1. 企業情報

株式会社コンセックは、建設現場で使用される穿孔(穴あけ)や切断のための特殊な機械・工具の製造販売を主要事業としています。特に、ダイヤモンドを使用した高品質な工具や、顧客の要望に応じた特注機の開発・製造に強みを持っています。主力の「Hakken」ブランドでダイヤモンドコアビット、ブレード、ワイヤーなど多様な切削機具を提供しています。
その他、特殊な建設工事の請負、建設関連資材や生活関連品の販売、工場設備の関連事業を展開しています。かつては介護事業も手掛けていましたが、2025年2Qに子会社株式を売却し、現在は連結対象から除外されています。

主力製品・サービスの特徴:

  • ダイヤモンド工具・切削機具:
    • Hakkenブランド: 高品質なダイヤモンドコアビット、ブレード、ワイヤーなどを製造・販売。
    • 多様な機器: 手動・壁・プランジカッター、ワイヤーソー、コアドリルなど、幅広い建設現場のニーズに対応する切削機具を提供。
    • 特注機: 標準品だけでなく、顧客の特殊な要望に応じたオーダーメイドの機械も開発・製造できる技術力。

2. 業界のポジションと市場シェア

業界内での競争優位性や課題について:

コンセックは、ダイヤモンド工具や特注機の分野において独自の技術力と専門性を有しており、これが競争優位性となっています。特に建設分野におけるニッチな市場で高いシェアを確保していると推測されます。経営資源を切削機具事業に再集中する方針を打ち出しており、コア事業の強化を図っています。具体的な市場シェアや競合他社との詳細な比較データはありませんが、「ダイヤモンド工具大手」と称されることがあります。

市場動向と企業の対応状況:

決算短信によると、インバウンド需要やIT関連の設備投資は底堅く推移するものの、米国の関税政策による世界経済の不確実性が懸念材料です。国内では公共工事を中心としたインフラの修繕・維持工事市場の拡大を成長機会と捉え、特殊工事事業における受注領域の拡大を目指しています。一方、日銀の金利引き上げや原材料価格・物流コストの増加、人手不足の長期化といった課題にも直面しており、これら外部環境の変化にどう対応するかが重要となります。介護事業の売却は、経営資源を有効活用し、主軸事業に集中する戦略的な対応の一つと見られます。

3. 経営戦略と重点分野

経営陣が掲げるビジョンや戦略:

同社は「中期経営計画2029」を策定し、「チャレンジ2029~新たな価値の創造」をスローガンに掲げています。中長期的な経営基盤の強化を目標とし、持てる力を最大限に発揮することを目指しています。

中期経営計画の具体的な施策や重点分野:

  • 経営基盤の強化: 経営資源の有効活用のための変革を推進。
  • 事業ポートフォリオの見直し: 介護事業子会社の売却はその一環であり、コア事業への集中を進める。
  • 特殊工事事業の拡大: 公共工事を中心とした修繕・維持工事市場の需要を取り込み、受注領域を拡大。
  • サステナビリティ経営: 持続可能な社会への貢献と、戦略的な人材資本投資・設備投資による強固な経営基盤の確立を目指す。

新製品・新サービスの展開状況:

決算短信に具体的な新製品・新サービスの展開に関する記載はありません。

4. 事業モデルの持続可能性

コンセックの収益モデルは、建設分野における消耗品であるダイヤモンド工具や特殊な切削機具の製造販売、およびインフラ関連の特殊工事請負が柱です。建設・生活関連品販売も大きな売上を占めます。
市場ニーズの変化への適応に関しては、公共工事の修繕維持ニーズの高まりを成長機会と捉え、特殊工事事業の強化を図っています。また、不採算事業であった介護事業の売却により、経営資源をコア事業に集中させることで収益性の改善を目指す姿勢が見られます。この選択と集中が成功すれば、事業モデルの持続可能性は高まりますが、外部環境(金利、資材価格、人手不足など)の影響を受けやすい構造は残ります。

売上計上時期の偏りとその影響:

データなし。

5. 技術革新と主力製品

技術開発の動向や独自性:

