JCRファーマ(4552)企業分析レポート
個人投資家の皆様へ
JCRファーマ(4552)の企業分析レポートをお届けします。本レポートは、提供されたデータに基づき、企業の現状と今後の見通しについて多角的に分析したものです。投資判断の一助としてご活用ください。
1. 企業情報
JCRファーマは、1975年に設立された日本の医薬品メーカーです。研究開発から製造、輸入、輸出、販売までを一貫して手掛けており、医薬品、再生医療製品、原薬を主要な事業としています。
* 事業内容のわかりやすい説明: 主に、成長ホルモン製剤や希少疾病領域のバイオ新薬の開発・製造・販売を行っています。また、バイオ後続品(バイオシミラー)にも注力しており、再生医療分野へも事業を拡大しています。
* 主力製品・サービスの特徴:
* GROWJECT(グロウジェクト): 成長ホルモン製剤で、成長ホルモン分泌不全性低身長症などの治療に用いられる同社の主力製品です。
* IZCARGO(イズカルゴ): ムコ多糖症II型(ハンター症候群)治療薬です。
* Agalsidase Beta BS I.V. Infusion: ファブリー病治療用のバイオ後続品です。
* TEMCELL HS Inj: 急性移植片対宿主病(GVHD)の治療に用いられる再生医療等製品です。
* 腎性貧血治療薬としてエポエチンアルファBSやダルベポエチンアルファBSなどの開発も行っています。
* Angelini Pharmaとの新規バイオ製剤開発における提携や、Modalis Therapeuticsとの遺伝子治療薬の中枢神経系へのドラッグデリバリー技術に関する共同研究など、外部連携にも積極的です。
2. 業界のポジションと市場シェア
JCRファーマは医薬品業界、特に希少疾病領域やバイオ医薬品分野に強みを持つ企業です。
* 業界内での競争優位性や課題について:
* 競争優位性: 希少疾病分野に特化したバイオ医薬品の開発・製造技術は、参入障壁が高く、同社の強みとなっています。特定の疾患に対する治療薬は、患者数が少ないものの、高いニーズと市場価格を維持しやすい特性があります。また、再生医療分野への展開も差別化要因となります。
* 課題: バイオ医薬品の開発には巨額の投資と長い開発期間が必要です。また、特許切れによるバイオシミラーの登場や、新たな競合薬の開発動向も常にモニタリングし、差別化を図る必要があります。海外売上比率が2%と低く、国内市場への依存度が高いことも今後の成長に向けた課題となり得ます。
* 市場動向と企業の対応状況:
* 医薬品市場は高齢化や疾病構造の変化に伴い、特に希少疾病や難病、再生医療といった分野でのニーズが拡大しています。
* 同社は、遺伝子治療のドラッグデリバリー技術に関する共同研究を進めるなど、次世代治療薬の開発にも積極的に取り組んでおり、将来の市場ニーズに対応しようとしています。
3. 経営戦略と重点分野
(データなし)
提供された情報からは、経営陣が掲げるビジョンや具体的な中期経営計画、新製品・新サービスの展開状況(決算短信参照)に関する詳細な記述は確認できませんでした。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、成長ホルモン製剤を主力としつつ、希少疾病治療薬やバイオ後続品、再生医療製品へと多角化を図っています。
* 収益モデルや市場ニーズの変化への適応力:
* 希少疾病治療薬は、承認されれば高価格での販売が期待でき、安定した収益源となり得ます。同社は継続的にこの分野での開発を進めているため、市場ニーズの変化への適応力は一定程度あると考えられます。
* バイオ後続品は、先行バイオ医薬品の特許切れに伴い、後発品として市場に参入することで、新たな収益源を確保する戦略です。
* しかし、直近の損益計算書では、2025年3月期の通期予想および過去12ヶ月の実績で売上高が減少傾向にあり、営業利益・純利益ともに赤字となっています。これは主力製品の競争激化や開発費増加、特許や提携契約による一時的な収益変動などが影響している可能性があります。収益性の改善が喫緊の課題です。
* 売上計上時期の偏りとその影響:
(データなし)
5. 技術革新と主力製品
同社は、バイオ医薬品の研究開発において独自の技術を有していると考えられます。
* 技術開発の動向や独自性:
* ペプチドリームとのキャリアペプチド創製や、Modalis Therapeuticsとの遺伝子治療ドラッグデリバリー技術に関する共同研究は、同社の革新的な技術開発への取り組みを示しています。特に中枢神経系を標的とした遺伝子治療薬のドラッグデリバリー技術は、難病治療において大きな可能性を秘めており、同社の将来的な独自技術となる可能性があります。
* 収益を牽引している製品やサービス:
* 現状では「ヒト成長ホルモン製剤」が主力とされています。ただし、近年の業績悪化を考慮すると、主力製品の売上推移や新薬の成長が今後の収益を左右すると考えられます。
6. 株価の評価
提供された会社予想EPSと実績PBRに基づき評価します。
* EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較:
