日本エマージェンシーアシスタンス(6063)の企業分析レポートを、個人投資家向けにわかりやすく解説します。
1. 企業情報
日本エマージェンシーアシスタンスは、海外渡航者や海外進出法人に対し、医療アシスタンスサービスを提供する企業です。具体的には、海外で病気や怪我をした際に病院の紹介・手配、医療費の精算サポートなどを行います。クレジットカード会社を通じてサービスを提供することも多く、これが強みの一つです。
- 主力製品・サービスの特徴
- 医療アシスタンス事業: 海外旅行保険に付帯する医療アシスタンスが中心で、法人向けの長期サポート契約や、国際医療(医療ツーリズム)、訪日外国人向け緊急対応なども手掛けています。最近では厚生労働省のEMIS(広域災害・救急医療情報システム)関連受託事業も貢献しています。
- ライフアシスタンス事業: 既存の取引先向けに、生活に関するサポートサービスを提供しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 海外渡航や訪日外国人の増加に伴い医療アシスタンスの需要は拡大傾向にあり、同社はこの市場で独自のポジションを築いています。クレジットカード会社との連携や官公庁からの受託実績は、信頼性とネットワークの強さを示しています。
- 市場は訪日・出国旅客数の動向に強く影響を受け、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、最近は回復基調にあります。特に日本の観光立国推進やインバウンド需要の増加は、同社の訪日外国人向け緊急医療対応事業にとって追い風となります。
- 一方で、国際情勢の変動や為替リスク、競合他社の動向、新たな感染症の発生リスクなどは常に事業に影響を与える可能性があります。同社は、サービス拡充やDX推進(AI導入)で競争力を維持しようとしています。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣が掲げるビジョンや戦略: 最新の決算短信からは具体的なビジョンや中期目標数値の提示はありませんが、業務効率化のための生成AI導入を重点施策として推進しています。
- 中期経営計画の具体的な施策や重点分野: 生成AI導入による効率化が継続的に進められていますが、現時点では先行投資による人件費や開発投資の増加が利益を圧迫する状況です。
- 新製品・新サービスの展開状況:
- 医療アシスタンス事業では、治療サービスの強化やヘルスケア・アンチエイジング分野への拡大を目指し、国内外の医療機関・エージェントとの連携を強化しています。
- 訪日外国人の増加に対応するため、緊急医療対応サービスの拡充も進められています。
4. 事業モデルの持続可能性
- 同社の収益モデルは、海外渡航者数や訪日外国人数の増減、法人契約の獲得・維持に大きく依存します。グローバルな人の移動が活発化する環境下では成長機会が大きい一方で、パンデミックや地政学リスクなどによる移動制限は収益に直接的な影響を与える可能性があります。
- 生成AI導入による業務効率化は、中長期的な収益性改善と持続可能性向上に寄与すると期待されますが、その効果が発現するまでの間は、先行投資によるコストが増加するリスクを抱えています。
- 売上計上時期の偏りについては、具体的なデータがなく不明です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向や独自性: 業務プロセスの効率化を目指し、生成AIの導入を進めている点が特筆されます。これにより、サービス提供の迅速化やコスト削減を目指していると考えられます。
- 収益を牽引している製品やサービス: 医療アシスタンス事業が売上の85%を占める主力であり、特に厚生労働省からのEMIS関連受託や、訪日外国人向け緊急医療対応が最近の売上増加を牽引しています。
6. 株価の評価
- EPSやBPSに基づく計算等を用いて、現在の株価との比較
- 現在の株価940.0円は、会社予想EPS(連結)26.60円に基づくとPERは35.34倍です。
- 実績PBRは1.34倍(BPS 701.03円に基づくと、940円 ÷ 701.03円 = 1.34倍)です。
- 業界平均PER/PBRとの比較
- 業界平均PER 15.0倍と比較すると、同社のPER 35.34倍は大幅に割高です。
- 業界平均PBR 1.2倍と比較すると、同社のPBR 1.34倍はやや割高です。
7. テクニカル分析
- 直近の株価推移を参照して、現在の株価が高値圏か安値圏か