同社はダイヤモンド工具や特注機の分野で独自の強みを有しており、特に「Hakken」ブランドで高品質な製品を提供しています。しかし、具体的な技術革新の動向や最先端技術開発に関する詳細は開示されていません。

収益を牽引している製品やサービス:

2025年3月期のセグメント別売上高では、「建設・生活関連品事業」が38億38百万円、「切削機具事業」が35億96百万円と、この二つが売上の大部分を占めています。セグメント利益では「切削機具事業」が2億7百万円と最も貢献しています。

6. 株価の評価

  • PER(会社予想): 21.55倍
  • PBR(実績): 0.27倍
  • 業界平均PER: 10.1倍
  • 業界平均PBR: 0.7倍

現在の株価1,225.0円に対し、PERは会社予想の黒字転換を見込んでも業界平均の2倍以上と割高に見えます。これは、過去の業績が不安定で、期待が織り込まれにくい状況を示唆している可能性があります。一方で、PBRは業界平均の0.7倍を大きく下回る0.27倍と、純資産価値から見ると非常に割安な水準にあります。収益性の不安定さが株価を押し下げ、資産価値が評価されにくい状況にあると言えます。

7. テクニカル分析

  • 直近の株価推移: 直近10日間の株価は1,224円から1,261円の範囲で推移しており、現在の1,225円はレンジ内の安値圏に位置しています。
  • 年初来高値・安値との位置関係: 年初来高値は1,507円、年初来安値は1,145円です。現在の株価は年初来安値から約7%高い位置にあり、比較的安値圏にあります。年初来高値からは約18.7%低い水準です。
  • 出来高・売買代金から見る市場関心度: 直近の出来高は200株、売買代金は246千円と非常に少ないです。過去3ヶ月平均出来高は1.08千株、10日平均出来高は1.57千株であり、市場の関心度は非常に低い状態が続いています。これは流動性の低さを示しており、大量の売買が難しい可能性があります。

8. 財務諸表分析

売上、利益の推移:

  • 売上高: 過去数年間、約97億円〜104億円の間で横ばいに推移しています。2025年3月期は102億97百万円と前期比0.8%減でした。
  • 営業利益: 2022年3月期の3億25百万円から減少し、2025年3月期には-3百万円と営業損失を計上しています。
  • 経常利益: 2025年3月期は40百万円の黒字を確保しましたが、前年の3億円から大幅に減少しています。
  • 純利益: 変動が大きく、2025年3月期は親会社株主に帰属する当期純損失2億8百万円となりました。

ROE、ROA:

  • ROE(実績): -2.60% (過去12ヶ月では-1.74%)。
  • ROA(実績): -0.32% (過去12ヶ月)。

いずれの指標もマイナスであり、収益性の低い状況が継続しています。

四半期決算の進捗状況(通期予想との比較):

2025年3月期は既に決算発表済みで、純損失を計上しています。決算短信に記載されている2026年3月期の通期予想では、売上高103億円、営業利益130百万円、経常利益200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益170百万円と、黒字転換を見込んでいます。この予想が達成されるかが今後の焦点となります。

9. 財務健全性分析

  • 自己資本比率(実績): 66.3%
  • 流動比率(直近四半期): 1.97
  • 負債比率(直近四半期、Total Debt/Equity): 21.50%
  • 現金及び現金同等物期末残高(2025年3月期): 14億81百万円

自己資本比率は66.3%と非常に高く、財務基盤は強固であり安定しています。流動比率も1.97と良好で、短期的な支払い能力に問題はありません。負債比率も低く、借入金に対する依存度は低いと言えます。直近12ヶ月の営業キャッシュフローは-274百万円、フリーキャッシュフローは-407.38百万円とマイナスであり、一時的に資金が流出している点は懸念材料ですが、潤沢な現金残高があるため直ちに財務を圧迫する状況ではありません。ただし、日銀の金利引き上げに伴う借入金利の上昇は、今後注視すべきリスク要因です。

10. 収益性分析

  • ROE(過去12ヶ月): -1.74%
  • ROA(過去12ヶ月): -0.32%
  • Profit Margin(過去12ヶ月): -1.59%
  • Operating Margin(過去12ヶ月): -1.37%