* 現在の株価: 657.0円
* EPS(会社予想): 24.61円
* PER(会社予想): 26.70倍 (株価657円 ÷ EPS24.61円 ≒ 26.74倍)
* BPS(実績): 394.15円
* PBR(実績): 1.67倍 (株価657円 ÷ BPS394.15円 ≒ 1.667倍)
* 提供された損益計算書においては、2025年3月期予想が大幅な赤字(-4,759百万円)となっており、この予想EPS 24.61円とは大きな乖離があります。赤字の場合、PERは算出不可能となるため、会社予想EPSに基づくPERは注意して解釈する必要があります。
* 業界平均PER/PBRとの比較:
* 業界平均PER: 27.8倍
* 業界平均PBR: 1.4倍
* JCRファーマのPER(会社予想ベース26.70倍)は業界平均PER(27.8倍)と比較してやや割安に見えます。
* JCRファーマのPBR(実績1.67倍)は業界平均PBR(1.4倍)と比較してやや割高な水準です。
7. テクニカル分析
直近の株価データ(2025年11月11日~25日)をもとに分析します。
* 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か:
* 直近10日間(2025年11月11日~25日)の株価は、605円から657円へと上昇トレンドにあります。特に過去数日で出来高を伴って上昇しており、直近では高値圏に位置しています。
* 50日移動平均線(628.34円)を上回り、200日移動平均線(562.53円)も上回っているため、短期的には上昇基調にあると言えます。
* 年初来高値・安値との位置関係:
* 年初来高値: 724円
* 年初来安値: 386円
* 現在の株価657.0円は、年初来高値に近づいており、安値からは大きく上昇した位置にあります。52週高値763円、52週安値386円で見ても、52週安値からは大きく上昇し、高値圏に近づいています。
* 出来高・売買代金から見る市場関心度:
* 直近は100万株を超える出来高が見られる日もあり、売買代金も7.7億円と、比較的市場の関心が高まっている状態です。特に株価が上昇する局面で出来高が増加しており、短期的な買い意欲の強さがうかがえます。
8. 財務諸表分析
過去の損益計算書と直近の財務指標を評価します。
* 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価:
* 売上高:
* 2022年3月期: 51,082百万円
* 2023年3月期: 34,343百万円
* 2024年3月期: 42,871百万円
* 2025年3月期予想: 33,072百万円(大幅減収予想)
* 過去12ヶ月: 37,777百万円
* 売上高は2022年3月期をピークに変動が大きく、2025年3月期は大幅な減収が予想されています。
* 営業利益:
* 2022年3月期: 19,934百万円
* 2023年3月期: 4,976百万円
* 2024年3月期: 7,532百万円
* 2025年3月期予想: -6,651百万円(赤字転落予想)
* 過去12ヶ月: -3,532百万円(赤字)
* 利益は2022年3月期から大幅に減少し、直近の予想および過去12ヶ月実績では営業赤字に転落しています。
* 純利益 (Net Income Common Stockholders):
* 2022年3月期: 14,507百万円
* 2023年3月期: 3,772百万円
* 2024年3月期: 5,507百万円
* 2025年3月期予想: -4,759百万円(赤字転落予想)
* 過去12ヶ月: -2,358百万円(赤字)
* 純利益も営業利益と同様に大きく減少し、赤字に転落しています。
* ROE:
* 2024年3月期実績 (計算値): 5,507M / (394.15 * 124.793M) = 11.19% (実績)
* 過去12か月: -4.37% (赤字によりマイナス)
* ROA:
* 過去12か月: -2.16% (赤字によりマイナス)
* Profit Margin: -6.24% (過去12ヶ月)
* Operating Margin: 23.04% (過去12ヶ月。これは直近のPL上のOperating Incomeがマイナスであるため、計算方法か期間がシステム内部で異なる可能性がある。Operating Income -3,532M / Revenue 37,777M = -9.35% となるため、この23.04%はデータの誤りか特殊な算出方法とみられる。PLの値から判断すると、Operating Marginはマイナス。)
* 過去数年分の傾向を比較:
* 2022年3月期までは高い収益性を誇っていましたが、その後は売上・利益ともに大きく変動し、特に直近の2025年3月期予想では大幅な赤字へと転落する見込みです。これは事業環境の変化や研究開発費の増加、あるいは特定の製品の販売不振など、複数の要因が絡んでいる可能性があります。