- 直近の株価は940.0円であり、本日高値960円、本日安値940円と本日は下落しました。
- 50日移動平均線(985.56円)および200日移動平均線(1,044.22円)を下回っており、短期・中期的に下落トレンドにあると見ることができます。
- 年初来高値・安値との位置関係
- 年初来高値1,412円、年初来安値744円に対し、現在の株価940円は、年初来高値から約33.5%下落した水準であり、安値圏ではありませんが、高値圏からも大きく離れています。
- 出来高・売買代金から見る市場関心度
- 本日出来高は15,800株、売買代金は14,989千円でした。発行済株式数2,519,600株に対して出来高は少なく、市場の関心度は相対的に低いと言えます。
8. 財務諸表分析
- 売上、利益、ROE、ROAなどの指標を評価
- 売上高: 2022年12月期に62億円を計上したピークの後、2023年12月期には36億円に減少。しかし、過去12か月では33億円、2025年12月期第3四半期累計では27億円と、回復基調にあります。通期予想も前年比23.8%増の36億円を見込んでいます。
- 営業利益: 売上高の変動に連動して大きく変動しており、2022年12月期7.1億円から2023年12月期1.7億円に大幅減。2025年12月期第3四半期累計は20.9百万円と前年同期比で30.4%減少しており、採算性に課題が見られます。通期予想の50百万円に対する進捗率も41.9%と低いです。
- ROE(実績): 2.80% (過去12カ月 3.55%)。一般的なベンチマークである10%を大幅に下回っており、株主資本を効率的に活用して収益を上げているとは言えません。
- ROA(過去12か月): 0.70%。一般的なベンチマークである5%を大幅に下回っており、総資産を効率的に活用して収益を上げているとは言えません。
- 過去数年分の傾向を比較
- 売上高はコロナ禍の影響から回復しつつありますが、営業利益の回復が遅れています。これは、売上原価の増加およびAI導入に伴う先行投資や人件費増といった全社費用が影響しているためと考えられます。
- 四半期決算の進捗状況(通期予想との比較)
- 2025年12月期第3四半期累計の売上高進捗率は75.3%、親会社株主に帰属する四半期純利益の進捗率は75.9%と順調ですが、営業利益の進捗率は41.9%と低い水準にあり、第4四半期での挽回が求められます。
9. 財務健全性分析
- 自己資本比率、流動比率、負債比率の評価
- 自己資本比率: 46.1%(実績)、直近四半期末で47.2%。健全性の目安とされる40%を上回っており、財務基盤は比較的安定していると評価できます。
- 流動比率: 直近四半期で1.85倍(185%)。流動負債に対する流動資産の比率が高く、短期的な支払能力は良好です。
- 負債比率: 直近四半期でTotal Debt/Equityは60.2%。第3四半期末の負債/純資産は約108.3%であり、短期借入金1,080百万円が存在することから、負債の動向には注視が必要です。
- 財務安全性と資金繰りの状況
- 自己資本比率や流動比率からは一定の財務安全性が示唆されますが、営業利益の低さと短期借入金の存在を考慮すると、今後のキャッシュフロー創出力には注目が必要です。
- 借入金の動向と金利負担
- 決算短信によると短期借入金1,080百万円が計上されています。金利負担に関する具体的な情報は開示されていませんが、利息費用が継続的に発生していることは損益計算書から確認できます。
10. 収益性分析
- ROE、ROA、各種利益率の評価
- ROE(実績): 2.80% (過去12ヶ月 3.55%)
- ROA(過去12ヶ月): 0.70%
- 営業利益率(2025年第3四半期累計): 0.77%
- 売上総利益率(2025年第3四半期累計): 22.6%(前年同期の27.5%から低下)
- 一般的なベンチマーク(ROE 10%、ROA 5%等)との比較
- ROE、ROAともに一般的なベンチマークを大幅に下回っており、企業の収益性には改善余地が大きいと言えます。特に総資産を活用して利益を生み出す効率性が低いと評価されます。
- 収益性の推移と改善余地
- 売上総利益率は低下傾向にあり、売上原価の増加が利益を圧迫しています。また、全社費用(AI開発投資、人件費等)の増加が営業利益をさらに押し下げています。生成AI導入による効率化が利益貢献に至るまでには時間を要する見込みであり、コストコントロールと売上拡大の両面での改善が期待されます。
11. 市場リスク評価
- ベータ値による市場感応度の評価
