション事業では、クラウド、ロボティクス、AI、データ、セキュリティ、UX/UIといった分野で製品やサービスを提供し、顧客のDX推進をサポートしています。
2. 業界のポジションと市場シェア
独立系ソフトウェア開発会社として、特定のハードウェアメーカーや金融グループに属さず、幅広い顧客に対してITサービスを提供できるのがクレスコの強みです。
* 業界内での競争優位性や課題について独立系であるため、多様な顧客ニーズに対応できる柔軟性が競争優位性と考えられます。特に金融系システム開発や組み込みソフトウェア開発における実績は、安定した需要を確保する上で有利に働くと推測されます。課題としては、IT業界全体での人材確保や技術変化への継続的な対応が挙げられます。
* 市場動向と企業の対応状況ITサービス市場は企業のDX推進ニーズを背景に堅調な成長が続いています。クレスコは「デジタルソリューション事業」を立ち上げ、クラウド、AI、セキュリティといったDX関連技術への投資を強化することで、この市場トレンドに対応しようとしていることがうかがえます。具体的な市場シェアについてはデータがありません。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略
提供された情報からは、具体的な経営陣のビジョンや全社的な戦略の詳細を読み取ることはできません。
* 中期経営計画の具体的な施策や重点分野データなし
* 新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)提供された情報からは具体的な新製品・新サービスの展開状況の詳細は読み取れませんが、デジタルソリューション事業においてクラウド、ロボティクス、AI、データ、セキュリティ、UX/UI等の製品・サービスを提供しているとされています。
4. 事業モデルの持続可能性
クレスコの事業モデルは、ITサービス事業が中心であり、顧客企業のIT投資に支えられています。
* 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力長年の実績を持つITサービス事業を基盤としつつ、デジタルソリューション事業で最新のDXニーズに対応することで、収益モデルの持続可能性を高めていると考えられます。特に、AIやクラウドといった技術を積極的に取り入れている点は、変化する市場ニーズへの適応力を示唆しています。
* 売上計上時期の偏りとその影響データなし
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性
提供された情報からは、具体的な技術開発の動向や独自性の詳細については読み取れませんが、AIシステム、モバイルシステム、アジャイル開発、クラウド、ロボティクス、セキュリティ、UX/UIといった多岐にわたる技術分野に取り組んでいることから、幅広い技術トレンドに対応していることが伺えます。
* 収益を牽引している製品やサービス連結事業の構成から、ITサービス事業が売上の92%を占めており、同事業が収益を牽引する主力であることが明確です。特に、企業向けシステムや金融システム、組み込みソフトウェア開発が中心と考えられます。
6. 株価の評価
現在の株価と各種指標を比較します。
* EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
* 前日終値: 1,510円
* EPS(会社予想): 119.70円
* BPS(実績): 784.18円
* PER(会社予想)= 1,510円 ÷ 119.70円 ≒ 12.61倍
* PBR(実績)= 1,510円 ÷ 784.18円 ≒ 1.92倍
* 業界平均PER/PBRとの比較
* クレスコ PER(会社予想): 12.78倍
* 業界平均PER: 23.2倍
* クレスコ PBR(実績): 1.95倍
* 業界平均PBR: 2.3倍現在の株価は、業界平均と比較してPER、PBRともに割安な水準にあると言えます。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
直近10日間の株価は1,472円から1,539円のレンジで推移しており、本日終値(1,530円)は直近ではやや高値圏にあります。しかし、長期的な年初来高値・安値との比較では異なる見方ができます。
* 年初来高値・安値との位置関係
* 年初来高値: 1,827円
* 年初来安値: 1,005円本日終値1,530円は、年初来高値からは約16%低い水準、年初来安値からは約52%高い水準に位置しています。年初来のレンジで見ると、中間のやや高値寄りの水準にあります。
* 出来高・売買代金から見る市場関心度直近10日間の出来高は4万株~8万株台で推移しており、本日出来高は47,800株、売買代金は73,083千円です。特段非常に活発な取引量とは言えず、市場の関心度は平均的またはやや落ち着いた水準であると考えられます。
8. 財務諸表分析
過去数年間の損益計算書を元に評価します。
* 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
* 売上高 (Total Revenue): 2022年3月期の44,450百万円から、2024年3月期には52,755百万円、直近12か月では61,206百万円と安定的に成長を続けています。2025年3月期の会社予想も58,760百万円と増収基調です。
* 営業利益 (Operating Income): 売上高の増加に伴い、2022年3月期の4,457百万円から直近12か月では6,095百万円と増加傾向にあり、利益成長も伴っています。
* 純利益 (Net Income Common Stockholders): 同様に、2022年3月期の3,236百万円から直近12か月で4,580百万円と着実な利益成長が見られます。
* ROE(実績): (連)15.06%は、一般的に優良とされる10%のベンチマークを大きく上回っており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