ROE、ROAともにマイナスであり、一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%)を大幅に下回っています。利益率も全てマイナスであり、本業での収益力が非常に低い状況です。過去数年間の利益推移からも収益の不安定さが伺えます。介護事業の売却など事業構造の改革を進めており、これが収益性改善に繋がるかが今後の課題となります。

11. 市場リスク評価

  • ベータ値(5Y Monthly): -0.14
    • このベータ値は非常に低く、市場全体の変動と比較して株価の変動が小さいことを示しています。市場全体が上昇・下降しても、この銘柄の株価はあまり連動しない傾向があります。
  • 52週高値・安値のレンジと現在位置:
    • 52週高値: 1,507円
    • 52週安値: 1,145円
    • 現在の株価: 1,225円
    • 現在の株価は52週高値から約18.7%低い位置にあり、52週安値からは約7%高い位置と、レンジの下限に近い水準にあります。
  • 決算短信に記載のリスク要因:

    • 外部環境: 米国の関税政策による世界経済の不確実性。
    • 為替・金利: 日銀の金利引き上げに伴う借入金利の上昇。
    • コスト増: 原材料価格や物流コストの増加。
    • 労働力: 人手不足の長期化。

    これらの要因は、建設関連事業を営むコンセックにとって、収益を圧迫する一般的なリスクです。

    12. バリュエーション分析

    • 業種平均PER: 10.1倍、コンセックPER(会社予想)21.55倍。
    • 業種平均PBR: 0.7倍、コンセックPBR(実績)0.27倍。

PERは業種平均と比較して割高に見えますが、これは直近の業績が不安定で純損失を計上した年度があり、予想PERにもその影響があるため、一概に割高とは言えません。PBRは業種平均と比較して非常に割安であり、純資産価値に比べて株価が大幅に低いことを示しています。
目標株価(業種平均PBR基準): 3,154円
現在の株価1,225円は、PBR基準で算出される目標株価3,154円を大きく下回っており、純資産価値から見れば強い割安感があります。しかしながら、収益性の不安定さと直近の営業損失は、株価上昇の足かせとなっています。総合的に見ると、PBRの割安感は魅力的ですが、PERから見た割高感や不安定な収益性を考慮すると、割安かどうかの判断は慎重に行う必要があります。

13. 市場センチメント分析

  • 信用取引の状況:

    • 信用買残: 7,000株 (前週比 -200株)
    • 信用売残: 0株
    • 信用倍率: 0.00倍

    信用取引の残高は非常に少なく、需給バランスに対する影響は小さいと見られます。売り圧力がほとんどない一方で、買いも限定的です。
    * 株主構成:
    * インサイダー保有比率: 42.85%
    * 機関投資家保有比率: 10.14%

    経営陣や関連する安定株主による保有比率が高く、市場に流通する浮動株は比較的少ないと考えられます。
    * 大株主の動向: データなし。

14. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 2.20%
  • 1株配当(会社予想): 27.00円
  • 配当性向: 40.26% (過去12ヶ月のマイナスのEPSで計算すると、実質的に企業努力で配当を維持している状態)
  • 配当実績と予想: 2024年3月期実績25.00円、2025年3月期予想27.00円、2026年3月期予想27.00円と、増配・維持の姿勢が見られます。

同社は、継続的な配当を行う方針であり、利益の状況にかかわらず株主還元の姿勢を維持しようとしていることが伺えます。
自社株買いなどの株主還元策: データなし。
株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策: データなし。

15. 最近のトピックスと材料

  • 2025年3月期決算短信発表(2025年5月14日): 営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上。
  • 介護事業子会社の株式売却: 2025年2Qにて連結の範囲から除外。
  • 役員異動: 代表取締役の異動、新任取締役候補藤森敏彦氏の選任。

これらが業績に与える影響の評価:

介護事業子会社の売却は、これまで損失を計上していた介護事業の赤字を連結決算から解消する効果があり、今後の全体の収益性改善に寄与する可能性があります。代表取締役の異動は、新たな経営体制の下で中期経営計画の進捗を加速させる意図があると考えられます。これらの施策は、経営資源の選択と集中を進め、コア事業の収益力強化を目指すものと評価できます。