- ベータ値は0.52(5年Monthly)。市場全体の変動に対して、同社株価の変動が相対的に小さいことを示唆しており、市場感応度は低いと評価できます。
- 52週高値・安値のレンジと現在位置
- 52週高値1,412円、52週安値559円に対し、現在の株価940円は中央付近に位置しており、極端な高値圏でも安値圏でもありません。
- 決算短信に記載のリスク要因
- 外部環境: 渡航者数変動、為替変動(直接明記はないが、国際事業のため影響あり)、地政学リスク、新たな感染症の発生など。
- 事業固有: 官公庁受託事業の継続性、AI開発の遅延や開発費の増加、競合環境の変化、医療費用の変動。
- 財務関連: 短期借入金の動向、資金繰りの変動。
12. バリュエーション分析
- 業種平均PER/PBRとの比較
- PER(会社予想)35.34倍は業界平均PER 15.0倍と比較して約2.3倍と大幅に割高です。
- PBR(実績)1.34倍は業界平均PBR 1.2倍と比較してやや割高です。
- 目標株価レンジの算出(業界平均倍率適用)
- 業種平均PER基準目標株価: EPS 26.60円 × 業界平均PER 15.0倍 = 399円
- 業種平均PBR基準目標株価: BPS 701.03円 × 業界平均PBR 1.2倍 = 841円
- 提供データから示される目標株価(業種平均PER基準): 433円
- 提供データから示される目標株価(業種平均PBR基準): 854円
- 割安・割高の総合判断
- 現在の株価940円は、業界平均基準で算出した目標株価レンジ(約399円~854円)に対して、PER、PBRともに割高な水準にあると判断されます。
13. 市場センチメント分析
- 信用取引の状況(信用買残、信用倍率、需給バランス)
- 信用買残は30,000株(前週比-3,800株)です。
- 信用売残は0株であり、信用倍率も0.00倍です。信用売りがほとんど入っていない状況であり、買い方の需給は引き締まっている可能性がありますが、同時に株価の押し上げ材料も乏しいことを示唆します。
- 株主構成(経営陣持株比率、安定株主の状況)
- % Held by Insiders(従業員・役員による保有割合)が40.45%と高く、経営陣が多くの株式を保有しており、経営へのコミットメントが高いことが伺えます。
- 特定の大株主が複数存在し、安定株主が一定数いると考えられます。
- 大株主の動向
- 筆頭株主は徐志敏氏(12.7%)、以下「ヴァンター・クルーズ・ヘルス・サービス(バハマ)」、「徐宏沢」、「徐雲沢」など、個人や海外法人が名を連ねています。
14. 株主還元と配当方針
- 配当利回りや配当性向の分析
- 2024年の年間配当実績は8.00円であり、現在の株価に基づく配当利回りは0.85%です。
- 配当性向は27.75%です。
- 2025年12月期の期末配当予想は現時点で未定とされています。
- 自社株買いなどの株主還元策
- 決算短信には、特別配当や自社株買いに関する記載はありません。
- 株式報酬型ストックオプション等のインセンティブ施策
- 株式報酬型ストックオプションの有無については、提供データに記載がありません。
15. 最近のトピックスと材料
- 適時開示情報の分析(大型受注、新製品、拠点展開等)
- 2025年12月期第3四半期累計では、厚生労働省のEMIS関連大型受託事業が売上増に大きく貢献しました。
- 訪日外国人数の増加に伴う緊急医療対応の増加も好材料です。
- オペレーションへの生成AI導入による効率化は進行中であり、中長期的な競争力強化の材料となる可能性があります。
- これらが業績に与える影響の評価
- EMIS関連の大型受託や訪日客増加は、直近の売上高を大きく押し上げており、増収の主要因となっています。
- ただし、AI導入等の先行投資による売上原価や販管費の増加が、営業利益を圧迫しており、売上増益に対し営業減益という状況です。生成AIによる効率化効果の本格的な発現と、それが利益貢献に繋がる時期が今後の注目点となります。
16. 総評
日本エマージェンシーアシスタンスは、海外渡航者や訪日外国人向けの医療アシスタンスを主力とする企業です。コロナ禍からの回復期にあり、売上高は増加基調を示しています。特に官公庁からの大型受託やインバウンド需要の回復が事業を牽引しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)推進として生成AIの導入を進めており、中長期的な効率化と競争力強化を目指しています。