* ROA: データが不足しているため評価できません。
* 過去数年分の傾向を比較売上高、営業利益、純利益ともに過去数年間にわたり堅調な成長を続けており、安定した事業運営がうかがえます。
* 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)データなし
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率(実績): (連)71.1% は非常に高い水準であり、財務基盤が極めて堅固であることを示しています。
- 流動比率、負債比率: データが不足しているため評価できません。
- 財務安全性と資金繰りの状況
自己資本比率の高さから、財務安全性は非常に高いと評価できます。外部借り入れへの依存度が低く、安定した経営が可能であると考えられます。
* 借入金の動向と金利負担損益計算書上のInterest Expenseは低水準であり、金利負担は小さいと考えられます。具体的な借入金の動向についてはデータが不足しています。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): (連)15.06%。非常に高い水準で、収益効率が良いことを示します。
- ROA: データなし
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粗利率:
- 2022年3月期: 8,698,737 / 44,450,374 ≒ 19.57%
- 2023年3月期: 9,641,996 / 48,368,324 ≒ 19.93%
- 2024年3月期: 10,337,058 / 52,755,890 ≒ 19.59%
- 直近12か月: 12,216,185 / 61,206,342 ≒ 19.96%
粗利率は20%前後で安定しており、サービス提供におけるコスト管理が適切に行われていることが伺えます。
* 営業利益率:
* 2022年3月期: 4,457,743 / 44,450,374 ≒ 10.03%
* 2023年3月期: 4,998,863 / 48,368,324 ≒ 10.33%
* 2024年3月期: 5,121,784 / 52,755,890 ≒ 9.71%
* 直近12か月: 6,095,730 / 61,206,342 ≒ 9.96%営業利益率も約10%で安定しており、本業で高い収益力を確保していることが分かります。
* 純利益率:
* 2022年3月期: 3,236,640 / 44,450,374 ≒ 7.28%
* 2023年3月期: 3,328,597 / 48,368,324 ≒ 6.88%
* 2024年3月期: 3,728,580 / 52,755,890 ≒ 7.07%
* 直近12か月: 4,580,627 / 61,206,342 ≒ 7.48%純利益率も7%前後で安定しており、最終的な儲けもしっかり残せています。
* 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
ROE 15.06%は、一般的なベンチマークとされる10%を大きく上回っており、非常に優秀な水準です。
* 収益性の推移と改善余地粗利率、営業利益率、純利益率ともに安定した推移を示しており、収益性は高い水準で維持されています。今後デジタルソリューション事業が拡大すれば、より高付加価値なサービスによる利益率改善の可能性も期待されます。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
データなし
* 52週高値・安値のレンジと現在位置年初来高値1,827円、年初来安値1,005円に対し、現在の株価1,530円は中間よりやや高値寄りです。価格変動の大きい銘柄であれば、高値からの下落リスクや安値からの上昇余地を見る上で重要な指標となります。
* 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等)提供された情報に決算短信のリスク要因に関する具体的な記載はありません。ただし、情報通信業であるため、景気変動によるIT投資抑制、技術革新の速さ、人材獲得競争、セキュリティリスクなどが一般的なリスク要因として考えられます。
* その他リスク指標
* 年間ボラティリティ: 35.70% (比較的高いボラティリティを示します)
* シャープレシオ: -0.56 (リスクに見合うリターンが得られていない状態を示唆しますが、特定の期間でのパフォーマンスにより変動します)
* 最大ドローダウン: -49.14% (過去の最大下落率が約半分であったことを示します)
* 年間平均リターン: -19.50% (過去の年間平均リターンがマイナスであったことを示します)これらのリスク指標は、過去のある期間のデータに基づくものであり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- クレスコ PER(会社予想): 12.78倍
- 業界平均PER: 23.2倍
- クレスコ PBR(実績): 1.95倍
- 業界平均PBR: 2.3倍
現在のクレスコのPER、PBRは、業界平均と比較して低い水準にあり、相対的に割安感があります。
* 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
* 業界平均PERを適用した場合の理論株価: 119.70円 (EPS) × 23.2 (業界平均PER) ≒ 2,777円
* 業界平均PBRを適用した場合の理論株価: 784.18円 (BPS) × 2.3 (業界平均PBR) ≒ 1,804円これらを参考にすると、理論的な株価レンジとしては1,800円~2,800円程度が考えられます。
* 割安・割高の総合判断現在の株価1,530円は、業界平均PER/PBRと理論株価レンジと比較すると、割安であると総合的に判断できます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残: 92,300株