* 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較):
(データなし)
直近四半期データとして「Most Recent Quarter (直近四半期): 9/30/2025」とあるものの、この四半期単独の損益計算書データが提供されていないため、2025年3月期通期予想に対する進捗状況を評価することはできません。
9. 財務健全性分析
提供された各種指標に基づき、財務健全性を評価します。
* 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価:
* 自己資本比率(実績): (連)44.8%
* 40%を超える水準であり、一般的に財務の健全性は高いと評価できます。
* 流動比率(直近四半期): 1.17
* 短期的な支払い能力を示す指標で、一般的に200%以上が望ましいとされます。117%は、短期的にはやや余裕が少ない水準であり、資金繰りには注意が必要です。
* 負債比率 (Total Debt/Equity, 直近四半期): 82.67%
* 負債は自己資本の8割程度であり、極端に高い水準ではありませんが、収益性が悪化している現状では、この負債が資金繰りに影響を与える可能性があります。
* 財務安全性と資金繰りの状況:
* 自己資本比率は健全なものの、流動比率が低めであり、直近の営業キャッシュフローが-2.05B、フリーキャッシュフローが-8.1Bと大幅なマイナスであることから、資金流出が続いています。このため、財務安全性は自己資本比率の高さに支えられているものの、資金繰り自体は厳しい状況にあると考えられます。
* 借入金の動向と金利負担:
* Total Debt (直近四半期): 40.11Bと記載があります。過去のInterest Expenseの推移を見ると、増加傾向にあります。
* 2022年3月期: 45,000
* 2023年3月期: 44,000
* 2024年3月期: 86,000
* 2025年3月期予想: 155,000
* 過去12ヶ月: 249,000
* 借入金が増加しており、それに伴う金利負担も増加傾向にあることがうかがえます。収益性が悪化している中で金利負担が増えることは、利益を圧迫する要因となります。
10. 収益性分析
ROA, ROEは過去12ヶ月でマイナスとなっているため、収益性は低いと評価されます。
* ROE、ROA、各種利益率の評価:
* ROE(過去12か月): -4.37%
* ROA(過去12か月): -2.16%
* Profit Margin(過去12か月): -6.24%
* Operating Margin(過去12か月): データは23.04%とあるが、これは明らかな矛盾があり、損益計算書上のOperating Incomeから計算すると-9.35%となるため、実際の収益性は低いと判断します。
* いずれの指標も過去12ヶ月ではマイナスとなっており、企業が損失を出している状況を示しています。
* 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較:
* 一般的な優良企業のベンチマークとされるROE 10%、ROA 5%を大きく下回り、マイナスであることから、収益性は非常に低いと評価されます。
* 収益性の推移と改善余地:
* 過去数年で収益性が大幅に悪化しており、特に直近の業績予想は赤字転落です。この状況を改善するためには、新薬の商業化による売上増加、既存製品の競争力強化、開発費や販管費の効率化など、抜本的な対策が必要となります。
11. 市場リスク評価
各種リスク指標と外部環境要因から評価します。
* ベータ値による市場感応度の評価:
* ベータ値 (5Y Monthly): -0.08
* ベータ値がマイナスであることは、市場全体が上昇する際に株価が下落し、市場全体が下落する際に株価が上昇する傾向があることを示します。ただし、一般的にベータ値は0から2の範囲に収まることが多く、-0.08という極端に低い値は、計算期間や特定の要因によって市場全体の動きとは独立した動きをする、あるいはわずかに逆相関の傾向があることを示唆している可能性があります。医薬品セクターは独自の催事や開発進捗に左右されることが多いため、市場全体との連動性が低い場合もあります。
* 52週高値・安値のレンジと現在位置:
* 52週高値: 763.00円
* 52週安値: 386.00円
* 現在の株価657.0円は、52週レンジの中では高値圏(約76%の位置)にあり、上昇トレンドの途上にあります。
* 決算短信に記載のリスク要因(外部環境、為替、地政学等):
(データなし)
提供された情報には、決算短信に記載のリスク要因に関する具体的な記述はありませんでした。一般的に医薬品業界では、臨床開発の失敗、規制当局の承認遅延、特許切れ、薬価改定、為替変動、競合によるシェア低下などがリスク要因として挙げられます。
12. バリュエーション分析
業種平均との比較や目標株価レンジを通じて評価します。
* 業種平均PER/PBRとの比較:
* JCRファーマのPER(会社予想26.70倍)は業界平均PERの27.8倍と比較してやや割安水準。