しかし、足元の業績では、売上は伸びているものの、AI導入費用や人件費増といった先行投資が利益を圧迫し、営業利益の進捗が通期予想に対して遅れています。ROEやROAも業界ベンチマークを大きく下回っており、収益性には課題があります。財務健全性は自己資本比率も高く、流動性も良好と比較的に安定していますが、短期借入金の存在は今後の資金繰り動向を注視する必要があるでしょう。
株価バリュエーションは、現在の株価が業界平均PER/PBRに比べて割高な水準にあります。市場の関心度は低いですが、経営陣の持株比率が高い傾向にあります。
- 好材料: 訪日・出国旅客数の回復、官公庁からの大型受託実績、生成AI導入による将来的な効率化期待、堅実な自己資本比率。
- 懸念材料: 営業利益率の低迷と進捗の遅れ、AI開発投資による一時的な利益圧迫、株価の割高感、信用売残が少ないことによる上値の重さ、市場関心度の低さ。
強み・弱み・機会・脅威(SWOT分析整理)
- 強み (Strengths)
- 海外医療アシスタンスにおける専門性と実績、国際ネットワーク
- クレジットカード会社や官公庁との強固な連携
- 安定した財務健全性(高い自己資本比率、良好な流動比率)
- 弱み (Weaknesses)
- 営業利益率の低さと利益の変動性
- 先行投資(AI開発、人件費)による短期的な利益圧迫
- 売上総利益率の低下傾向
- 機会 (Opportunities)
- 訪日外国人需要および海外渡航者数の本格的な回復
- DX推進(生成AI導入)による業務効率化と新規サービス創出
- ヘルスケア・アンチエイジング分野など新規需要の拡大
- 脅威 (Threats)
- グローバルでの感染症再拡大や地政学リスクによる渡航制限
- 競合他社との競争激化、価格競争
- AI開発の遅延や費用超過、期待通りの効果が得られないリスク
- 官公庁受託事業の失注や条件変更リスク
17. 企業スコア
- 成長性: A
- 売上高は前年同期比+25.0%と大きく伸長し、EMIS関連受託や訪日客増加が寄与。通期予想も増収を見込む。
- 収益性: C
- 営業利益率0.77%、ROE 2.80%、ROA 0.70%と、一般的なベンチマークを大幅に下回る水準。先行投資による利益圧迫が顕著。
- 財務健全性: A
- 自己資本比率47.2%は安定水準。流動比率1.85倍で流動性も良好。短期借入金は存在するものの、全体の安全性は高い。
- 株価バリュエーション: C
- PER 35.34倍は業界平均PER 15.0倍と比較して大幅に割高。PBR 1.34倍も業界平均PBR 1.2倍よりやや割高。算出した目標株価レンジと比較しても現在の株価は割高。
企業情報
| 銘柄コード | 6063 |
| 企業名 | 日本エマージェンシーアシスタンス |
| URL | https://emergency.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・参考情報)
将来のEPS成長と配当を予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 940円 |
| EPS(1株利益) | 26.60円 |
| 年間配当 | 8.00円 |
予測の前提条件
| 予想EPS成長率 | 8.0% |
| 5年後の想定PER | 15.0倍 |
5年後の予測値
EPS成長率と想定PERを基に算出した5年後の理論株価と累計配当です。
| 予想EPS | 39.08円 |
| 理論株価 | 586円 |
| 累計配当 | 51円 |
| トータル価値 | 637円 |
現在価格での試算リターン
現在の株価で購入した場合に期待できる年率換算リターン(CAGR)の試算値です。
| 試算年率リターン(CAGR) | -7.49% (参考:低水準) |
目標年率ごとの理論株価(参考値)
目標とする年率リターンを達成するための理論上の買値と、さらに50%の安全域を確保した価格です。
| 目標年率 | 理論株価 | 安全域価格 | 現在株価との比較 |
|---|---|---|---|
| 15% | 317円 | 158円 | × 算出価格を上回る |
| 10% | 395円 | 198円 | × 算出価格を上回る |
| 5% | 499円 | 250円 | × 算出価格を上回る |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.5)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。