- 信用売残: 1,800株
- 信用倍率: 51.28倍
信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用買い残が多い状況です。信用倍率51.28倍は、一般的に信用買いに偏りがある状態を示し、将来的な売り圧力となる可能性も考慮されます。ただし、前週比では信用買残が減少、信用売残も減少しており、需給はやや改善傾向にあるとも言えます。
* 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)大株主には、(有)イワサキコーポレーション (17.28%)、日本マスタートラスト信託銀行 (9.75%)、浦崎雅博氏 (5.98%)などが名を連ねています。創業者または関連会社、および資産管理サービス信託銀行が高い比率を保有していることから、比較的安定的な株主構成であると考えられます。自社従業員持株会が3.66%保有しており、従業員の動機付けにも寄与していると見られます。
* 大株主の動向提供された情報からは、直近の大株主の具体的な動向(売買など)は読み取れません。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 配当利回り(会社予想): 3.79%
- 1株配当(会社予想): 58.00円
- EPS(会社予想): 119.70円
- 配当性向(会社予想)= 58.00円 ÷ 119.70円 ≒ 48.45%
配当利回り3.79%は魅力的な水準であり、配当性向約48%は、利益の半分近くを株主還元に回していることを意味します。適切な配当政策を行っていると言えます。
* 自社株買いなどの株主還元策提供された情報からは、自社株買いに関する具体的なデータはありません。
* 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策データなし
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
データなし
* これらが業績に与える影響の評価データなし
* 今後のイベント2026年3月30日に配当落ち日を控えています。
16. 総評
クレスコ(4674)は、独立系ITサービス企業として、金融系を含むエンタープライズシステムや組み込みソフトウェア開発に強みを持つ企業です。近年はデジタルソリューション事業にも注力し、DX需要の取り込みを進めています。
* 全体的な見解売上高、利益ともに着実な成長を続けており、ROEは15%を超える高水準で推移するなど、高い収益性を誇ります。自己資本比率も71.1%と極めて高く、財務基盤は非常に安定しています。現在の株価はPER、PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあり、配当利回りも3.79%と魅力的です。一方で、信用買い残の偏りや、過去のリスク指標に見られる年間リターンのマイナス、ボラティリティの高さは留意点です。
* 強固な財務基盤と安定した成長性: 高い自己資本比率と、着実な売上高・利益成長は魅力的なポイントです。
* 高水準の収益性: ROEや営業利益率も高く、効率的な経営が行われています。
* 割安なバリュエーションと高配当: 業界平均と比較して割安感があり、かつ高配当利回りを提供している点は、株主還元を重視する投資家にとって魅力的です。
* DXニーズへの対応: デジタルソリューション事業の強化は、今後の成長ドライバーとして期待されます。
* 市場リスク: 信用買い残の状況や、過去のボラティリティ、シャープレシオ、年間平均リターンは注視すべき点です。
* 強み・弱み・機会・脅威の整理
* 強み (Strengths):
* 安定した事業基盤と継続的な売上・利益成長。
* 非常に高い自己資本比率に裏打ちされた強固な財務健全性。
* 高ROE、高営業利益率に代表される高い収益性。
* 独立系としての多様な顧客対応力と金融・組込系の強み。
* 弱み (Weaknesses):
* 信用買い残の偏りによる短期的な需給悪化リスク。
* 具体的な経営戦略や中期経営計画の開示情報が限定的である点。
* 過去のリスク指標に見られるリターンの不安定性。
* 機会 (Opportunities):
* 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進ニーズの継続的な高まり。
* クラウド、AI、セキュリティなどの先端技術サービス市場の拡大。
* 割安な株価水準からの評価見直し。
* 脅威 (Threats):
* IT業界における人材獲得競争の激化。
* 技術革新のスピードに対応できないリスク。
* 景気変動によるIT投資の抑制。
* 競合他社との競争激化。
17. 企業スコア
| 評価項目 | スコア | 評価基準 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 売上高が過去数年にわたり年率9-11%程度で堅調に成長しており、直近も成長を継続しているため。 |
| 収益性 | A | ROE 15.06%(ベンチマーク10%を大幅に上回る)、営業利益率も約10%で安定しており、高収益体質であるため。 |
| 財務健全性 | A | 自己資本比率 71.1%と極めて高く、財務基盤が非常に強固であるため(自己資本比率40%以上でS〜A)。 |
| 株価バリュエーション | A | PER 12.78倍 vs 業界平均23.2倍、PBR 1.95倍 vs 業界平均2.3倍と、業界平均と比較して割安水準にあるため。 |
企業情報
| 銘柄コード | 4674 |
| 企業名 | クレスコ |
| URL | http://www.cresco.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.4)」によって自動生成されました。
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