* JCRファーマのPBR(実績1.67倍)は業界平均PBRの1.4倍と比較してやや割高水準。
* ただし、上述の通り、会社予想EPSと財務諸表の損益予想には大きな乖離があるため、PERは参考値として扱う必要があります。現状では赤字企業であるため、PERを用いたバリュエーションは困難です。
* 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用):
* 目標株価(業種平均PBR基準): 553円
* この目標株価(553円)は、業界平均PBR1.4倍 × BPS394.15円 = 551.81円 に近い値です。
* 現在の株価657.0円は、このPBR基準の目標株価と比較すると割高な水準にあります。
* 割安・割高の総合判断:
* 提供されている会社予想EPSに基づくPERは業界平均よりやや割安に見えますが、実際の業績が赤字予想であるため、このPERは実態を反映しているとは言えません。
* PBR基準の目標株価と比較すると、現在の株価は割高と判断されます。
* 現状の収益性(赤字)とキャッシュフロー(大幅マイナス)を考慮すると、現在の株価は割高感が強いと言えます。
13. 市場センチメント分析
信用取引状況と株主構成から市場の関心度や安定性を評価します。
* 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス):
* 信用買残: 2,839,800株
* 信用売残: 174,400株
* 信用倍率: 16.28倍
* 信用買残が信用売残を大きく上回っており、信用倍率も高水準です。これは、将来の株価上昇を期待して信用買いをしている投資家が多いことを示しますが、一方で、将来的な株価上昇局面での「しこり玉」となり、上値の重しとなる可能性があります。需給バランスは悪化しやすい状態と言えます。
* 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況):
* % Held by Insiders: 40.54% (経営陣持株比率が高い)
* % Held by Institutions: 10.52% (機関投資家比率は比較的低め)
* 大株主にはメディパルホールディングス(22.46%)やフューチャーブレーン(6.72%)などの事業会社、日本マスタートラスト信託銀行や野村信託銀行などの信託銀行(信託口含む)が名を連ねています。自社株(自己株口)も5.77%保有しています。
* 特定の事業会社が筆頭株主であることや、インサイダーの持ち株比率が高いことから、一定の安定株主が存在し、経営体制は安定している可能性が高いです。
* 大株主の動向:
(データなし)
大株主の直近の株式売買動向については情報がありません。
14. 株主還元と配当方針
配当利回りや配当性向、その他の株主還元策について評価します。
* 配当利回りや配当性向の分析:
* 配当利回り(会社予想): 3.04%
* 1株配当(会社予想): 20.00円
* Payout Ratio: 61.20%
* 予想配当利回り3.04%は、現在の低金利環境下では魅力的な水準と言えます。
* しかし、2025年3月期は大幅な最終赤字(Net Income Common Stockholders -4,759百万円)が予想されており、この赤字予想の中で配当を維持する場合、内部留保を取り崩す形となります。赤字での配当維持は、将来的な財務状況を圧迫するリスクがあります。Payout Ratio 61.20%は、提供されている会社予想EPS24.61円に基づくと、20円/24.61円 ≒ 81.2%となります。この81.2%という異常に高い配当性向は、EPSと損益計算書の乖離が原因であり、実質的には赤字での配当維持となるため、持続可能性に疑問符が付きます。
* 自社株買いなどの株主還元策:
(データなし)
自社株買いに関する情報はありません。
-
株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策:
(データなし)
株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策に関する情報はありません。15. 最近のトピックスと材料
(データなし)
提供された情報には、最近の適時開示情報(大型受注、新製品、拠点展開等)に関する記述はありませんでした。16. 総評
JCRファーマは、成長ホルモン製剤を主力とし、希少疾病のバイオ新薬や再生医療に注力する医薬品メーカーです。高い自己資本比率といった財務的な安定性の一方で、直近の業績は大幅な赤字予想となっており、収益性の悪化が最大の課題です。
全体的な見解:
同社は特定の医薬品分野における強みと将来性のある技術開発への投資を行っていますが、足元の業績は厳しい状況にあります。売上高は減少傾向にあり、営業利益および純利益は赤字に転落する見込みです。キャッシュフローも大幅なマイナスであり、資金繰りには注意が必要です。株価は直近で上昇していますが、PBR基準では割高感があり、予想EPSと実際の損益予想の乖離からPERの評価も困難です。高めの配当利回りは魅力的ですが、赤字での配当維持は財務を圧迫する可能性があります。