16. 総評

コンセックは、建設機械・工具の製造販売および特殊工事を主軸とする企業です。高水準の自己資本比率と潤沢な現金を有しており、財務の健全性は非常に高い評価ができます。また、純資産価値に対して株価が著しく低いPBR0.27倍は、長期的な資産価値の観点から魅力的な水準にあります。特定の技術分野(ダイヤモンド工具、特注機)に強みを持っている点も評価できます。
一方で、近年は売上高が横ばいで推移し、直近2025年3月期には営業損失、最終純損失を計上するなど、収益性の不安定さが大きな課題です。ROEやROAもマイナスであり、本業での収益力が低迷しています。市場における出来高も極めて少なく、流動性が低い点は投資家にとって留意すべき点です。
同社は中期経営計画「チャレンジ2029~新たな価値の創造」を掲げ、不採算事業である介護事業の売却による経営資源の集中、特殊工事事業の拡大、戦略的な設備投資・人材投資を通じて収益構造の改善を目指しています。これらの施策が奏功し、安定的な利益を創出できるようになれば、現在の低い株価は見直される可能性があります。
* PBRの割安感: 純資産価値から見た株価の割安感は非常に強いが、収益性の改善が株価上昇の原動力となる。
* 収益性改善の動向: 中期経営計画に基づく事業構造改革(介護事業売却、特殊工事強化など)が、今後の決算でどのように利益に貢献するかを注視する必要がある。
* 流動性の低さ: 出来高が極めて少ないため、売買のタイミングや数量には注意が必要。

強み・弱み・機会・脅威 (SWOT分析):

  • 強み (Strengths):
    • 非常に高い財務健全性(自己資本比率、流動比率、負債比率)
    • ダイヤモンド工具、特注機における技術的専門性と強み
    • 純資産に基づくPBRの極めて高い割安感
    • 安定した株主構成と経営基盤
  • 弱み (Weaknesses):
    • 不安定で低迷する収益性(直近の営業損失、純損失、マイナスのROE/ROA)
    • 低い市場流動性(出来高、売買代金の少なさ)
    • 本業での収益率が低い
  • 機会 (Opportunities):
    • 国内の公共工事における修繕・維持工事市場の拡大
    • 経営資源の選択と集中による事業構造改革の成功
    • 割安なPBRに注目が集まり、企業価値向上策や株主還元強化につながる可能性
  • 脅威 (Threats):
    • 世界経済の不確実性、金利上昇、原材料・物流コストの高騰
    • 建設業界全体の人手不足の深刻化
    • 中期経営計画が期待通りの効果を発揮しないリスク
    • 競合激化による収益性のさらなる悪化

17. 企業スコア

  • 成長性: C (売上高は横ばい~微減、損失計上あり。今後の予想は黒字転換も成長加速の具体的な材料は見られず、介護事業売却により売上規模が縮小する可能性もあるため)
  • 収益性: D (営業利益は直近でマイナス、ROE・ROAもマイナスと非常に低い水準。一般的なベンチマークを大きく下回るため)
  • 財務健全性: S (自己資本比率66.3%と非常に高く、流動比率、負債比率も良好。現金保有も安定しているため)
  • 株価バリュエーション: A (PBR0.27倍は業界平均0.7倍と比較して非常に割安であり、純資産価値から見た割安感が極めて高いため。PERは不安定な収益の影響を強く受けている)

企業情報

銘柄コード 9895
企業名 コンセック
URL http://www.consec.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・参考情報)

現在の指標

株価 1,225円
EPS(1株利益) 56.85円
年間配当 2.20円

予測の前提条件

予想EPS成長率 5.0%
5年後の想定PER 15.0倍

5年後の予測値

予想EPS 72.56円
理論株価 1,088円
累計配当 13円
トータル価値 1,101円

現在価格での試算リターン

試算年率リターン(CAGR) -2.11% (参考:低水準)

目標年率ごとの理論株価(参考値)

目標年率 理論株価 安全域価格 現在株価との比較
15% 547円 274円 × 算出価格を上回る
12% 625円 312円 × 算出価格を上回る
10% 684円 342円 × 算出価格を上回る

関連情報

証券会社


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By ジニー

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