* ポジティブ: 希少疾病領域や再生医療分野における独自の技術力と開発パイプライン。安定した大株主構成。高めの配当利回り(ただし、持続可能性に注意)。
* ネガティブ: 直近の業績が大幅な赤字予想。営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローが大幅なマイナス。PBR基準での割高感。信用取引における買残の多さ。
強み・弱み・機会・脅威の整理 (SWOT分析):
- 強み (Strengths):
- 希少疾病治療薬やバイオ後続品、再生医療分野における専門性と技術力。
- 成長ホルモン製剤を主力とする安定した製品ポートフォリオ。
- 高い自己資本比率(44.8%)による一定の財務基盤。
- メディパルHDなどの安定株主の存在と高い経営陣持株比率。
- 弱み (Weaknesses):
- 直近の業績が大幅な赤字に転落し、収益性が低い。
- 営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローが大幅なマイナス。
- 流動比率が低いなど、資金繰りに懸念。
- 海外売上比率が低く、国内市場への依存度が高い。
- 提供された会社予想EPSと財務諸表の損益予想に大きな乖離がある。
- 機会 (Opportunities):
- 希少疾病や再生医療市場の持続的な成長。
- 遺伝子治療ドラッグデリバリー技術などの革新的な技術開発による将来的な収益源の確立。
- 提携による新製品開発や海外市場への展開拡大。
- 脅威 (Threats):
- 新薬開発の失敗リスクや承認遅延。
- 後発品(バイオシミラー)の競争激化や薬価改定リスク。
- 世界経済の変動や地政学リスク、為替変動(特に海外売上拡大を進めた場合)。
- 信用買残の多さによる需給悪化。
17. 企業スコア
欠損データは「B(中立)」とし、一過性損益は除外。提供された情報に基づき評価。
* 成長性: D
* 売上成長率は過去数年で大きく変動し、特に2025年3月期予想では大幅な減収となっています。また、直近の売上高も前年比で減少傾向にあります。将来の技術開発への投資はありますが、現在の業績からは成長の牽引役が見えにくいため、D評価とします。
* 収益性: D
* 粗利率は健闘しているものの、過去12ヶ月および通期予想で営業利益、純利益ともに大幅な赤字に転落しています。ROE、ROAもマイナスであり、収益性は極めて低いと評価せざるを得ません。
* 財務健全性: B
* 自己資本比率44.8%は健常な水準です(S〜A評価の目安40%以上)。しかし、流動比率1.17は低く、営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローが大幅なマイナスとなっているため、資金繰りには懸念があります。総合的に見て、自己資本は十分ですが資金ショートリスクも考慮し、中立的なB評価とします。
* 株価バリュエーション: D
* 提供された会社予想EPSに基づくPERは業界平均よりやや割安に見えますが、実際の業績は赤字予想であり、PERは実質的に評価できません。PBR(1.67倍)は業界平均(1.4倍)を上回っており、PBR基準の目標株価(553円)から見ると現在の株価(657円)は割高です。収益性の悪化を考慮すると、現在の株価は割高と判断し、D評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 4552 |
| 企業名 | JCRファーマ |
| URL | http://www.jcrpharm.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
現在の指標
| 株価 | 657円 |
| EPS(1株利益) | 24.61円 |
| 年間配当 | 3.04円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 8.0% |
| 5年後の想定PER | 15.0倍 |
5年後の予測値
| 予想EPS | 36.16円 |
| 理論株価 | 542円 |
| 累計配当 | 19円 |
| トータル価値 | 562円 |
現在価格での試算リターン
| 試算年率リターン(CAGR) | -3.09% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 279円 | 140円 | × 算出価格を上回る |
| 12% | 319円 | 159円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 349円 | 174円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.4)」によって自動生成されました。
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